指切りの彼

藤咲 ふみ

文字の大きさ
5 / 40

初めての体育祭、優勝の行方は?

しおりを挟む
 それからも競技はどんどんと進み、緑団はいつの間にか、トップの青団と何点か差にまで迫っていた。

「なんかいい感じじゃねぇ?緑団、勝てそうじゃねぇ!」

 柊がクラスを盛り上げる!
 そして僕らは午前の大勝負、クラス全員リレーに向かってゆく。

 大盛り上がりのグラウンドの中、僕は緊張しながら、自分のポジションでバトンを待つ。遠くから、柊が僕にブイサインして、やんちゃに笑った。
 僕はそれに、胸が高鳴った。
 好きだった。好きで好きで、たまらなかった。

 ねぇ、柊、お願いだから僕の気持ちに、気付かないで⋯!

 第一走者が駆け出した!緑団はいいスタートを切った。

「今、緑団と青団がトップを争っています!この戦い、見逃せません!」

 放送にも力が入る。
 そして、応援にも力が入る。

 「行けー緑団!」
「抜けー青団!」

 そんな感じで、緑団と青団はお互い抜きつ抜かれつのいい勝負で、柊の元にバトンが回った!
 柊にバトンが回った途端、女子が黄色い悲鳴を上げる!もう、キャー!って。
 その中を柊は華麗に駆け抜けてゆく。その姿がとても、かっこよかった。
 そして次の人にバトンを渡すと、近くにいた男友達と、ハイタッチして笑っていた。

 そんな僕の元にも、そろそろバトンが回って来る。僕は緊張しながらその時を待った。
 僕はバトンを受け取ると、たくさんの応援や声援の中、懸命に走った。その時緑団はトップを走っていた。
 バトンを落としたり、転んだりしないように⋯しっかりと次の人に繋げないと!僕は懸命に走った。その時聞こえた、僕の名前を叫ぶ、柊の声。

「いけー、蓮!走れー!」

 僕は涙をこらえて、最後まで走り抜けた。そして、次の人にバトンを渡した!
 走り切って息切れする僕の元に、柊がやって来て、ニッと笑って

「ほれ、ハイタッチ!」

 と言った。
 僕は震える手で、柊の両手に、自分の手を重ねた。

「お疲れ!蓮!ナイスファイト!」

 柊はそう言うと、僕に笑って、またみんなの輪の中に帰って行った。

 僕らのクラスは全員リレーで一等賞を取った!緑団のポイントに大いに貢献できた!
 それにみんなで大騒ぎして、全ての学年のクラスのリレーを見終えると、昼食休憩に向かって行った。

 昼食休憩を終えると、応援合戦が始まる!僕らはみんなで練習したダンスを踊って、みんなで作った旗を振って、応援合戦を楽しく盛り上げる。それはとても、楽しかった。

 そして午後の競技が始まると、盛り上がりは益々高まる。僕達緑団と青団はまさにデッドヒートを繰り広げ、勝敗は最後の、選抜リレーに委ねられた。
 どのクラスも手作りの旗を振って応援している。その中で、僕らは声を張り上げて、声援を送った。

「頑張れー、緑団!」

 いよいよ始まった選抜リレー、緑団は二番手、青団がトップを走っていた。

「青団いいぞー!」

 青団の声援が響く。
 それに負けじと、緑団も叫ぶ。

「緑団、抜けー!いけー!」

 そんな応援合戦の果て、緑団遂にトップの青団を抜いた!

「今トップを走っていた青団を、緑団が抜きました!この選抜リレーを勝った方の団が優勝です!果たして優勝はどちらの団になるのでしょうか?」

 僕らは懸命に声援を送った。柊がそんな僕の肩に手を回して、楽しそうに笑う。
 僕はそれに、照れた。でも、凄く、楽しかった!

 やがて緑団のアンカーが一着でゴールテープを切った!その瞬間、僕らは抱き合って喜んだ!

「ヤッター、緑団、優勝だー!」
 って!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

消えることのない残像

万里
BL
最愛の兄・大貴の結婚式。高校生の志貴は、兄への想いが「家族愛」ではなく「恋」であったと、失恋と同時に自覚する。血の繋がりという境界線、そして「弟」という役割に縛られ、志貴は想いを封印して祝福の仮面を被る。 しかし数年後、大貴の息子が成長し、かつての兄と瓜二つの姿となったとき、止まっていた志貴の時間は歪な形で動き出す。 志貴(しき):兄・大貴に長年片思いしているが、告げることなく距離を置いていた。 大貴(だいき):志貴の兄。10歳年上。既婚者で律樹の父。無自覚に人を惹きつける性格。志貴の想いには気づいていない。 律樹(りつき):大貴の息子。明るく素直だが、志貴に対して複雑な感情を抱く。

好きです、今も。

めある
BL
高校の卒業式に、部活の後輩・安達快(あだち かい)に告白した桐越新(きりごえ あらた)。しかし、新は快に振られてしまう。それから新は大学へ進学し、月日が流れても新は快への気持ちを忘れることが出来ないでいた。そんな最中、二人は大学で再会を果たすこととなる。 ちょっと切なめな甘々ラブストーリーです。ハッピーエンドです。

僕の恋人は、超イケメン!!

八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【完結】恋した君は別の誰かが好きだから

海月 ぴけ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。 青春BLカップ31位。 BETありがとうございました。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 二つの視点から見た、片思い恋愛模様。 じれきゅん ギャップ攻め

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

ひとりも、ふたりも

鈴川真白
BL
ひとりで落ち着く時間も、ふたりでいる楽しい時間も両方ほしい 1人を謳歌するマイペース × 1人になりたいエセ陽キャ

処理中です...