指切りの彼

藤咲 ふみ

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体育祭打ち上げ。今まで言えなかった思い。

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 その日の帰り、皆で優勝を祝って、学校の教室で打ち上げをした!
 お菓子にジュースを持ち込んで、楽しむだけの会だけど。

 先生達からは

「あんまり遅くまでやるなよ!」

 と、釘を刺された。
 でも僕らは限られたその時間と空間の中で、優勝を祝って、たっぷり楽しんだ。

 その途中で、僕は家の花屋の手伝いに帰ろうとした。それを、柊に引き留められた。

「なぁ今日も花屋、行くの?今日くらい⋯いいじゃん?ここに、いてよ?みんなでさ、楽しもうよ?優勝したんだぜ、俺達!」

 その柊の言葉と瞳に、僕は釘付けに、なった。動けなく、なった。

「帰ら、ない⋯今日は、柊と、みんなと、いっぱい、目いっぱい、お祝いする!」

 僕はそう言って、ニッコリ笑った。教室に吹き込んだ潮風が、なんだかちょっぴりセンチメンタルな気分を運んできた。
 それを吹き飛ばすように、柊が、いつものようにやんちゃに笑って、僕の手を引いて、みんなの輪に引き戻した。

「おーい、今日は蓮、まだ帰んないって!まだまだみんなで盛り上がるぞ!」

 その柊の声に、みんなはジュースの入った紙コップを高く掲げて、笑った。

 楽しい優勝祝いの宴の中で、僕は今まであまり話したことがなかった子とも、楽しく話せた。それがなんだか嬉しかった。

「田畑くんの切ってくれたフェルトの花、旗で大活躍だったよ!ありがとう!」

 女子の何人かに言われた時は、恥ずかしかったけれど、とても嬉しくて

「うん、たくさん飾ってくれていて嬉しかった!ありがとう!」

 と僕も笑った。

「なんだよ蓮、モテモテじゃん?やるなお前ー!」

 楽しそうな柊が、僕の肩に手を回して笑う。そして

「なぁ、写真撮ってよ!俺と、蓮のツーショット!」

 それにカメラを持った女子が微笑んで

「はい!撮るよー!笑って!」

 とカメラを構えた!
 僕は慌てて笑顔を作る。その時、インスタントカメラがカシャッと音を立てて、今が永遠に閉じ込められたことを、知った。

 どうしよう僕、変な顔、してなかったかな?

「ありがと!後で焼き増ししてな!」

 それにその子は笑顔で、はーい!と言って去って行った。

 しばらく続いた宴は、学校の先生の、そろそろ帰りなさい!の一言でお開きとなった。
 が、僕らはまだ遊ぶことをやめようとはしていなかった!

「花火家にあるんだ!取ってくるから、砂浜でやろうぜ!」

 柊のその言葉に、みんな盛り上がる。柊が一旦家に帰るから、またみんなで近くの浜辺集合なと、一旦解散をする。

 僕はその間に一度家に帰って、家族にこれからまたクラスメイトと打ち上げすると伝えに行った。
 とても、胸がドキドキした。こんなに悪いことをしたのは、生まれて初めてだったから。

 怒られたら、どうしよう⋯もし、許して貰えなかったら、どうしよう⋯!
 そう思ったら、不安で不安でたまらなかった。
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