指切りの彼

藤咲 ふみ

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幕を閉じる高校一年生の文化祭と君と見た大輪の花火。

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 翌日、僕と柊は当番がバラバラだったから、僕は今日は『ピンキーソーイング』のライブは見に行けなかった。それが少し残念だった。

 そんな僕は、今日もクラスの迷路の当番をこなすと、午後はクラスの友達と楽しく文化祭を回った。そしたらあっという間に文化祭二日目も終了の時間を迎えた。

 僕らは体育館に集まって、各賞の発表を待った。僕達のクラスは、ベストデザイン賞を受賞した!それにみんなで喜ぶ!
 そして、いよいよ閉会の言葉がかかると、本当に文化祭は幕を閉じた。

 でも本当のお楽しみはこれからだ!後夜祭!これから体育館でカラオケ大会や、青春の叫びなど色々な催しが行われた後、グラウンドで、花火が打ち上がるのだ!それをみんな楽しみにしている。
 柊が僕に聞いてきた。

「なぁ、蓮!お前まさか今日も後夜祭出ないで、花屋の手伝いに帰るとか言わないよな?」

 それに僕は微笑んで

「言わないよ!僕決めてるんだ!文化祭はね、目いっぱい楽しもうって!だから⋯帰んない!後夜祭まで、たっぷり楽しむ!」

 それに柊は安心したように、笑う。

「そっか!良かった!じゃあ盛り上がろうぜ!」

 それから始まった後夜祭に、僕らはたくさん笑って、たくさん楽しむ。
 段々と外が暗くなると、花火が打ちがる準備が始まる。それを合図に僕らはグラウンドに駆け出してゆく。

「花火、どっちに上がるかな?」

 ソワソワとする僕に、少し遠くで友達と追いかけっこしていた柊が、笑いながら僕に言う。

「どっかの空に上がるだろ!必す見えるって!」

って。
 その時放送がかかる。花火が打ち上がるから、カウントダウンをお願いします!と。
 それに僕らは、大きな声でカウントダウンを始める。

「五、四、三、二、一!」

 その瞬間、闇夜を割いて、美しい花火が乾いた破裂音と共に空に咲いた!
 それはとても、美しかった。

「わー、綺麗!」

 僕がピョンピョン跳ねながら手を叩くと、少し遠くにいたはずの柊がいつの間にか真後ろにいて、僕の肩に手を置いて、いつもみたいにやんちゃに笑う。

「お前ガキか!でも⋯その気持ち分かる!綺麗だな!花火!」

 その後も上がり続ける花火に、僕らは歓声を上げ続けた。

 ねぇ、柊、綺麗だね!でもこの綺麗はもうすぐ終わっちゃうね⋯あーあ、寂しいな⋯この瞬間全てを、小瓶かなにかに、閉じ込めておけたらいいのにな⋯。

 近くを見ると、美しい花火に照らされる、美しい柊がいて、それは本当に、素敵な瞬間の連続だった。
 神様に感謝しようと思った。柊に、柊と同じ瞬間に生きさせてくれて、ありがとうって、そう、感謝しようと思った。それで今という瞬間を、逃すことなく生きようと、胸に誓って、とびきり幸せに笑った。
 上がり続けては、散る、刹那的な瞬間の中を、僕は全力で生き抜こうと、柊にニッコリと笑った。

「綺麗だね!とっても綺麗だね!」

 そう笑い合いながら。
 そんな風に僕の初めての文化祭は幕を閉じた。
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