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高校最後の体育祭。君と交した優勝の指切り。
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今年も六月が近付く。体育祭が近い。ワクワクする。
でもそれと同時に、僕は進路もちゃんと考えていた。指定校推薦を使って、行きたい大学を受験しようと考えた。それは、柊も同じだったようで、柊も指定校推薦の枠での受験を考えていると言っていた。
「一応、こういうこともあると思って、普段から学校のテスト、手は抜かなかったんだ!」
柊は案外しっかりしたヤツだった。
でも指定校推薦は、推薦者に選ばれるかギリギリまで分からないから、普通の受験勉強もしっかりとしておこうと、僕は勉強の手も抜かなかった。
そんな今年もやって来る体育祭、それは高校生活最後の体育祭だった。
「今年は優勝、したいな⋯!」
僕はそっと、微笑みながらも、気合いを入れた。
そんな僕らは今年青団だった。
旗作りが始まると、絵が上手い子が真っ白な旗に青いキャラクターをたくさん描いて、埋めつくしてゆく。それが毎年のことながら、賑やかで、楽しい。
そんな僕も、青い綺麗なフェルトの花を切ってたくさん作った。
今年も柊はやっぱり絵は描けなかったけど、それでもいつもみんなの中心にいた。やっぱり、柊って凄いね!
そんな柊はよく、フェルトの花を作る僕の肩に腕を回して、楽しそうに笑っていた。その様子をクラスの写真部の女子が、楽しそうに一眼レフで写真に撮っていた。
「なんか⋯二人っていいね!」
って笑って。
それが僕は照れくさかったけれど、嬉しかった。柊との想い出は、全部宝物!
そんな風に僕らははしゃぎながら、体育祭の旗を作った。毎日、毎日。
そして、柊と一緒に家にも帰った。
「なぁ、今年はさ、絶対優勝!お互いの競技で一位とるって約束!」
夕暮れの海辺の道、柊が突然僕に小指を差し出した。
それに僕は
「うん!絶対優勝しよ!一位、約束!」
僕も柊の小指に、自分の小指を絡めて、笑った。
潮風がとても、気持ち良い季節だった。
その潮風に吹かれる柊の美しい横顔が、落ちてくる夕日に照らされる。
なんか、とても綺麗だって、思った。柊、綺麗だなって、改めて思った。
ねぇ、柊、いつか僕らは大人になるね!近い将来!そうなっても、柊はそのまま、美しいままで、いてね!
「なんだよ?」
柊が僕の視線に気付いて、やんちゃそうに笑って、こちらを見る。
「なんでも、ないよ!綺麗だなって、思っただけ!」
僕はそう言って、海を指さした。本当は、柊を指さしたんだけど⋯それは秘密。
そのまま僕らは美しくも、切ない、海に落ちる夕日を見つめた。いつまでも見つめた。
家に帰ると僕は勉強をした。指定校推薦での受験でなんとかなりそうだと、先生には言われたが、念の為だ!
毎日地道に作っていた旗も、とても賑やかに仕上がって来た。
「あと少しで完成だね!」
その言葉に、僕らは笑う。そして、もう少し作業を続ける。
そして遂にその日の放課後
「できたー!」
と言う声が上がって、旗が完成したことを知った!
それはとても素敵な、賑やかな真っ青なキャラクター達の、華やかな旗だった!
それに僕らは歓声を上げて、拍手する。
そして、完成を祝って、先生に写真部の子がカメラを渡すと、写真を撮って貰った!
「うん!いい想い出!」
僕はそう言って微笑んだ。
旗が完成すると、時はあっという間に流れ、体育祭本番を迎えた。
六月某日、今年もよく晴れた気持ちのいい日。高校生活最後の体育祭が、幕を開けた。
開会式の後、全体で準備体操をして、競技開始をドキドキしながら待った。
今年の僕の出場種目は、借り物競争とクラス全員リレー。
柊と約束したから!
「一位、とらなきゃ!」
僕は気合いを入れて、自分の種目開始を応援しながら待った。
青団は二位発進と、とてもいい感じで競技を進めていた。
そんな中で、柊が出場する障害物競走が始まろうとしていた。
様々な応援や声援の声の中、いよいよ柊の順番が回ってくると、いつもながら女子の叫びがグラウンド中に響き渡る。
「柊ー、いけー!」
その悲鳴にも似た声援の中、僕は柊に叫んだ。
その時スタートの合図がかかって、柊が走り出した。
みんな叫ぶ。
「いけー、柊!いけー!青団!」
その中を柊はいくつもの障害を華麗にかわして、軽々と駆けてゆく。
柊はとても、楽しそうだった。
そしてその勢いそのままに、一位でゴールテープを切った。
僕は柊に向けて叫んだ!
「柊やったー!一位だ!おめでとう!」
それに柊は、僕の方を見て、いつものやんちゃそうな笑顔を見せると、ブイサインした!
僕もそれに答えて、ニッコリ笑って、ブイサインした!
柊が応援席に戻って来る。みんな柊の一位に大盛り上がりだった!
「おい!蓮!俺やったぞ!一位!約束、守ったぞ!」
それに僕は柊の肩に自分の腕を回して、ニッコリ笑うと
「うん!見てた!凄いよ、柊は!本当にかっこいいや!おめでとう!」
そう言って強く抱き寄せた。
それを見た写真部の女子が
「いい瞬間、頂きました!」
と言って、その瞬間の僕らを、写真に収めた!
それはきっと、とてもいい写真だったと、思う。
でもそれと同時に、僕は進路もちゃんと考えていた。指定校推薦を使って、行きたい大学を受験しようと考えた。それは、柊も同じだったようで、柊も指定校推薦の枠での受験を考えていると言っていた。
「一応、こういうこともあると思って、普段から学校のテスト、手は抜かなかったんだ!」
柊は案外しっかりしたヤツだった。
でも指定校推薦は、推薦者に選ばれるかギリギリまで分からないから、普通の受験勉強もしっかりとしておこうと、僕は勉強の手も抜かなかった。
そんな今年もやって来る体育祭、それは高校生活最後の体育祭だった。
「今年は優勝、したいな⋯!」
僕はそっと、微笑みながらも、気合いを入れた。
そんな僕らは今年青団だった。
旗作りが始まると、絵が上手い子が真っ白な旗に青いキャラクターをたくさん描いて、埋めつくしてゆく。それが毎年のことながら、賑やかで、楽しい。
そんな僕も、青い綺麗なフェルトの花を切ってたくさん作った。
今年も柊はやっぱり絵は描けなかったけど、それでもいつもみんなの中心にいた。やっぱり、柊って凄いね!
そんな柊はよく、フェルトの花を作る僕の肩に腕を回して、楽しそうに笑っていた。その様子をクラスの写真部の女子が、楽しそうに一眼レフで写真に撮っていた。
「なんか⋯二人っていいね!」
って笑って。
それが僕は照れくさかったけれど、嬉しかった。柊との想い出は、全部宝物!
そんな風に僕らははしゃぎながら、体育祭の旗を作った。毎日、毎日。
そして、柊と一緒に家にも帰った。
「なぁ、今年はさ、絶対優勝!お互いの競技で一位とるって約束!」
夕暮れの海辺の道、柊が突然僕に小指を差し出した。
それに僕は
「うん!絶対優勝しよ!一位、約束!」
僕も柊の小指に、自分の小指を絡めて、笑った。
潮風がとても、気持ち良い季節だった。
その潮風に吹かれる柊の美しい横顔が、落ちてくる夕日に照らされる。
なんか、とても綺麗だって、思った。柊、綺麗だなって、改めて思った。
ねぇ、柊、いつか僕らは大人になるね!近い将来!そうなっても、柊はそのまま、美しいままで、いてね!
「なんだよ?」
柊が僕の視線に気付いて、やんちゃそうに笑って、こちらを見る。
「なんでも、ないよ!綺麗だなって、思っただけ!」
僕はそう言って、海を指さした。本当は、柊を指さしたんだけど⋯それは秘密。
そのまま僕らは美しくも、切ない、海に落ちる夕日を見つめた。いつまでも見つめた。
家に帰ると僕は勉強をした。指定校推薦での受験でなんとかなりそうだと、先生には言われたが、念の為だ!
毎日地道に作っていた旗も、とても賑やかに仕上がって来た。
「あと少しで完成だね!」
その言葉に、僕らは笑う。そして、もう少し作業を続ける。
そして遂にその日の放課後
「できたー!」
と言う声が上がって、旗が完成したことを知った!
それはとても素敵な、賑やかな真っ青なキャラクター達の、華やかな旗だった!
それに僕らは歓声を上げて、拍手する。
そして、完成を祝って、先生に写真部の子がカメラを渡すと、写真を撮って貰った!
「うん!いい想い出!」
僕はそう言って微笑んだ。
旗が完成すると、時はあっという間に流れ、体育祭本番を迎えた。
六月某日、今年もよく晴れた気持ちのいい日。高校生活最後の体育祭が、幕を開けた。
開会式の後、全体で準備体操をして、競技開始をドキドキしながら待った。
今年の僕の出場種目は、借り物競争とクラス全員リレー。
柊と約束したから!
「一位、とらなきゃ!」
僕は気合いを入れて、自分の種目開始を応援しながら待った。
青団は二位発進と、とてもいい感じで競技を進めていた。
そんな中で、柊が出場する障害物競走が始まろうとしていた。
様々な応援や声援の声の中、いよいよ柊の順番が回ってくると、いつもながら女子の叫びがグラウンド中に響き渡る。
「柊ー、いけー!」
その悲鳴にも似た声援の中、僕は柊に叫んだ。
その時スタートの合図がかかって、柊が走り出した。
みんな叫ぶ。
「いけー、柊!いけー!青団!」
その中を柊はいくつもの障害を華麗にかわして、軽々と駆けてゆく。
柊はとても、楽しそうだった。
そしてその勢いそのままに、一位でゴールテープを切った。
僕は柊に向けて叫んだ!
「柊やったー!一位だ!おめでとう!」
それに柊は、僕の方を見て、いつものやんちゃそうな笑顔を見せると、ブイサインした!
僕もそれに答えて、ニッコリ笑って、ブイサインした!
柊が応援席に戻って来る。みんな柊の一位に大盛り上がりだった!
「おい!蓮!俺やったぞ!一位!約束、守ったぞ!」
それに僕は柊の肩に自分の腕を回して、ニッコリ笑うと
「うん!見てた!凄いよ、柊は!本当にかっこいいや!おめでとう!」
そう言って強く抱き寄せた。
それを見た写真部の女子が
「いい瞬間、頂きました!」
と言って、その瞬間の僕らを、写真に収めた!
それはきっと、とてもいい写真だったと、思う。
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