指切りの彼

藤咲 ふみ

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大盛り上がりの体育祭!その中で突然訪れた君からの告白!

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「よし!次はお前の、蓮の番だ!借り物競争、頑張って来いよ!」

 僕はその言葉に、なんだかみるみる力がみなぎって来る感じがして、大きく頷いた。

「うん!僕も、頑張る!一位、とってくる!」

 それから競技は順調に進み、青団も順調にポイントを稼ぎ、一位の黄色団との差を少しずつ詰めていった。
 そんな僕の出場する借り物競争も、いよいよ招集がかかる。
 僕は応援席から立ち上がって、入場門へ向かう。
 その時柊が、僕にやんちゃな笑顔でグッドサインを送った。
 それに僕は笑顔で、それを返した。心の中で、一位、とってくるね!と思いながら。

 そして借り物競争は幕を開けた!
 順番が少しずつ僕に迫ってくる。とても、ドキドキした。
 一位をとるなんて、今までの人生で考えたことも、なかったから。
 でも、約束したから!だから、僕は

「頑張れる!」

 その時、僕の順番が回ってきた。
 声援や拍手がたくさん響く。その中を、スタートの合図で僕は勢いよく駆け出した!そして、フリップを拾った。
 そのフリップには「好きなもの」 と書かれていた!
 それに僕は一瞬固まった。

 僕の「好きなもの」⋯それは⋯一番に浮かんだのは応援席、叫んでいる、柊だった。でも

「それは⋯ダメだ!」

 そう思って他を探すと、父兄応援席に、学校に花を配達に来たついでに観戦をしていたんだろう、父親と、その手に握られた花束が目に入った!
 僕はそこに向かって、走った。

「今青団が『好きなもの』というフリップを拾い、それに向かって走っています!果たして青団の彼の『好きなもの』はなんなのでしょうか?」

 放送が熱を入れて喋った。
 僕は驚く父さんの手から花束をとると、言った。

「父さん、これちょっと借りるね!すぐ返すから!」

 そして、美しい花束を抱えると、懸命にゴール目指して走った。
 その時少し前に赤団がいた。僕は頑張って抜こうとした。でもあと少し、間に合わなかった。
 僕は、柊との約束を、守れなかった。一位、とれなかった。

 とても、悔しかった。情けなかった。一位がとれなかったのもそうだし、「好きなもの」柊の手をとれなかったことも、とても、後悔してる。だって僕の一番「好き」は、柊だから!

 ねぇ、柊、情けない僕で、ごめんね。でも怖かったんだ。君の手を、柊の手をとって、拒まれるのがとても、怖かったんだよ!

 僕は情けない気持ちを引きずったまま、応援席に戻った。すると柊がとても怒っていた。

「ちょっと後ろ来い!」

 僕らは人気が少ない体育倉庫前で話した。

「ごめんね、柊、一位、とれなくて⋯約束、守れなくて⋯!」

 それに柊は

「別に俺はそれを怒ってるんじゃねぇよ!それじゃなくて⋯なんで『好きなもの』で俺を選ばなかったんだよ?お前は俺のこと、好きじゃねぇのかよ?好きなの、俺だけかよ?」

 それに僕は目を見開く!

「えっ!勿論柊のことは好きだよ!でも⋯僕の好きと、柊の好きはきっと違うから⋯だから⋯勇気が出なくて、手、とりに行けなかった⋯怖くて柊の手、握りに行けなかった!なんだ!柊も違う意味ではあっても、僕のこと好きでいてくれたんだね!じゃあ、ちゃんと柊、借りれば良かった!」

 そう言って僕が笑うと、柊は真顔で僕に言った。

「何が違うんだよ?お前の好きって何?俺の好きは、抱きしめたいとか、キスしたいとか、そういう好きだよ?なぁ、お前の、蓮の好きってなんなんだよ?友達の好き?」

 それに僕は驚く。柊が、まさか僕をそんな風に思ってたなんて!それって僕ら

「両想い⋯だね⋯。僕も、同じ、だから⋯僕の好きも、同じだから⋯!僕も、抱きしめたいし、キスしたい⋯恋愛感情で、柊が好きなんだ、ずっと!」

 その言葉に、柊が僕にやんちゃに笑って、僕に言う。

「あのさ、一年の時の、体育祭の線香花火のお願い、今使っていい?俺の恋人に、なってよ!そんでさ、おれの宝物になってよ!」

 僕はそれにニッコリ笑って、まるで夢見てるみたいな気分のまま、大きく頷いた。

「はい!僕で良ければ、よろしくお願いします!僕も柊のこと、宝物!でも柊、そんなことにお願い、使っちゃっていいの?もっとここぞって時、あるかもしれないよ?」

 それに柊は

「あー、うるせぇな!いいんだよ!俺はお前が、蓮が何より欲しいの!やった、手に入った!蓮は今日から俺のもの!」

 柊はそう言うと、愛おしそうに、僕の手をギュッと握った。
 それに僕は、フフッと笑った。
 熱い戦いが繰り広げられるグラウンドの片隅で、僕らは二人、ヒッソリととても、幸せだった。幸せになったと、この時は確かに、思っていた。

 僕らが応援席に戻った時、青団は首位に立っていた!

「おー逆転してる!」
 柊が嬉しそうに手を叩いた!
 僕もそれに笑って頷く。

「よし、このままどんどん引き離そうぜ!」

 柊がみんなを盛り上げる!
 そして競技は進み、青団は順調にポイントを伸ばし、午前中残るはクラス全員リレーのみになった!
 僕らはみんなでハイタッチし合って、それぞれのポジションに着いた。
 グラウンド中溢れる声援や歓声。その中を、第一走者が駆け出す。
 青団は二位と、中々にいい順位でスタートを切った!

「いけー青団!」

 僕の叫びに、他の団も叫ぶ。
 そのうちに青団は、トップを走っていた団を抜いた!
 それに応援の声は更にヒートアップする!
 そろそろ柊にバトンが回る!僕は恋人になった柊に、精一杯の声援を送った。

「いけー、柊!走れー!」

 柊の登場に、やっぱり女子がキャーッと悲鳴を上げた。
 その中を柊は華麗に駆け抜ける。とても楽しそうに、活き活きと。その姿が、とても素敵だった。

 ねぇ、柊、僕ら両想いなんだね!今でも夢みたい!信じられないや!でも、本当なんだよね!これから楽しいこと、いっぱい待ってるよね?幸せだな?

 僕は笑いながら、柊を応援する。未来に希望を、いっぱい抱いて。
 その時柊が、次の人にバトンを渡した。
 そして、いつも通り、やんちゃな笑顔で僕にブイサインした!
 それに僕もニッコリ笑って、ブイサインを返した!

 柊、かっこいい!僕の彼は⋯世界一かっこいいよって、思いながら。
 そろそろ僕にもバトンが回って来る。

「蓮、落ち着いて、行け!」

 柊が僕に叫ぶ。
 その時、僕にバトンが回ってきた。
  僕は受け取ったバトンを大切に握って、走った。
 その時、たくさんの声援が僕に集まる。その中を、僕は一位をキープしたまま走った。
 柊が叫んだ。

「蓮、いけー!走れー!」

 それに僕は頷く!そして笑って最後まで駆け抜けた!

 ねぇ、柊、僕今青春してる、きっと!これってもう二度と戻らない時だよね?僕、駆け抜けてるよ!とっても、楽しいよ!

 僕は楽しく最後まで駆け抜けると、次の人にバトンを渡した。
 僕はグラウンドの真ん中で柊と抱き合うと、笑い合った。

「柊、僕ね、青春の喜びみたいなの感じちゃった!今しかない瞬間を駆け抜ける感じ!楽しかったよ、とっても!」

 それに柊は笑う。

「そうか、良かったな!蓮も素敵な青春できて!よし!このまま勝っちまおうぜ!」

 その後僕らはその場で目いっぱい声援を送る!僕らのクラスはそのままトップでゴールテープを切った!
 それにみんなで大声を上げて喜んだ!
 ワーッ!
 って。
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