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第12話 幼き操言士と解かれた波動
6.密出国(上)
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「本当に、一年前と同じ乱れ方だったのね?」
操言士奈美からの連絡を受けた操言士団団長のコリン・シュトルツは天女の間に立ち、ふよふよと空中に浮かんでいるいくつもの波動符を見上げた。風もないのにそよぐその様は、先ほどおおいに乱れたとは思えないくらい優雅だ。
「間違いありません。落ち着いた直後に波動符並べも行いました。乱れた操言の力は北東のンディフ墓地付近で使われたもの。主は〝特別な操言士〟です」
「そう……」
コリンは、真偽を確かめるために自分自身の手で波動符並べを行いたいと思った。だが奈美の腕が未熟なわけではないし、波動符並べで嘘の結果は出ない。間違いはないのだろう。
「ンディフ墓地……カルディッシュの操言士ムクトルが亡くなり、生前からの本人の希望によってそこへ遺灰を埋めてほしいということだったらしいね」
「それと特別な操言士が、どう関係しているのでしょうか」
波動符はオリジーアの操言士が操言の力を使うたびに、操言士が発する操言の力の波動を感知し、反応する。強い波動を感じ取れば大きく揺れるし、攻撃の意思を伴った波動なら赤の、治癒するための波動なら緑の光を放つなど、操言士の思惑や感情さえも反映する。オリジーアにある生活器の中で、最も高度な生活器だ。
修了試験に合格した新米操言士に操言ブローチが授与される際、その場で操言の力を使わせることで、操言ブローチの色は本人の瞳の色と同じになる。それと同じように、あらかじめ用意された空の波動符には、新米操言士の波動が記憶される。そうして波動符一枚と操言士一人が結び付き、ここ天女の間で波動を感知、つまり監視される。国民を傷つけるような操言の力の使われ方がされるとすぐさま波動符官がそれを察知し、操言士と操言士の居場所を特定する。こうして操言士の悪行は防がれているのである。
波動符を考案した操言士はかなり昔の人物で、あまりにも高度な技術であったためなかなか継承されず、一時は失われる危機であったという。ところが、コリンがまだ若かりし頃に、ある操言士が波動符の扱いについて体系的にまとめて以来、波動符を扱える操言士を育成することができるようになった。
波動符の扱いを集中的に訓練し、その技術を完全習得した操言士は波動符官と呼ばれる。その波動符官だけが可能とする特殊技術が、この天女の間にある波動符と操言の力を使った「波動符並べ」だ。専用の波動符を用いる一種の占いのようなものだが、波動符並べは未来ではなく、過去を明らかにする。何が起きたのか、過去の事象を探るための手段のひとつなのだ。
「コリン団長、今から波動符並べを行いますか」
「いいえ。一年前のあの時も、結局詳細はわからなかった。いま波動符並べを行ったところで、同じ結果でしょう。何かがあった……それさえわかればよしとします。次の監視者に必ず引き継ぎをして、また反応があったら教えなさい」
コリンは無表情で奈美にそう指示を出すと、操言ローブをひるがえして天女の間を出た。
夏の夜が始まり、昼間の暑さがやわらいで過ごしやすい時間帯だ。王都ベラックスディーオを見下ろす王城内には、明灯器が灯り始めている。
(あの子がいれば……)
コリンはふとある人物の顔を思い浮かべた。父と母のどちらに似たのか、小さい頃から器用で呑み込みの早い操言士で、波動符官を目指して訓練をさせていたら、今頃は波動符をもっと素晴らしい生活器へと発展させてくれていたかもしれない。
(いえ、あの子は死んだ……死んだのよ)
コリンは自分に言い聞かせる。
どんなに才能のある操言士でも、折れた心を元に戻すことはできない。
どんなに器用な操言士でも、死んだ人間を生き返らせることはできない。
壊れたものは、壊れたままだ。
心は、身体が活動を止める瞬間までただ痛み続けるだけ。
そしてそんな風に「心」を蔑ろにしたのはほかでもない、コリン自身だった。
◆◇◆◇◆
夢を見た気がする。
まだ自分の力で自由に歩くことができないほど、小さい頃の夢だ。
誰かがいるのはわかるのだが、彼らが何者なのかはわからない。
ふと、灰色でちくちくとした何かが胸の中に広がった。
苦しくて、怖くて、不快で、泣き始める。
それが少し続いたかと思うと、今度は寒くなった。
とても寒くなってふいに強い眠気を感じ、為す術もなく眠ってしまう。
安らかな無は死に似ていた。
「すまん……すまん、ユルゲン」
何に対しての謝罪なのか。
それは誰の声なのか。
疑問は形にならず、静かに消えていく。
◆◇◆◇◆
ンディフ墓地での戦闘から一夜が明ける。
住民の少ないキフェラ集落では、時を知らせる鐘の音は鳴らない。
夜明けとともに目覚めた王黎とエリックは、紀更、ルーカスの順で二人を起こした。
キフェラ集落の南に船があると信じて始海の塔らしきものに向かうわけだが、その行き先と行き方の不審さは、人には説明しがたい。そのため紀更たちは、まだ集落にいるエレノアや、長のトニー・アトキンソンには何も告げずに発とうという心積もりだった。
静かに荷物をまとめると、王黎とエリックは即席担架でミズイヌ型の紅雷を運び出した。ルーカスはなんとか一人で歩き、紀更はクロナガミミギツネ型のユルゲンを腕に抱いて、共同営舎を出てキフェラ集落の南を目指す。
昨日、潤が紀更を連れて歩いた道をまっすぐ進んで坂道を下りきると、やがて浜辺にたどり着いた。漣の打ち寄せては引いていく規則正しい音が、静かな朝を奏でている。
本当なら何もないはずの浜辺なのだろうが、徐々に高さを増してくる日差しに照らされて、妙に立派な木の桟橋が沖まで伸びていた。そしてその橋の先には、始海の塔から港町ウダまで紀更たちを運んでくれた不思議な船が、客人を出迎えるような佇まいで待機していた。
「まさか、本当にあるとはな」
「いや~。ほんと何なんですかね、始海の塔って。不思議すぎて笑いが止まりませんよ」
王黎は上機嫌に笑顔をこぼした。
昨日の紀更の主張はこじつけだと思ったが、蓋を開けてみれば紀更の推測通り船があり、待ってましたと言わんばかりだ。理解しがたくも、目の前で実現されては否定しようのない事象をエリックはなんとか受け止めた。
「さて、再び招かれてみますかねえ」
紅雷を乗せた担架を桟橋にひとまず下ろし、王黎は呟いた。すると、キフェラ集落の方から何人かの足音が聞こえてきた。
「王黎さん!」
船に向かっていた紀更たちが背後を振り返ると、そこに現れたのはカルディッシュの操言士と騎士たち、そして足元に潤を連れたエレノアだった。
「これは……たまげました」
「船ですか。どうしてこんなところに」
カルディッシュの操言士たちが、気の抜けた声で呟いた。モンタ漁村に行けば、漁業用の小さな船を見る機会はある。だが、人の移動や荷物の運搬を目的とした大きな船を見るのは珍しいことなのだろう。エレノアの足元にいる潤も、スカイブルーの目をまん丸に開いて海の上に浮かぶ巨大な塊を見つめている。
エレノアが王黎に近付き、悲しげにほほ笑んだ。
「王黎さん、お声かけしてくださればよかったのに」
「いや、でも」
「お手伝いしますよ。紅雷さんを船に乗せればいいんですよね?」
頼ってくれたらよかったのに、と言って、カルディッシュの騎士たちが桟橋を渡り、紅雷を乗せた担架を協力して持ち上げる。
「すみません、ありがとうございます」
息を合わせる騎士たちを見守りながら、紀更は礼を述べた。
騎士たちは昨日の戦いで奮戦し負傷した紅雷を十分に気遣って、なるべく衝撃を与えないように慎重に、担架を船に運び入れた。
「黙って行くつもりだったんですか」
「ええ、まあ」
エレノアに問われて、砂浜の上の王黎はぽりぽりと頬をかいた。
セカンディア領の方に見えた始海の塔に行くことは、エレノアやトニーたちに告げるつもりはなかった。サーディアにある始海の塔の話はしたが、同じ塔がセカンディアの領土に見えたと説明して信じてもらうことは、困難だと思ったからだ。それに、セカンディアの領土を目指すと知られれば、裏切りの操言士扱いされかねない。
「水くさいですね。どこへ何しに行くかは言わなくても、別れぐらいはすませるべきですよ。これが今生の別れになったらどうするんですか」
エレノアは腰に手を当てて、少しだけ怒りを見せた。つい最近祖父を亡くしたばかりのエレノアにそう言われると、王黎としては非常に気まずかった。
「エレノアさん、操言士団には僕から必ず連絡を入れます。だから、昨日見たことや僕らが今日ここを出発することは、内密にしてもらえませんか」
王黎がそう頼むと、エレノアはじっと王黎の目を見つめた。
「タクト支部長にはお話しさせていただきます。その方が、あなた方の力になれると思いますから」
「それはまあ、仕方ないですね」
「この船は何なのか、この船に乗って皆さんがどこへ何しに行くのか、そもそも昨日の戦闘は何だったのか……問いただして明らかにしたいところですが」
エレノアは王黎の背後、桟橋の上に立つ紀更を一瞥した。
「全部終わって、いつか教えてくれたらそれでいいですよ。すべてを解き明かしたいと願うカルディッシュの操言士の好奇心に誓って、必要以上のことは言い広げないようにします。その代わり、いつか必ず、すべて教えてもらいますからね!」
「ありがとうございます」
語気を強めるエレノアに、王黎は苦笑した。
騎士たちによって一行の荷物も船に上げられる。それから、エリックに支えられてルーカスも船に乗り込んだ。そのあとを追って船に乗り込んだエリックに紀更はクロナガミミギツネ型のユルゲンを託すと、桟橋を小走りで渡り、まだ砂浜にいる王黎の隣に立った。その紀更の姿を見て、潤がエレノアの足元から飛び出してくる。
操言士奈美からの連絡を受けた操言士団団長のコリン・シュトルツは天女の間に立ち、ふよふよと空中に浮かんでいるいくつもの波動符を見上げた。風もないのにそよぐその様は、先ほどおおいに乱れたとは思えないくらい優雅だ。
「間違いありません。落ち着いた直後に波動符並べも行いました。乱れた操言の力は北東のンディフ墓地付近で使われたもの。主は〝特別な操言士〟です」
「そう……」
コリンは、真偽を確かめるために自分自身の手で波動符並べを行いたいと思った。だが奈美の腕が未熟なわけではないし、波動符並べで嘘の結果は出ない。間違いはないのだろう。
「ンディフ墓地……カルディッシュの操言士ムクトルが亡くなり、生前からの本人の希望によってそこへ遺灰を埋めてほしいということだったらしいね」
「それと特別な操言士が、どう関係しているのでしょうか」
波動符はオリジーアの操言士が操言の力を使うたびに、操言士が発する操言の力の波動を感知し、反応する。強い波動を感じ取れば大きく揺れるし、攻撃の意思を伴った波動なら赤の、治癒するための波動なら緑の光を放つなど、操言士の思惑や感情さえも反映する。オリジーアにある生活器の中で、最も高度な生活器だ。
修了試験に合格した新米操言士に操言ブローチが授与される際、その場で操言の力を使わせることで、操言ブローチの色は本人の瞳の色と同じになる。それと同じように、あらかじめ用意された空の波動符には、新米操言士の波動が記憶される。そうして波動符一枚と操言士一人が結び付き、ここ天女の間で波動を感知、つまり監視される。国民を傷つけるような操言の力の使われ方がされるとすぐさま波動符官がそれを察知し、操言士と操言士の居場所を特定する。こうして操言士の悪行は防がれているのである。
波動符を考案した操言士はかなり昔の人物で、あまりにも高度な技術であったためなかなか継承されず、一時は失われる危機であったという。ところが、コリンがまだ若かりし頃に、ある操言士が波動符の扱いについて体系的にまとめて以来、波動符を扱える操言士を育成することができるようになった。
波動符の扱いを集中的に訓練し、その技術を完全習得した操言士は波動符官と呼ばれる。その波動符官だけが可能とする特殊技術が、この天女の間にある波動符と操言の力を使った「波動符並べ」だ。専用の波動符を用いる一種の占いのようなものだが、波動符並べは未来ではなく、過去を明らかにする。何が起きたのか、過去の事象を探るための手段のひとつなのだ。
「コリン団長、今から波動符並べを行いますか」
「いいえ。一年前のあの時も、結局詳細はわからなかった。いま波動符並べを行ったところで、同じ結果でしょう。何かがあった……それさえわかればよしとします。次の監視者に必ず引き継ぎをして、また反応があったら教えなさい」
コリンは無表情で奈美にそう指示を出すと、操言ローブをひるがえして天女の間を出た。
夏の夜が始まり、昼間の暑さがやわらいで過ごしやすい時間帯だ。王都ベラックスディーオを見下ろす王城内には、明灯器が灯り始めている。
(あの子がいれば……)
コリンはふとある人物の顔を思い浮かべた。父と母のどちらに似たのか、小さい頃から器用で呑み込みの早い操言士で、波動符官を目指して訓練をさせていたら、今頃は波動符をもっと素晴らしい生活器へと発展させてくれていたかもしれない。
(いえ、あの子は死んだ……死んだのよ)
コリンは自分に言い聞かせる。
どんなに才能のある操言士でも、折れた心を元に戻すことはできない。
どんなに器用な操言士でも、死んだ人間を生き返らせることはできない。
壊れたものは、壊れたままだ。
心は、身体が活動を止める瞬間までただ痛み続けるだけ。
そしてそんな風に「心」を蔑ろにしたのはほかでもない、コリン自身だった。
◆◇◆◇◆
夢を見た気がする。
まだ自分の力で自由に歩くことができないほど、小さい頃の夢だ。
誰かがいるのはわかるのだが、彼らが何者なのかはわからない。
ふと、灰色でちくちくとした何かが胸の中に広がった。
苦しくて、怖くて、不快で、泣き始める。
それが少し続いたかと思うと、今度は寒くなった。
とても寒くなってふいに強い眠気を感じ、為す術もなく眠ってしまう。
安らかな無は死に似ていた。
「すまん……すまん、ユルゲン」
何に対しての謝罪なのか。
それは誰の声なのか。
疑問は形にならず、静かに消えていく。
◆◇◆◇◆
ンディフ墓地での戦闘から一夜が明ける。
住民の少ないキフェラ集落では、時を知らせる鐘の音は鳴らない。
夜明けとともに目覚めた王黎とエリックは、紀更、ルーカスの順で二人を起こした。
キフェラ集落の南に船があると信じて始海の塔らしきものに向かうわけだが、その行き先と行き方の不審さは、人には説明しがたい。そのため紀更たちは、まだ集落にいるエレノアや、長のトニー・アトキンソンには何も告げずに発とうという心積もりだった。
静かに荷物をまとめると、王黎とエリックは即席担架でミズイヌ型の紅雷を運び出した。ルーカスはなんとか一人で歩き、紀更はクロナガミミギツネ型のユルゲンを腕に抱いて、共同営舎を出てキフェラ集落の南を目指す。
昨日、潤が紀更を連れて歩いた道をまっすぐ進んで坂道を下りきると、やがて浜辺にたどり着いた。漣の打ち寄せては引いていく規則正しい音が、静かな朝を奏でている。
本当なら何もないはずの浜辺なのだろうが、徐々に高さを増してくる日差しに照らされて、妙に立派な木の桟橋が沖まで伸びていた。そしてその橋の先には、始海の塔から港町ウダまで紀更たちを運んでくれた不思議な船が、客人を出迎えるような佇まいで待機していた。
「まさか、本当にあるとはな」
「いや~。ほんと何なんですかね、始海の塔って。不思議すぎて笑いが止まりませんよ」
王黎は上機嫌に笑顔をこぼした。
昨日の紀更の主張はこじつけだと思ったが、蓋を開けてみれば紀更の推測通り船があり、待ってましたと言わんばかりだ。理解しがたくも、目の前で実現されては否定しようのない事象をエリックはなんとか受け止めた。
「さて、再び招かれてみますかねえ」
紅雷を乗せた担架を桟橋にひとまず下ろし、王黎は呟いた。すると、キフェラ集落の方から何人かの足音が聞こえてきた。
「王黎さん!」
船に向かっていた紀更たちが背後を振り返ると、そこに現れたのはカルディッシュの操言士と騎士たち、そして足元に潤を連れたエレノアだった。
「これは……たまげました」
「船ですか。どうしてこんなところに」
カルディッシュの操言士たちが、気の抜けた声で呟いた。モンタ漁村に行けば、漁業用の小さな船を見る機会はある。だが、人の移動や荷物の運搬を目的とした大きな船を見るのは珍しいことなのだろう。エレノアの足元にいる潤も、スカイブルーの目をまん丸に開いて海の上に浮かぶ巨大な塊を見つめている。
エレノアが王黎に近付き、悲しげにほほ笑んだ。
「王黎さん、お声かけしてくださればよかったのに」
「いや、でも」
「お手伝いしますよ。紅雷さんを船に乗せればいいんですよね?」
頼ってくれたらよかったのに、と言って、カルディッシュの騎士たちが桟橋を渡り、紅雷を乗せた担架を協力して持ち上げる。
「すみません、ありがとうございます」
息を合わせる騎士たちを見守りながら、紀更は礼を述べた。
騎士たちは昨日の戦いで奮戦し負傷した紅雷を十分に気遣って、なるべく衝撃を与えないように慎重に、担架を船に運び入れた。
「黙って行くつもりだったんですか」
「ええ、まあ」
エレノアに問われて、砂浜の上の王黎はぽりぽりと頬をかいた。
セカンディア領の方に見えた始海の塔に行くことは、エレノアやトニーたちに告げるつもりはなかった。サーディアにある始海の塔の話はしたが、同じ塔がセカンディアの領土に見えたと説明して信じてもらうことは、困難だと思ったからだ。それに、セカンディアの領土を目指すと知られれば、裏切りの操言士扱いされかねない。
「水くさいですね。どこへ何しに行くかは言わなくても、別れぐらいはすませるべきですよ。これが今生の別れになったらどうするんですか」
エレノアは腰に手を当てて、少しだけ怒りを見せた。つい最近祖父を亡くしたばかりのエレノアにそう言われると、王黎としては非常に気まずかった。
「エレノアさん、操言士団には僕から必ず連絡を入れます。だから、昨日見たことや僕らが今日ここを出発することは、内密にしてもらえませんか」
王黎がそう頼むと、エレノアはじっと王黎の目を見つめた。
「タクト支部長にはお話しさせていただきます。その方が、あなた方の力になれると思いますから」
「それはまあ、仕方ないですね」
「この船は何なのか、この船に乗って皆さんがどこへ何しに行くのか、そもそも昨日の戦闘は何だったのか……問いただして明らかにしたいところですが」
エレノアは王黎の背後、桟橋の上に立つ紀更を一瞥した。
「全部終わって、いつか教えてくれたらそれでいいですよ。すべてを解き明かしたいと願うカルディッシュの操言士の好奇心に誓って、必要以上のことは言い広げないようにします。その代わり、いつか必ず、すべて教えてもらいますからね!」
「ありがとうございます」
語気を強めるエレノアに、王黎は苦笑した。
騎士たちによって一行の荷物も船に上げられる。それから、エリックに支えられてルーカスも船に乗り込んだ。そのあとを追って船に乗り込んだエリックに紀更はクロナガミミギツネ型のユルゲンを託すと、桟橋を小走りで渡り、まだ砂浜にいる王黎の隣に立った。その紀更の姿を見て、潤がエレノアの足元から飛び出してくる。
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