9 / 13
ありがとうって言いたいだけの話
しおりを挟む
今、日本は卒業シーズン。もれなく、私のところの中学校も先日、大好きな先輩方が卒業した。
さんざん弱っちぃ僕に手厚く教えてくれたあの先輩、笑い合ったあの先輩、僕に先見の明を投じて、クラブチームに参加しようとしたあの先輩。クラブには入らなかったけど。頭の中央に堂々と鎮座している先輩が、もうこれから徐々に崩れてゆく。
そんな3年生の卒業式の日は、雷の轟轟とした音で目覚めて、みぞれの光を浴びて、大雪の中を登校する。3月下旬とはとても思えない日だった。お天道様も悲しんでくれているのかなぁ。
それでも、先輩方は晴れて卒業してた。
と、ここまで3年生の話ばかりしてたけど、焦点を僕らに当てる。僕ら2年生も終了となり、3年生になる。このクラスに名残惜しさが残る。何より楽しかった、笑った、泣きは、強がってしなかったけど今が泣き出しそうな気分だ。
4月。
ちょっとワクワクした気分でクラス替えの紙を受け取る。2年6組。生徒欄を見ると、全員友達の友達ばかりだし、当時好きだった人とも一緒じゃないし。
はっきり言って最悪な始業式だった。始業式の日は、終始無言であった。
そこから、これほどこの文字が似合うのは今までの人生でなかったであろう、『憂鬱の日々』が待っていた。昼休みや、授業と授業の合間の10分間の休憩でさえも、1年生の時に仲良くなった友達のところへ一目散に走っていた。
でも幸いにも、僕らのクラスは僕と同じ境遇の人がたくさんいた。(自分がそう思っているだけ)ちょっとの勇気を振り絞って、そいつらに話しかけたら、そいつらは僕を受け入れてくれた。(自分でそう思っているだけ)そうしていつしか、廊下に出向かうのも無くなっていった。桜の散るのと共に。皮肉にも、桜は消えていくが僕は増えていく一方、その逆である。
5月。運動会があった。
元から僕は足が速いと豪語していたので、その名に恥じぬような結果を残し、いい運動会になれたと思う。この日の直後ぐらいかどうかに男女4対3で遊ぶという歴史的出来事があった。1年の時の僕の友達付き合いが功を奏したのだろう。早くもこの頃からこのクラスはこの学年の中でも1番だって思えた。
6月。僕のこの1年間で最も争ったと言っても過言じゃないだろう、多分永遠のライバルが現れた。
転校生で、頭がいいと噂の人。定期テストで争ってみたら、案の定負けた。でもそれで今の自分の学力があるし、勉強のモチベーションにもなれた。
7月。林間学校があった。
2泊3日で長野に行った。家族も先生もいない、友達だけの空間で寝泊まりをとすると、青春が生まれる。恋バナもしたし、クラスの相関図だって分かった。向こうは僕をどう思っているのだろう、そう考えると、胸の音がキュンとした。
8月。江戸川花火大会を見に行った。
僕はこれがこの中学校2年生の1年間の中で1番楽しかった遊びである。というもの、この3日後に僕の推し、湊あくあが卒業したからにある。満天に打ち上がっては儚く消えゆく花火に推しとの思い出が積みさなっては消えゆくようで涙が込み上がってきた。
開催地に向かう行き道の揺れる黄昏時の電車内、みんなでマックを買って青臭い雑草生える河川敷の夜、そこで寝そべて見える名前も知らない星、そのどれにもノスタルジックなものがあった。また来年、行けるなら行きたいけど、受験だから無理か。またその限定感からにも、僕が1番楽しく感じた理由なんだと思う。
9月。ぼくのマンネリ化して冷凍化した恋に、新しいものが芽生えた気がした。
まだその時の自分は気づけてなかったけど、きっかけといえばこの頃に当たる。何かと話してて楽しかったし、僕の好きなタイプ、程よく自身のことが好きで程よく僕に構ってくれる。ってのに当てはまってた気がした。9月に恋の種は蒔かれ、発芽は3ヶ月後、12月の話である。
10月。9月に紹介したマンネリ化して冷凍化した旧式の恋に終止符が打たれた。
古くからの親友とディズニーに行ってたら、なんかそいつから知ってしまった。でも冷め切ってて恋と呼べない不良品だったから、そんなに落ち込まなかった。ディズニーが楽しくてその日中に吹っ飛んだ。帰り道に聞いたRADWIMPSの『SUMMER DAZE』とONE OK ROCKの『欲望に満ちた青年団』に惚れた日だった。馬鹿みたいに青春してて、馬鹿みたいにその雰囲気にマッチしてた音楽だった。
11月。部活の大会の成績が良くて都大会に行くのが決まった。
初めてのことに心が躍動した。まだ見ぬ新舞台に地を付けるのがあまりにも未曾有なことで、その日は眠れなかったのが鮮明に覚えています。この頃が勉強の成績も良くて、文武両道が熟せていた。そんな僕をここまで連れてってくれた顧問が今年で異動になるって今日知って、今も心が萎れています。
12月。僕の新たな恋が発芽した。
クリスマス間近の日に、友達と遊びに行ってそこで友達に半ば強引に連絡先を交換してもらった。最初は自分の変なLINEで相手を困らせて、それに勝手に帰って自分が嗚呼、自分はもうダメだ。なんて思って芽から葉っぱはできるどころか土に埋まちゃっていたな。懐かし!!
1月。僕の恋の花に葉っぱが生えた。
その肥料は相手側からの突拍子もない『あけおめ』だったけど、今思えばあれは不自然ではなく、むしろしない方が違和感が生じる状況下だったから相手の好意どうこうは関係なかったけど、とにかくこれが無かったらここまでお自分の恋は成長してないと思う、大きなターニングポイントだった。
2月。バレンタインの日に自分の世界観を形作る壮大な子供の劇があった。
陳腐な劇だと昔なら思っていたし、周りの人もそう思っていたと思うけど、子供の頃の経験を忘れるな!軽んじるでない!と、酷く痛感させてくれた。絶対卒業文集にします…
そして最後に3月。
言いたいことを書き綴った。ここまで僕は一言もありがとうって言ってない。でも、この1年に僕の思いを乗せるならそれは『ありがとう』である。11月の今年限りで異動する部活の顧問もしかり、クラスメイトにも、ありがとうって伝えたい。まず、イメージカラー青の永遠のライバルだったり、大好きなイメージカラーオレンジあの人だったり、イメージカラー緑のお世話になった多分僕の師匠だったり、イメージカラー紫のロジカルお歌のおにいさんだったり、それぞれ色が合わさってできた美しい雨上がりの虹へ。
伝えきれないほど多い人たちに、伝えきれないほど多いありがとうを伝えたい。
修了式まであと3日。1年間の中でやり残したいことはあるかい?自分。
さんざん弱っちぃ僕に手厚く教えてくれたあの先輩、笑い合ったあの先輩、僕に先見の明を投じて、クラブチームに参加しようとしたあの先輩。クラブには入らなかったけど。頭の中央に堂々と鎮座している先輩が、もうこれから徐々に崩れてゆく。
そんな3年生の卒業式の日は、雷の轟轟とした音で目覚めて、みぞれの光を浴びて、大雪の中を登校する。3月下旬とはとても思えない日だった。お天道様も悲しんでくれているのかなぁ。
それでも、先輩方は晴れて卒業してた。
と、ここまで3年生の話ばかりしてたけど、焦点を僕らに当てる。僕ら2年生も終了となり、3年生になる。このクラスに名残惜しさが残る。何より楽しかった、笑った、泣きは、強がってしなかったけど今が泣き出しそうな気分だ。
4月。
ちょっとワクワクした気分でクラス替えの紙を受け取る。2年6組。生徒欄を見ると、全員友達の友達ばかりだし、当時好きだった人とも一緒じゃないし。
はっきり言って最悪な始業式だった。始業式の日は、終始無言であった。
そこから、これほどこの文字が似合うのは今までの人生でなかったであろう、『憂鬱の日々』が待っていた。昼休みや、授業と授業の合間の10分間の休憩でさえも、1年生の時に仲良くなった友達のところへ一目散に走っていた。
でも幸いにも、僕らのクラスは僕と同じ境遇の人がたくさんいた。(自分がそう思っているだけ)ちょっとの勇気を振り絞って、そいつらに話しかけたら、そいつらは僕を受け入れてくれた。(自分でそう思っているだけ)そうしていつしか、廊下に出向かうのも無くなっていった。桜の散るのと共に。皮肉にも、桜は消えていくが僕は増えていく一方、その逆である。
5月。運動会があった。
元から僕は足が速いと豪語していたので、その名に恥じぬような結果を残し、いい運動会になれたと思う。この日の直後ぐらいかどうかに男女4対3で遊ぶという歴史的出来事があった。1年の時の僕の友達付き合いが功を奏したのだろう。早くもこの頃からこのクラスはこの学年の中でも1番だって思えた。
6月。僕のこの1年間で最も争ったと言っても過言じゃないだろう、多分永遠のライバルが現れた。
転校生で、頭がいいと噂の人。定期テストで争ってみたら、案の定負けた。でもそれで今の自分の学力があるし、勉強のモチベーションにもなれた。
7月。林間学校があった。
2泊3日で長野に行った。家族も先生もいない、友達だけの空間で寝泊まりをとすると、青春が生まれる。恋バナもしたし、クラスの相関図だって分かった。向こうは僕をどう思っているのだろう、そう考えると、胸の音がキュンとした。
8月。江戸川花火大会を見に行った。
僕はこれがこの中学校2年生の1年間の中で1番楽しかった遊びである。というもの、この3日後に僕の推し、湊あくあが卒業したからにある。満天に打ち上がっては儚く消えゆく花火に推しとの思い出が積みさなっては消えゆくようで涙が込み上がってきた。
開催地に向かう行き道の揺れる黄昏時の電車内、みんなでマックを買って青臭い雑草生える河川敷の夜、そこで寝そべて見える名前も知らない星、そのどれにもノスタルジックなものがあった。また来年、行けるなら行きたいけど、受験だから無理か。またその限定感からにも、僕が1番楽しく感じた理由なんだと思う。
9月。ぼくのマンネリ化して冷凍化した恋に、新しいものが芽生えた気がした。
まだその時の自分は気づけてなかったけど、きっかけといえばこの頃に当たる。何かと話してて楽しかったし、僕の好きなタイプ、程よく自身のことが好きで程よく僕に構ってくれる。ってのに当てはまってた気がした。9月に恋の種は蒔かれ、発芽は3ヶ月後、12月の話である。
10月。9月に紹介したマンネリ化して冷凍化した旧式の恋に終止符が打たれた。
古くからの親友とディズニーに行ってたら、なんかそいつから知ってしまった。でも冷め切ってて恋と呼べない不良品だったから、そんなに落ち込まなかった。ディズニーが楽しくてその日中に吹っ飛んだ。帰り道に聞いたRADWIMPSの『SUMMER DAZE』とONE OK ROCKの『欲望に満ちた青年団』に惚れた日だった。馬鹿みたいに青春してて、馬鹿みたいにその雰囲気にマッチしてた音楽だった。
11月。部活の大会の成績が良くて都大会に行くのが決まった。
初めてのことに心が躍動した。まだ見ぬ新舞台に地を付けるのがあまりにも未曾有なことで、その日は眠れなかったのが鮮明に覚えています。この頃が勉強の成績も良くて、文武両道が熟せていた。そんな僕をここまで連れてってくれた顧問が今年で異動になるって今日知って、今も心が萎れています。
12月。僕の新たな恋が発芽した。
クリスマス間近の日に、友達と遊びに行ってそこで友達に半ば強引に連絡先を交換してもらった。最初は自分の変なLINEで相手を困らせて、それに勝手に帰って自分が嗚呼、自分はもうダメだ。なんて思って芽から葉っぱはできるどころか土に埋まちゃっていたな。懐かし!!
1月。僕の恋の花に葉っぱが生えた。
その肥料は相手側からの突拍子もない『あけおめ』だったけど、今思えばあれは不自然ではなく、むしろしない方が違和感が生じる状況下だったから相手の好意どうこうは関係なかったけど、とにかくこれが無かったらここまでお自分の恋は成長してないと思う、大きなターニングポイントだった。
2月。バレンタインの日に自分の世界観を形作る壮大な子供の劇があった。
陳腐な劇だと昔なら思っていたし、周りの人もそう思っていたと思うけど、子供の頃の経験を忘れるな!軽んじるでない!と、酷く痛感させてくれた。絶対卒業文集にします…
そして最後に3月。
言いたいことを書き綴った。ここまで僕は一言もありがとうって言ってない。でも、この1年に僕の思いを乗せるならそれは『ありがとう』である。11月の今年限りで異動する部活の顧問もしかり、クラスメイトにも、ありがとうって伝えたい。まず、イメージカラー青の永遠のライバルだったり、大好きなイメージカラーオレンジあの人だったり、イメージカラー緑のお世話になった多分僕の師匠だったり、イメージカラー紫のロジカルお歌のおにいさんだったり、それぞれ色が合わさってできた美しい雨上がりの虹へ。
伝えきれないほど多い人たちに、伝えきれないほど多いありがとうを伝えたい。
修了式まであと3日。1年間の中でやり残したいことはあるかい?自分。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる