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第2章
別人
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逃げ出した夜は、川沿いの森で野宿した。
逃げ切ったとはいえ、まだ落ち着けない。懐中電灯を地面に突き立てて、明かりを確保し、銃のメンテナンスをして感情を整理する。
いざ寝ようと思って困った。
テントが誉が持ってきた1~2人用のテントだけなのだ。
一応太陽も男だし、誉も女なのである。
ましてや太陽は、誉の事を女として気になり始めていた。
誉に
「一緒に寝る?」
と言われた時はマジで焦った。物がその気になって、彼女の太ももに当たりそうだったからだ。2人の関係はぶち壊れるぞ。
結局その夜は、太陽が元々野宿して暮らしていたということもあり、誉の心配を他所に、太陽は外で寝る事になった。
次の日は気持ちのいい晴れだった。ボートはやがて、ガソリンが切れ、2人で川沿いに歩き、日が暮れる頃には、新東京、昔の呼び方だと、京都府に着いた。
東京都は、余りに熱を発しすぎて、周りに雨雲があると、吸い付けてしまうようになってしまった。よって、ドエル大改革の際、
首都は京都へ変り、東京都は、暑い、雨が多い、人がいないという状況に陥り、政府も公式に廃都市として認めている。
廃都市は一般的に、用無し人間の住処という認識があり、そこに住む人々は軽蔑されている。俺のようにだ。
新東京は金さえあればなんでも出来た。通貨は$となり、日本ではなく、外国のようだった。決して悪い意味ではなく、いい意味でだ。荷物を駅のロッカーに入れ、カフェに入り、暑いコーヒーを英語で注文する。
30度を超える中、ホットコーヒーを注文する人は流石に他におらず、店員にhotとiceが分かっていないのではないかと思われた。
だが、生憎俺は、アイスコーヒーは飲めないので、(何故かは分からないが、好きになれない)
蒸し暑い中、熱すぎる茶色の液体を啜る。
この後は、不動産に行って、安いアパートを借りる。
別人にならなくては
体が休息を求めていた。頭も時間を求めていた。
アパートを借りて1週間後だった。
死んだ筈の彼が帰ってきたのは
逃げ切ったとはいえ、まだ落ち着けない。懐中電灯を地面に突き立てて、明かりを確保し、銃のメンテナンスをして感情を整理する。
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と言われた時はマジで焦った。物がその気になって、彼女の太ももに当たりそうだったからだ。2人の関係はぶち壊れるぞ。
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30度を超える中、ホットコーヒーを注文する人は流石に他におらず、店員にhotとiceが分かっていないのではないかと思われた。
だが、生憎俺は、アイスコーヒーは飲めないので、(何故かは分からないが、好きになれない)
蒸し暑い中、熱すぎる茶色の液体を啜る。
この後は、不動産に行って、安いアパートを借りる。
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