インシツな指先

カゲマル

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はじまり

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「はぁ……」

 馬鹿でかいため息が自然と溢れる。
 ああ、ムラムラすんなぁ……。
 口癖のように心で呟きながら、のろのろと窓を開ける。だが、もちろんそれで気は晴れない。
 最近さらに性欲が強くなった気がすんなぁ。
 年をとると落ち着くと思っていたのだが、そうでもないらしい。
 ま、不都合は特にない。
 今は楽しみもあるからな。
 俺はだらだら支度をして家を出た。

 ・・・

「おはよーございまーす」
「おう」

 すれ違う女生徒に挨拶を返す。
 ここが俺の職場、擂鉢高校だ。
 数年前に女子高が共学となり、男女比7対3となった俺のオアシス。まあ、あまり露骨すぎると気持ち悪がられるがな。
 一応、生徒達からはそこまで嫌われていない(と思う)。顔はあれだがガタイはそこそこいいので、男子からはそこそこ恐れられているのが都合がいい。
 同僚とはまあぼちぼちの関係だ。飲み会は半々の参加率だし、プライベートではたまに一緒に出かけたりする。
 ……いや、おっさんの話はここらへんでいいだろう。
 俺がここをオアシスなんて呼ぶ理由は一つ。
 ここが性欲の捌け口として、最高の場所だからだ。

 ・・・

 今日はさっそく一限目から体育の授業がある。
 よしよし。今日も腕が鳴る。
 グラウンドに出ると、女子生徒達がわらわらと集まっていた。
 その様子に、胸と下腹部の辺りが熱くなる感覚がしたが、それを悟られぬように、無表情の仮面を被った。

「おーい、お前ら始めるぞー。整列しろー」

 あまり気合いは入れない。この方が今の若者には丁度いい。暑苦しいのは俺も好かん。

「じゃあ広がって体操始めるぞー」

 生徒からまばらに返事が聞こえ、ゆったりと体操ができる範囲に広がっていく。
 よし、きた。
 しっかりウォーミングアップをするよう、指示を出しながら、生徒達の間を歩いていると、やがて前屈になる。

「しっかり伸ばせよー!」

 ここだけはしっかり指示を出す。おっと言いながらムラムラしてきやがった。
 前屈状態になると、女子の体操服の尻越しに、パンティーラインが浮かび、中々の絶景になる。ブルマの時代に戻らねえかなぁ。
 その中で、俺は1人の女子生徒に目を向けた。
 名前は高木レイナ。アジア系の外国人の血が混じったハーフだ。目鼻立ちのくっきりした美人でスタイルもエロい。地味めのグループでつるんでいるが、男子生徒からもひそかに人気がある。
 ……相変わらずいいケツしてやがる。
 俺は再びしっかり伸ばすよう指示を出しながら、ゆたっくりと彼女の方へと歩き出した。
 
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