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よし、買い物完了。さて、 は……あれ、いない?
すぐに嫌な予感がして、俺はさっきの売り場へと早歩きで向かった。
すると、 は商品を探すふりをしながら、店員の尻をチラチラ見ていた。何だ、あれは。新手のガン見だな。俺から見ても気持ち悪い。
「おい」
「あっ、し、師匠!買い物終わったんですか?」
「ああ。はやく行くぞ」
「……は、はい」
申し訳なさそうに俯きながらも、 は手の甲をさりげなく店員の尻に当てて俺の前を歩いた。
店員の方は をちらりと見たが、明らかに学生っぽいからか、何も言わずに仕事に戻った。
その後、俺もさりげなく同じことをやったら、しばらく背中に視線を感じた。
・・・
「ふぅ……師匠のおかげで何とか踏みとどまれました」
「いや、あれを踏みとどまったとは言わんだろ。お前はもっと我慢を覚えろ」
「師匠に言われるのは複雑だけど……わかりました」
だろうな。我慢できてないからこんなことをやってるんだから。俺には言われたくないだろう。
「まあ、あれだ。やるなら慎重にやれという話だ。なるべく長く楽しみたいだろ?」
「……………………はいっ」
は晴れやかな笑顔を見せて、威勢よく返事をした。一応教師としては、その姿を学校でも見せてくれるといいと思うんだが……。
・・・
仕事が終わり、家に帰ると、依頼のメールが来ていることに気づいた。
依頼人は……どうやら初めての奴らしい。ん?待てよ、この名前どこかで……あっ。
・・・
翌日、仕事帰りに指定された喫茶店に立ち寄ると、依頼人はもうテーブルに着いて、こちらに片手をあげた。
そこに座っているのは、やや肥満気味ではあるが、知的な彫りの深い顔立ちをした男だ。男はふさふさの白髪を撫で、無表情でこちらを見ている。
席に座り、コーヒーを頼むと、ようやく男は相好を崩した。
「いやあ、まさかあなたがあの変態請負人なんて」
「まあな。まさか、たまに行く病院の院長から依頼されるとはな。ていうか、俺はそんな呼び方をされてたのか」
「ええ。あなたはその界隈では有名ですからね」
「…………」
どんな界隈だよ。あとその汚らわしい二つ名は今すぐにでも返上したい。まあ、それはそれとして……
「依頼は何なんです?まあ想像つきますけど」
「ええ。我が病院のナースを一人残らず盗撮して欲しい」
「…………」
そんな某司令官みたいにダンディな雰囲気で言わなくていいだろうに。見た目全然かっこよくねえし。
「……構わないですけど、さすがに全員は難しいですね。あれだけの規模の病院何日間か通わないといけない。しかも依頼メールには一週間以内と書いていた。何故ですか?」
「実は……」
院長は深刻そうに表情を曇らせてから言った。
「ナース服が……スカートからズボンに変わることが正式に決定したんです」
……店内の気温が少しだけ下がった気がした。
すぐに嫌な予感がして、俺はさっきの売り場へと早歩きで向かった。
すると、 は商品を探すふりをしながら、店員の尻をチラチラ見ていた。何だ、あれは。新手のガン見だな。俺から見ても気持ち悪い。
「おい」
「あっ、し、師匠!買い物終わったんですか?」
「ああ。はやく行くぞ」
「……は、はい」
申し訳なさそうに俯きながらも、 は手の甲をさりげなく店員の尻に当てて俺の前を歩いた。
店員の方は をちらりと見たが、明らかに学生っぽいからか、何も言わずに仕事に戻った。
その後、俺もさりげなく同じことをやったら、しばらく背中に視線を感じた。
・・・
「ふぅ……師匠のおかげで何とか踏みとどまれました」
「いや、あれを踏みとどまったとは言わんだろ。お前はもっと我慢を覚えろ」
「師匠に言われるのは複雑だけど……わかりました」
だろうな。我慢できてないからこんなことをやってるんだから。俺には言われたくないだろう。
「まあ、あれだ。やるなら慎重にやれという話だ。なるべく長く楽しみたいだろ?」
「……………………はいっ」
は晴れやかな笑顔を見せて、威勢よく返事をした。一応教師としては、その姿を学校でも見せてくれるといいと思うんだが……。
・・・
仕事が終わり、家に帰ると、依頼のメールが来ていることに気づいた。
依頼人は……どうやら初めての奴らしい。ん?待てよ、この名前どこかで……あっ。
・・・
翌日、仕事帰りに指定された喫茶店に立ち寄ると、依頼人はもうテーブルに着いて、こちらに片手をあげた。
そこに座っているのは、やや肥満気味ではあるが、知的な彫りの深い顔立ちをした男だ。男はふさふさの白髪を撫で、無表情でこちらを見ている。
席に座り、コーヒーを頼むと、ようやく男は相好を崩した。
「いやあ、まさかあなたがあの変態請負人なんて」
「まあな。まさか、たまに行く病院の院長から依頼されるとはな。ていうか、俺はそんな呼び方をされてたのか」
「ええ。あなたはその界隈では有名ですからね」
「…………」
どんな界隈だよ。あとその汚らわしい二つ名は今すぐにでも返上したい。まあ、それはそれとして……
「依頼は何なんです?まあ想像つきますけど」
「ええ。我が病院のナースを一人残らず盗撮して欲しい」
「…………」
そんな某司令官みたいにダンディな雰囲気で言わなくていいだろうに。見た目全然かっこよくねえし。
「……構わないですけど、さすがに全員は難しいですね。あれだけの規模の病院何日間か通わないといけない。しかも依頼メールには一週間以内と書いていた。何故ですか?」
「実は……」
院長は深刻そうに表情を曇らせてから言った。
「ナース服が……スカートからズボンに変わることが正式に決定したんです」
……店内の気温が少しだけ下がった気がした。
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