インシツな指先

カゲマル

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vsセクハラ野郎

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「よし、行くか」

 気合が入ったのか、わざわざ独り言まで呟いてから俺は立ち上がった。
 そこからは割と順調だった。
 たしかにこの病院は美人が多いな。顔採用というのも頷ける。一瞬だけ転職を考えてしまったくらいだ。
 とはいえ、あの学校に高木を始めとした戦力が割といるからな。
 それに一般人として病院に入る口実は作れても、学校に入る口実なんか作れないからな。よし、転職はなしだ。
 エスカレーターで2階に上がると、こちらも患者がそれなりにいて、忙しそうな空気が漂っていた。
 確かこの階にはアイドルみたい可愛いのがいるらしいんだが、どこにいるんだろうな。
 辺りをキョロキョロ探してみると、奥の病室から声が聞こえてくる。ただの話し声とは明らかに違った。
 声のする方に近づいていくと、何を喋っているのかハッキリわかってきた。

「や、やめてくださいよ……ご家族に報告しますよ?」
「別にいいだろ、これくらい。こちとら入院生活のストレスでストレス溜まってんだから」
「いやっ……!」

 死角からこっそり様子を窺うと、狡そうな目つきのオッサンが、地味めだが可愛い看護師のスカートの中に手を突っ込み、尻をまさぐっていた。
 ……今時こんなセクハラ野郎いるのかよ。嘆かわしい。
 とりあえず自分の事は那棚の上に置き、俺は病室へと足を踏み入れた。

「失礼します。病室の点検をさせていただきます」
「あっ、はい」

 俺の姿を見るや、オッサンはすぐにスカートから手を抜き、何事もなかったかのように大人しくなった。こちらを恨めしそうな目で見てきましたが、俺は気にしない。似たようなことは俺もあるからな。手の甲で触ろうとして前から人が来た時は、そいつを呪い殺してやりたくなる。
 看護師が仕事を再開したので、俺はスカートの中にカメラを向け、ベッドやらを点検するふりをしてから、手の甲で形のいい尻を撫でてその場を後にした。

「失礼しました」
「あっ、は、はい……」

 看護師は少し不審がっていたが、特に何か声をかけてくるようなことはなかった。

 ・・・

 今さっきの……わざと、なのかな?
 その前は助けてくれたような気がしたんだけど……なんかいやだな。
 この患者さんもいい加減にしてほしいけど、制服もズボンに変わるし、前よりはマシになるかな?

 ・・・

 なかなかいい女だったな。ああいうのは狙い目だったりするんだよ。機会があればもう一回くらい行っとくかな?おっとその前にターゲットを……。
 すると、まるで狙い澄ましたかのようにその女はそこにいた。
 
 
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