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side フレディエック・ルーク・クライブ
家族と離れて学院に到着した。寮の受付をし部屋の鍵を渡され、荷物は寮の使用人が運ぶので、貴重品だけを持って部屋に行くよう言われた。
215号室、僕のこれからのお城だ。姉様からのクッキーは、割れるといけないので、貴重品と共に自分で部屋に運んだ。
一年生は必ず二人部屋で協調性を学ぶ、同室の人と仲良くなったら一年間は楽しく、あっという間に過ぎるのにたいして、気が合わないと一年間がとても長く感じるらしい。
気が楽に生活をできるように、ほぼ同じ爵位や近い爵位の者で部屋が決められると聞いていたので、安心していた。
既に同室者がいたので、
「フレディエック・ルーク・クライブです。フレディと呼んでください。一年間よろしく」
「僕はグレイシス・ライル・シェルエルトです。グレイと呼んでくれ。こちらこそ、よろしく。あと、僕には兄が居るんだが、もしかしたら、部屋にたびたび来るかもしれないが、気にしないでほしい」
一年間仲良く過ごせるよう、元気に挨拶をした。向こうも元気に、挨拶を返してくれたのだが、名前を聞いた途端、僕は、ビックリしてしまった。
シェルエルト公爵家の令息ではないか。爵位が近いもの同士の部屋割りでどうしてと、思わず部屋を出て鍵の番号と部屋番号を確認してしまった。部屋の中から、
「部屋は間違ってないよ。今年から爵位に関係なく組み合わせをしてみることにしたみたいだよ。
一気に全部は難しいから、先ずは僕と君みたいだね。
僕はフレディと仲良く過ごせると思うのだけど」
僕はなんて言っていいのか、返事に困ってしまった。姉様が甘いものは、心にゆとりをもたせてくれるのよと言う言葉を思い出し、
「ビックリしてしまって、すみません。では、お言葉に甘えて、グレイと呼ばせてもらいますね。同室になった記念にお茶でも飲みましょう。クッキーもありますよ」
ひとまず、深呼吸して、お茶の準備をしようとした。
グレイはクッキーと聞くと、人を呼んでもいいかと聞くので、友達でも連れてくるのだろうと了承したら、何と兄のレイモンド先輩と第二王子殿下を連れてきたのだ。
僕の心は極限状態に陥ったといってもよいくらいだ。グレイは、そんな僕にお構いなしに、レイモンド先輩と殿下を紹介してくれた。
本来なら自分から挨拶をしなければならないのに、とんだ失態をしてしまった。
レイモンド先輩は、挨拶よりもクッキーが気になるらしく、クッキーの入った缶を不思議そうに見ていた。
「弟の友達だし、僕もフレディと呼んでもいいかい?」
気さくに話しかけてくれるが、僕は緊張してしまって頷くばかり、姉様の、『甘いものを食べてると幸せよ』という言葉が頭の中をクルクルと回り、
「良かったらお茶を入れる間にクッキーでも食べててください」
マトモに話せたうちに深呼吸して、お茶をいれよう。
グレイが手伝うよと言って、ついてきてくれた。
「ごめん、フレディがあそこまで緊張するなんて思わなかったから、二人の事は、身分を気にしないで、先輩とお茶してるみたいな感じで、大丈夫だから」
「ありがとう、緊張しすぎて、また失敗してしまったら、フォローしてもらえると助かります」
「僕に対しても、気軽に接して。助かりますではなく、助かるよって感じで」
グレイはそう言ってくれたけど、なかなか難しいよ。
家族と離れて学院に到着した。寮の受付をし部屋の鍵を渡され、荷物は寮の使用人が運ぶので、貴重品だけを持って部屋に行くよう言われた。
215号室、僕のこれからのお城だ。姉様からのクッキーは、割れるといけないので、貴重品と共に自分で部屋に運んだ。
一年生は必ず二人部屋で協調性を学ぶ、同室の人と仲良くなったら一年間は楽しく、あっという間に過ぎるのにたいして、気が合わないと一年間がとても長く感じるらしい。
気が楽に生活をできるように、ほぼ同じ爵位や近い爵位の者で部屋が決められると聞いていたので、安心していた。
既に同室者がいたので、
「フレディエック・ルーク・クライブです。フレディと呼んでください。一年間よろしく」
「僕はグレイシス・ライル・シェルエルトです。グレイと呼んでくれ。こちらこそ、よろしく。あと、僕には兄が居るんだが、もしかしたら、部屋にたびたび来るかもしれないが、気にしないでほしい」
一年間仲良く過ごせるよう、元気に挨拶をした。向こうも元気に、挨拶を返してくれたのだが、名前を聞いた途端、僕は、ビックリしてしまった。
シェルエルト公爵家の令息ではないか。爵位が近いもの同士の部屋割りでどうしてと、思わず部屋を出て鍵の番号と部屋番号を確認してしまった。部屋の中から、
「部屋は間違ってないよ。今年から爵位に関係なく組み合わせをしてみることにしたみたいだよ。
一気に全部は難しいから、先ずは僕と君みたいだね。
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僕はなんて言っていいのか、返事に困ってしまった。姉様が甘いものは、心にゆとりをもたせてくれるのよと言う言葉を思い出し、
「ビックリしてしまって、すみません。では、お言葉に甘えて、グレイと呼ばせてもらいますね。同室になった記念にお茶でも飲みましょう。クッキーもありますよ」
ひとまず、深呼吸して、お茶の準備をしようとした。
グレイはクッキーと聞くと、人を呼んでもいいかと聞くので、友達でも連れてくるのだろうと了承したら、何と兄のレイモンド先輩と第二王子殿下を連れてきたのだ。
僕の心は極限状態に陥ったといってもよいくらいだ。グレイは、そんな僕にお構いなしに、レイモンド先輩と殿下を紹介してくれた。
本来なら自分から挨拶をしなければならないのに、とんだ失態をしてしまった。
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「弟の友達だし、僕もフレディと呼んでもいいかい?」
気さくに話しかけてくれるが、僕は緊張してしまって頷くばかり、姉様の、『甘いものを食べてると幸せよ』という言葉が頭の中をクルクルと回り、
「良かったらお茶を入れる間にクッキーでも食べててください」
マトモに話せたうちに深呼吸して、お茶をいれよう。
グレイが手伝うよと言って、ついてきてくれた。
「ごめん、フレディがあそこまで緊張するなんて思わなかったから、二人の事は、身分を気にしないで、先輩とお茶してるみたいな感じで、大丈夫だから」
「ありがとう、緊張しすぎて、また失敗してしまったら、フォローしてもらえると助かります」
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グレイはそう言ってくれたけど、なかなか難しいよ。
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