【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

成実

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sideフレディ

 あっという間の休みだった。

 レイモンド先輩に、外出届けを出して遊びにおいでと誘われた時は、どうしようと思ったけど、学院に帰って来て、あんなに悩んだのが嘘みたいに、楽しく感じられた。

 久しぶりの我が家、姉様の作ったケーキ、毎日側にあった物だからこそ、離れてみて大切な事に気づけた。

 グレイは、いつ帰ってくるかな?

 僕の、父上とグレイの父上が友達だった。僕の事、親友だって言ってくれた。学院に来てからも、嬉しいことばかりだ。

 姉様は絶対ありえないみたいに話していたけど、もし、レイモンド先輩と姉様が婚約でもしたら、僕は、レイモンド先輩の弟で、グレイと親戚になるかもしれないだ。

 いけない、いけない、姉様は恋愛結婚したいと言っていたんだから、姉様の気持ちを大切にしよう。

「ただいま、フレディ早かったんだね」

「おかえり、グレイ。何か不思議だね。

 昨日も今日も会ってるのに、部屋で会うグレイが久しぶりで、何か嬉しい」

「ありがとう。僕もフレディと会えて嬉しいよ。

 今日はいきなり行ってごめんな。父上と母上まで一緒に行くといい出して。

 フルーツケーキをさんざんお代わりして、シュークリームも美味しかったけど、フルーツケーキも美味しかったよ。

 お土産のフルーツケーキで、兄上が少し拗ねてね。

 自分だけ、フレディの家に行ってないって。

 多分、お菓子目当てだと思うけど、フレディの事、弟みたいに気に入ってるから、そのうち遊びに行きたいと言い出すよ。

 その時は相談にのるよ。兄上は少し変わってるけど、良い人なんだよ、だから迷惑かけるけど、よろしくな」

「全然、迷惑じゃないよ。

 レイモンド先輩優しいしね。

グレイがうちに遊びに来てくれて、父上が喜んでたんだ」

「え、クライブ伯爵がかい?父上達が、いるからかめちゃくちゃ緊張してたけど」

「うん、宰相閣下には、いつも領地の書類で色々とあるからね、仕事の関係で緊張してたよ。

 父上はグレイに会えて喜んでいたんだ。

 父上がグレイをみて、グラックそっくりだと言ってたよ。

 父上とグレイの実の父君は、学院時代の友達なんだって。
 父上はフランクと言うんだけど、グレイの父君には、フランって呼ばれていて。

 僕達が同級生だから、自分達と同じように友情を育むかもしれないねと、夜会で会った時に話してたんだって。

 だから、君がうちに来てくれた時、グレイの父君が遊びに来てくれた気がしたみたい。

 宰相閣下のことは、グレイの父君から、不思議な人だけど、信頼出来る人だと説明を受けていたけど、現在も掴みどころがなくて、緊張するらしいよ」

 僕は、父上に聞いた話をグレイにした。

 すると、グレイの顔から笑みが消えた。いつも笑顔を絶やさないのに。

 そんなグレイの様子を見て、不安になった。

「ビックリした。クライブ伯爵が、実の父上と友達だったんだ。

 フランって名前聞いたことある。まだ、父上が生きていた頃、僕に学院には良い出会いがあるんだよって言ってた。

 自分はフランに会えて、すっごく楽しい学生生活を送ったって。

 王都の祭りに二人で平民の恰好をして、お酒を飲んで酔い潰れて、寮を抜け出したのがバレて怒られた事とか、色々話してくれたんだ。

 フランの息子と、僕が同級生だから、友達になるかもしれないって。

 すっごく良いやつの息子だから、絶対友達になるぞって言ってたんをだ。

 家名を聞いてなかったから、すっかり忘れてた。

 父上の言っていた、フランはクライブ伯爵だったんだね。

 その息子はフレディなんだ。すごい、父上がきっと良い友情を結べると言っていた通りになった。

 何か、亡くなった父上の話が聞けて嬉しい。また、フレディの家に遊びに言ってもいい?

 今度は、父上と母上にバレないように行くから、伯爵に、もっと亡くなった父上の話が聞きたいよ」

 グレイの亡くなった父君も、父上の事を話してたんだ。

「もちろんだよ。父上も喜ぶよ。グレイをみて、父君そっくりだと懐かしそうに話してたんだ。

 何か二人で、色々やらかしたりしたみたい。その時の手紙とかも父上取ってあるだって言ってた。

 結局使うことがなかった、何でも願いを叶える手紙とかもあるって。

 今度遊びに来たときに見せて貰うように言っておくね。

 僕とグレイが学院で仲良しだから、父上は昔の自分達を見ているようだって言ってたんだ」

 何か何時ものグレイとは違った感じがしたけど、亡くなられた父君の話だったから、色々悲しいことも思い出したのかも。

 目が、少し赤くなっていたのに気づいたけど、何も言わないで側にいた。

 そうだ、こういう時こそ、姉様のお菓子を食べよう。

「グレイ、お茶を入れるよ。新しい味のクッキーもあるよ。姉様がいつも、美味しいお菓子は、心が和むのよって言ってるんだ。

 まだ、僕達はお酒が飲めないから、お茶とお菓子で、友情をあたためよう」

グレイが笑ってくれた。いつもの笑顔だ。

姉様、美味しいお菓子をありがとう。
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