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しおりを挟む待ちにまった週末です。クローバーデーの夜の出来事を思い出すと、ドキドキします。早くレイモンドに会いたいです。
デビューの時に履く靴も出来上がったので、ダンスの時に履いて練習します。
ドレスショップのマダムからの連絡があり、来週にドレスの最終チェックをします。レイモンドのハンカチーフもお願いしてあるので、それも忘れずに確認しましょう。
馬車の音が聞こえます。いつも時間に正確ですね。レイモンドが馬車から降りてくる姿は、いつ見てもカッコイイです。
「ディア、会いたかったです。こないだはハートクッキーありがとうございました。
ディアのクッキーだけ違ったから、イブのシェフに特別に作って貰ったんですか?
あの小鳥は、祭の時の髪飾りの小鳥ですね。私達の記念の小鳥、嬉しかったです」
「はい、記念の小鳥です。レイモンド様に話しておきたいことがあります。今日、ダンスの練習が終わったらお時間ありますか?」
レイモンドに、イブのお菓子や、今まで食べてきたケーキを作ったのは、私であることを話そうと思います。
「ディア、すみません。今日は父の仕事を手伝う事になっていまして、レッスンが終わったら王宮に行きます。
すみません。急用でしたら、王宮から帰って来てから連絡します。
あとハッピーデーのお返しの話を教えていただきたいのですが?殿下がお返しをどうしたらいいか、必ず教えて貰ってきてくれと言われまして」
「緊急な話ではないので、今度で大丈夫ですよ。
ハッピーデーは3月14日です。ハートクッキーに対する、返事やお返しをする日です。
イブでは、女性の思いに応えれない場合は、マシュマロかキャンディを用意しました。
すぐに渡せない方はキャンディを、その日に渡せる方はマシュマロを渡すが良いかと思います。
貴族令息の為の、マシュマロキャンディセットを用意する予定です。
マシュマロは食感の関係で、日持ちしないお菓子です。そのため、13日と14日のみの販売になります。
貴族の令息の方々は、使用人が令嬢の屋敷に届けられるとおもいますので、その日に買って届けるのがよろしいかと。出来たらメッセージカードで一言あると慰めになります。
あと、思いに応える場合は、トンボ玉ネックレスを贈るのですが、まずリリアンの色を決めて、次にトンボ玉を決めます。
相手に合うイメージで自分で選んでプレゼントするのです。お揃いでつけてもいいです。
ハッピーデーはあくまでも平民のイベントでしたので、トンボ玉ネックレスを準備しますが、貴族令息なら、好きな貴金属でもよろしいかと思います。
でも、イベントなので、トンボ玉ネックレスがハッピーデーって感じで楽しいかもしれませんよ。
ちなみにトンボ玉ネックレスは、ガラス工房のリックさんの店のみでしか販売していません。こちらの販売期間は1日から14日までです。
ざっと説明しましたが何か他に聞きたいことはありますか?」
「はい、多分大丈夫だと思います」
ちょうど、説明が終わった頃に、レスリー子爵夫人が見えられました。
私の靴を見て素敵な靴だと、褒めていただきました。やはり、ヒールがある初めての靴は足がすぐに痛くなりました。
レスリー子爵夫人も、私が足が痛いことに、すぐにきずいてくれたので、今日のレッスンはここまでになりました。
「クライブ令嬢、慣れない靴はやはり足が痛くなるものです。足をしっかりケアしてくださいね。今から馴らせば大丈夫ですので。
シェルエント令息は、もし女性が足を痛めた場合は、ゆっくりした足取りやフォローをしてあげてください。
では、今日のレッスンはここまでにしましょう。次の予定がありますので、私は今日はこのまま失礼させてもらいます」
新品の靴はとても素敵なのに、足が痛くなるのはダメですね。
「ディア大丈夫ですか?ダンスに精一杯で、足を痛めたことに気づかなくて、すみません。ディア、ソファーまで抱き上げますね」
レイモンドが私を、お姫様抱っこしてソファーまで運んでくれました。
そして、すかさず私の額にチュッとしました。そして、靴を脱がしてくれました。
「薬を私が、塗ってもいいですか?」
「ダメです。大丈夫ですので、レイモンド様は王宮に行って下さい。
今日はお見送りはしません。お土産のケーキを公爵閣下とお仕事の時にでも食べてください」
「ディアが、足を痛めたので、いつものレッスンより早く終わりました。もう少しだけディアの側にいてもいいですか?
クローバーデーの日に、ディアに口づけしてから、貴方の事ばかり考えてしまいます。
今頃ディアは何をしているだろう?とか、私のことを考えてくれてるだろうかと、ディアが好きです」
レイモンドは私の隣に座り、手を握りながら、私に好きだと囁いてくれます。
同じ部屋の隅には、当然のように使用人が立っているのに、レイモンドの、囁きは続きます。私の顔は真っ赤です。
「レイモンド様、私も好きです。でも、使用人も側にいますし、恥ずかしいので」
「わかりました。では、早く足に薬を塗ってもらってください。ディアの話が今日聞けなくて、すみません。もし、良ければ明日出かけませんか?
今、劇場でミュージカルがやっていますので、観に行きませんか?
ディアの話も早く聞きたいですし、いかがですか?」
デートですね、嬉しいです。
「はい、ぜひ行きたいです」
「良かった。では、明日11時頃に迎えに行きます。ミュージカルの前に、レストランでランチを食べましょう」
レイモンドは、また私の額にチュッとして、帰って行きました。
明日はデートです。嬉しすぎて、今夜はねむれるのかしら。
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