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しおりを挟むそして、この雰囲気の中なら一年前の事を謝れるんじゃないかと思ったシルバレッドはアンネロッタの少し赤くなった手をギュッと握り締めて、真剣な表情で言った。
「アンネロッタ……一年前、お前の気持ちをよく考えずに初夜の席であんな事を言ってしまって……本当にすまなかった。本当は他の女など抱いた事は一度も無い。だから……その……男の矜持として見栄を張ってしまってあんな事を言ってしまってな……」
「えっ、一度も……? てっきり夜枷の練習で他の女性を抱いたかと思っていましたが……」
「むっ、例え練習だとしてもお前以外の女を抱くわけないだろう!僕が好きなのは……あ、アンネロッタだけなんだから!!」
「し、シルバレッド様……」
恥を殴り捨てたシルバレッドの告白にアンネロッタの心の中で燻っていたシルバレッドに対する怒りの感情はフッと消え失せる。そしてその代わりにシルバレッドに対する愛情が溢れ出し、堪らなくシルバレッドに『愛』を示したくなったアンネロッタは自分の手を握るシルバレッの手を握り返し、そっとシルバレッドに顔を近づけた。突然、顔を近付けてきたアンネロッタにシルバレッドは吃驚するが、それも一瞬の事ですぐにアンネロッタの意図を察すると自らもアンネロッタに顔を近付けて…………アンネロッタとシルバレッドの唇が重なり合おうとした。
瞬間。
バーン!といきなり寝室の扉が勢い良く開かれて、その音に吃驚したアンネロッタが思わずシルバレッドを突き飛ばして扉の方を見ると……誇らしげな顔をした騎士達が落ち葉やら泥やらでボロボロになった男を抱えながら寝室の中に入ってきた。
「王妃様!賊らしき男を捕まえましたのでご報告に上がりました!!」
「王妃様!この男が王妃様を暗殺しようとした男で間違いないですか!?」
「えっ!? え、ええ、間違いありませんが……」
「ご確認ありがとうございます!!我々はこれからこの男を尋問にかけて裏を洗い出すので王妃様は安心してお休み下さい!」
「それでは失礼します!ほら、さっさと歩け!」
パシンッと文字通りグッタリしている男の尻を叩き、嵐の様に寝室から去って行った騎士達を見送ったアンネロッタは恐る恐ると言った様子で突き飛ばしたシルバレッドを見た。が、やはりと言うべきかシルバレッドはかなり不貞腐れた顔で床の上に仰向けに転がっていた。
その姿に「完全にやらかしてしまったわ!」と思ったアンネロッタは慌ててシルバレッドに駆け寄り謝罪の言葉を口にしながらシルバレッドを抱き起こそうとする。しかし、シルバレッドはニヤリと人の悪い笑みを浮かべると抱き起こそうとするアンネロッタの腕をグイッと掴み、そのまま自分の体に引き寄せて、アンネロッタの唇にムニッと自分の唇を押し当ててアンネロッタにキスをした。
「!?」
完全に不意を突いたシルバレッドのキスに吃驚するアンネロッタにシルバレッドはやり遂げたと言わんばかりに満足そうに笑い、アンネロッタもなんだかんだ嬉しそうなシルバレッドの笑顔に「もうシルバレッド様ったら…」と苦笑を溢しつつも、これでもう城内別居生活を送らなくても良さそうだと安堵に頬を綻ばせていたのだった。
【END】
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