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しおりを挟む「お兄様、私は……」
「うん、分かっているよ。でもね、リーゼ。自分を愛してくれない、ましてや嫌っている相手を好きで居続けてもつらいだけだよ。リーゼだって本当は分かっているんだろ?このままシュベルク公爵を好きでいても幸せになれないことくらい……だったら、リーゼを大切にしてくれるあのダリア家の青年と再婚した方がいいと僕は思う。いいや、リーゼのためだけじゃない。お腹の子のためにも……ね?」
厳しい口調ながら心の底からリーゼを心配している兄の眼差しにリーゼは口を噤む。確かにこれから生まれてくる子供のことを考えれば兄の言う通りにあの青年と再婚した方がいいかも知れない。しかし、リーゼはまだ希望を捨てきれないのだ。だって、あの日の夜……確かにシュベルク公爵は「愛している」と言ってくれたのだから……。
ぎゅうっとドレスの裾を握り、押し黙ったリーゼを見て兄は困った様に溜め息を吐いた。
「ハァ……そっか、分かったよ。確かにこんな大切なことすぐには決められないよね」
「ごめんなさい、お兄様……」
「ううん、謝らなくていいよ。僕も少々強引にコトを進めてしまった自覚があるしね。でも……リーゼ、再婚するにしてもしないにしてもダリア家の次期後継者であるクリス君と仲良くしておいて損はないと思うんだ。だから、ね?これから三人で一緒に我が家の料理長が腕によりをかけて作った昼食を食べないかい?」
そう言ってニコリと兄は微笑む。
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