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四章
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「おはよう!」
「おっ!リュカ、おはよ…なんか凄い機嫌が良さそうだけど、昨日何かあったのか?」
朝、教室の扉を開けながら声を掛ければ、直ぐに挨拶を返えって来た。だけど、僕の様子を見たバルドは、不思議そうな顔を浮かべながら聞いてきた。だから、僕はそれに満面の笑みで答えた。
「うん!昨日、良い事があったんだ!」
父様達が無事に仲直りした事もそうだけど、父様達の昔話を聞けた事も、僕にとっては嬉しい事の大きな理由の1つになっていた。未だに不思議そうにしているバルドに、僕は一昨日あった事から、昨日まであった事を話した。そうしたら、何とも微妙そうな顔を浮かべていた。
「なんか元気がなさそうだなとは、俺達も見てて思ってはいたんだけどな…」
「てっきり自分のせいでテスト範囲を教えて貰ったのがバレて、その事を気にしてんのかと思ってた」
「ちょ、ちょっとネア!ま、まぁ、何と言うか…そ、それにしても、アルノルド様から聞く陛下と、今の陛下ではだいぶ印象が違うんですね!?」
バルドが歯切れ悪そうに言った言葉に、ネアは平然とした様子で返していた。前に父様が叱られる事を話していたから、みんなはそのせいで僕が元気がないと思っていたようだった。そんな気不味そうな空気を誤魔化すように、コンラットが声を上げる。その言葉に、バルドは何気ない様子で口を開く。
「まあ、授業とかだと、なんか凄い人みたいな口ぶりだったからな」
「え…っ…?何時も寝ていたりする貴方が…真面目に授業を聞いていたんですか…?」
常に起きている歴史の授業とは違い、他の授業では居眠りをしていたり、不真面目に受けている事が多かった。そのため、現代史の授業で起きていた事に、コンラットは驚愕したような表情をしながら目線を向けていt。自身のことをマジマジと見つめられても、バルドはケロッとしたような態度で答えた。
「いや、親父の話が出てきたから、聞いてただけだ」
「……そうですよね。そんな事だと思いました…」
もの言いたげな目をしながら、コンラットは1人、肩を落としていた。だけど、そんな様子を気にも止めた様子もなく、話しが一区切り付いた事を悟ったバルドが、ソワソワした様子を見せながら口を開いた。
「な、なぁ?もう試験も終わって結果もまだ出ないし、今日はみんなでちょっと東地区に行かないか?」
「東地区ですか?学院からだと少し遠いですけど?」
学院は西地区にあるから、完全に反対側だ。真っ直ぐ行けたら速いかもしれないけれど、中央に王城があるから、貴族街がある北側を回って行く必要がある。だから、僕達の屋敷から行くのと違って、学院の帰りに行くとなると少し遠い。だから、寄り道する時は、学院の周囲にある屋台や店に行く事が多かった。
「ネアの家にでも行くの?」
「いや、ちょっと連れて行きたい所があるんだ」
「連れて行きたい所?」
西地区は商業関係の店が多く並んでいて、ネアの家も東地区にあった。だから、てっきりそうなのかと思って尋ねたけど、どうやら違うようだ。
「また上手い屋台を見つけたとか何かか?それだったら、俺は別に…」
「ち、違うって!今回は屋台じゃないから!」
下町の人達とも交流が多いバルドは、美味しい屋台とかを教えて貰うと、僕達を誘って来る事が多かった。だから、今回もそうなのかと断ろうとするネアを、バルドは慌てたように止めていた。
「それなら、今回は何しに行くんですか?」
慌てた様子を見せていたバルドだったけど、コンラットからの質問に、何処か得意げな顔を浮かべる。
「昨日、親父達と旅行の時の話しになったんだけど、リュカのは従魔に少し近いかもって言ってたんだ!俺も従魔なんて見た事なかったし、実際に見に行ってみたら、あの子狐の事だって何か分かるかと思って!」
「えっと、そもそも従魔って何?」
期待するような目を向けてくるバルドには悪いけど、僕は聞いた事がない単語に、1人首を傾げる。すると、僕の問に答えるように、ネアが口を開いた。
「他国では一般的だけど、この国ではそこまで多く見かけないからな。まあ、簡単に言えば、魔道具とかを使って使役している魔物や獣だな」
「他国の武勇伝とかだと、倒した相手を従魔にしたって出てくるな!」
「私も、知識としては知ってますけど、まだ実物は見た事ないんですよね」
「まあ、貴族を相手にしている店なら、召喚獣を使っている店ばかりだろうから、見る事なんてないだろうな」
「どうして?」
ネアの言葉に疑問の声を上げれば、少し躊躇いを見せながら答えた。
「貴族連中の中には、召喚獣をステータスだと思って、従魔を毛嫌いしている奴らがいるからな。それに、便利な能力を持っている召喚獣なら、平民でも上級職に付けるから、召喚獣を有無によって待遇が変わるんだよ」
話しの途中で一瞬、僕と視線があったような気がしたけれど、ネアは変わらない様子を見せ、バルドの方へと視線を向けた。
「行くのは良いが、お前、店がある場所知ってんのか?」
「朝来る時に、下町の奴から従魔を貸し出したりする店の場所を聞いて来たから大丈夫だ!」
胸を張って言うバルドの様子を見ながら、コンラットが何処か納得したような顔をして小さく頷いていた。
「朝から落ち着きがなかったのは、それだったんですね。ですけど、それなら特に急ぐ理由もないですし、週末に行った方がゆっくり見れて良いのではないですか?」
「ほら!何事も前は急げって言うだろ!それに、南を通って行けば直ぐだって!」
「下町から行った所で、どっちも対して変わらないだろ」
貴族の屋敷は一つ一つが大きいから、回るのに時間が掛かるけど、下町は狭い道が多くて、馬車が生き返るような大通りがあまりないから、結局、遠回りをする事になる。
ネアがその事を指摘しても、バルドの様子が変わる事はない。
「馬車なんか使わないで、街の路地裏とかを通って行けば、東地区なんて直ぐだろ!」
学院の周囲にも、学院で働く人達の家などが多くあるから、それ等の路地裏を通って行けば速いとは僕も思う。
「で、でも、僕達だけで路地裏なんて、危ないんじゃ…?」
焦れったそうにしているバルドに、僕が不安になって尋ねると、僕を安心させるような笑みを浮かべながら言った。
「大丈夫だって!下町に住んでる奴から、路地裏や裏道なんかも何度か案内して貰ったけど、今まで危ない事なんかなかったし!それに、迷路を探検してるみたいで楽しかったぞ!」
「お前…仮にも貴族なんだからそんな所行くなよ…」
「そうですよ。そんな所に行くのは危ないですよ」
「そこは大丈夫だって!」
「その自信は、どっから来るんだよ…」
自信満々に言う姿に僕達が疑いの目を向けていると、少し拗ねたような顔を浮かべながら言った。
「王城の近くだからか、他の場所より治安が良い場所らしくて、街の人達達も普段から使ってたりするくらい治安が良いらしいんだよ。それに、まばらにだけどちゃんと人の往来はあったぞ」
「もしかして、あそこか?」
「ネアは、その場所を知ってるんですか?」
何かを思い出したかのように呟いたネアに、コンラットが確認するように声を掛ける。
「少しだけな。確かに、あの周辺なら治安とかも問題ないだろうな」
「ほら!俺が言った通りだろ!」
「……信用できなかったのは、貴方の日頃の行いが悪いからですからね」
我が意を得たような顔で得意げな顔を浮かべ始めたバルドに、コンラットは白い目を向けていた。
「まあ、治安が悪い所には、さすがに貴族は連れて行かないか」
「ネアからのお済み付きも貰ったし、今日の授業が終わったらみんなで一緒に行こうぜ!」
「別にそんなつもりは…」
「楽しみだな!」
「ただ…貴方が行きたかっただけじゃないですよね…」
コンラット達は呆れたような視線を向けながら疑問の声を上げていたけど、目を輝かせているバルドには、その声は聞こえてないようだった。
「おっ!リュカ、おはよ…なんか凄い機嫌が良さそうだけど、昨日何かあったのか?」
朝、教室の扉を開けながら声を掛ければ、直ぐに挨拶を返えって来た。だけど、僕の様子を見たバルドは、不思議そうな顔を浮かべながら聞いてきた。だから、僕はそれに満面の笑みで答えた。
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「ちょ、ちょっとネア!ま、まぁ、何と言うか…そ、それにしても、アルノルド様から聞く陛下と、今の陛下ではだいぶ印象が違うんですね!?」
バルドが歯切れ悪そうに言った言葉に、ネアは平然とした様子で返していた。前に父様が叱られる事を話していたから、みんなはそのせいで僕が元気がないと思っていたようだった。そんな気不味そうな空気を誤魔化すように、コンラットが声を上げる。その言葉に、バルドは何気ない様子で口を開く。
「まあ、授業とかだと、なんか凄い人みたいな口ぶりだったからな」
「え…っ…?何時も寝ていたりする貴方が…真面目に授業を聞いていたんですか…?」
常に起きている歴史の授業とは違い、他の授業では居眠りをしていたり、不真面目に受けている事が多かった。そのため、現代史の授業で起きていた事に、コンラットは驚愕したような表情をしながら目線を向けていt。自身のことをマジマジと見つめられても、バルドはケロッとしたような態度で答えた。
「いや、親父の話が出てきたから、聞いてただけだ」
「……そうですよね。そんな事だと思いました…」
もの言いたげな目をしながら、コンラットは1人、肩を落としていた。だけど、そんな様子を気にも止めた様子もなく、話しが一区切り付いた事を悟ったバルドが、ソワソワした様子を見せながら口を開いた。
「な、なぁ?もう試験も終わって結果もまだ出ないし、今日はみんなでちょっと東地区に行かないか?」
「東地区ですか?学院からだと少し遠いですけど?」
学院は西地区にあるから、完全に反対側だ。真っ直ぐ行けたら速いかもしれないけれど、中央に王城があるから、貴族街がある北側を回って行く必要がある。だから、僕達の屋敷から行くのと違って、学院の帰りに行くとなると少し遠い。だから、寄り道する時は、学院の周囲にある屋台や店に行く事が多かった。
「ネアの家にでも行くの?」
「いや、ちょっと連れて行きたい所があるんだ」
「連れて行きたい所?」
西地区は商業関係の店が多く並んでいて、ネアの家も東地区にあった。だから、てっきりそうなのかと思って尋ねたけど、どうやら違うようだ。
「また上手い屋台を見つけたとか何かか?それだったら、俺は別に…」
「ち、違うって!今回は屋台じゃないから!」
下町の人達とも交流が多いバルドは、美味しい屋台とかを教えて貰うと、僕達を誘って来る事が多かった。だから、今回もそうなのかと断ろうとするネアを、バルドは慌てたように止めていた。
「それなら、今回は何しに行くんですか?」
慌てた様子を見せていたバルドだったけど、コンラットからの質問に、何処か得意げな顔を浮かべる。
「昨日、親父達と旅行の時の話しになったんだけど、リュカのは従魔に少し近いかもって言ってたんだ!俺も従魔なんて見た事なかったし、実際に見に行ってみたら、あの子狐の事だって何か分かるかと思って!」
「えっと、そもそも従魔って何?」
期待するような目を向けてくるバルドには悪いけど、僕は聞いた事がない単語に、1人首を傾げる。すると、僕の問に答えるように、ネアが口を開いた。
「他国では一般的だけど、この国ではそこまで多く見かけないからな。まあ、簡単に言えば、魔道具とかを使って使役している魔物や獣だな」
「他国の武勇伝とかだと、倒した相手を従魔にしたって出てくるな!」
「私も、知識としては知ってますけど、まだ実物は見た事ないんですよね」
「まあ、貴族を相手にしている店なら、召喚獣を使っている店ばかりだろうから、見る事なんてないだろうな」
「どうして?」
ネアの言葉に疑問の声を上げれば、少し躊躇いを見せながら答えた。
「貴族連中の中には、召喚獣をステータスだと思って、従魔を毛嫌いしている奴らがいるからな。それに、便利な能力を持っている召喚獣なら、平民でも上級職に付けるから、召喚獣を有無によって待遇が変わるんだよ」
話しの途中で一瞬、僕と視線があったような気がしたけれど、ネアは変わらない様子を見せ、バルドの方へと視線を向けた。
「行くのは良いが、お前、店がある場所知ってんのか?」
「朝来る時に、下町の奴から従魔を貸し出したりする店の場所を聞いて来たから大丈夫だ!」
胸を張って言うバルドの様子を見ながら、コンラットが何処か納得したような顔をして小さく頷いていた。
「朝から落ち着きがなかったのは、それだったんですね。ですけど、それなら特に急ぐ理由もないですし、週末に行った方がゆっくり見れて良いのではないですか?」
「ほら!何事も前は急げって言うだろ!それに、南を通って行けば直ぐだって!」
「下町から行った所で、どっちも対して変わらないだろ」
貴族の屋敷は一つ一つが大きいから、回るのに時間が掛かるけど、下町は狭い道が多くて、馬車が生き返るような大通りがあまりないから、結局、遠回りをする事になる。
ネアがその事を指摘しても、バルドの様子が変わる事はない。
「馬車なんか使わないで、街の路地裏とかを通って行けば、東地区なんて直ぐだろ!」
学院の周囲にも、学院で働く人達の家などが多くあるから、それ等の路地裏を通って行けば速いとは僕も思う。
「で、でも、僕達だけで路地裏なんて、危ないんじゃ…?」
焦れったそうにしているバルドに、僕が不安になって尋ねると、僕を安心させるような笑みを浮かべながら言った。
「大丈夫だって!下町に住んでる奴から、路地裏や裏道なんかも何度か案内して貰ったけど、今まで危ない事なんかなかったし!それに、迷路を探検してるみたいで楽しかったぞ!」
「お前…仮にも貴族なんだからそんな所行くなよ…」
「そうですよ。そんな所に行くのは危ないですよ」
「そこは大丈夫だって!」
「その自信は、どっから来るんだよ…」
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何かを思い出したかのように呟いたネアに、コンラットが確認するように声を掛ける。
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我が意を得たような顔で得意げな顔を浮かべ始めたバルドに、コンラットは白い目を向けていた。
「まあ、治安が悪い所には、さすがに貴族は連れて行かないか」
「ネアからのお済み付きも貰ったし、今日の授業が終わったらみんなで一緒に行こうぜ!」
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