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子供の日
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「おはよう!リュカ!!今日は子供の日で!俺達の祭りだぞ!!」
教室に入ると、今日も元気な声で挨拶をしながら、僕に話しかけて来た。
何でも、今日は男の子の成長と健康を願う日なんだそうだ。前に、女の子のお祭りがあるのに、何で男の祭りはないのかふてくされてたせいか、今回はいつも以上にやる気に満ちていた。
「俺達って言うが、特にそういうわけでもないだろ?」
「そうですね。少し、語弊があると思います」
既に教室に来ていた2人が冷静に指摘するけれど、それでも熱心に語ってくる。
「こういうのは!気持ちの問題だろ!鯉のぼりや鎧兜を飾って、みんなでお菓子でも食べながらお祝いしようぜ!!」
「そもそも、何で鯉何だよ?鯉が龍になるなら、この世は龍で溢れてるだろうが、それに、お前の屋敷は、普段からたくさん鎧が飾ってあるだろう?」
「そういえば、そうだよね?」
机に荷物を置きながら、僕はネアの言葉に相槌を打つ。ネアの言う通り、バルドの屋敷には普段から剣や鎧などがいっぱい飾ってあるのを見てるから、今更鎧を飾る必要ってあるのかな?
「そこは俺だって知らないけどよ!鯉が龍になるなんて夢があるじゃんか!!それに、鎧だって全然違うんだよ!!兜とかに!角みたいなのが飾りが付いてたりするし!俺の屋敷にあるのは違って、鉄と革とか色んな素材が使われてるんだよ!」
「まぁ、飾り物だからな」
「そうだけど!板のような物を鱗のように重ねてあったり!防御力を確保しながらも機能性とかもちゃんと考えられて作られてるんだよ!!」
ネアの素っ気ない言葉に、バルドは反論しながら鎧の良さを話すけど、僕にはよく分からない話だった。
「お前、鎧にも興味あったのか?」
「私も、剣にしか興味がないと思っていました」
鎧について語ってくるバルドに、2人も意外そうな顔をしながら言った。でも、普段は剣の話しかしないから、僕も剣にしか興味ないのかと思っていた。
「俺だって剣の方が好きだけど、防具だって大事なのは知ってるぞ!!」
「とにかく!祭り用の飾りとて作られたにしては、色々と考えられて作られてるんだよ!!一度見てみれば分かるって!!」
「見に来ればって、お前、あれ買ったのか?」
「兄貴と一緒に兄さんに頼んでから、母さん達に買って貰った!!」
「あれ買ったの……お前か……」
堂々と胸を張るバルドを、ネアは驚いたような、少し呆れた目で見ていた。2人の話を横で聞いてた僕は、ちょっと疑問に思った事を聞いてみた。
「何で、お兄さんに頼む必要があったの?」
「最初、商人が屋敷に売りに来た時、1つしかないって言うから欲しいって頼んだのに、母さんが買ってくれなかったんだよ。だから、帰って来た兄さんを味方に付けて、後で買って貰ったんだ!」
そういえば、僕の屋敷にも商人が売りに来てて、父様が買おうとしてたらしいけれど、母様がいらないって断ったんだよね。
何でも、商人の言い値で豆を全部買い取ったせいで、誰かに迷惑を掛けていたらしくて、父様の無駄使いに、母様の目が厳しくなっていた。だから、母様と一緒にいた時に、ドミニクからその報告を受けた母様は、少し怒っているようだった。
「アルは昔からそうなのよね!私達の物になると、何でも直ぐ買っちゃうんだから!!」
兄様が産まれる前にも、父様は無駄に何でも買っていたそうだ。その度に、商人が来るのを躊躇う程、僕達の話をしていたそうで、その時も母様は父様に注意したらしい。
父様は、僕や兄様に欲しくないか聞いて来たけれど、鎧とかには興味がなかったし、母様も怒ってて、兄様もいらないって言ったから、僕もいらないって答えたら、父様だけが残念がっていた。
でも、商人が躊躇う程、僕達の話をしていたなんて、父様はその頃から過保護だったんだな。
「まぁ、買って貰えたのは嬉しいんだけど、兄貴と俺の毎月のお小遣いが減らされたのは、痛いんだよなぁ……」
さっきまで喜びようから打って変わって、悲しげな顔をしながらうなだれていた。なんて声を掛けようかと僕が迷っていたら、しょうがないなとでも言うように、コンラットがバルドへと声を掛けた。
「今日は、鎧兜を見ながら、貴方の屋敷でお祝いするのでしょう?なら、そんな顔をしないで下さい。行く気がなくなります」
「来てくれんのか!?」
「家が隣なので、帰るついでに寄ってあげますよ」
「やった!!」
僕より長い付き合いだからか、コンラットはバルドの扱い方を知っているようで、元の元気を取り戻したようだった。
「僕も、コンラットと一緒に行っても良い?」
「良いぞ!!」
満面の笑みを浮かべながらうなずくバルドから、ネアへと視線を向ける。
「ネアは、どうする?」
「もう見てるから見なくても良いが、大枚はたいて買った奴の誘いくらいには乗ってやる」
「じゃあ!兄貴も含めたみんなで一緒にお祝いだな!!」
僕は、鎧とかはよく分かんないけど、みんなと一緒にお祝いするのは楽しみだな。
「お祝いするなら、ついでに、母親の方にも感謝しておけよ」
「何でだ?」
不意に言ったネアの言葉に、バルドは不思議そうに小首を傾げながら問い掛ける。
「何でって、今日は母親に感謝する日でもあるみたいだからな」
「そうなんですか?」
「ああ、そんな事を言っていた」
「なら、屋敷に帰ったら、兄様や父様を誘って母様に何かしようかな?」
「いいんじゃないか?出来る時に感謝しておいて、損はないだろうしな」
「そうですね。私も、父や兄を誘って何かしてみます」
「お前は?」
そこでネアは、バルドへと視線を向けた。
「俺もやるけど!まずは俺達が祭りを楽しんでからだって良いだろ!?」
バルドの屋敷で見せてもらいながら説明してもらったけど、やっぱり僕には、バルドが言う機能性やら素材とかは、よく分からなかった。
教室に入ると、今日も元気な声で挨拶をしながら、僕に話しかけて来た。
何でも、今日は男の子の成長と健康を願う日なんだそうだ。前に、女の子のお祭りがあるのに、何で男の祭りはないのかふてくされてたせいか、今回はいつも以上にやる気に満ちていた。
「俺達って言うが、特にそういうわけでもないだろ?」
「そうですね。少し、語弊があると思います」
既に教室に来ていた2人が冷静に指摘するけれど、それでも熱心に語ってくる。
「こういうのは!気持ちの問題だろ!鯉のぼりや鎧兜を飾って、みんなでお菓子でも食べながらお祝いしようぜ!!」
「そもそも、何で鯉何だよ?鯉が龍になるなら、この世は龍で溢れてるだろうが、それに、お前の屋敷は、普段からたくさん鎧が飾ってあるだろう?」
「そういえば、そうだよね?」
机に荷物を置きながら、僕はネアの言葉に相槌を打つ。ネアの言う通り、バルドの屋敷には普段から剣や鎧などがいっぱい飾ってあるのを見てるから、今更鎧を飾る必要ってあるのかな?
「そこは俺だって知らないけどよ!鯉が龍になるなんて夢があるじゃんか!!それに、鎧だって全然違うんだよ!!兜とかに!角みたいなのが飾りが付いてたりするし!俺の屋敷にあるのは違って、鉄と革とか色んな素材が使われてるんだよ!」
「まぁ、飾り物だからな」
「そうだけど!板のような物を鱗のように重ねてあったり!防御力を確保しながらも機能性とかもちゃんと考えられて作られてるんだよ!!」
ネアの素っ気ない言葉に、バルドは反論しながら鎧の良さを話すけど、僕にはよく分からない話だった。
「お前、鎧にも興味あったのか?」
「私も、剣にしか興味がないと思っていました」
鎧について語ってくるバルドに、2人も意外そうな顔をしながら言った。でも、普段は剣の話しかしないから、僕も剣にしか興味ないのかと思っていた。
「俺だって剣の方が好きだけど、防具だって大事なのは知ってるぞ!!」
「とにかく!祭り用の飾りとて作られたにしては、色々と考えられて作られてるんだよ!!一度見てみれば分かるって!!」
「見に来ればって、お前、あれ買ったのか?」
「兄貴と一緒に兄さんに頼んでから、母さん達に買って貰った!!」
「あれ買ったの……お前か……」
堂々と胸を張るバルドを、ネアは驚いたような、少し呆れた目で見ていた。2人の話を横で聞いてた僕は、ちょっと疑問に思った事を聞いてみた。
「何で、お兄さんに頼む必要があったの?」
「最初、商人が屋敷に売りに来た時、1つしかないって言うから欲しいって頼んだのに、母さんが買ってくれなかったんだよ。だから、帰って来た兄さんを味方に付けて、後で買って貰ったんだ!」
そういえば、僕の屋敷にも商人が売りに来てて、父様が買おうとしてたらしいけれど、母様がいらないって断ったんだよね。
何でも、商人の言い値で豆を全部買い取ったせいで、誰かに迷惑を掛けていたらしくて、父様の無駄使いに、母様の目が厳しくなっていた。だから、母様と一緒にいた時に、ドミニクからその報告を受けた母様は、少し怒っているようだった。
「アルは昔からそうなのよね!私達の物になると、何でも直ぐ買っちゃうんだから!!」
兄様が産まれる前にも、父様は無駄に何でも買っていたそうだ。その度に、商人が来るのを躊躇う程、僕達の話をしていたそうで、その時も母様は父様に注意したらしい。
父様は、僕や兄様に欲しくないか聞いて来たけれど、鎧とかには興味がなかったし、母様も怒ってて、兄様もいらないって言ったから、僕もいらないって答えたら、父様だけが残念がっていた。
でも、商人が躊躇う程、僕達の話をしていたなんて、父様はその頃から過保護だったんだな。
「まぁ、買って貰えたのは嬉しいんだけど、兄貴と俺の毎月のお小遣いが減らされたのは、痛いんだよなぁ……」
さっきまで喜びようから打って変わって、悲しげな顔をしながらうなだれていた。なんて声を掛けようかと僕が迷っていたら、しょうがないなとでも言うように、コンラットがバルドへと声を掛けた。
「今日は、鎧兜を見ながら、貴方の屋敷でお祝いするのでしょう?なら、そんな顔をしないで下さい。行く気がなくなります」
「来てくれんのか!?」
「家が隣なので、帰るついでに寄ってあげますよ」
「やった!!」
僕より長い付き合いだからか、コンラットはバルドの扱い方を知っているようで、元の元気を取り戻したようだった。
「僕も、コンラットと一緒に行っても良い?」
「良いぞ!!」
満面の笑みを浮かべながらうなずくバルドから、ネアへと視線を向ける。
「ネアは、どうする?」
「もう見てるから見なくても良いが、大枚はたいて買った奴の誘いくらいには乗ってやる」
「じゃあ!兄貴も含めたみんなで一緒にお祝いだな!!」
僕は、鎧とかはよく分かんないけど、みんなと一緒にお祝いするのは楽しみだな。
「お祝いするなら、ついでに、母親の方にも感謝しておけよ」
「何でだ?」
不意に言ったネアの言葉に、バルドは不思議そうに小首を傾げながら問い掛ける。
「何でって、今日は母親に感謝する日でもあるみたいだからな」
「そうなんですか?」
「ああ、そんな事を言っていた」
「なら、屋敷に帰ったら、兄様や父様を誘って母様に何かしようかな?」
「いいんじゃないか?出来る時に感謝しておいて、損はないだろうしな」
「そうですね。私も、父や兄を誘って何かしてみます」
「お前は?」
そこでネアは、バルドへと視線を向けた。
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