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後編
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結局職場は早退させてもらい、しれっと婚約届けを持ってきたジルバート殿下ーーいや、ジルの書類にサインをしてしまい連れられてくるがままに連れられてきてしまった。まるでそれが生殖本能のように。
やっぱり俺も昔から、ジルのことがーー
もう、俺はアルバートの婚約者ではない。だから、ジルの手を選んでいいんだ。それが何よりも、心を温めてくれた。
あれ・・・でも俺、何かひとつ、大事なことを忘れてはいなかったか?
「ほら、ユーリィついたよ。私が用意したとっておきの2人の愛の巣だ」
は?愛の巣ってオイ。ジルはもうこのエル・スフィア王国の新たな王太子である。つまりは王太子宮だとおもうのだけどーー
「いつまでも元兄上が使っていた頃の内装だとユーリィも困るだろう?だから魔法で超特急でリフォームしたんだ。見てくれ、自慢の新生王太子宮だ」
え、リフォームまでしてくれたのか?ジルがここだと嬉しそうに言うものだから、顔を見上げて新生王太子宮を見上げてーー絶句した。
わ、忘れてたあああぁぁぁぁっっ!!
ジルの、ジルの趣味をっ!!!
目の前にある王太子宮はかつての真っ白な壁に金の装飾がある上品なたたずまいではなかった。
その様相はまさにーー
「お化け屋敷じゃんこれっ!!」
貴族が通う学園に通っていたことがあるが、その時、学園祭でお化け屋敷なるものがあった。
一応王太子宮だからか、外観は崩れたり、ひびが入っていたりはしないものの、黒い壁に蝙蝠の絵や蜘蛛の巣アートが施されている。もとろん本物の蜘蛛の巣ではない。壁紙のようにして張り巡らされている。
しかも中には王太子宮の護衛騎士や侍従もいるものの、その格好はお化け屋敷で流行っていた吸血鬼の黒マントを付けた装い。いや、警備上の問題は多分クリアしたうえでやっているんだろうけど、中の人員までお化け屋敷仮装しているみたいだ。
ほんと、なんだこれ。
「因みに、彼がこの屋敷の真なるボス・ジョニーくんだ」
そう言って、ジルが示したのは、精巧に再現された骸骨の置物。しかも頭におしゃれな帽子、そして胸元には青いリボンを結んでもらっている。
いや、王太子宮の主は真も何もなく、王太子であるジルのはずなのだが。
しかも床も黒いし、壁も黒。所々に蜘蛛の巣アートやら蝙蝠、あと骸骨アートも見つけてしまった。
いや、ほんとジルの特殊な趣味は変わってない!!
まぁ、あの頃のままのジルなのだと少し安心するけれどね。
「もちろん、ユーリィのための部屋も作ってある」
「え、俺の?」
どんなホラー部屋を作ったんだか。ジョニーくん2号とかおいてないよね、まさか。
「ほら、ここだよ」
長い廊下を歩いて案内された先にはーー
「わぁ、ここ・・・書庫?」
そこには、キレイに整列された本棚と共に、たくさんの本が収められている。
また、本を読みながらリラックスできるように、ソファースペースなども完備されている。因みにここはホラー呈すテイストではなく、俺が好きな木目の素材や、青系のソファーカバーやネイビーのクッションなども置かれていて、華美ではないが上品で洗練された本棚や家具が置かれていて過ごしやすそうである。
「ユーリィは本が好きだろう?」
覚えていて、くれたんだ。
「外国から取り寄せた本や、留学先で見つけた興味深そうな本も揃えてある」
「本当だ」
見たことのない魔法についての本もたくさんあるようだ。
「ここを好きに使っていいよ」
「・・・ありがとう。ジル。嬉しい」
思わず頬がほころんでしまう。
「うっ、かわいすぎるっ!」
そう言って、ジルが不意に抱きしめてくる。
「んもぅ、ちょっと」
「ふふ、だって事実だからな」
抱擁を解(ほど)くと、また優しい微笑みをーー
もう、ずるいよ。その微笑みは。
***
うとうととしながら目を開ければーー
俺、横になっている?メガネは・・・あぁ、近くの小卓の上か。いつの間にーー
「気が付いたかい?ユーリィ」
「んにゅぅ」
ゆっくりと瞼をあげれば、俺の顔を心配そうに見つめてくるジルの顔があった。
「あれ、俺ーー」
「ふふ、夢中になって本を読むあまり、いつの間にか眠ってしまったんだよ」
「う、確かそうだった気がーー」
直前に読んだ本の記憶があいまいだ。
そして相変わらずほの暗い光に照らされながら、俺は暗幕のような天蓋に覆われたベッドの上に横になっていたらしい。ゆっくりと身を起こそうとすればーー
「そのままで」
「え、でも」
「ユーリィ。私たちは夫夫になったんだよ」
「えっと、その、でも」
「なら、初夜にすることと言ったら・・・」
「っ!?」
そんなの、決まってる。王太子妃教育でも、習ったし。
「身体を、つなげる、の?」
「うぐっ、ユーリィが言うと、とんでもなくそそる」
何言ってんだ、ジル。
「ユーリィ、大丈夫。落ち着いて」
そう言うと、ジルが額に優しく口づけを落として来て、続けて唇にそっと口づけを贈ってくる。
「ふぁっ、ジルっ」
「あぁ、ユーリィ。どんだけ、この日を待ち望んできたか・・・もう、すっかり諦めていたことなのに」
それは、俺がアルバートの婚約者だったから?
そんな、うっとりとした眼差しで見つめられたらっ
ちゅぷっ、ちゅぷっと、ジルが頬や、身体に口づけを贈ってくる。
「はぁ、はぁ、ユーリィ」
本当に、興奮したみたいに。
そしてジルが俺のズボンを優しく脱がせてくる。
「あぅ、ジルっ」
「大丈夫だ、ユーリィ。私に身を任せて」
そう言って、自身のズボンも脱ぎ捨てれば・・・
「ひゃ、ジルっ!?」
起立した股間のそれを見て、思わずビクっと身体を震わす。
「大丈夫だ、ユーリィ。ほら、んっ、もう興奮しすぎて、こんなに・・・っ、あぁ、これからユーリィのナカに入ると思うと、あぁっ」
その瞬間、ぶぢゅっとジルのその雄根から、白い液が噴き出て、俺の顔や身体に飛び散る。
「んぁっ」
「あぁ、私の白濁に塗れるユーリィもそそる」
何を言ってっ
「ひゃっ」
続けて、ジルが俺の蕾に指を入れて、くちゅくちゅと掻き混ぜて来る。
そして気持ちいい場所を、コリコリと解されればーー
「あぁっ」
俺の肉棒からも、ぶぢゅっと白濁とした液が飛び散り、びちゃびちゃとジルの顔や身体を濡らす。
「あっ、ごめっ」
「謝らないで・・・何だか2人でかけあっこしているみたいで、楽しい」
楽しいのぉっ!?うぅ、ジルったらっ!
「ほら、繋がろうか」
そう、ジルが囁くように優しく告げれば、俺の蕾に硬いものが押し当てられ、俺のナカに納まっていく。
「あっ、ジルっ」
「んんっ、ユーリィ!」
そしてジルの雄根が俺の最奥を貫いて、達するのと同時に、ジルの雄根から、そして俺の肉棒からも再び白濁汁が飛び散り、ジルを濡らす。
―――そして、俺のナカも。
「あぁ、幸せだ。ユーリィ。絶対に幸せにするから」
「ジルったら、絶対、だからな?」
「あぁ」
ジルが頷く。そして優しさを詰め込んだような腕で抱きしめられながら、俺はまたうとうととしながら幸せな心地で瞼を閉じたのだった。
やっぱり俺も昔から、ジルのことがーー
もう、俺はアルバートの婚約者ではない。だから、ジルの手を選んでいいんだ。それが何よりも、心を温めてくれた。
あれ・・・でも俺、何かひとつ、大事なことを忘れてはいなかったか?
「ほら、ユーリィついたよ。私が用意したとっておきの2人の愛の巣だ」
は?愛の巣ってオイ。ジルはもうこのエル・スフィア王国の新たな王太子である。つまりは王太子宮だとおもうのだけどーー
「いつまでも元兄上が使っていた頃の内装だとユーリィも困るだろう?だから魔法で超特急でリフォームしたんだ。見てくれ、自慢の新生王太子宮だ」
え、リフォームまでしてくれたのか?ジルがここだと嬉しそうに言うものだから、顔を見上げて新生王太子宮を見上げてーー絶句した。
わ、忘れてたあああぁぁぁぁっっ!!
ジルの、ジルの趣味をっ!!!
目の前にある王太子宮はかつての真っ白な壁に金の装飾がある上品なたたずまいではなかった。
その様相はまさにーー
「お化け屋敷じゃんこれっ!!」
貴族が通う学園に通っていたことがあるが、その時、学園祭でお化け屋敷なるものがあった。
一応王太子宮だからか、外観は崩れたり、ひびが入っていたりはしないものの、黒い壁に蝙蝠の絵や蜘蛛の巣アートが施されている。もとろん本物の蜘蛛の巣ではない。壁紙のようにして張り巡らされている。
しかも中には王太子宮の護衛騎士や侍従もいるものの、その格好はお化け屋敷で流行っていた吸血鬼の黒マントを付けた装い。いや、警備上の問題は多分クリアしたうえでやっているんだろうけど、中の人員までお化け屋敷仮装しているみたいだ。
ほんと、なんだこれ。
「因みに、彼がこの屋敷の真なるボス・ジョニーくんだ」
そう言って、ジルが示したのは、精巧に再現された骸骨の置物。しかも頭におしゃれな帽子、そして胸元には青いリボンを結んでもらっている。
いや、王太子宮の主は真も何もなく、王太子であるジルのはずなのだが。
しかも床も黒いし、壁も黒。所々に蜘蛛の巣アートやら蝙蝠、あと骸骨アートも見つけてしまった。
いや、ほんとジルの特殊な趣味は変わってない!!
まぁ、あの頃のままのジルなのだと少し安心するけれどね。
「もちろん、ユーリィのための部屋も作ってある」
「え、俺の?」
どんなホラー部屋を作ったんだか。ジョニーくん2号とかおいてないよね、まさか。
「ほら、ここだよ」
長い廊下を歩いて案内された先にはーー
「わぁ、ここ・・・書庫?」
そこには、キレイに整列された本棚と共に、たくさんの本が収められている。
また、本を読みながらリラックスできるように、ソファースペースなども完備されている。因みにここはホラー呈すテイストではなく、俺が好きな木目の素材や、青系のソファーカバーやネイビーのクッションなども置かれていて、華美ではないが上品で洗練された本棚や家具が置かれていて過ごしやすそうである。
「ユーリィは本が好きだろう?」
覚えていて、くれたんだ。
「外国から取り寄せた本や、留学先で見つけた興味深そうな本も揃えてある」
「本当だ」
見たことのない魔法についての本もたくさんあるようだ。
「ここを好きに使っていいよ」
「・・・ありがとう。ジル。嬉しい」
思わず頬がほころんでしまう。
「うっ、かわいすぎるっ!」
そう言って、ジルが不意に抱きしめてくる。
「んもぅ、ちょっと」
「ふふ、だって事実だからな」
抱擁を解(ほど)くと、また優しい微笑みをーー
もう、ずるいよ。その微笑みは。
***
うとうととしながら目を開ければーー
俺、横になっている?メガネは・・・あぁ、近くの小卓の上か。いつの間にーー
「気が付いたかい?ユーリィ」
「んにゅぅ」
ゆっくりと瞼をあげれば、俺の顔を心配そうに見つめてくるジルの顔があった。
「あれ、俺ーー」
「ふふ、夢中になって本を読むあまり、いつの間にか眠ってしまったんだよ」
「う、確かそうだった気がーー」
直前に読んだ本の記憶があいまいだ。
そして相変わらずほの暗い光に照らされながら、俺は暗幕のような天蓋に覆われたベッドの上に横になっていたらしい。ゆっくりと身を起こそうとすればーー
「そのままで」
「え、でも」
「ユーリィ。私たちは夫夫になったんだよ」
「えっと、その、でも」
「なら、初夜にすることと言ったら・・・」
「っ!?」
そんなの、決まってる。王太子妃教育でも、習ったし。
「身体を、つなげる、の?」
「うぐっ、ユーリィが言うと、とんでもなくそそる」
何言ってんだ、ジル。
「ユーリィ、大丈夫。落ち着いて」
そう言うと、ジルが額に優しく口づけを落として来て、続けて唇にそっと口づけを贈ってくる。
「ふぁっ、ジルっ」
「あぁ、ユーリィ。どんだけ、この日を待ち望んできたか・・・もう、すっかり諦めていたことなのに」
それは、俺がアルバートの婚約者だったから?
そんな、うっとりとした眼差しで見つめられたらっ
ちゅぷっ、ちゅぷっと、ジルが頬や、身体に口づけを贈ってくる。
「はぁ、はぁ、ユーリィ」
本当に、興奮したみたいに。
そしてジルが俺のズボンを優しく脱がせてくる。
「あぅ、ジルっ」
「大丈夫だ、ユーリィ。私に身を任せて」
そう言って、自身のズボンも脱ぎ捨てれば・・・
「ひゃ、ジルっ!?」
起立した股間のそれを見て、思わずビクっと身体を震わす。
「大丈夫だ、ユーリィ。ほら、んっ、もう興奮しすぎて、こんなに・・・っ、あぁ、これからユーリィのナカに入ると思うと、あぁっ」
その瞬間、ぶぢゅっとジルのその雄根から、白い液が噴き出て、俺の顔や身体に飛び散る。
「んぁっ」
「あぁ、私の白濁に塗れるユーリィもそそる」
何を言ってっ
「ひゃっ」
続けて、ジルが俺の蕾に指を入れて、くちゅくちゅと掻き混ぜて来る。
そして気持ちいい場所を、コリコリと解されればーー
「あぁっ」
俺の肉棒からも、ぶぢゅっと白濁とした液が飛び散り、びちゃびちゃとジルの顔や身体を濡らす。
「あっ、ごめっ」
「謝らないで・・・何だか2人でかけあっこしているみたいで、楽しい」
楽しいのぉっ!?うぅ、ジルったらっ!
「ほら、繋がろうか」
そう、ジルが囁くように優しく告げれば、俺の蕾に硬いものが押し当てられ、俺のナカに納まっていく。
「あっ、ジルっ」
「んんっ、ユーリィ!」
そしてジルの雄根が俺の最奥を貫いて、達するのと同時に、ジルの雄根から、そして俺の肉棒からも再び白濁汁が飛び散り、ジルを濡らす。
―――そして、俺のナカも。
「あぁ、幸せだ。ユーリィ。絶対に幸せにするから」
「ジルったら、絶対、だからな?」
「あぁ」
ジルが頷く。そして優しさを詰め込んだような腕で抱きしめられながら、俺はまたうとうととしながら幸せな心地で瞼を閉じたのだった。
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