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ヒロイン殺人事件真犯人

ヒロイン殺人事件真犯人②

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『フゥ~~ウ~~~蘇れ~~蘇れ~~ヒャ~ハハヒャ~ハヒ~~イィッ』

下僕、復活!因みに儀式にはアマリリスちゃんとニセアマリリスちゃんも参加していた。あれ……近場にいるアンデットはもれなく参加なのかしら。

「それで……真犯人なんだけど」
「はい……!あの人……ベラドンナです!」
アマリリスちゃんが指差したのは……いや――……みんなもう分かっているわよね。

そう……ニセアマリリスちゃんこと、ベラドンナだったのだ……!

「な……何を……っ、私こそ本当のアマリリスよ!この身体だって手に入れた……!私こそがアマリ……」

「ふぅん……?ベラドンナちゃんって言うのねぇ……うふふ、うふふふふっ!イイコト聞いちゃったわねっ?」
アリアさまがものっそい女王さま然としてベラドンナを見下ろしていたぁ~~~~っ!

「ひぐっ」
ベラドンナがびくつく。

「アンデットと言うのはな、自分の名を主に知られると、もうどうにもこうにも逆らえなくなる。縛りを強くしたり、呪いを足したりするよりも……ずっとな……」
「……っ」
トールの言葉になるほど、となる。そして身体はアマリリスちゃんでも魂がベラドンナなら、ベラドンナの名で縛れるのね。

「あ、じゃぁファミリーネームとか、フルネームが分かったらさらにまずいんじゃ……」
「フルネームは……ベラドンナ・ピンクォーツですね」
と、アマリリスちゃん。あれ、フルネームネームが同じ……?

「私はアマリリスよぉっ」
ベラドンナは叫ぶが……。

「ふぅ~~ん?ベラドンナ・ピンクォーツちゃん……、ね?」
「ひぁうぅっ!!」
――――――アリアさま最強の防波堤~~っ!

「まぁあっちにはアリアさまがついているし、何があったのか聞かせてちょうだい?」
「は……はい。私は男爵のお父さまと、お母さまの3人で暮らしていたのですが。私が12歳の時、お母さまが病で急死した後は、お父さまと2人暮らしをしながら、のどかな男爵領を治めながら慎ましやかに暮らしていたのです」
ほうほうほう、明らかなヒロインちゃんポジなのに、男爵さまのお手付きで生まれた平民育ちだったけれども男爵家に引き取られる系ではなかった訳だ。アマリリスちゃんのお母さまは正式な男爵夫人で、アマリリスちゃんは正統な直系の娘だったわけね。しかし、そこにどうしてベラドンナが……?

「ですが平和な暮らしが一変したのは……お父さまが馬車の事故で還らぬ人になってから……私が15歳の時です」
はぅあぁっ!!アマリリスちゃん……まさかの過去を持っていた。そんな……そんな不憫系ヒロインちゃんの匂いがぷんぷんするこの展開は……!?

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