失われた世界

いぬ

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「ねえ。」

「なに?」

「私の事、好き?」

「さあね。」

「なにそれ。」

不満げな顔で、拗ねたように顔を背ける。

「かわいいよ。」

「かわいくないし。」

なにやら怒っている様子。

俺たちは、いわゆるセフレだ。

2週間に1度、会ったら身体を求め合う。

付き合ってはいないが、俺はこれ以上ないくらい
の幸せを感じていた。

そんな俺たちの関係は、5ヶ月ほどで終焉を迎えることになる。

理由は簡単。

俺がただ、浅はかかつ未熟者で、人の気持ちもわからず言うべきことも言えない、フニャチン野郎だったことに他ならない。


もしも、某SF映画やあの国民的アニメのように、過去に戻ることができたなら。

今度こそ君に、俺は好きと言えるだろうか​​​。

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