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むちむちボディ

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就職活動

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「それではこれから就職試験の面接を始めます。」
と人事部長が開始を告げた。
面接は社長をはじめ取締役が2名と人事部長という面々で、
受験者は私を含めて3名であった。
私以外の2名が女性で、どう見ても場違いな所に来てしまった感じであった。
それもそのはずで、女性用下着を中心に販売している会社だったからだ。
取締役も女性、人事部も女性であった。
中小企業で良いので、この体格を生かした職に就きたいと大学の先生に話しをしていて、
ピックアップされてきたのがこの会社であった。
最初はなんで?と思ったのではあるが、選んでもらっているのに無下にすることもできず、
先生が大丈夫と太鼓判押すので受けてみることにしたのであった。
そうそう、私は青木洋司22歳、100キロに近い体格があり、大学ではアメフトをしていたので体力には自信があった。
単なるデブなんですけど、上手く身体を生かせたら良いなと思ったんで。
「青木さんはなぜ弊社を希望したのでしょうか?」
と取締役の女性から質問が飛ぶ。
「はい、御社は中小企業ながら非常に個性的な商品を数多く販売しており魅力的な企業であるということと、
将来男性用の下着も販売するために私の体格が役に立つのでは無いかと思い御社への就職を希望させて頂きました。」
女性陣はクスクスと笑いながら、
「男性用の下着でも青木さんの体格では極端な商品になりませんか?」
「本当に男性用下着を出すのであれば、もちろん後発になりますので特徴的な商品をまずは開発し、
知名度を上げたうえで流通商品に進めて行くべきかと考えます。」
「体格の良い、いわゆるデブ用のアンダーウェアは意外に人気があると思いますよ。」
同じ受験者の2名からもクスクス笑われる始末。
まぁ素直に思ったことや考えている事を伝えるまでで、
どう思われようがあまり気にしてないんだけどね。
でも社長の広瀬さんだけは真面目な顔をして、
「青木くん、面白い野望だね。是非とも私でも履けるパンツを作ってもらいたいものだ。」
と意外なコメントを頂いた。
60歳を過ぎていそうだが若く見える広瀬社長も私と同じくデブの仲間で、
いつもニコニコした優しそうな顔ではあるが、
たまに見せるココという時の目線の鋭さは少し怖い感じがするぐらいだ。
そんなやりとりもありながら面接は無事に終了した。
女性役員の方々にはあまり好印象を得られなかっただろうからダメだろうなと思いながら帰った。

後日、結果の連絡が有り、なんと合格という事であった。
入社した後から聞いた話ではあるが、面接で自分の意見をしっかりと言える人材は
とても見所があると広瀬社長がすごく推してくれて、合格になったとのことだった。
とても有り難く、恩返しをしっかりとしようと心に刻んだのであった。


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