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夜の続き
バスは緩やかに速度を上げ、長い直線の高速道路を走っていた。
窓の外には、まだ灯りの少ない郊外の町並みが、静かに流れていく。
その時、外の道路標識が
「仙台まで120km」
を通り過ぎた。
まだ時間はある。
まだ夜は深い。
倉田と山瀬は、まだカーテンの内側で寄り添っていた。
衣服はほとんど着ていない。
Tシャツは胸までめくれ上がり、ジャージの腰紐は緩くほどかれ、パンツはどちらも汗で湿っていた。
肌と肌が直接触れ合い、わずかに動くだけでねっとりとした音が立つ。
山瀬は倉田の腹にのしかかり、
「……重たいな…」
山瀬が小さく笑う。
倉田の巨体が自分の胸の上に乗り、半ば潰れた状態になっている。
「てめぇだって……大して変わらんだろが。」
言いながらも、倉田は身を起こそうとはしない。
むしろそのまま、山瀬の脇腹に顔をうずめるようにして、息を吐いた。
鼻先が脂肪に埋もれ、汗の匂いが強く鼻腔を満たす。
「……くせえな…」
「そりゃ、お互い様…」
笑い合う声も、低くくぐもっている。
疲れと満足。
何もかも出し尽くした後の、力の抜けた声。
二人の肌からは、体温がじわじわと漏れていた。
冷房の利いた車内でも汗が引かない。
互いの肉体から伝わる熱が、まるでまだ行為が終わっていないような錯覚を与えてくる。
倉田がごそごそと動き、座席の下からタオルを引っ張り出すと、山瀬の胸と腹を軽く拭った。
汗で濡れた体毛が寝ている。
胸毛の間にタオルが入り込み、濡れた肌に絡む。
「……ああ、それ、気持ちいい…」
「やっぱ……お前、腹毛濃いよな?」
指が腹毛を撫でる。
軽く爪を立てるようにしながら、肉の起伏をゆっくりと辿っていく。
「毛と肉で、まるで動物だな?」
「お互い様ですね、タヌキ親父…」
無言のまま、二人の視線が重なった。
真っ暗な空間の中でも、瞳の奥に熱が残っているのがわかる。
さっきまでの激しい動きとは打って変わり、今は静かで、しっとりとした空気が漂っている。
「……もう朝か?」
倉田がカーテンの隙間から外を見る。
まだ空は真っ暗だが、遠くの地平がわずかに白み始めていた。
「仙台には、あと1時間くらいかな……」
「……ホテル行くか?」
「え?」
「まだ帰りたくねえ。……お前と、もう少し……一緒にいたい。」
その言葉に、山瀬は数秒間、黙った。
窓の外、流れるオレンジの街灯。
バスのわずかな振動。
汗ばんだ肌の冷たさ。
そのすべてが、まだ“夜のまま”であることを告げていた。
「……私も。まだ……終わらせたくないかも…」
二人は再び肩を寄せ合った。
もう行為は終わっている。
だが、互いの身体はまだ重ねられていた。
押し合う脂肪、残る匂い、互いの手の形に沿ってついた汗の跡。
まるで身体の奥で“夜”がまだ続いているかのように――。
窓の外には、まだ灯りの少ない郊外の町並みが、静かに流れていく。
その時、外の道路標識が
「仙台まで120km」
を通り過ぎた。
まだ時間はある。
まだ夜は深い。
倉田と山瀬は、まだカーテンの内側で寄り添っていた。
衣服はほとんど着ていない。
Tシャツは胸までめくれ上がり、ジャージの腰紐は緩くほどかれ、パンツはどちらも汗で湿っていた。
肌と肌が直接触れ合い、わずかに動くだけでねっとりとした音が立つ。
山瀬は倉田の腹にのしかかり、
「……重たいな…」
山瀬が小さく笑う。
倉田の巨体が自分の胸の上に乗り、半ば潰れた状態になっている。
「てめぇだって……大して変わらんだろが。」
言いながらも、倉田は身を起こそうとはしない。
むしろそのまま、山瀬の脇腹に顔をうずめるようにして、息を吐いた。
鼻先が脂肪に埋もれ、汗の匂いが強く鼻腔を満たす。
「……くせえな…」
「そりゃ、お互い様…」
笑い合う声も、低くくぐもっている。
疲れと満足。
何もかも出し尽くした後の、力の抜けた声。
二人の肌からは、体温がじわじわと漏れていた。
冷房の利いた車内でも汗が引かない。
互いの肉体から伝わる熱が、まるでまだ行為が終わっていないような錯覚を与えてくる。
倉田がごそごそと動き、座席の下からタオルを引っ張り出すと、山瀬の胸と腹を軽く拭った。
汗で濡れた体毛が寝ている。
胸毛の間にタオルが入り込み、濡れた肌に絡む。
「……ああ、それ、気持ちいい…」
「やっぱ……お前、腹毛濃いよな?」
指が腹毛を撫でる。
軽く爪を立てるようにしながら、肉の起伏をゆっくりと辿っていく。
「毛と肉で、まるで動物だな?」
「お互い様ですね、タヌキ親父…」
無言のまま、二人の視線が重なった。
真っ暗な空間の中でも、瞳の奥に熱が残っているのがわかる。
さっきまでの激しい動きとは打って変わり、今は静かで、しっとりとした空気が漂っている。
「……もう朝か?」
倉田がカーテンの隙間から外を見る。
まだ空は真っ暗だが、遠くの地平がわずかに白み始めていた。
「仙台には、あと1時間くらいかな……」
「……ホテル行くか?」
「え?」
「まだ帰りたくねえ。……お前と、もう少し……一緒にいたい。」
その言葉に、山瀬は数秒間、黙った。
窓の外、流れるオレンジの街灯。
バスのわずかな振動。
汗ばんだ肌の冷たさ。
そのすべてが、まだ“夜のまま”であることを告げていた。
「……私も。まだ……終わらせたくないかも…」
二人は再び肩を寄せ合った。
もう行為は終わっている。
だが、互いの身体はまだ重ねられていた。
押し合う脂肪、残る匂い、互いの手の形に沿ってついた汗の跡。
まるで身体の奥で“夜”がまだ続いているかのように――。
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