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第6項 獣人キャミィ2
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「まず最初は、これを運んでもらうっスよ」
ポン、と手を置いたのは、キャミィの腰あたりまである大きな木箱だった。
「これ運ぶのか? 一人で? 前が見えないだろ」
「そこっスか……まず重さの方を気にするんじゃないっスか? 普通は……」
呆れ顔を向けつつ「そこは自分で考えるっスよ」と、ぶっきらぼうに答えた。
ふとゼクスはキャミィのうしろの影に気がつく。
4段に積まれた木箱。それが山のように積まれ存在感を放っていた。
もちろんキャミィの足元にあるモノと同じサイズのものだ。
冷や汗をかくゼクスにキャミィは
「大丈夫、この通りそんなに重くはないっス」
両手で軽々と持ち上げ、頭上に掲げる。ひょこひょことスクワットをするように軽さをアピールしている。
「身体強化系の魔法かなにか使ってないだろうな?」
「そんなの使わないっスよ。そもそもあたしたち獣人は魔力適正は高くないっスから使えてもそこまで強化されないっス」
ゼクスは「へぇ」と相槌を打つ。試しに自分も持ち上げてみようと腰を落として両手の指先を木箱に引っ掛ける――
「ぐっ――んおあぁぁ!」
力を込めるがビクともせず、逆に腰から異音が鳴ってしまう始末。腰を抑えて、膝を落としている姿に哀れと言わんばかりにキャミィは冷たい視線を投げつける。
「ゼクスくん非力っスねー」
じっとりと嬲られるような視線に気づいたゼクスは顔を赤らめ、
「ほんと、魔法とか、使ってないんだろうな……でしょうね……?」
「なんでそこで敬語になるんスか。――使ってないっすよ……」
腰に手をあててため息混じりに呟く。
「まあ、人間よりも力はあるっスけどね」
「だろうな……てかそうだったよ。忘れてた」
「しょーがないっスね……じゃあ、あっちの小さい方運んでもらうとしますか」
キャミィが持ち上げていた木箱を下ろすと、地響きが起きたのかと錯覚するほどの重圧感が空気を微震して伝わった。
彼女が指差した先には半分ほどの大きさになった同じような木箱。
ゼクスは一つ持ち上げる。
さっきよりも重くはない……が、十分に重い。むしろ小さくなった分、密度が高い。
(くそっ……十分おめーよ)
「このサイズならもう一ついけるっしょ。ほれっ」
持ち上げた木箱の上にもう一つ投げ載せる。同時にズドン、と衝撃が全身を駆け巡る。
「ぐ…………おぉ…………っ」
歯を食いしばり、何とか重さに耐え忍ぶ。
「そ、それで……これ……どこ……」
「よしよし。こっちっスよー」
涼しい顔で両手を頭の後ろに組み、足を投げるように身軽に歩くキャミィ。彼女に恨みはないのだが、今ばかりは呪ってやりたいと、恨めしい視線をキャミィに向けながら一歩ずつ後をついていく。
「遅いっスよー、このままじゃ、日が暮れちゃうっスよー はやくー」
(くそっ、後で見てろよ)
ポン、と手を置いたのは、キャミィの腰あたりまである大きな木箱だった。
「これ運ぶのか? 一人で? 前が見えないだろ」
「そこっスか……まず重さの方を気にするんじゃないっスか? 普通は……」
呆れ顔を向けつつ「そこは自分で考えるっスよ」と、ぶっきらぼうに答えた。
ふとゼクスはキャミィのうしろの影に気がつく。
4段に積まれた木箱。それが山のように積まれ存在感を放っていた。
もちろんキャミィの足元にあるモノと同じサイズのものだ。
冷や汗をかくゼクスにキャミィは
「大丈夫、この通りそんなに重くはないっス」
両手で軽々と持ち上げ、頭上に掲げる。ひょこひょことスクワットをするように軽さをアピールしている。
「身体強化系の魔法かなにか使ってないだろうな?」
「そんなの使わないっスよ。そもそもあたしたち獣人は魔力適正は高くないっスから使えてもそこまで強化されないっス」
ゼクスは「へぇ」と相槌を打つ。試しに自分も持ち上げてみようと腰を落として両手の指先を木箱に引っ掛ける――
「ぐっ――んおあぁぁ!」
力を込めるがビクともせず、逆に腰から異音が鳴ってしまう始末。腰を抑えて、膝を落としている姿に哀れと言わんばかりにキャミィは冷たい視線を投げつける。
「ゼクスくん非力っスねー」
じっとりと嬲られるような視線に気づいたゼクスは顔を赤らめ、
「ほんと、魔法とか、使ってないんだろうな……でしょうね……?」
「なんでそこで敬語になるんスか。――使ってないっすよ……」
腰に手をあててため息混じりに呟く。
「まあ、人間よりも力はあるっスけどね」
「だろうな……てかそうだったよ。忘れてた」
「しょーがないっスね……じゃあ、あっちの小さい方運んでもらうとしますか」
キャミィが持ち上げていた木箱を下ろすと、地響きが起きたのかと錯覚するほどの重圧感が空気を微震して伝わった。
彼女が指差した先には半分ほどの大きさになった同じような木箱。
ゼクスは一つ持ち上げる。
さっきよりも重くはない……が、十分に重い。むしろ小さくなった分、密度が高い。
(くそっ……十分おめーよ)
「このサイズならもう一ついけるっしょ。ほれっ」
持ち上げた木箱の上にもう一つ投げ載せる。同時にズドン、と衝撃が全身を駆け巡る。
「ぐ…………おぉ…………っ」
歯を食いしばり、何とか重さに耐え忍ぶ。
「そ、それで……これ……どこ……」
「よしよし。こっちっスよー」
涼しい顔で両手を頭の後ろに組み、足を投げるように身軽に歩くキャミィ。彼女に恨みはないのだが、今ばかりは呪ってやりたいと、恨めしい視線をキャミィに向けながら一歩ずつ後をついていく。
「遅いっスよー、このままじゃ、日が暮れちゃうっスよー はやくー」
(くそっ、後で見てろよ)
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