キラキラヒカル

羽澄

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 泣きたくなるくらい晴れ渡った日曜日。
私は西山公園にシャボン玉を買いに出かけた。

 
 このシャボン玉には有名な伝説があって、二人で一緒にお互いの事を想いながらシャボン玉を飛ばすとその恋は実るという。

 でも二人が同じ時間、別々の場所で相手の事を想いながら飛ばすと、想いをのせたシャボン玉は引き合い空の上で恋が成就する代わりに、本人達の記憶からお互いの記憶が無くなると言われている。


 結婚式の前日、最後の出勤のヒロさんに私はシャボン玉を渡した。
『明日、式の一時間前にシャボン玉を飛ばして』と、メモを添えて。

 その意味を理解したヒロさんは、私を強く抱きしめた。

 そして私達は、最初で最後のキスをした。


「ヒロ、結婚おめでとう。彼女とお幸せに。それにしてもサキ、今日に限って風邪引くなんてねぇ。」
「あ、先輩。今日はありがとうございます。え?サキって誰でー」
「ヒロ、こんなとこにいたのか。奥様がお待ちかねだぜ。」
「ああ、今行く。それじゃ先輩、また後で。」

 あれ?
 今ヒロ、サキの事わかっていなかった?
 まさかね。
 さ、私もみんなの所に行かなくちゃ。


 雲一つない青空に、シャボン玉がフワフワと私の方に向かって飛んでくる。

 ああ、キレイだなぁ。キラキラ光って。
 人の『想い』って、こんなにもキレイなんだ。



 ヒロさん、ごめん。私、ヒロさんに伝えなかった事があるの。
 シャボン玉の伝説は実はもう一つあるの。

 シャボン玉を別々に飛ばす時、一人しか飛ばさないと、飛ばした人の想いと記憶は、飛ばさなかった人の元に届くの。
 
 本当は私も飛ばそうと思ってたんだよ。でもね、ヒロさんとの事を忘れるなんてやっぱり出来ないよ。
 だから、ヒロさんの想いは私がもらっていくね。

 ほら、弾けたシャボン玉からヒロさんの私への想いが届いたよ。
 ヒロさんは自分の気持ちは一度も言葉にしてくれなかったけど、ヒロさんがどれだけ私の事を想ってくれていたか、わかったよ。


 ありがとう。

 大好きだよ。

 幸せになってね。







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