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ゲーム世界に転生?
第1話 自分の世界の終わった日
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「お大事に……」
顔見知りの薬剤師さんに見送られて、近所の薬局を出る。
ふわふわとした浮遊感に苦戦しながら、歩く田舎道。
高校生にもなると、軽い風邪くらいでは親も興味を示さない。
季節の変わり目毎に風邪を引く体質ではなおさらだろう。
「栄養ドリンクも買ってくかな……」
億劫な身体を引き摺って、医者までやって来たのだから、ついでとばかりにスーパーへ向けて踵を変えそうとしたのが失敗だった。
もつれる足。
そして、目の前に迫ってくる道端の石。
小学校の登下校で休憩椅子にしていたヤツだった。
ヤバい……。
と言う感想を最後に俺の意識は闇に消えるのだった。
目蓋を焼くような刺激を感じる?
……ああ、寝てたのか。
と思い出す。
いつものように風邪をひいていたんだった。
「その割に調子が良いような?」
……身体が軽い。
年がら年中感じていた倦怠感がない。
そう思って、辺りを見回すと見慣れた部屋。
……ではなく。
それどころか、草原のような場所に……。
「マジで何処だよ?
……風邪ひいてから家でずっと寝てたはずだよな?
いや、確か風邪薬をもらうために、いつものように諸橋さんに行って、お爺ちゃん先生にまたかと笑われて、隣の薬局にも行った気がする。
そんで、ついでに栄養ドリンクを買おうと思い立って……」
……もしかして、俺死んだ?
そんでもって、いわゆる異世界転生ってこと?
「……マジか。
……でも、ある意味良かったのか?」
産まれ付き弱い身体で、しょっちゅう風邪をひき。
度々外出の予定を変更させていた俺。
親にも妹にも疎まれていたんじゃないかと思っていた。
それに対して、今の身体はずっと調子が良い。
向こうは厄介払いが出来たと喜んでいるだろうし、俺も申し訳ないと思う惨めな感情から解放される。
「不満と言ったら、神様に会っていないのと草原スタートってことくらい……。
いや、死活問題じゃん」
身体の調子が良いことに浮かれていたが、このままだと生まれ変わって直ぐに死ぬことになりかねない。
今時、ちょっと山奥に行けば、猿や猪。
最悪熊に出くわす可能性すらある。
もっと言えば、ファンタジー世界に転生したら、モンスターに襲われる可能性も……。
「ヤバい!
何か武器は……。
……ないよな。
どう見ても……」
見た目は普段の外出着。
手に持っているのは、能義晴彦《のぎはるひこ》様と書かれた白い紙袋。
端には、諸橋調剤薬局と書かれている。
あ、諸橋さんの横にある薬局の名前初めて知ったわ。
親戚なのかな?
「……思わず、現実逃避してしまった。
思いっきり死ぬ前に持っていた風邪薬じゃん!
チートなし、事前知識なし、食料なし。
あるのは、今は要らなさそうな風邪薬と財布って、無理ゲー転生じゃないか!」
いや、転移のパターンか?
それならせめて、何処かのお城に喚んでくれよ。
今なら、外れ召喚でも文句言わないから。
……外れ召喚。
勇者召喚したヤツが悪者パターンだが、それでも現状の絶体絶命状態よりはマシなはずだ。
少なくとも、何も知らないまま野生動物の餌になることはないだろうし、野生動物に出会わないで済んでも、食料も水もない状況じゃ直ぐに詰む。
「……終わってる
マジで……」
状況整理したら、更に絶望したんだけど……。
……いや、少なくとも足掻こう。
転生なり転移があるってわかったんだから、次の人生がもっとハードモードにならない保証もない。
だから、少なくとも生きる努力はしてみるべきだ!
……ササ。
ササササ。
ガサガサ!
「はい終わった。
すごいスピードでこっちに向かってくる動物がいるよ。
大きさ的に人間サイズなのに、四足歩行らしい動きだし、熊かな?」
これが無の境地だろうか?
嫌に冷静になっている自分がいる。
もっとも。
……白い何かが飛び付いてきたのを最後に再び意識が沈んでいくのを感じたのだったが。
顔見知りの薬剤師さんに見送られて、近所の薬局を出る。
ふわふわとした浮遊感に苦戦しながら、歩く田舎道。
高校生にもなると、軽い風邪くらいでは親も興味を示さない。
季節の変わり目毎に風邪を引く体質ではなおさらだろう。
「栄養ドリンクも買ってくかな……」
億劫な身体を引き摺って、医者までやって来たのだから、ついでとばかりにスーパーへ向けて踵を変えそうとしたのが失敗だった。
もつれる足。
そして、目の前に迫ってくる道端の石。
小学校の登下校で休憩椅子にしていたヤツだった。
ヤバい……。
と言う感想を最後に俺の意識は闇に消えるのだった。
目蓋を焼くような刺激を感じる?
……ああ、寝てたのか。
と思い出す。
いつものように風邪をひいていたんだった。
「その割に調子が良いような?」
……身体が軽い。
年がら年中感じていた倦怠感がない。
そう思って、辺りを見回すと見慣れた部屋。
……ではなく。
それどころか、草原のような場所に……。
「マジで何処だよ?
……風邪ひいてから家でずっと寝てたはずだよな?
いや、確か風邪薬をもらうために、いつものように諸橋さんに行って、お爺ちゃん先生にまたかと笑われて、隣の薬局にも行った気がする。
そんで、ついでに栄養ドリンクを買おうと思い立って……」
……もしかして、俺死んだ?
そんでもって、いわゆる異世界転生ってこと?
「……マジか。
……でも、ある意味良かったのか?」
産まれ付き弱い身体で、しょっちゅう風邪をひき。
度々外出の予定を変更させていた俺。
親にも妹にも疎まれていたんじゃないかと思っていた。
それに対して、今の身体はずっと調子が良い。
向こうは厄介払いが出来たと喜んでいるだろうし、俺も申し訳ないと思う惨めな感情から解放される。
「不満と言ったら、神様に会っていないのと草原スタートってことくらい……。
いや、死活問題じゃん」
身体の調子が良いことに浮かれていたが、このままだと生まれ変わって直ぐに死ぬことになりかねない。
今時、ちょっと山奥に行けば、猿や猪。
最悪熊に出くわす可能性すらある。
もっと言えば、ファンタジー世界に転生したら、モンスターに襲われる可能性も……。
「ヤバい!
何か武器は……。
……ないよな。
どう見ても……」
見た目は普段の外出着。
手に持っているのは、能義晴彦《のぎはるひこ》様と書かれた白い紙袋。
端には、諸橋調剤薬局と書かれている。
あ、諸橋さんの横にある薬局の名前初めて知ったわ。
親戚なのかな?
「……思わず、現実逃避してしまった。
思いっきり死ぬ前に持っていた風邪薬じゃん!
チートなし、事前知識なし、食料なし。
あるのは、今は要らなさそうな風邪薬と財布って、無理ゲー転生じゃないか!」
いや、転移のパターンか?
それならせめて、何処かのお城に喚んでくれよ。
今なら、外れ召喚でも文句言わないから。
……外れ召喚。
勇者召喚したヤツが悪者パターンだが、それでも現状の絶体絶命状態よりはマシなはずだ。
少なくとも、何も知らないまま野生動物の餌になることはないだろうし、野生動物に出会わないで済んでも、食料も水もない状況じゃ直ぐに詰む。
「……終わってる
マジで……」
状況整理したら、更に絶望したんだけど……。
……いや、少なくとも足掻こう。
転生なり転移があるってわかったんだから、次の人生がもっとハードモードにならない保証もない。
だから、少なくとも生きる努力はしてみるべきだ!
……ササ。
ササササ。
ガサガサ!
「はい終わった。
すごいスピードでこっちに向かってくる動物がいるよ。
大きさ的に人間サイズなのに、四足歩行らしい動きだし、熊かな?」
これが無の境地だろうか?
嫌に冷静になっている自分がいる。
もっとも。
……白い何かが飛び付いてきたのを最後に再び意識が沈んでいくのを感じたのだったが。
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