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ゲーム世界に転生?
第9話 深夜の争い
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ハルの寝息を確認した雛菊は、いつものように宵闇に紛れて、箱庭を抜け出す。
狼との集合場所と化した丘には、既に先客の影がある。
「さて、今日こそは決着を着けましょう」
「望むところだ。
不毛な争いに飽き飽きしている」
不敵に微笑む雛菊の挑発に、狼が牙を向いて笑う。
人間と比べれば、ごく短時間の睡眠で事足りる彼女らでも、連日の徹夜が続けば変なテンションになるのも不思議ではない。
「目の前に、美味しそうなご馳走があるのに、いつまでも我慢させられて、いい加減頭に来ているのよ!」
雛菊が叫びを上げ、
「それはこちらの台詞だ。
私は、貴様が手を出した後も、しばらくは我慢を強いられると言うのに、その手前でいつまでも足踏みしていられない!」
巨狼も咆哮を轟かせる。
互いが譲れないものを持つのだから、争いになるは必然。
雛菊は、おもむろにスマホを取り出して、
「あなたは、この紅葉ってキャラになるべきよ!」
アプリゲーム『夢幻千年京』を起動。
キャラ一覧画面から、背の低い美少女を選択して、画面一杯に表示する!
説明欄には、主人公を「お兄様」と慕う子犬のような狼少女と説明があった。
「だから、嫌だと言っている!
私はこっちの月華《げっか》に化けて契約をしたいのだ!」
大きな前足で、器用にキャラを切り替え、グラマラスな女性を指し示す巨狼。
こちらには、時に厳しく、時に優しく主人公を導く狼美女との説明がなされていた。
「絶対にダメよ!
年上キャラは認めないわ!」
「何が貴様をそこまで駆り立てる?
私に幼い少女の真似事など、出来ないと言ってるだろ?」
最近産まれたばかりの魔物ではあるが、その自我は成人のものに近いのだ。
何が悲しくて、幼い少女の振りをしなくてはならないのかと、文句を言いたくなるのは当然だろう。
「年上の甘えさせてあげる役割は、既に私が担っているの!
今、ハルに必要なのは甘えてくれる妹のような存在なのよ!」
「……確かに、人間は頼られると言う行為が嬉しいものらしい。
貴様に見せてもらった数冊の漫画をみてもよく分かる」
スマホに入っていた電子書籍のアプリから、そういう系統の漫画を購入して、見せられていたので、人間は頼られるのが好きと言う考えが根付いた巨狼。
しかし、そのために子供の振りをしろと言うのも納得がいかない。
「大体、貴様が化けている『雛菊』とか言うキャラはどうなのだ?
言うほど、大人っぽいか?」
巨狼から見た雛菊は、多めに見積もっても二十歳一歩手前の見た目。
特に凹凸が……。
「しょうがないでしょ!
他の狐キャラは、幼女とか未亡人みたいなキャラしかいなかったのよ!
とにかく、私よりも女性らしい体型のキャラは認めないわ!」
「それが本音か……」
勝手な言い分に呆れる巨狼。
しかし、これは絶対に折れないなとも思う。
「つまり、抜け駆けを許さないために、子供の外見になれと言うことか?
今この時にでも誘惑してしまえば早いだろうに……」
「……それも考えたわよ。
けど、今の拠点にはあの妖精達に指示出来るものが私しかいないのよ?
下手に子育てに注力することになると、共倒れになるわ」
「考えたのか……」
辛うじて、生活を送っているだけの状況で、よくそんな余裕があるものだと、更に呆れる巨狼。
「まずは、大まかな予定を伝えるだけで、計画の設定運用が出来る程度の配下を得ないと話にならないのだけど、そのためには、ある程度ランクの高い植物系魔物の一部が必要なのよ」
「……難しいな。
この階層では話になるまい」
巨狼なりに心当たりを考えるが、これと言って思い付かない。
「それこそ、他にも魔物を従えた方が早いのではないか?」
「ダメよ。
あの妖精達は、本当に知能が低いの。
司令塔になる妖精を準備しないと、毎回細かい指示を出さないとならないわ」
本来は群体的な生き物に近い存在を、強制的に操っている状況なのだ。
頭脳になる妖精を得なければ、いつまでも妖精達への指示で時間を浪費してしまう。
「そのためには、私が遠出して、そこそこの格の魔物を狩る必要があるわ」
「……確かに、私では難しいな。
主と共にであれば、階層を越えるのは可能だろうが、私だけでは階層は越えられん」
異物である雛菊と異なり、ここで育った狼には棲むべき領域が定められているのだ。
「そして、私が留守の間にハルと懇ろになられたら、堪らないわ」
「そんな理由か……」
つまりは、嫉妬である。
しかし、そのせいで、子供の振りをさせられそうな身としては堪らない。
「……やはり納得は出来ないな!」
「本当に聞き分けがない!」
結局、平行線のままに朝を迎え、翌晩に持ち越されることになるのだった。
狼との集合場所と化した丘には、既に先客の影がある。
「さて、今日こそは決着を着けましょう」
「望むところだ。
不毛な争いに飽き飽きしている」
不敵に微笑む雛菊の挑発に、狼が牙を向いて笑う。
人間と比べれば、ごく短時間の睡眠で事足りる彼女らでも、連日の徹夜が続けば変なテンションになるのも不思議ではない。
「目の前に、美味しそうなご馳走があるのに、いつまでも我慢させられて、いい加減頭に来ているのよ!」
雛菊が叫びを上げ、
「それはこちらの台詞だ。
私は、貴様が手を出した後も、しばらくは我慢を強いられると言うのに、その手前でいつまでも足踏みしていられない!」
巨狼も咆哮を轟かせる。
互いが譲れないものを持つのだから、争いになるは必然。
雛菊は、おもむろにスマホを取り出して、
「あなたは、この紅葉ってキャラになるべきよ!」
アプリゲーム『夢幻千年京』を起動。
キャラ一覧画面から、背の低い美少女を選択して、画面一杯に表示する!
説明欄には、主人公を「お兄様」と慕う子犬のような狼少女と説明があった。
「だから、嫌だと言っている!
私はこっちの月華《げっか》に化けて契約をしたいのだ!」
大きな前足で、器用にキャラを切り替え、グラマラスな女性を指し示す巨狼。
こちらには、時に厳しく、時に優しく主人公を導く狼美女との説明がなされていた。
「絶対にダメよ!
年上キャラは認めないわ!」
「何が貴様をそこまで駆り立てる?
私に幼い少女の真似事など、出来ないと言ってるだろ?」
最近産まれたばかりの魔物ではあるが、その自我は成人のものに近いのだ。
何が悲しくて、幼い少女の振りをしなくてはならないのかと、文句を言いたくなるのは当然だろう。
「年上の甘えさせてあげる役割は、既に私が担っているの!
今、ハルに必要なのは甘えてくれる妹のような存在なのよ!」
「……確かに、人間は頼られると言う行為が嬉しいものらしい。
貴様に見せてもらった数冊の漫画をみてもよく分かる」
スマホに入っていた電子書籍のアプリから、そういう系統の漫画を購入して、見せられていたので、人間は頼られるのが好きと言う考えが根付いた巨狼。
しかし、そのために子供の振りをしろと言うのも納得がいかない。
「大体、貴様が化けている『雛菊』とか言うキャラはどうなのだ?
言うほど、大人っぽいか?」
巨狼から見た雛菊は、多めに見積もっても二十歳一歩手前の見た目。
特に凹凸が……。
「しょうがないでしょ!
他の狐キャラは、幼女とか未亡人みたいなキャラしかいなかったのよ!
とにかく、私よりも女性らしい体型のキャラは認めないわ!」
「それが本音か……」
勝手な言い分に呆れる巨狼。
しかし、これは絶対に折れないなとも思う。
「つまり、抜け駆けを許さないために、子供の外見になれと言うことか?
今この時にでも誘惑してしまえば早いだろうに……」
「……それも考えたわよ。
けど、今の拠点にはあの妖精達に指示出来るものが私しかいないのよ?
下手に子育てに注力することになると、共倒れになるわ」
「考えたのか……」
辛うじて、生活を送っているだけの状況で、よくそんな余裕があるものだと、更に呆れる巨狼。
「まずは、大まかな予定を伝えるだけで、計画の設定運用が出来る程度の配下を得ないと話にならないのだけど、そのためには、ある程度ランクの高い植物系魔物の一部が必要なのよ」
「……難しいな。
この階層では話になるまい」
巨狼なりに心当たりを考えるが、これと言って思い付かない。
「それこそ、他にも魔物を従えた方が早いのではないか?」
「ダメよ。
あの妖精達は、本当に知能が低いの。
司令塔になる妖精を準備しないと、毎回細かい指示を出さないとならないわ」
本来は群体的な生き物に近い存在を、強制的に操っている状況なのだ。
頭脳になる妖精を得なければ、いつまでも妖精達への指示で時間を浪費してしまう。
「そのためには、私が遠出して、そこそこの格の魔物を狩る必要があるわ」
「……確かに、私では難しいな。
主と共にであれば、階層を越えるのは可能だろうが、私だけでは階層は越えられん」
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「そして、私が留守の間にハルと懇ろになられたら、堪らないわ」
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しかし、そのせいで、子供の振りをさせられそうな身としては堪らない。
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