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ゲーム世界に転生?
第14話 引き継ぎ業務
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朝食を取る晴彦を小屋に残して、貯蔵地の畔に立つ雛菊と、蹲って頭を押さえる紅葉。
「……どう?
上手くやれそう?」
「ふざけるな……ですの。
どんな……。情報処理能力があれば、こんな量の情報……、を制御できるですの?」
それは数十を超えるドローンを同時に制御するようなもの。
逐次、入ってくる視覚情報。
随時求められる反応。
脳がパンクしかねない。
「あなた、手動制御にしているでしょ?
半自動に切り替えなさい」
「半自動?」
「幾つかの群れを設定して、群れ毎に単純な仕事を割り振るの。
副管理者の権限で出来るでしょ?」
呆れるような声音の雛菊の指示に従い、4つほどの群れに分かれるように、念じてみると、無数にあった網膜内のディスプレイが4つに減る。
しかし、
「いやいや、これでも無理ですの!
多少は楽ですけど、情報処理が追い付きませんの!」
自身の視覚も合わせれば5つの視点情報が、大量に頭に入ってくる。
マルチタスクとか言うレベルの話では上手く行かない。
「……じゃあ、全体を1つの群れにして、1日毎にやる仕事を決めなさいな」
それでも無理だと嘆く、紅葉へついにため息と共に諦めの指示が飛ぶ。
「……出来ましたの。
今日は、ひたすら薬草を採って貯蔵地の横に置くようにしますの!
明日はひたすら抽出、明後日瓶詰めですの!」
「それだと数日置きに大量の仕事が発生するわよ?」
毎日、5本程度の分注だからすぐ終わるのだが、数日置きに大量に分注ではそうも行かないはず。
「分注するように装置を用意して、妖精にやらせますの!」
「……まあ良いけどね」
装置を開発したことにされるのは良いが、紅葉の仕事が減るのは少し困る。
とは言え、あからさまな行動も大人げない……。
と、少し悩む雛菊であった。
「それはそうと、冬ってのはなんですの?」
そんな雛菊の様子を気にすることもなく、目の前の狼少女は、疑いの視線を向ける。
「四季の概念は使い魔化した時に知識として、得たでしょ?」
「分かっていて言ってますの!
ありもしない冬と言う季節をでっち上げた理由を問い質してますのよ!」
当然、少女の問い掛けにすんなり答える気のない妖狐は誤魔化しに入るが、糾弾を止めたりはしない。
「簡単な話よ?
ハルには、ここがこの『夢幻千年京』と言うゲームの世界だと錯覚させているわけでしょ?
このゲームには、季節イベントと言う形で、四季の表現がある。
だから、季節が巡るのだと思わせておかないと……」
懐から取り出した晴彦のスマホを見せて、それとなく気を紛らわせながら、説明する雛菊だが、
「嘘ですの!
狼の鼻は誤魔化せませんのよ!」
チッ! と舌打ちを鳴らす雛菊。
さすがに騙せないかと思い、同時にこの少女だけであれば、問題ないかと開き直る。
「そうね。
私が慌てて出立するための方便よ。
これであなたとハルが急激に仲を進展させるだけの余裕はなくなるわね!」
「汚いヤツですの!
!!
この姿と口調もお前の細工ですの?」
フハハと悪役のように嗤う雛菊を見て、昨日から感じていた違和感に気付く。
「今頃気付いたのね?
あなたへ飲ませたハルの血には、従魔契約の他に人化時の姿と口調を固定する呪も込めさせてもらったわ」
「何を企んでますの!」
悪辣顔で、紅葉を小馬鹿にする雛菊。
「知れたことよ!
容姿には、ハル記憶にあった小さい頃の妹の顔付きを混ぜた。
その口調も、ハルを慕っていた頃のハルの妹に似せてある!
これで、あなたとハルが良い感じになっても、ハルには妹を相手にしているような気分になって、ブレーキが掛かるはずだわ!」
「……バカじゃないですの」
凄まじく高度な技術を使って、やったのが恋の抜け駆け防止機能と言うくだらなさ。
あまりのしょうもなさに、呆れきった表情を浮かべる紅葉は間違っていまい。
「何とでも言うが良い。
貴様は既に妹になっている!」
負け犬の遠吠えとばかりに、嘲笑っていた雛菊であったが、
「ダッサ」
「幾ら何でも言って良いことと悪いことがあるだろ?!」
あまりにも気持ちのこもった罵倒は許せなかったらしい。
涙目で抗議するのだった。
「いやいや、本当にダサいのですのよ。
相当高位の魔獣が、少年1人の寵愛のために、そこまで姑息になるのよ?
ダサいと言うか、……気持ち悪いですの?」
悪意なく素で言ってるせいで、更に攻撃力の上がっている紅葉の言葉に、
「……出発する。
それじゃあ、後は頼んだわ……」
「ちょっと!」
落ち込んだまま、トボトボと歩き出す雛菊。
引き留める紅葉の声に応える気力もなくなったようであった……。
「……どう?
上手くやれそう?」
「ふざけるな……ですの。
どんな……。情報処理能力があれば、こんな量の情報……、を制御できるですの?」
それは数十を超えるドローンを同時に制御するようなもの。
逐次、入ってくる視覚情報。
随時求められる反応。
脳がパンクしかねない。
「あなた、手動制御にしているでしょ?
半自動に切り替えなさい」
「半自動?」
「幾つかの群れを設定して、群れ毎に単純な仕事を割り振るの。
副管理者の権限で出来るでしょ?」
呆れるような声音の雛菊の指示に従い、4つほどの群れに分かれるように、念じてみると、無数にあった網膜内のディスプレイが4つに減る。
しかし、
「いやいや、これでも無理ですの!
多少は楽ですけど、情報処理が追い付きませんの!」
自身の視覚も合わせれば5つの視点情報が、大量に頭に入ってくる。
マルチタスクとか言うレベルの話では上手く行かない。
「……じゃあ、全体を1つの群れにして、1日毎にやる仕事を決めなさいな」
それでも無理だと嘆く、紅葉へついにため息と共に諦めの指示が飛ぶ。
「……出来ましたの。
今日は、ひたすら薬草を採って貯蔵地の横に置くようにしますの!
明日はひたすら抽出、明後日瓶詰めですの!」
「それだと数日置きに大量の仕事が発生するわよ?」
毎日、5本程度の分注だからすぐ終わるのだが、数日置きに大量に分注ではそうも行かないはず。
「分注するように装置を用意して、妖精にやらせますの!」
「……まあ良いけどね」
装置を開発したことにされるのは良いが、紅葉の仕事が減るのは少し困る。
とは言え、あからさまな行動も大人げない……。
と、少し悩む雛菊であった。
「それはそうと、冬ってのはなんですの?」
そんな雛菊の様子を気にすることもなく、目の前の狼少女は、疑いの視線を向ける。
「四季の概念は使い魔化した時に知識として、得たでしょ?」
「分かっていて言ってますの!
ありもしない冬と言う季節をでっち上げた理由を問い質してますのよ!」
当然、少女の問い掛けにすんなり答える気のない妖狐は誤魔化しに入るが、糾弾を止めたりはしない。
「簡単な話よ?
ハルには、ここがこの『夢幻千年京』と言うゲームの世界だと錯覚させているわけでしょ?
このゲームには、季節イベントと言う形で、四季の表現がある。
だから、季節が巡るのだと思わせておかないと……」
懐から取り出した晴彦のスマホを見せて、それとなく気を紛らわせながら、説明する雛菊だが、
「嘘ですの!
狼の鼻は誤魔化せませんのよ!」
チッ! と舌打ちを鳴らす雛菊。
さすがに騙せないかと思い、同時にこの少女だけであれば、問題ないかと開き直る。
「そうね。
私が慌てて出立するための方便よ。
これであなたとハルが急激に仲を進展させるだけの余裕はなくなるわね!」
「汚いヤツですの!
!!
この姿と口調もお前の細工ですの?」
フハハと悪役のように嗤う雛菊を見て、昨日から感じていた違和感に気付く。
「今頃気付いたのね?
あなたへ飲ませたハルの血には、従魔契約の他に人化時の姿と口調を固定する呪も込めさせてもらったわ」
「何を企んでますの!」
悪辣顔で、紅葉を小馬鹿にする雛菊。
「知れたことよ!
容姿には、ハル記憶にあった小さい頃の妹の顔付きを混ぜた。
その口調も、ハルを慕っていた頃のハルの妹に似せてある!
これで、あなたとハルが良い感じになっても、ハルには妹を相手にしているような気分になって、ブレーキが掛かるはずだわ!」
「……バカじゃないですの」
凄まじく高度な技術を使って、やったのが恋の抜け駆け防止機能と言うくだらなさ。
あまりのしょうもなさに、呆れきった表情を浮かべる紅葉は間違っていまい。
「何とでも言うが良い。
貴様は既に妹になっている!」
負け犬の遠吠えとばかりに、嘲笑っていた雛菊であったが、
「ダッサ」
「幾ら何でも言って良いことと悪いことがあるだろ?!」
あまりにも気持ちのこもった罵倒は許せなかったらしい。
涙目で抗議するのだった。
「いやいや、本当にダサいのですのよ。
相当高位の魔獣が、少年1人の寵愛のために、そこまで姑息になるのよ?
ダサいと言うか、……気持ち悪いですの?」
悪意なく素で言ってるせいで、更に攻撃力の上がっている紅葉の言葉に、
「……出発する。
それじゃあ、後は頼んだわ……」
「ちょっと!」
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引き留める紅葉の声に応える気力もなくなったようであった……。
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