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村造りシミュレーション
第51話 チュートリアル(磯釣りからの……)裏話
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「最高だったわ……」
夜、晴彦との同衾から抜け出した雛菊は、朧と朔を呼んで、盛大に惚気る。
寝ているところを起こされた挙げ句に、他人と想い人のやり取りを聞かされた鬼双子は、当然ウンザリしている。
「……最低なのだ」
「……本当に」
しかも、2人は晴彦と雛菊が抱き締め合っている間、魚を捌いて燻蒸したり、夕飯の準備をしたりと、あれこれ動いていたのだ。
……世の不公平さが身に染みていた。
「……1つ気になった。
あの手紙は何?
お兄様が、海から慌てて、家に向かったのは盗聴で知っていただろうけど、あんな短時間で準備できるものとは思えない」
ご丁寧に、色々な仕掛けで、出来れば晴彦に見せたくなかったと主張までしていた。
どう見ても十数分で準備できたと思えない。
「あれは、元々用意してあったものよ。
ハルが人恋しさに都へ行きたいと、ごねたら出すためのものだったわ。
あれを見せた上で、下手に都へ行けば命を狙われると言えば、諦めも付くでしょ?」
「「……最低」」
こちらは雛菊の鬼畜な行動への非難。
晴彦を孤立させる気満々である。
「けど、ここまで色々な策略を巡らして、お兄ちゃんが地上へ復帰する時はどうする予定なのだ?」
「……どういうこと?」
気持ちを切り替えたらしい朔の言葉に、首を傾げる雛菊。
その様子に戦慄を覚えた双子。
「……どういうって、今お兄ちゃんはゲームの世界に転生したと思っているのだ。
その思い込みを補強し続けているのが、雛菊。
ここまでは良いのだ?」
「……そうね」
間違いなく、そうなるようにずっと行動している。
下手にダンジョンの中で生活していると言うよりも、遥かにストレスは少ないだろうから……。
「けれど、雛菊はいつかお兄ちゃんと一緒に地上に出る予定なのだ?」
「……ええ」
朔の説明で若干顔色を変え始める雛菊。
本人も少し思うところが出てきたようであった。
「どうやって、誤魔化すのだ?
どう考えたって、雛菊がわざとゲーム世界に誤認させていたようにしか思えないはずなのだ。
裏切られたと思うのは普通なのだ」
朔にそこまで言われて、青い顔で冷や汗を流し始める雛菊。
どうすれば良いのか思い付かない。
最初は、晴彦と手っ取り早く仲良くなろう程度の軽い気持ちだったのに、気が付けば自分から底なし沼に飛び込んでいたような錯覚を覚える。
最悪は自分だけが、晴彦から拒絶される可能性もある。
「……ハル。
行っちゃやだ!
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
膝を抱えて、ごめんなさいと呟き続ける姿に、九尾の狐足る威厳は欠片もない。
「……朔」
「ごめんなのだ。
こんなに後悔するとは思わなかったのだ」
あまりの惨状に、珍しく妹を非難する朧。
そして、素直に謝る朔。
ため息を1つ。
そして、雛菊を見る朧。
「……雛菊、端末14号に洗脳されていたことにする。
ゲーム世界にいたと自分も思い込まされていた。
……それでどう?」
「…………」
朧の言葉が脳に染みるにつれて、ハイライトが戻ってきた雛菊。
「それしかないわね。
端末14号には悪役になってもらいましょう」
フフフと暗い笑顔で笑う雛菊。
誰かを蹴落とすことに、欠片程度の呵責もないのが酷い。
「けど、朧が手助けしてくれるとは思わなかったわ。
何を企んでるの?」
「……別に企んでない。
けど、私達は鬼として生を受けた。
下手に雛菊が遠ざけられると、私達まで巻き込まれかねない」
結局、朧自身も我が身がかわいいのだった。
雛菊によって、ゲームキャラのデザインと性格を植え付けられた使い魔達は、ある意味一蓮托生なのだ。
だから、
「……どうせ大して関わる必要のない、端末14号にはお兄様の恨みを一身に受けてもらえば良い」
「……朧。
そうね。
ついでに2、3個不都合な事実の黒幕にでもなってもらいましょ」
自身の創造主への配慮は欠片もない朧だが、相手はそれ以上の外道であった。
「……コイツら質悪いのだ」
自分の母親と姉のような存在の悪辣さに、呆れる朔のため息が、地下会議室に響くのだった。
夜、晴彦との同衾から抜け出した雛菊は、朧と朔を呼んで、盛大に惚気る。
寝ているところを起こされた挙げ句に、他人と想い人のやり取りを聞かされた鬼双子は、当然ウンザリしている。
「……最低なのだ」
「……本当に」
しかも、2人は晴彦と雛菊が抱き締め合っている間、魚を捌いて燻蒸したり、夕飯の準備をしたりと、あれこれ動いていたのだ。
……世の不公平さが身に染みていた。
「……1つ気になった。
あの手紙は何?
お兄様が、海から慌てて、家に向かったのは盗聴で知っていただろうけど、あんな短時間で準備できるものとは思えない」
ご丁寧に、色々な仕掛けで、出来れば晴彦に見せたくなかったと主張までしていた。
どう見ても十数分で準備できたと思えない。
「あれは、元々用意してあったものよ。
ハルが人恋しさに都へ行きたいと、ごねたら出すためのものだったわ。
あれを見せた上で、下手に都へ行けば命を狙われると言えば、諦めも付くでしょ?」
「「……最低」」
こちらは雛菊の鬼畜な行動への非難。
晴彦を孤立させる気満々である。
「けど、ここまで色々な策略を巡らして、お兄ちゃんが地上へ復帰する時はどうする予定なのだ?」
「……どういうこと?」
気持ちを切り替えたらしい朔の言葉に、首を傾げる雛菊。
その様子に戦慄を覚えた双子。
「……どういうって、今お兄ちゃんはゲームの世界に転生したと思っているのだ。
その思い込みを補強し続けているのが、雛菊。
ここまでは良いのだ?」
「……そうね」
間違いなく、そうなるようにずっと行動している。
下手にダンジョンの中で生活していると言うよりも、遥かにストレスは少ないだろうから……。
「けれど、雛菊はいつかお兄ちゃんと一緒に地上に出る予定なのだ?」
「……ええ」
朔の説明で若干顔色を変え始める雛菊。
本人も少し思うところが出てきたようであった。
「どうやって、誤魔化すのだ?
どう考えたって、雛菊がわざとゲーム世界に誤認させていたようにしか思えないはずなのだ。
裏切られたと思うのは普通なのだ」
朔にそこまで言われて、青い顔で冷や汗を流し始める雛菊。
どうすれば良いのか思い付かない。
最初は、晴彦と手っ取り早く仲良くなろう程度の軽い気持ちだったのに、気が付けば自分から底なし沼に飛び込んでいたような錯覚を覚える。
最悪は自分だけが、晴彦から拒絶される可能性もある。
「……ハル。
行っちゃやだ!
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
膝を抱えて、ごめんなさいと呟き続ける姿に、九尾の狐足る威厳は欠片もない。
「……朔」
「ごめんなのだ。
こんなに後悔するとは思わなかったのだ」
あまりの惨状に、珍しく妹を非難する朧。
そして、素直に謝る朔。
ため息を1つ。
そして、雛菊を見る朧。
「……雛菊、端末14号に洗脳されていたことにする。
ゲーム世界にいたと自分も思い込まされていた。
……それでどう?」
「…………」
朧の言葉が脳に染みるにつれて、ハイライトが戻ってきた雛菊。
「それしかないわね。
端末14号には悪役になってもらいましょう」
フフフと暗い笑顔で笑う雛菊。
誰かを蹴落とすことに、欠片程度の呵責もないのが酷い。
「けど、朧が手助けしてくれるとは思わなかったわ。
何を企んでるの?」
「……別に企んでない。
けど、私達は鬼として生を受けた。
下手に雛菊が遠ざけられると、私達まで巻き込まれかねない」
結局、朧自身も我が身がかわいいのだった。
雛菊によって、ゲームキャラのデザインと性格を植え付けられた使い魔達は、ある意味一蓮托生なのだ。
だから、
「……どうせ大して関わる必要のない、端末14号にはお兄様の恨みを一身に受けてもらえば良い」
「……朧。
そうね。
ついでに2、3個不都合な事実の黒幕にでもなってもらいましょ」
自身の創造主への配慮は欠片もない朧だが、相手はそれ以上の外道であった。
「……コイツら質悪いのだ」
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