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地上での生活
第95話 カラオケ屋事情
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鬼の隠れ家と聞くと裏路地にひっそりあると思うだろ?
祭り囃子と言う店について、俺もそう思っていたんだけど……。
表通りにデカデカと看板を掲げていたよ。
ついでに、
「満室だからよそへ行け」
と追い出されたわけだ。
鬼の隠れ家を鬼が利用できない矛盾……。
「身内とはいえ、予約なしでカラオケ屋は厳しかったっす」
店の前で嘆くスタ子さん。
「正直、平日のカラオケ屋がこんなに混んでるとは思わなかったけど……」
「美尾さんは男っすからね……。
カラオケが付いたホテルとかに泊まれば歌い放題っすし、分からんっすか……」
正直に呟いたら、恨みがましい目を向けられた。
ちなみに、浜名さんも分かっていない様子だ……。
「原因はこれっすよ」
店のポスターの1つを指差すスタ子さん。
そこには、
「バーチャルデュエット?」
「昔からあるよね?
歌手とかとデュエット曲を歌えるサービス」
……聞いたことはある。
俺達世代で使うやつと言うのは、あまり聞かなかったけど。
「バーチャルとは言え、本物の男と触れ合える希少な機会ってことっすよ。
カラオケ屋が安いってのも大きいっすね」
「そうなの?」
「大災害の前後で価格変動はほぼなしっすよ。
フードはバカ高いっすけど、それは頼んで欲しくないからっす。
持ち込み歓迎だから、マジ格安の遊び場っすね」
……それは安いわ。
そのせいで、本来の目的が果たせないのは、問題だと思うけど。
「ねね!
そこのお兄さん?
カラオケ行きたかったの?
私らとどう?
お連れの人も一緒で良いよ?」
「うん?」
横合いから急に声を掛けられる。
そちらを向けば、5人ほどの着物女性集団。
見た目に反して、言葉遣いはギャルっぽいが……。
「お兄さん、ギャル相手も大丈夫っしょ?
私らと遊ぼ?」
彼女らの視線の先には、スタ子さん。
「ッチ。
コイツら、擬態女子っすね?
奥手そうなオタク男子を釣るために、着物とか制服姿で街を徘徊する連中っす」
「清楚な振りしたギャルってこと?」
スタ子さんは、大きく舌打ちして相手の着物集団を見据える。
「あんだよ?
予約なしでカラオケ屋に突入した無計画女が、でしゃばんなし!」
「お前もヤり目じゃん?
皆で共有しようって思わんの?」
「そーそー!
助け合いは大事っしょ?」
口々にこちら、と言うかスタ子さんを罵る着物集団。
ここは、俺が対応すべきだよな?
「すまないけど、彼女らは親戚でね?
別にそういう目的で、カラオケに来たわけじゃない。
これ以上は関わらないでくれるか?」
嘘も方便、親戚と言っておけば強く出れないはずだろうと、予想して言い放つ。
「んだよ、親戚?
……どうするよ?」
「……厄介だよ?」
「……しゃあないと思わん?」
案の定、仲間内で話し合いを始める。
男の連れ合いならともかく、親戚に嫌われるなれば、2度と近付けなくなるだろうと踏んだんだが、上手く行った。
「私らはこれで行くわ。
そん代わりにさ?
ウィス交換してくれね?」
「そうそ、もちろんこっちから連絡するような真似しねぇからさ?」
……これはどうすれば良い?
ウィス交換、つまりSNSのID交換くらいと思わなくもない。
まして、向こうから連絡はしないと宣言しているので問題にはならないような?
「……それくらいなら良いかな?」
「よほど問題ないとは思うけど?」
念のため、浜名さんへ訊ねてみる。
「決まり!
これ私のQR。
私がグループ作っからそっちへ入ってよ?」
「……分かった」
着物集団の1人からQRをもらい、フレンド申請する。
「……ああ、これ晴彦って本名?
適当なニックネームに変えなよ?
アイコンもなしはダメ。
アニメとかの絵で良いから、そういうのにしときな?」
「そうそう。
こういうとこから、男バレするから、そっちの晴彦くんのお姉さんも、ウィスの設定は見てあげないとヤバいよ?」
……急に親切になった感がすごい。
ありがたいのも事実だが。
「ミホ、時間!」
「ヤッバ!
そんじゃね?
分からないことがあったら、ウィスで説明してあげっから、今言ったことはすぐやんだよ?」
スマホでグループ登録をしていたらしい1人が、リーダー格の女性を呼ぶと、慌ててカラオケ屋へ入っていく着物女性集団。
「すんません、自分も姐さんにカラオケ屋一杯だと連絡入れるっす。
少し待っててください」
スタ子さんも、少し離れた建物の影に移動する。
「どう思う?」
「信じて良いと思うよ?
美尾くんの関心を買いたいだろうから、嘘言うとも思えないし……」
……浜名さんも賛成か。
確かに、ネットリテラシーは大事だって聞くしな……。
「じゃあ早速……。
雛菊の写真で良いか。
『夢幻千年京』のキャラくらいにしか思えんだろうし……」
「そうね」
さて、雛菊の写真。
これを使うかな?
「お待たせっす。
ムー姉ちゃんが抑えたホテルにチェックイン出来るらしいんで、そっちへ向かえってことっす!」
「あ、はい。
美尾くん、まずは移動しましょ?」
「そうだな」
写真の候補を選んでいるところで、スタ子さんから、移動の提案を受けた。
「ついでに、莧にはホテルへ移動すると伝えておこう」
せっかくウィスを開いているので、ホテルへ移動するメッセージを入れる。
「こっちっすよ?」
そして、スタ子さんへ付いて移動を開始した。
祭り囃子と言う店について、俺もそう思っていたんだけど……。
表通りにデカデカと看板を掲げていたよ。
ついでに、
「満室だからよそへ行け」
と追い出されたわけだ。
鬼の隠れ家を鬼が利用できない矛盾……。
「身内とはいえ、予約なしでカラオケ屋は厳しかったっす」
店の前で嘆くスタ子さん。
「正直、平日のカラオケ屋がこんなに混んでるとは思わなかったけど……」
「美尾さんは男っすからね……。
カラオケが付いたホテルとかに泊まれば歌い放題っすし、分からんっすか……」
正直に呟いたら、恨みがましい目を向けられた。
ちなみに、浜名さんも分かっていない様子だ……。
「原因はこれっすよ」
店のポスターの1つを指差すスタ子さん。
そこには、
「バーチャルデュエット?」
「昔からあるよね?
歌手とかとデュエット曲を歌えるサービス」
……聞いたことはある。
俺達世代で使うやつと言うのは、あまり聞かなかったけど。
「バーチャルとは言え、本物の男と触れ合える希少な機会ってことっすよ。
カラオケ屋が安いってのも大きいっすね」
「そうなの?」
「大災害の前後で価格変動はほぼなしっすよ。
フードはバカ高いっすけど、それは頼んで欲しくないからっす。
持ち込み歓迎だから、マジ格安の遊び場っすね」
……それは安いわ。
そのせいで、本来の目的が果たせないのは、問題だと思うけど。
「ねね!
そこのお兄さん?
カラオケ行きたかったの?
私らとどう?
お連れの人も一緒で良いよ?」
「うん?」
横合いから急に声を掛けられる。
そちらを向けば、5人ほどの着物女性集団。
見た目に反して、言葉遣いはギャルっぽいが……。
「お兄さん、ギャル相手も大丈夫っしょ?
私らと遊ぼ?」
彼女らの視線の先には、スタ子さん。
「ッチ。
コイツら、擬態女子っすね?
奥手そうなオタク男子を釣るために、着物とか制服姿で街を徘徊する連中っす」
「清楚な振りしたギャルってこと?」
スタ子さんは、大きく舌打ちして相手の着物集団を見据える。
「あんだよ?
予約なしでカラオケ屋に突入した無計画女が、でしゃばんなし!」
「お前もヤり目じゃん?
皆で共有しようって思わんの?」
「そーそー!
助け合いは大事っしょ?」
口々にこちら、と言うかスタ子さんを罵る着物集団。
ここは、俺が対応すべきだよな?
「すまないけど、彼女らは親戚でね?
別にそういう目的で、カラオケに来たわけじゃない。
これ以上は関わらないでくれるか?」
嘘も方便、親戚と言っておけば強く出れないはずだろうと、予想して言い放つ。
「んだよ、親戚?
……どうするよ?」
「……厄介だよ?」
「……しゃあないと思わん?」
案の定、仲間内で話し合いを始める。
男の連れ合いならともかく、親戚に嫌われるなれば、2度と近付けなくなるだろうと踏んだんだが、上手く行った。
「私らはこれで行くわ。
そん代わりにさ?
ウィス交換してくれね?」
「そうそ、もちろんこっちから連絡するような真似しねぇからさ?」
……これはどうすれば良い?
ウィス交換、つまりSNSのID交換くらいと思わなくもない。
まして、向こうから連絡はしないと宣言しているので問題にはならないような?
「……それくらいなら良いかな?」
「よほど問題ないとは思うけど?」
念のため、浜名さんへ訊ねてみる。
「決まり!
これ私のQR。
私がグループ作っからそっちへ入ってよ?」
「……分かった」
着物集団の1人からQRをもらい、フレンド申請する。
「……ああ、これ晴彦って本名?
適当なニックネームに変えなよ?
アイコンもなしはダメ。
アニメとかの絵で良いから、そういうのにしときな?」
「そうそう。
こういうとこから、男バレするから、そっちの晴彦くんのお姉さんも、ウィスの設定は見てあげないとヤバいよ?」
……急に親切になった感がすごい。
ありがたいのも事実だが。
「ミホ、時間!」
「ヤッバ!
そんじゃね?
分からないことがあったら、ウィスで説明してあげっから、今言ったことはすぐやんだよ?」
スマホでグループ登録をしていたらしい1人が、リーダー格の女性を呼ぶと、慌ててカラオケ屋へ入っていく着物女性集団。
「すんません、自分も姐さんにカラオケ屋一杯だと連絡入れるっす。
少し待っててください」
スタ子さんも、少し離れた建物の影に移動する。
「どう思う?」
「信じて良いと思うよ?
美尾くんの関心を買いたいだろうから、嘘言うとも思えないし……」
……浜名さんも賛成か。
確かに、ネットリテラシーは大事だって聞くしな……。
「じゃあ早速……。
雛菊の写真で良いか。
『夢幻千年京』のキャラくらいにしか思えんだろうし……」
「そうね」
さて、雛菊の写真。
これを使うかな?
「お待たせっす。
ムー姉ちゃんが抑えたホテルにチェックイン出来るらしいんで、そっちへ向かえってことっす!」
「あ、はい。
美尾くん、まずは移動しましょ?」
「そうだな」
写真の候補を選んでいるところで、スタ子さんから、移動の提案を受けた。
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そして、スタ子さんへ付いて移動を開始した。
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