廻って異世界

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地上での生活

第98話 責任問題

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「……さて、どう落とし前を付けてもらえるのかしら?」
「……いや、それは、そのうぅ」

 目の前に立つ少女の冷たい視線に、考えが纏まらず、視線が泳ぎまくってる。
 ……激怒としか言えないプレッシャーを発するミコトの前で、正座させられた俺。
 周囲には、はだけた服のまま、ぐったりと横たわる女性達。

「何があったら、私がタマちゃんと話をしている間に、こんな状況に陥るのよ?」
「……ごめんなさい」

 もはや、言い逃れ出来る状況ではないので、ひとまず謝罪。
 何があったと言われても、俺自身の記憶が曖昧なのだ。

「埒が明かないわね。
 原因究明はひとまず置いておくとして……。
 今後のことを話し合いましょうか?」
「いや、そういうわけにはいかないだろ?」

 何故、こんなこんなことになったのかを、はっきりさせないと、同じ様なことになるかもしれない。
 対策を打つためにも、原因究明は最優先だ。
 と思ったけど、

「この場合の加害者は晴彦よね?
  加害者に選択権があるとでも?」
「それは……。
 ないです……」
「でしょう?
 それとも、自分が被害者と主張するわけ?」

 状況的に、俺が悪いのは間違いなさそう……。
 混濁しているせいか、記憶が曖昧ながらも、積極的に彼女達へと行為に及んだのは、間違いなさそうだし……。

「……私だって、あなたを悪者にする気はないわ。
 先ほど言ったように、私はあなたの使い魔だし、この子達は私の配下。
 晴彦の体面が傷付くのは、私達にとっても大損でしょ?
 ただね?
 見ての通り、うちの娘達の純潔奪った晴彦を無罪放免は無理なわけよ?」
「……ですよね」

 自分達のボスが、犯罪者なのは困るから内々に処理するけど、性暴行の落とし前は付けろと。
 うん、当然だわな。

「どうすれば良いのでしょうか?」
「どうすれば良いと思う?」

 思わず、敬語で訊ねる俺にそのまま返してくるミコト。
 無理言うな、と文句を言いたい。
 複数の女性と関係を持った責任の取り方なんてあるわけがないだろうに……。
 複数の女性?
 浮気みたいなことだよな?

「……今すぐに大金は用意できないので、慰謝料は分割でお願い出来ますか?」
「お馬鹿。
 お金なんて要らないわよ。
 大江の里で、どれくらい役に立つと思うのよ?」

 違うか……。
 けど、お金は役に立たないってことは、方向性は正しいのか?

「食料とか生活用品で納めれば……」
「違う!
 良い?
 今、大江の里に一番足りないものは、なんだと思う?」

 現物支給による慰謝料も拒否られた。
 慰謝料と言う考え方が違う?
 そして、大江の里に一番足りないもの?

「男が不足してるのよ?
 世界中で、不足しているとも言えるけどね?
 大江の里は、輪を掛けてひどい状況よ。
 里内だと相手なんて見付からない」
「……それは」

 小さな里だと言っていたし、男不足も本格的に酷いのだろうか。

「かといって、里の外の男とかもっと無理だからね?
 人攫いでもしないと、私達の里で暮らしたいなんて男は現れない」
「……」
「そんな環境で、暮らす娘達と行為に及んでおいて、お金や物品で謝罪?」

 ミコトの要求が見えてきた。
 同時に、それが無茶な話だとも……。

「結婚しろと言うこと?
 一応、現行法では一夫一妻制だけど……」
「誰もそこまでしろとは、言っていないわよ?
 月1くらいの頻度で良いから、会いに来るとか晴彦なりに仲良くして欲しいとは思うけどね?」

 会いに来ると言いつつ、仲良くしろと言う表現……。

「愛人みたいな関係で良いから、シャイ子さん達と付き合えと……」
「もちろん、本人が望めばだけどね?
 私は保護者として、詰問しているだけだもの。
 言いたいのは、誠実な対応を求めていると言うだけの話」
「……はい」

 若干、誘導尋問じゃないかな?
 とも思ったが、悪いことをしたのは俺なので文句は言えない。
 素直に頭を下げておくしかないだろう。
 大江百花の皆に、夕蔓さんへも後で謝罪しないと……。
 あれ?

「……そういえば、浜名さんがいない?」
「浜名?
 優歌のこと?
 あの娘は隣の部屋で寝ているわ。
 運良く、晴彦の凶行から免れたようよ?」
「凶行って……。
 否定は出来ないけどさ」

 まさに凶行奇行の類いだよな。
 浜名さん視点だと、いきなり、大乱交が始まったような感じだろうし……。

「ショックを受けただろうな。
 とは言え……」
「晴彦が行くのはダメよ?
 しばらく寝かしておきなさい。
 晴彦は、夕食までにお風呂に入ってくると良いわ。
 ここは私が片付けておくから」
「いや、……ああ。
 お願いするわ」

 ミコトの言葉に甘えることにする。
 身体中が妙にべたつく不快感があるし、女性陣も目覚めたら、順に風呂に入るだろうからな。

「しかし、どうしたものかな?」

 複数の女性相手に、責任の取り方を悩むことになるとは、想像もしていなかった。
 答えを出せるのか、不安なまま、俺はシャワールームへ向かう準備を始めるのだった。
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