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地上での生活
第112話 悪意
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『アンバーメープルについてです。
糸巻さんは、彼女達についてご存知でしょうか?』
『JHKで話題となっている2人組ですね?
賛否両論を巻き起こしているとか……』
あるテレビ番組。
司会者が話題を振ると、解説役の女性がそれに応えますの。
『はい。
迷宮探索を行い、様々な物を持ち帰っています。
また、迷宮内部の情報を率先して公開してくれています。
そのため、最前線で命を張ってくれていると、好意的な人達がいる。
一方で、優先的に迷宮探索を行える立場で、利益を独り占めしていることを非難する方達もいると言う状況です』
解説役の返答により詳しい情報を返す形で説明を続ける司会者。
好意的な人達と非難する方達と言う表現から、テレビ関係者が私達をどう視ているか良く分かりますの。
『……そうですね。
やはり、一番の問題はメープルさんが迷宮の魔物であると言うことでしょう。
魔物に家族を殺された、或いは、拐われたと言う人は決して少なくない。
そういう方々からしてみれば、同じ魔物ではないとは言え、メープルさんは面白くない存在です』
『確かに、魔物に違いはないわけですからね……』
コメンテーターの言葉に胸が痛みますの。
なにせ、
「やっぱり、私が足を引っ張ってるですの……」
私が魔物であることは間違いなく、そして、魔物が人に受け入れられるには、時間が足りないですの。
『正直に申し上げますと、私はこの2人を悪く言う気はありませんよ?
今後、迷宮探索が民間に開放されれば、遅かれ早かれ同じようなことが起こったのは、間違いありません。
その時に、人間側が知名度の低い一般人であれば、魔物諸とも迫害の目に遭ったかもしれません。
対して、アンバーメープルの場合は、アンバーさんは元ジュエルズアンバーであり、彼女を不審に思う人は少ないわけです』
『そうですね。
ジュエルズの皆さんが、率先して魔物から人々を守ってくれていたのは、事実ですし……』
……意外ですの。
テレビ局は私達を疎ましく思っていると、聞いていたですのに。
絶好の機会を棒に振るですの?
『それだけではありません。
ジュエルズアンバーとして、活動してみえたアンバーさんが、危険な状況に追い込まれるほどの魔物が迷宮にはいると言うこと。
そして、そんな魔物よりも更に強い魔物でも、人と友好的になれると言うこと。
この2点を教えてくれているんですよ?』
『確かにその通りですね……。
ジュエルズの皆さんよりも、強い魔物が複数存在していると……。
……怖い話ですね』
なるほどですの。
今後危機的な状況に陥った時に備え、敵対するよりも友好的な対応に終始させてるですの。
『問題は、山崎総理を初めとする政府の対応ですよ!
もっと、時期を考えるべきだったんです。
未だ、家族を喪った悲しみを抱えている人が多いと言うのに、このような手法で元ジュエルズと魔物のペアを喧伝するなんて!』
『なるほど、もう少し時期を遅らせるべきであったと?』
机をバンッと叩くコメンテーター。
激昂をしているように見せているですの。
事情を知らずに、何を勝手なことをと思わないでもないですの。
まあ、その事情を公表できないのも事実ですの。
『その通りです。
せめて、迷宮探索が民間に開放された後であれば、独占的な立場と言う嫉妬の標的になる状況は阻止できたはずです』
『つまり、今回のネット界隈の炎上は、政府の失態と?』
『そうです……』
リモコンを操作して、テレビを切る。
これ以上は、有益な情報も得られないと考えたですの。
「……テレビ局が悪意を煽動するとばかり思っていた、いえ、そうなるように雛菊が誘導するとばかりに思っていたですの。
どういうつもりですの?」
正直、不安ですの……。
あの雛菊が、囮に使ってこっちを見逃すとは思えなかったですの。
囮に使った上に、ダメージを与えようと企むくらいは絶対にやると思っていたですの……。
だから、琥珀の外出したタイミングで、テレビ番組を観て情報を集めようとしたですのに……。
「そういえば、ネット界隈の炎上と言うのはどういう感じですの?」
JHKのアンバーメープルのチャンネルを開き、コメントを覗いてみますの。
そこには、
「な!!
アンバーの本名は、大渕琥珀。
岐阜県岐阜市出身……。
出身校や家族構成まで!
琥珀の情報が、細かく羅列されていたですの!」
特定と言う奴ですの……。
けれど、こんなことをして、何になると言うですの?
!!
琥珀を気に入らない奴は少なからずいるですの……。
そういう連中が、情報のやり取りをしていたら?
「マズいですの!
琥珀が孤立させられますの!」
逆恨みを拗らせて、琥珀の友人や家族を害そうと企む奴が出てもおかしくないですの!
そうなれば、琥珀は……。
雛菊!!
きっとこれが狙いですの!
私達を2人ぼっちに孤立させる気ですの!
どうすれば良いですの?
相手は雛菊に踊らされただけの不特定多数。
どうすれば、どうすれば、どうすれば……。
琥珀が帰ってくるまで、1人で部屋の中、頭を悩ませることになった紅葉であった。
糸巻さんは、彼女達についてご存知でしょうか?』
『JHKで話題となっている2人組ですね?
賛否両論を巻き起こしているとか……』
あるテレビ番組。
司会者が話題を振ると、解説役の女性がそれに応えますの。
『はい。
迷宮探索を行い、様々な物を持ち帰っています。
また、迷宮内部の情報を率先して公開してくれています。
そのため、最前線で命を張ってくれていると、好意的な人達がいる。
一方で、優先的に迷宮探索を行える立場で、利益を独り占めしていることを非難する方達もいると言う状況です』
解説役の返答により詳しい情報を返す形で説明を続ける司会者。
好意的な人達と非難する方達と言う表現から、テレビ関係者が私達をどう視ているか良く分かりますの。
『……そうですね。
やはり、一番の問題はメープルさんが迷宮の魔物であると言うことでしょう。
魔物に家族を殺された、或いは、拐われたと言う人は決して少なくない。
そういう方々からしてみれば、同じ魔物ではないとは言え、メープルさんは面白くない存在です』
『確かに、魔物に違いはないわけですからね……』
コメンテーターの言葉に胸が痛みますの。
なにせ、
「やっぱり、私が足を引っ張ってるですの……」
私が魔物であることは間違いなく、そして、魔物が人に受け入れられるには、時間が足りないですの。
『正直に申し上げますと、私はこの2人を悪く言う気はありませんよ?
今後、迷宮探索が民間に開放されれば、遅かれ早かれ同じようなことが起こったのは、間違いありません。
その時に、人間側が知名度の低い一般人であれば、魔物諸とも迫害の目に遭ったかもしれません。
対して、アンバーメープルの場合は、アンバーさんは元ジュエルズアンバーであり、彼女を不審に思う人は少ないわけです』
『そうですね。
ジュエルズの皆さんが、率先して魔物から人々を守ってくれていたのは、事実ですし……』
……意外ですの。
テレビ局は私達を疎ましく思っていると、聞いていたですのに。
絶好の機会を棒に振るですの?
『それだけではありません。
ジュエルズアンバーとして、活動してみえたアンバーさんが、危険な状況に追い込まれるほどの魔物が迷宮にはいると言うこと。
そして、そんな魔物よりも更に強い魔物でも、人と友好的になれると言うこと。
この2点を教えてくれているんですよ?』
『確かにその通りですね……。
ジュエルズの皆さんよりも、強い魔物が複数存在していると……。
……怖い話ですね』
なるほどですの。
今後危機的な状況に陥った時に備え、敵対するよりも友好的な対応に終始させてるですの。
『問題は、山崎総理を初めとする政府の対応ですよ!
もっと、時期を考えるべきだったんです。
未だ、家族を喪った悲しみを抱えている人が多いと言うのに、このような手法で元ジュエルズと魔物のペアを喧伝するなんて!』
『なるほど、もう少し時期を遅らせるべきであったと?』
机をバンッと叩くコメンテーター。
激昂をしているように見せているですの。
事情を知らずに、何を勝手なことをと思わないでもないですの。
まあ、その事情を公表できないのも事実ですの。
『その通りです。
せめて、迷宮探索が民間に開放された後であれば、独占的な立場と言う嫉妬の標的になる状況は阻止できたはずです』
『つまり、今回のネット界隈の炎上は、政府の失態と?』
『そうです……』
リモコンを操作して、テレビを切る。
これ以上は、有益な情報も得られないと考えたですの。
「……テレビ局が悪意を煽動するとばかり思っていた、いえ、そうなるように雛菊が誘導するとばかりに思っていたですの。
どういうつもりですの?」
正直、不安ですの……。
あの雛菊が、囮に使ってこっちを見逃すとは思えなかったですの。
囮に使った上に、ダメージを与えようと企むくらいは絶対にやると思っていたですの……。
だから、琥珀の外出したタイミングで、テレビ番組を観て情報を集めようとしたですのに……。
「そういえば、ネット界隈の炎上と言うのはどういう感じですの?」
JHKのアンバーメープルのチャンネルを開き、コメントを覗いてみますの。
そこには、
「な!!
アンバーの本名は、大渕琥珀。
岐阜県岐阜市出身……。
出身校や家族構成まで!
琥珀の情報が、細かく羅列されていたですの!」
特定と言う奴ですの……。
けれど、こんなことをして、何になると言うですの?
!!
琥珀を気に入らない奴は少なからずいるですの……。
そういう連中が、情報のやり取りをしていたら?
「マズいですの!
琥珀が孤立させられますの!」
逆恨みを拗らせて、琥珀の友人や家族を害そうと企む奴が出てもおかしくないですの!
そうなれば、琥珀は……。
雛菊!!
きっとこれが狙いですの!
私達を2人ぼっちに孤立させる気ですの!
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