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地上での生活
第114話 順調だけど
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「おかしい……」
新拠点での生活を初めて5日。
明後日には、雛菊と晴珠の待つホテルへ向かう予定なのだが……。
「何がおかしいの?」
「例の都会から疎開してきた人達の件。
この拠点を造り始めた時点で、場所がバレてるわけだろ?
なのに、今のところ全く襲撃の気配がない」
俺と同じ区画を割り当てられた眞緒が、訊ねてきたので、正直に答える。
「熊に遭遇したからじゃないの?」
「確かに!」
俺自身もあの熊に相対した時は、ビビりまくっていた。
ミコト達によって、美味しく料理されたせいで、熊への恐怖が薄れていたわ。
「……そうなると、もうしばらくは猶予があるのかな?
けどな……」
「どうしたの?」
収穫したリンゴを眞緒に手渡しつつ、不安に眉を潜める。
「ほら、明後日には此処を離れるだろ?
残るメンバーは、ミコトとシャイ子さん、スタ子さん、ミュー子さんの4人。
しかも、ミコト曰くシャイ子さんとスタ子さんは、妊娠中と言うことだった。
……本当かどうかも分からないけど」
ミコトは、シャイ子さんとスタ子さんが、おめでただと言っていたが、身体を重ねた回数は出会った日の1回切りだし。
しかも、あれから2週間弱だから、本当に受精していても、まだ着床すら怪しい時期だろう?
ミコトが嘘を付く理由もないので、信じるべきかもしれないけど……。
逆に、そうなると数ヶ月もすると実働メンバーが、ミコトとミュー子さんの2人だけになってしまう。
いくら、最低限の衣と住は整ったと言っても、不安が絶えない。
「……そうね」
「どうしたら良いんだろう?」
少し考え、やはり同じ結論が出たらしい眞緒へ、相談してみる。
と言うのも、
「ミコトさん達にまず相談じゃないの?」
「それは……。
……それはしたくない。
ミコトの言動をみてると、自分の能力を過大評価して、その皺寄せをシャイ子さん達が担っている気がする」
真っ当な意見は、間違いなく眞緒だけど、今日までの言動をみているとどうにも不安だ。
「相談しても大丈夫だと、突っぱねられて終わる気がする」
「さすがにそれは……。
……あり得るかもしれないけど」
ミコトを擁護しようとして、失敗する眞緒。
同じような印象抱いてるじゃないか……。
「例えば、信用できる仲間を内緒で増やして、なし崩しに此処の住人を増やすとかなら、反論しづらいはずだけど……」
現在保有する2台の車のうち、1台で移動し、もう1台は此処に残す。
加えて、荷物もそこそこ多いから、今の乗員予定である5人が同行限界だろう。
ならば、今以上に仲間が増えれば、その人はこの拠点に残らざるをえない。
「一理はあるのかな……」
眞緒が首を傾げつつも頷く。
しかし、歯切れは悪い。
……当然だろう。
「問題は、二見浦近郊にはまともな伝がない点だろうな……。
地元でもないし、親戚もいない」
「加えて時間もないわよ?」
……眞緒の指摘。
それが一番の大きい問題点。
仮に遠縁の親戚がいたとしても、僅か2日で人格を把握できるはずもない。
……それなりに信用出来そうな人の宛がないと困るんだけど。
「難しい話ね……。
まずは、雛菊さんに相談したら?」
「それが一番かな?」
少なくとも俺達より知恵が回るのは事実だ。
「ウィスのチャットに入れておくかな……」
『明後日にはそっちへ向かうわけなんだけど、造った拠点について相談
こっちにミコトと大江百花の3人が残る予定だけど、人手少なくなるから良い手ない?』
こんな感じで良いかな?
……珍しい。
直ぐに既読が付いた。
雛菊はあまりスマホを弄らないタイプなのか、朝入れたチャットが夜まで未読なことも珍しくないのに……。
『難しい問題ね
正直、私もその辺りに伝はないわ
けど、ミコトなら土木用の土人形くらいは作れるわよ?』
「あ……」
「どうしたの?」
雛菊の返答に思わず、間抜けな声が出る。
そういえば、ミコト自身は結構魔法に堪能だったわ。
「これ……」
「……」
返答する気力がなくなり、眞緒にチャットを見せると、彼女も苦笑している。
あれこれと世話になっているのに、どうにもミコトが魔法に長けている印象がないんだよな……。
『そういえばそうだった
ごめん、変なこと訊いて……』
『気にしないで大丈夫
帰ってくるのを待ってるわ』
ひとまず謝罪のメールを入れて、眞緒に視線を向ける。
「さあ、仕事を進めましょうか?」
「そうだね」
懸念はなかったことにして、大量のリンゴへ手を伸ばす。
通常収穫である鳥羽の海女さん達へ提供する分とは、別に自分達がホテルへ持ち帰る分の収穫もあるので、あまりのんびりしていれない。
新拠点での生活を初めて5日。
明後日には、雛菊と晴珠の待つホテルへ向かう予定なのだが……。
「何がおかしいの?」
「例の都会から疎開してきた人達の件。
この拠点を造り始めた時点で、場所がバレてるわけだろ?
なのに、今のところ全く襲撃の気配がない」
俺と同じ区画を割り当てられた眞緒が、訊ねてきたので、正直に答える。
「熊に遭遇したからじゃないの?」
「確かに!」
俺自身もあの熊に相対した時は、ビビりまくっていた。
ミコト達によって、美味しく料理されたせいで、熊への恐怖が薄れていたわ。
「……そうなると、もうしばらくは猶予があるのかな?
けどな……」
「どうしたの?」
収穫したリンゴを眞緒に手渡しつつ、不安に眉を潜める。
「ほら、明後日には此処を離れるだろ?
残るメンバーは、ミコトとシャイ子さん、スタ子さん、ミュー子さんの4人。
しかも、ミコト曰くシャイ子さんとスタ子さんは、妊娠中と言うことだった。
……本当かどうかも分からないけど」
ミコトは、シャイ子さんとスタ子さんが、おめでただと言っていたが、身体を重ねた回数は出会った日の1回切りだし。
しかも、あれから2週間弱だから、本当に受精していても、まだ着床すら怪しい時期だろう?
ミコトが嘘を付く理由もないので、信じるべきかもしれないけど……。
逆に、そうなると数ヶ月もすると実働メンバーが、ミコトとミュー子さんの2人だけになってしまう。
いくら、最低限の衣と住は整ったと言っても、不安が絶えない。
「……そうね」
「どうしたら良いんだろう?」
少し考え、やはり同じ結論が出たらしい眞緒へ、相談してみる。
と言うのも、
「ミコトさん達にまず相談じゃないの?」
「それは……。
……それはしたくない。
ミコトの言動をみてると、自分の能力を過大評価して、その皺寄せをシャイ子さん達が担っている気がする」
真っ当な意見は、間違いなく眞緒だけど、今日までの言動をみているとどうにも不安だ。
「相談しても大丈夫だと、突っぱねられて終わる気がする」
「さすがにそれは……。
……あり得るかもしれないけど」
ミコトを擁護しようとして、失敗する眞緒。
同じような印象抱いてるじゃないか……。
「例えば、信用できる仲間を内緒で増やして、なし崩しに此処の住人を増やすとかなら、反論しづらいはずだけど……」
現在保有する2台の車のうち、1台で移動し、もう1台は此処に残す。
加えて、荷物もそこそこ多いから、今の乗員予定である5人が同行限界だろう。
ならば、今以上に仲間が増えれば、その人はこの拠点に残らざるをえない。
「一理はあるのかな……」
眞緒が首を傾げつつも頷く。
しかし、歯切れは悪い。
……当然だろう。
「問題は、二見浦近郊にはまともな伝がない点だろうな……。
地元でもないし、親戚もいない」
「加えて時間もないわよ?」
……眞緒の指摘。
それが一番の大きい問題点。
仮に遠縁の親戚がいたとしても、僅か2日で人格を把握できるはずもない。
……それなりに信用出来そうな人の宛がないと困るんだけど。
「難しい話ね……。
まずは、雛菊さんに相談したら?」
「それが一番かな?」
少なくとも俺達より知恵が回るのは事実だ。
「ウィスのチャットに入れておくかな……」
『明後日にはそっちへ向かうわけなんだけど、造った拠点について相談
こっちにミコトと大江百花の3人が残る予定だけど、人手少なくなるから良い手ない?』
こんな感じで良いかな?
……珍しい。
直ぐに既読が付いた。
雛菊はあまりスマホを弄らないタイプなのか、朝入れたチャットが夜まで未読なことも珍しくないのに……。
『難しい問題ね
正直、私もその辺りに伝はないわ
けど、ミコトなら土木用の土人形くらいは作れるわよ?』
「あ……」
「どうしたの?」
雛菊の返答に思わず、間抜けな声が出る。
そういえば、ミコト自身は結構魔法に堪能だったわ。
「これ……」
「……」
返答する気力がなくなり、眞緒にチャットを見せると、彼女も苦笑している。
あれこれと世話になっているのに、どうにもミコトが魔法に長けている印象がないんだよな……。
『そういえばそうだった
ごめん、変なこと訊いて……』
『気にしないで大丈夫
帰ってくるのを待ってるわ』
ひとまず謝罪のメールを入れて、眞緒に視線を向ける。
「さあ、仕事を進めましょうか?」
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