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地上での生活
第133話 変な状況
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俺は、日本政府の官僚と話し合いに来たはずなんだ。
……厳密には、話し合いに来た雛菊のおまけだけど。
少なくとも、やや年上~年下の女の子達と仲良くなりに来たわけじゃないんだが……。
最初は、あれこれと雛菊の意見や要望を聞いた官僚達が、
「私達の間でも意見の調整をさせていただきたいので、しばらくお時間をください」
と退席したのだ。
その後、
「しばらく掛かるので、話し相手に同世代の親族を呼びました。
東京の情勢とかも気になるでしょうし……」
と、秘書らしき人が、数人の女性を案内してきた。
時間が掛かるなら、後日にしてくれれば、東京観光も出来るのにと、内心で考えていたのだが、雛菊が先手を取って、
「昔と違って、東京まで直ぐに来れるものじゃないし、総理官邸に頻繁に出入りできるものでもないから、しょうがないわね」
等と言えば、何も言えない。
自由に出歩ける女性達から情報を得られるだけでも、東京観光気分は味わえるかと思い直した。
そして、東京のことを、あれこれと訊いて過ごしていた。
最初は距離感も掴めず、戸惑いながらの会話だったが、雛菊が電話をするからと、席を離れてから徐々に雲行きが怪しくなってきた。
まあ、こちら側の質問が尽きてきたのも、原因だろう。
向こうも親や親戚から、退屈させるなと指示されているんだと思う。
だから、俺についての質問が徐々に出てきた。
俺自身も沈黙よりはマシと思って、大災害前のことや、ダンジョンで生活していた時のことを話した。
特にダンジョン内での生活については、称賛や労りの言葉が多かったせいで、口が軽くなり掛けることも多かった。
気が付けば、真横にやや年下くらいの少女がいて、
「辛かったね?」
と、頭を撫でられて、慰められていた。
言う気もなかった琥珀や紅葉のことをうっかり話してしまったせいではあるけど……。
最初は、
「ダンジョンって、危ない場所でしょ?
そんなところで生活していたなんて凄い!」
と褒められた。
その時点じゃ、
「雛菊達がいたからだよ。
俺は全然すごくない」
って、返していた。
俺なりに、大袈裟にチヤホヤする女性への警戒があったのも大きい。
けれど、
「雛菊さんは、今、電話のために席を外している人よね?
他にはどんな人がいるの?」
など、あっさり話題が代わって、拍子抜けしつつ、安堵もしていたんだ。
政財界に関わっている人だけに、男性を無闇に狙うような人達じゃないか……。
と少し打ち解けた。
「物静かだけど、頭の良い朧。
その双子の妹の朔は、天真爛漫って言うのかな?
無邪気そのもので、結構救われたかな……。
後は、普段から男装してる莧に、鍛冶とかで道具作りを担当してくれている茨。
それと……」
そこで俺なりに、ストップを掛けることに成功した。
紅葉との関わりは言うのはマズいことだから。
代わりに、
「結って、精霊がいるね」
「精霊?」
「うん。
SFとかに出てくる人工知能みたいな存在」
と、そこで少女達が思い思いに笑った。
曰く、
「精霊とSFって、対極のものじゃない」
だとさ。
俺もそう思うけど、実際そんな感じだったからな……。
その後も、ダンジョンの話を続けたんだが、紅葉と行動した時間って結構長いからな。
所々で、整合性が取れていなかったと思う。
そして、話がダンジョンを出るタイミングになった時のことだ。
「迷宮攻略部隊の救助で、ダンジョンを出ることになって、それからはホテル住みの状況だね」
と話を締めたが、
「それですと、これからもしばらくホテルを?
それでしたら、私達の別荘などをお貸ししましょうか?
ホテル暮らしは落ち着かないでしょうし……」
と、気を遣われてしまった。
その言葉を聞いた時点で、再び警戒心が急上昇し、
「三重県の方に、新しい拠点を築いているから大丈夫!
東京から帰ったら、本格的にそこへ移り住むんだ」
強めの強調を交えて、説明した。
説明したのだが、
「……よろしいでしょうか?
迷宮攻略部隊と共にダンジョンを出てみえたのは、晴彦さんと雛菊さん、莧さんの3人でしたよね?
そのうち、雛菊さんはご妊娠。
莧さんが自衛隊に出向でしたわね?
なので、急遽晴彦さんの元同級生を護衛に雇われた……。
気を悪くされたら、ごめんなさい。
ダンジョン脱出に際して、どなたかお亡くなりに?」
そこで失敗に気付いた。
訊いてきた女性以外にも、部屋にいた皆が痛ましい顔を向けてきていた。
しょうがないので、具体的な名前はぼかしつつ、もう1人の仲間がいたことと、彼女とは袂を別ったことを伝えたんだ。
……下手なゴタゴタは言いたくなかったから、価値観の相違とだけ伝えるに留めたが、変に深読みをしたのか、慰められる現状となった。
……早く雛菊に戻ってきてもらいたいんだけど。
……厳密には、話し合いに来た雛菊のおまけだけど。
少なくとも、やや年上~年下の女の子達と仲良くなりに来たわけじゃないんだが……。
最初は、あれこれと雛菊の意見や要望を聞いた官僚達が、
「私達の間でも意見の調整をさせていただきたいので、しばらくお時間をください」
と退席したのだ。
その後、
「しばらく掛かるので、話し相手に同世代の親族を呼びました。
東京の情勢とかも気になるでしょうし……」
と、秘書らしき人が、数人の女性を案内してきた。
時間が掛かるなら、後日にしてくれれば、東京観光も出来るのにと、内心で考えていたのだが、雛菊が先手を取って、
「昔と違って、東京まで直ぐに来れるものじゃないし、総理官邸に頻繁に出入りできるものでもないから、しょうがないわね」
等と言えば、何も言えない。
自由に出歩ける女性達から情報を得られるだけでも、東京観光気分は味わえるかと思い直した。
そして、東京のことを、あれこれと訊いて過ごしていた。
最初は距離感も掴めず、戸惑いながらの会話だったが、雛菊が電話をするからと、席を離れてから徐々に雲行きが怪しくなってきた。
まあ、こちら側の質問が尽きてきたのも、原因だろう。
向こうも親や親戚から、退屈させるなと指示されているんだと思う。
だから、俺についての質問が徐々に出てきた。
俺自身も沈黙よりはマシと思って、大災害前のことや、ダンジョンで生活していた時のことを話した。
特にダンジョン内での生活については、称賛や労りの言葉が多かったせいで、口が軽くなり掛けることも多かった。
気が付けば、真横にやや年下くらいの少女がいて、
「辛かったね?」
と、頭を撫でられて、慰められていた。
言う気もなかった琥珀や紅葉のことをうっかり話してしまったせいではあるけど……。
最初は、
「ダンジョンって、危ない場所でしょ?
そんなところで生活していたなんて凄い!」
と褒められた。
その時点じゃ、
「雛菊達がいたからだよ。
俺は全然すごくない」
って、返していた。
俺なりに、大袈裟にチヤホヤする女性への警戒があったのも大きい。
けれど、
「雛菊さんは、今、電話のために席を外している人よね?
他にはどんな人がいるの?」
など、あっさり話題が代わって、拍子抜けしつつ、安堵もしていたんだ。
政財界に関わっている人だけに、男性を無闇に狙うような人達じゃないか……。
と少し打ち解けた。
「物静かだけど、頭の良い朧。
その双子の妹の朔は、天真爛漫って言うのかな?
無邪気そのもので、結構救われたかな……。
後は、普段から男装してる莧に、鍛冶とかで道具作りを担当してくれている茨。
それと……」
そこで俺なりに、ストップを掛けることに成功した。
紅葉との関わりは言うのはマズいことだから。
代わりに、
「結って、精霊がいるね」
「精霊?」
「うん。
SFとかに出てくる人工知能みたいな存在」
と、そこで少女達が思い思いに笑った。
曰く、
「精霊とSFって、対極のものじゃない」
だとさ。
俺もそう思うけど、実際そんな感じだったからな……。
その後も、ダンジョンの話を続けたんだが、紅葉と行動した時間って結構長いからな。
所々で、整合性が取れていなかったと思う。
そして、話がダンジョンを出るタイミングになった時のことだ。
「迷宮攻略部隊の救助で、ダンジョンを出ることになって、それからはホテル住みの状況だね」
と話を締めたが、
「それですと、これからもしばらくホテルを?
それでしたら、私達の別荘などをお貸ししましょうか?
ホテル暮らしは落ち着かないでしょうし……」
と、気を遣われてしまった。
その言葉を聞いた時点で、再び警戒心が急上昇し、
「三重県の方に、新しい拠点を築いているから大丈夫!
東京から帰ったら、本格的にそこへ移り住むんだ」
強めの強調を交えて、説明した。
説明したのだが、
「……よろしいでしょうか?
迷宮攻略部隊と共にダンジョンを出てみえたのは、晴彦さんと雛菊さん、莧さんの3人でしたよね?
そのうち、雛菊さんはご妊娠。
莧さんが自衛隊に出向でしたわね?
なので、急遽晴彦さんの元同級生を護衛に雇われた……。
気を悪くされたら、ごめんなさい。
ダンジョン脱出に際して、どなたかお亡くなりに?」
そこで失敗に気付いた。
訊いてきた女性以外にも、部屋にいた皆が痛ましい顔を向けてきていた。
しょうがないので、具体的な名前はぼかしつつ、もう1人の仲間がいたことと、彼女とは袂を別ったことを伝えたんだ。
……下手なゴタゴタは言いたくなかったから、価値観の相違とだけ伝えるに留めたが、変に深読みをしたのか、慰められる現状となった。
……早く雛菊に戻ってきてもらいたいんだけど。
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