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特別編4
第3話『おっぱいを揉み過ぎちゃって風邪引いた』
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放課後。
今週は優奈と井上さんがいる班が教室の掃除当番のため、優奈の掃除当番が終わるまで俺は西山と佐伯さんと一緒に廊下で待った。
優奈の掃除当番が終わり、俺達4人は下校して、お見舞いに行くために井上さんの自宅へと向かう。今も雨が降っているので、俺と優奈は相合い傘をして。ちなみに、井上さんのお見舞いに行った後、佐伯さんの家で試験対策の勉強会をする予定だ。
また、朝に話した通り、井上さんの自宅の途中にあるドラッグストアで、井上さんが大好きなプリンと桃のゼリーを購入した。
ドラッグストアに立ち寄ったのもあり、学校を出てから20分ちょっとして井上さんの家に到着した。
――ピンポーン。
『はい。……あっ、千尋ちゃん。それにみんなも』
佐伯さんがインターホンを押すと、すぐにインターホンのスピーカーから母親の雛子さんの声が聞こえた。
「学校が終わったので、みんなで萌音のお見舞いに来ました」
『ありがとう。すぐに行くわ』
それから程なくして、玄関が開いて、フレアスカートに半袖のVネックのTシャツ姿の雛子さんが姿を現した。俺達がお見舞いに来たからか、雛子さんは持ち前の可愛らしい笑顔を見せてくれる。そんな雛子さんに俺達は声を揃えて「こんにちは」と挨拶する。
「みんなこんにちは。お見舞いに来てくれて嬉しいわ」
雛子さんはそう言うと、ニコッと笑いかけてくれる。
「萌音の具合はどうですか?」
「30分くらい前に様子を見たけど、良くなってきているわ。午前中に行ったかかりつけのお医者さんから処方された薬を飲んで、ぐっすり眠れたからかな。朝は熱やだるさがあったけど、そういった症状も治まってきているみたいだし」
「そうですか。良かったです」
そう言う佐伯さんはもちろんのこと、優奈と西山もほっとしている様子だ。俺も井上さんの体調が良くなってきていると分かってほっとしている。
「さあ、入って」
『お邪魔します』
俺達4人は井上さんの家にお邪魔して、2階にある井上さんの部屋の前まで向かう。
――コンコン。
佐伯さんが井上さんの部屋の扉をノックする。
「千尋です。お見舞いに来たよ、萌音」
「優奈です。萌音ちゃんの大好きなプリンと桃のゼリーを買ってきました」
「長瀬です」
「西山です」
「萌音、部屋に入っていい?」
『ええ。どうぞ。あと、今は照明を消しているから、点けてもらえるかしら』
中から井上さんの声が聞こえた。
「分かった」
佐伯さんがそう言って部屋の扉を開け、俺達は部屋の中に入る。その際、佐伯さんが部屋の電気を点けた。エアコンがかかっていて涼しい。
井上さんは水色の寝間着姿で、ベッドで横になりながらこちらを見ている。俺達が来たからか、井上さんはいつもよりも少し赤い顔に微笑みを浮かべる。
「みんな、お見舞いに来てくれてありがとう。プリンと桃のゼリーを買ってきてくれて嬉しいわ」
井上さんは言葉通りの嬉しそうな笑顔でそう言った。
俺達は「いえいえ」と言い、西山はローテーブルにプリンと桃のゼリーが入ったレジ袋を置いた。
また、ローテーブルにはタオルや体温計、飲みかけのペットボトルのスポーツドリンクが置かれている。おそらく、これらは御両親が用意したものだろう。
「萌音、具合はどう? 雛子さんに訊いたら良くなってきているって言っていたけど」
「ええ。今朝あった熱っぽさはあまり感じなくなったし、だるさはなくなったわ。病院で処方された薬を飲んでぐっすり寝たからね。この調子なら、明日から学校に行けると思うし、明後日の七夕祭りに行くのも問題ないと思う」
井上さんは穏やかな笑顔でそう言った。
「そっか! 良かったよ、萌音!」
「安心しました」
「一日で治りそうで良かったよ」
「良かったぜ」
さっき、雛子さんから病状を説明されたときと同様に、俺達4人はみんなほっとする。体調が良くなってきていて良かった。明日の学校や明後日の七夕祭りに行けそうであることも。
「今の体温を測りたいわ。ローテーブルにある体温計を取ってくれる?」
「これですね」
優奈はローテーブルから体温計を手に取り、井上さんに渡した。
井上さんはベッドから起き上がって、体温計を腋に挟む。ゆっくりと起き上がったけど、特に辛そうではなかった。だるさがなくなったのは本当だろう。
――ピピッ。
30秒ほどしてそんな音が聞こえた。
井上さんは腋に挟んでいた体温計を手に取る。
「……36度8分。平熱よりは高いけど、朝は38度近くあったからだいぶ下がったわ」
そう言い、井上さんは体温計の液晶画面を見せてくる。画面には『36.8℃』と表示されている。俺達4人は体温計を見て「良かった」と言った。
「熱も下がって良かった。……それにしても、昨日は元気だったのに、今日は体調を崩すなんて。今は期末試験の前だから、試験勉強をし過ぎて疲れちゃったとか?」
佐伯さんが井上さんに問いかける。
井上さんが体調を崩した原因か。昨日は放課後の勉強会まで元気にしていたから、俺も気になるな。
「ええ。それも原因の一つだと思うわ。勉強した後は結構疲れを感じたし。あとは……おっぱいを揉み過ぎちゃったのも風邪を引いた原因だと思っているわ」
井上さんは苦笑いをしながらそう言……った?
今、井上さん……「おっぱいを揉み過ぎちゃったのも風邪を引いた原因」って言わなかったか? 俺の聞き間違いか? もし聞き間違いでなかったとしたら……そんなことってあるのか? どういうことなんだ?
優奈達のことを見ると……優奈は苦笑いをし、佐伯さんは首をかしげ、西山は複雑そうな表情になっている。
「えっと……どういうこと? おっぱいを揉みすぎちゃったのも原因って」
「私も同じことを思いました」
佐伯さんと優奈の言葉に、俺は「うんうん」と頷く。西山も頷いている。みんなも同じ思いだったか。あと、俺の聞き間違いではなかったか。
「……長瀬君と西山君は一緒にいることが多いから話してもいいか。千尋と優奈には話したことがあるかもしれないけど、私、バストアップマッサージを習慣にしているの」
「前に言っていましたね」
「あたしも覚えてる」
「そう。バストアップマッサージは、揉む感触も揉まれる感覚も気持ちいいから癒やしにもなって。だから、リフレッシュも兼ねて勉強をした後にすることが多いの。直接触る方が気持ちいいから、上半身裸になってね。昨日は試験勉強をたくさんした後にバストアップマッサージをしたのよ。ただ、気持ち良すぎてたくさん揉んじゃって……気付けば体に寒気が走っていたわ。今みたいにエアコンを掛けて涼しくしていたから、きっと体が冷えちゃったのね」
「だから、おっぱいを揉み過ぎちゃったのも風邪を引いた原因の一つだと思ったんだね」
「そういうこと。勉強で疲れていたとはいえ、バストアップマッサージは習慣にしているから、いつもよりも控えめか、せいぜいいつもと同じくらいに揉んでいたら風邪は引かなかったかも。おっぱいを揉み過ぎちゃったのが風邪引いた一番の原因だと思うわ」
と、井上さんは落ち着いた様子でそう言った。
体の疲れや冷えが風邪を引く原因になるのはよくあると思う。以前、優奈や俺が風邪を引いた原因もそれだったし。
ただ、井上さんの体が冷えた原因が……井上さんらしいな。井上さんなら仕方ないとも思えて。あと、こういうことにも胸が絡んでくるのがさすがは井上さんだ。
「……とっても萌音らしいと思ったよ。きっと、試験勉強をたくさんした後だから、マッサージがいつも以上に気持ち良く感じたんだろうね」
「うん、昨日は本当に気持ち良かった。幸せだった」
「そっか。ただ、やり過ぎには気をつけないとね」
「千尋ちゃんの言う通りですね」
「……な、何事もほどほどがいいよな! やり過ぎたら、今回みたいに風邪を引いちまうこともあるし」
「そうだな、西山」
「みんなの言う通りだわ。あと、お母さんやかかりつけの病院のおばちゃん先生からも同じようなことを言われたわ。これから気をつける。今回の風邪を教訓にするわ。おっぱいもみもみほどほどに」
井上さんは真面目な様子でそう言う。今回風邪を引いたし、俺達だけでなく雛子さんやかかりつけの先生にも注意されたから、同じようなことをしてしまうことはないんじゃないだろうか。
あと、今と同じことを病院で説明したんだな、井上さん。
「萌音。あたし達に何かしてほしいことがあったら遠慮なく言って!」
「何でもいいですよ」
「俺にできることがあれば何でもするよ。それに、俺のお見舞いに来たときに、井上さんはゼリーを食べさせてくれたし」
「病人なんだし、遠慮なく言えよ」
「ありがとう、みんな」
井上さんは嬉しそうに笑ってお礼を言った。
「じゃあ……汗を掻いたから、汗を拭いてほしいわ。下着と寝間着も着替えたい。これは女子の千尋と優奈にお願いしたいわ」
「もちろんいいよ!」
「いいですよ」
佐伯さんと優奈は快諾する。
汗拭きと着替えか。こればっかりは女子の優奈と佐伯さんじゃないとお願いできないよな。
「じゃあ、俺達は部屋の外に出よう、西山」
「そうだな。終わったら言ってくれ」
「分かったわ。……あと、2人が出ている間に、千尋と優奈の胸を生で堪能したいわ。でも、それだと長瀬君と西山君をより長く待たせちゃうわね……」
申し訳なさそうな様子で言う井上さん。廊下はちょっと暑いから、長く待たせるのはまずいと思っているのかも。俺は今日の暑さなら長く待っても大丈夫だけど。
「俺は別にかまわないぜ。長瀬はどうだ?」
「俺もかまわないよ。だから、気にしないで」
「ありがとう。……千尋、優奈、胸を堪能していい? そうすると元気になれるから」
「いいよ、萌音。それに、今までもお見舞いでは堪能させることが多かったし」
「ですね。私もいいですよ」
「ありがとう!」
ニコニコとした笑顔でお礼を言う井上さん。井上さんの元気の源は胸か。井上さんらしい。ただ、もう既に元気に見えるのは俺だけだろうか。
あと、井上さんはお見舞いに来てくれた女子の胸を直接堪能することが多いのか。それもまた井上さんらしい。
「じゃあ、俺と西山は外にいるよ」
「終わったら言ってくれ」
俺と西山は部屋の外に出て、最近観たアニメのことや七夕祭りが近いので七夕祭りのことを話しながら、汗拭きや着替えや胸の堪能が終わるのを待った。
今週は優奈と井上さんがいる班が教室の掃除当番のため、優奈の掃除当番が終わるまで俺は西山と佐伯さんと一緒に廊下で待った。
優奈の掃除当番が終わり、俺達4人は下校して、お見舞いに行くために井上さんの自宅へと向かう。今も雨が降っているので、俺と優奈は相合い傘をして。ちなみに、井上さんのお見舞いに行った後、佐伯さんの家で試験対策の勉強会をする予定だ。
また、朝に話した通り、井上さんの自宅の途中にあるドラッグストアで、井上さんが大好きなプリンと桃のゼリーを購入した。
ドラッグストアに立ち寄ったのもあり、学校を出てから20分ちょっとして井上さんの家に到着した。
――ピンポーン。
『はい。……あっ、千尋ちゃん。それにみんなも』
佐伯さんがインターホンを押すと、すぐにインターホンのスピーカーから母親の雛子さんの声が聞こえた。
「学校が終わったので、みんなで萌音のお見舞いに来ました」
『ありがとう。すぐに行くわ』
それから程なくして、玄関が開いて、フレアスカートに半袖のVネックのTシャツ姿の雛子さんが姿を現した。俺達がお見舞いに来たからか、雛子さんは持ち前の可愛らしい笑顔を見せてくれる。そんな雛子さんに俺達は声を揃えて「こんにちは」と挨拶する。
「みんなこんにちは。お見舞いに来てくれて嬉しいわ」
雛子さんはそう言うと、ニコッと笑いかけてくれる。
「萌音の具合はどうですか?」
「30分くらい前に様子を見たけど、良くなってきているわ。午前中に行ったかかりつけのお医者さんから処方された薬を飲んで、ぐっすり眠れたからかな。朝は熱やだるさがあったけど、そういった症状も治まってきているみたいだし」
「そうですか。良かったです」
そう言う佐伯さんはもちろんのこと、優奈と西山もほっとしている様子だ。俺も井上さんの体調が良くなってきていると分かってほっとしている。
「さあ、入って」
『お邪魔します』
俺達4人は井上さんの家にお邪魔して、2階にある井上さんの部屋の前まで向かう。
――コンコン。
佐伯さんが井上さんの部屋の扉をノックする。
「千尋です。お見舞いに来たよ、萌音」
「優奈です。萌音ちゃんの大好きなプリンと桃のゼリーを買ってきました」
「長瀬です」
「西山です」
「萌音、部屋に入っていい?」
『ええ。どうぞ。あと、今は照明を消しているから、点けてもらえるかしら』
中から井上さんの声が聞こえた。
「分かった」
佐伯さんがそう言って部屋の扉を開け、俺達は部屋の中に入る。その際、佐伯さんが部屋の電気を点けた。エアコンがかかっていて涼しい。
井上さんは水色の寝間着姿で、ベッドで横になりながらこちらを見ている。俺達が来たからか、井上さんはいつもよりも少し赤い顔に微笑みを浮かべる。
「みんな、お見舞いに来てくれてありがとう。プリンと桃のゼリーを買ってきてくれて嬉しいわ」
井上さんは言葉通りの嬉しそうな笑顔でそう言った。
俺達は「いえいえ」と言い、西山はローテーブルにプリンと桃のゼリーが入ったレジ袋を置いた。
また、ローテーブルにはタオルや体温計、飲みかけのペットボトルのスポーツドリンクが置かれている。おそらく、これらは御両親が用意したものだろう。
「萌音、具合はどう? 雛子さんに訊いたら良くなってきているって言っていたけど」
「ええ。今朝あった熱っぽさはあまり感じなくなったし、だるさはなくなったわ。病院で処方された薬を飲んでぐっすり寝たからね。この調子なら、明日から学校に行けると思うし、明後日の七夕祭りに行くのも問題ないと思う」
井上さんは穏やかな笑顔でそう言った。
「そっか! 良かったよ、萌音!」
「安心しました」
「一日で治りそうで良かったよ」
「良かったぜ」
さっき、雛子さんから病状を説明されたときと同様に、俺達4人はみんなほっとする。体調が良くなってきていて良かった。明日の学校や明後日の七夕祭りに行けそうであることも。
「今の体温を測りたいわ。ローテーブルにある体温計を取ってくれる?」
「これですね」
優奈はローテーブルから体温計を手に取り、井上さんに渡した。
井上さんはベッドから起き上がって、体温計を腋に挟む。ゆっくりと起き上がったけど、特に辛そうではなかった。だるさがなくなったのは本当だろう。
――ピピッ。
30秒ほどしてそんな音が聞こえた。
井上さんは腋に挟んでいた体温計を手に取る。
「……36度8分。平熱よりは高いけど、朝は38度近くあったからだいぶ下がったわ」
そう言い、井上さんは体温計の液晶画面を見せてくる。画面には『36.8℃』と表示されている。俺達4人は体温計を見て「良かった」と言った。
「熱も下がって良かった。……それにしても、昨日は元気だったのに、今日は体調を崩すなんて。今は期末試験の前だから、試験勉強をし過ぎて疲れちゃったとか?」
佐伯さんが井上さんに問いかける。
井上さんが体調を崩した原因か。昨日は放課後の勉強会まで元気にしていたから、俺も気になるな。
「ええ。それも原因の一つだと思うわ。勉強した後は結構疲れを感じたし。あとは……おっぱいを揉み過ぎちゃったのも風邪を引いた原因だと思っているわ」
井上さんは苦笑いをしながらそう言……った?
今、井上さん……「おっぱいを揉み過ぎちゃったのも風邪を引いた原因」って言わなかったか? 俺の聞き間違いか? もし聞き間違いでなかったとしたら……そんなことってあるのか? どういうことなんだ?
優奈達のことを見ると……優奈は苦笑いをし、佐伯さんは首をかしげ、西山は複雑そうな表情になっている。
「えっと……どういうこと? おっぱいを揉みすぎちゃったのも原因って」
「私も同じことを思いました」
佐伯さんと優奈の言葉に、俺は「うんうん」と頷く。西山も頷いている。みんなも同じ思いだったか。あと、俺の聞き間違いではなかったか。
「……長瀬君と西山君は一緒にいることが多いから話してもいいか。千尋と優奈には話したことがあるかもしれないけど、私、バストアップマッサージを習慣にしているの」
「前に言っていましたね」
「あたしも覚えてる」
「そう。バストアップマッサージは、揉む感触も揉まれる感覚も気持ちいいから癒やしにもなって。だから、リフレッシュも兼ねて勉強をした後にすることが多いの。直接触る方が気持ちいいから、上半身裸になってね。昨日は試験勉強をたくさんした後にバストアップマッサージをしたのよ。ただ、気持ち良すぎてたくさん揉んじゃって……気付けば体に寒気が走っていたわ。今みたいにエアコンを掛けて涼しくしていたから、きっと体が冷えちゃったのね」
「だから、おっぱいを揉み過ぎちゃったのも風邪を引いた原因の一つだと思ったんだね」
「そういうこと。勉強で疲れていたとはいえ、バストアップマッサージは習慣にしているから、いつもよりも控えめか、せいぜいいつもと同じくらいに揉んでいたら風邪は引かなかったかも。おっぱいを揉み過ぎちゃったのが風邪引いた一番の原因だと思うわ」
と、井上さんは落ち着いた様子でそう言った。
体の疲れや冷えが風邪を引く原因になるのはよくあると思う。以前、優奈や俺が風邪を引いた原因もそれだったし。
ただ、井上さんの体が冷えた原因が……井上さんらしいな。井上さんなら仕方ないとも思えて。あと、こういうことにも胸が絡んでくるのがさすがは井上さんだ。
「……とっても萌音らしいと思ったよ。きっと、試験勉強をたくさんした後だから、マッサージがいつも以上に気持ち良く感じたんだろうね」
「うん、昨日は本当に気持ち良かった。幸せだった」
「そっか。ただ、やり過ぎには気をつけないとね」
「千尋ちゃんの言う通りですね」
「……な、何事もほどほどがいいよな! やり過ぎたら、今回みたいに風邪を引いちまうこともあるし」
「そうだな、西山」
「みんなの言う通りだわ。あと、お母さんやかかりつけの病院のおばちゃん先生からも同じようなことを言われたわ。これから気をつける。今回の風邪を教訓にするわ。おっぱいもみもみほどほどに」
井上さんは真面目な様子でそう言う。今回風邪を引いたし、俺達だけでなく雛子さんやかかりつけの先生にも注意されたから、同じようなことをしてしまうことはないんじゃないだろうか。
あと、今と同じことを病院で説明したんだな、井上さん。
「萌音。あたし達に何かしてほしいことがあったら遠慮なく言って!」
「何でもいいですよ」
「俺にできることがあれば何でもするよ。それに、俺のお見舞いに来たときに、井上さんはゼリーを食べさせてくれたし」
「病人なんだし、遠慮なく言えよ」
「ありがとう、みんな」
井上さんは嬉しそうに笑ってお礼を言った。
「じゃあ……汗を掻いたから、汗を拭いてほしいわ。下着と寝間着も着替えたい。これは女子の千尋と優奈にお願いしたいわ」
「もちろんいいよ!」
「いいですよ」
佐伯さんと優奈は快諾する。
汗拭きと着替えか。こればっかりは女子の優奈と佐伯さんじゃないとお願いできないよな。
「じゃあ、俺達は部屋の外に出よう、西山」
「そうだな。終わったら言ってくれ」
「分かったわ。……あと、2人が出ている間に、千尋と優奈の胸を生で堪能したいわ。でも、それだと長瀬君と西山君をより長く待たせちゃうわね……」
申し訳なさそうな様子で言う井上さん。廊下はちょっと暑いから、長く待たせるのはまずいと思っているのかも。俺は今日の暑さなら長く待っても大丈夫だけど。
「俺は別にかまわないぜ。長瀬はどうだ?」
「俺もかまわないよ。だから、気にしないで」
「ありがとう。……千尋、優奈、胸を堪能していい? そうすると元気になれるから」
「いいよ、萌音。それに、今までもお見舞いでは堪能させることが多かったし」
「ですね。私もいいですよ」
「ありがとう!」
ニコニコとした笑顔でお礼を言う井上さん。井上さんの元気の源は胸か。井上さんらしい。ただ、もう既に元気に見えるのは俺だけだろうか。
あと、井上さんはお見舞いに来てくれた女子の胸を直接堪能することが多いのか。それもまた井上さんらしい。
「じゃあ、俺と西山は外にいるよ」
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