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第4話『百合ノススメ-後編-』
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――あたしと百合、してください。
理沙ちゃんはちょっと恥ずかしそうにそう言った。その後も私のことをちらちらと見てくる。
あたしと百合をする。
百合、する……。
「……ごめん。百合をするってどういうこと?」
真剣に言ってくれた理沙ちゃんには申し訳ないけれど。百合をするって言われても全然ピンと来ないんだよね。百合って確かお花の名前だったと思うんだけど。
「ことみん、百合を知らないんだ」
「お、お花の名前だよね! 確か、お葬式とかにある……って、もしかして一緒に死にましょうっていうことなの?」
「違うよ!」
きっぱりと理沙ちゃんは否定した。ああ、良かった。パンツを見られたことが死にたいほど恥ずかしくて、1人で死ねないだろうから一緒に死のうみたいなことじゃなくて本当に良かった。
「それで、百合をするってどういうことなの?」
「……説明するとなると恥ずかしいかな」
理沙ちゃんの頬の赤みが段々と濃くなってゆく。理沙ちゃん、どんな想いを込めてさっきの言葉を言ったの?
「ええとね、百合っていうのはね……女の子同士で恋愛することなんだよね」
「へえ、そうなんだ。じゃあ、百合をするってこと、は……」
「ええと、あ、あたしと恋人として付き合いましょうってこと」
「え、えええええっ!」
「大きな声出さないで!」
理沙ちゃんに口を押さえられる。ううっ、さっきと立場が逆転してるよ。
「ごめん、驚いちゃってつい……」
まさか、私と付き合うことだとは思わなかったから。
でも、そっか……女の子が女の子と恋愛するのって百合って言うんだ。
「……って、ちょっと待って。私と恋人として付き合いましょうってことは、理沙ちゃん……私のことが好きなの?」
「……そう問いかけられるととっても恥ずかしいなぁ。って、気付くの遅い」
「こっちだって、恥ずかしいというか……ドキドキしてるんだよ」
理沙ちゃんはとても可愛い顔をしているし、ショートヘアの赤髪もよく似合っているし。明るくて、活発で……私にはないものを持っている。そんな理沙ちゃんのことはもちろん、友達として好きだよ。
理沙ちゃんはいつになくもじもじして、
「あたしはことみんのこと……好きだよ」
私だけに聞こえるくらいの声で呟く。
「……って言っても、はっきりと恋してる、とはまだ言えないくらいだけど」
「えっ」
「でも、恋愛感情を抱くのは時間の問題だと思う」
「そ、そうなんすか」
何だろう、好きだと言われているのに振られた感じ。傷付くような言葉は一つも言われていないのに、どうももやもやする。
「えっと……今の話を整理すると、理沙ちゃんは私に対して、友情以上恋愛感情未満の好きっていう気持ちを抱いていると。それがいずれは恋愛感情になるってことだね」
「……そういうこと、かな。朝倉先輩のことが好きでも、とっても嫌なことをされたからきっと困っていると思って。だから、あたしと付き合えば、そんなことで悩むこともなくなるんじゃないかなって思ったの」
「……なるほどね」
きっと、私への好きな感情だけだったら告白はまだしなかったのかも。ただ、私が今、朝倉先輩のことで困っている状況だから、そこから脱するために告白してくれたんだ。
「……優しいね、理沙ちゃんは」
私は理沙ちゃんの頭を優しく撫でる。彼女の髪はふんわりとしていて、撫でた瞬間に甘い匂いが香った。
「理沙ちゃんの気持ちは嬉しいけど、私……理沙ちゃんとは付き合えないよ。理沙ちゃんは友達として好きだけど、私は朝倉先輩のことを……恋人にしたいくらい好きなんだ」
「……あ、あたしのパンツを見て、触って、嗅いでいいって言っても?」
「理沙ちゃんにそんなことはしないよ」
私は別に他人のパンツに興味はないし。仕返しとして朝倉先輩の堪能してやりたい気持ちはあるけど。
「それに、朝倉先輩に関する悩みを解決するには、朝倉先輩に自分の気持ちを言わないと解決できないと思うから。だから、彼女を無視したり、距離を取ったりしたらいけないって分かってはいるんだけどね……」
風紀委員になり、朝倉先輩の相棒になるかどうか。彼女はずっと待つと言ってくれた。その言葉にいつまでも甘えていてはいけないとは分かっているんだけれど。朝倉先輩のことを思うと、逃げたくなってしまう。
「じゃあ、あたしと付き合ってもことみんの悩みは解決しないんだね……」
「ごめんね。でも、理沙ちゃんの気持ちはとっても嬉しいよ」
「……そっか」
理沙ちゃんはちょっぴり悲しそうな表情を見せたけど、すぐに普段の明るい笑顔に戻る。
「困ったときはいつでも相談してね。ことみんが困っているのは嫌だから。そのときはあたしがぎゅっと抱きしめるから」
「……うん、ありがとね」
理沙ちゃんの温かい言葉が胸に刺さった。
きっと、今……理沙ちゃんが抱いている胸の痛みは私が感じている痛みよりも、よっぽど辛いんだと思う。それでも笑顔でいられるなんて、理沙ちゃんは強いな。
――私は待ってるよ。
あのとき、笑顔で言ってくれた朝倉先輩は、どれだけの痛みを感じていたんだろう。
「ことみん……」
「……私は朝倉先輩に酷いことをしちゃったのかもね」
きっと、私はそれが分かっていたから、昨日の夜……朝倉先輩がいなくなってから一人で泣いたんだ。あの時に涙は出し切ったはずなのに、また、泣きそうになってる。理沙ちゃんの顔がぼやけている。
「大丈夫だよ。大丈夫」
すると、理沙ちゃんは私の背後へと周り、ぎゅっと抱きしめてくれる。
背中で感じる理沙ちゃんの温もりや私を包み込む彼女の匂いはとても切なくて、温かく感じられるのであった。
理沙ちゃんはちょっと恥ずかしそうにそう言った。その後も私のことをちらちらと見てくる。
あたしと百合をする。
百合、する……。
「……ごめん。百合をするってどういうこと?」
真剣に言ってくれた理沙ちゃんには申し訳ないけれど。百合をするって言われても全然ピンと来ないんだよね。百合って確かお花の名前だったと思うんだけど。
「ことみん、百合を知らないんだ」
「お、お花の名前だよね! 確か、お葬式とかにある……って、もしかして一緒に死にましょうっていうことなの?」
「違うよ!」
きっぱりと理沙ちゃんは否定した。ああ、良かった。パンツを見られたことが死にたいほど恥ずかしくて、1人で死ねないだろうから一緒に死のうみたいなことじゃなくて本当に良かった。
「それで、百合をするってどういうことなの?」
「……説明するとなると恥ずかしいかな」
理沙ちゃんの頬の赤みが段々と濃くなってゆく。理沙ちゃん、どんな想いを込めてさっきの言葉を言ったの?
「ええとね、百合っていうのはね……女の子同士で恋愛することなんだよね」
「へえ、そうなんだ。じゃあ、百合をするってこと、は……」
「ええと、あ、あたしと恋人として付き合いましょうってこと」
「え、えええええっ!」
「大きな声出さないで!」
理沙ちゃんに口を押さえられる。ううっ、さっきと立場が逆転してるよ。
「ごめん、驚いちゃってつい……」
まさか、私と付き合うことだとは思わなかったから。
でも、そっか……女の子が女の子と恋愛するのって百合って言うんだ。
「……って、ちょっと待って。私と恋人として付き合いましょうってことは、理沙ちゃん……私のことが好きなの?」
「……そう問いかけられるととっても恥ずかしいなぁ。って、気付くの遅い」
「こっちだって、恥ずかしいというか……ドキドキしてるんだよ」
理沙ちゃんはとても可愛い顔をしているし、ショートヘアの赤髪もよく似合っているし。明るくて、活発で……私にはないものを持っている。そんな理沙ちゃんのことはもちろん、友達として好きだよ。
理沙ちゃんはいつになくもじもじして、
「あたしはことみんのこと……好きだよ」
私だけに聞こえるくらいの声で呟く。
「……って言っても、はっきりと恋してる、とはまだ言えないくらいだけど」
「えっ」
「でも、恋愛感情を抱くのは時間の問題だと思う」
「そ、そうなんすか」
何だろう、好きだと言われているのに振られた感じ。傷付くような言葉は一つも言われていないのに、どうももやもやする。
「えっと……今の話を整理すると、理沙ちゃんは私に対して、友情以上恋愛感情未満の好きっていう気持ちを抱いていると。それがいずれは恋愛感情になるってことだね」
「……そういうこと、かな。朝倉先輩のことが好きでも、とっても嫌なことをされたからきっと困っていると思って。だから、あたしと付き合えば、そんなことで悩むこともなくなるんじゃないかなって思ったの」
「……なるほどね」
きっと、私への好きな感情だけだったら告白はまだしなかったのかも。ただ、私が今、朝倉先輩のことで困っている状況だから、そこから脱するために告白してくれたんだ。
「……優しいね、理沙ちゃんは」
私は理沙ちゃんの頭を優しく撫でる。彼女の髪はふんわりとしていて、撫でた瞬間に甘い匂いが香った。
「理沙ちゃんの気持ちは嬉しいけど、私……理沙ちゃんとは付き合えないよ。理沙ちゃんは友達として好きだけど、私は朝倉先輩のことを……恋人にしたいくらい好きなんだ」
「……あ、あたしのパンツを見て、触って、嗅いでいいって言っても?」
「理沙ちゃんにそんなことはしないよ」
私は別に他人のパンツに興味はないし。仕返しとして朝倉先輩の堪能してやりたい気持ちはあるけど。
「それに、朝倉先輩に関する悩みを解決するには、朝倉先輩に自分の気持ちを言わないと解決できないと思うから。だから、彼女を無視したり、距離を取ったりしたらいけないって分かってはいるんだけどね……」
風紀委員になり、朝倉先輩の相棒になるかどうか。彼女はずっと待つと言ってくれた。その言葉にいつまでも甘えていてはいけないとは分かっているんだけれど。朝倉先輩のことを思うと、逃げたくなってしまう。
「じゃあ、あたしと付き合ってもことみんの悩みは解決しないんだね……」
「ごめんね。でも、理沙ちゃんの気持ちはとっても嬉しいよ」
「……そっか」
理沙ちゃんはちょっぴり悲しそうな表情を見せたけど、すぐに普段の明るい笑顔に戻る。
「困ったときはいつでも相談してね。ことみんが困っているのは嫌だから。そのときはあたしがぎゅっと抱きしめるから」
「……うん、ありがとね」
理沙ちゃんの温かい言葉が胸に刺さった。
きっと、今……理沙ちゃんが抱いている胸の痛みは私が感じている痛みよりも、よっぽど辛いんだと思う。それでも笑顔でいられるなんて、理沙ちゃんは強いな。
――私は待ってるよ。
あのとき、笑顔で言ってくれた朝倉先輩は、どれだけの痛みを感じていたんだろう。
「ことみん……」
「……私は朝倉先輩に酷いことをしちゃったのかもね」
きっと、私はそれが分かっていたから、昨日の夜……朝倉先輩がいなくなってから一人で泣いたんだ。あの時に涙は出し切ったはずなのに、また、泣きそうになってる。理沙ちゃんの顔がぼやけている。
「大丈夫だよ。大丈夫」
すると、理沙ちゃんは私の背後へと周り、ぎゅっと抱きしめてくれる。
背中で感じる理沙ちゃんの温もりや私を包み込む彼女の匂いはとても切なくて、温かく感じられるのであった。
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