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第21話『しっとり』
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お手洗い休憩を終えて、巡回再開。
今は音楽室や家庭科室など特別教室がある特別棟にいる。
放課後だから、教室で部活動をしている生徒はいるけど、廊下で変なことをする生徒はいないんじゃないかな。さっきのように告白をする生徒も……普通はいないか。
「さすがに、特別棟だけあって全然人がいないね」
「そうですね」
「……でも、油断しちゃいけない。こういうところだからこそ、さっきの2人のように他の人にはあまり聞かれたくない話をする生徒がいるかもしれないし、女の子のパンツを見る生徒もいるかもしれない」
「後者は先輩だけなのでは……」
ただ、学校内で生徒のパンツを見るんだったら、生徒がいない場所の多いこの特別棟の方がいいとは思う。
放課後ということもあって、生徒が全然いない。これなら、特別棟の巡回は早く終わることができそう――。
「朝倉先輩!」
背後の方から聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返ると、今朝、校門での服装チェックで、スカート丈が危うく校則違反となりそうだった生徒が立っていた。
「君は確か、スカート丈ギリギリちゃんだったね。どうしたんだい?」
スカート丈ギリギリちゃんって。確かに今朝はそうだったけど。
「私、先輩にパンツを見せに来たんです。もちろん、先輩の約束通り、スカートの丈をきちんと直しました。1時間目の授業が始まる前に……」
「……確かに、膝のちょっと上くらいまで丈が長くなってるね」
「先輩のことを探したんですけど、先輩のことを見た子から今は風紀委員の仕事で校内を巡回していると聞きまして」
「そっか」
この人、本当に沙耶先輩にパンツを見られたいんだ。先輩はかっこいいし、優しいし、パンツを見せたくなる気持ちも分からなくはないけど。
「じゃあ、先輩……私のパンツを見てくれますか?」
「……いいけど」
「あそこに人が全然来ないところがあるんですけど」
「分かった。でも、今は巡回中だからちょっとだけね。琴実ちゃんは?」
「……ここで待ってます。私がいる前で見られるのは嫌でしょう? さっさとしてきてください。私、別に……このことは千晴先輩やひより先輩には言いませんから」
「……そっか。じゃあ、その場所を教えてくれる?」
「はい」
沙耶先輩とスカート丈ギリギリさんは私の前から姿を消す。
沙耶先輩にパンツを見られたい生徒なんてそうそういないと思っていたのに、実際に現れると何だか嫌だな。
「せん、ぱい……」
「……可愛いね」
姿は見えないのに、声は微かに聞こえて。そのせいか、色々と想像ができてしまって、嫌な気持ちがどんどんと膨らんでいく。
――あぁ、嫌だ。嫌だよ。
もしかして、こういうのを嫉妬って言うのかな。沙耶先輩の方からパンツを見るのはいいとして、先輩にパンツを見せに来るのは私だけでいい。気付けば、私は右手の親指の爪を噛んでいた。
「琴実ちゃん」
「……あっ、先輩」
沙耶先輩は1人で私のところに戻ってきた。
「あの方は?」
「仕事の途中だからね。彼女には帰ってもらったよ。……やっぱり、怒ってるよね。仕事中に生徒のパンツを見ちゃったからさ」
「……風紀委員としてあるまじき行為だとは思います。いくら、向こうから見せにきてくれたとしても」
それに対しても怒っているけど、今は他の女の子のパンツを見ることの方がよっぽど辛かった。この気持ちをどうにかなくしたい。
「……沙耶先輩。さっきの紅茶のせいなのか、もう一度、お手洗いに行きたいです」
「うん、いいけど……」
「先輩、一緒に来てください」
「えっ、えっ……?」
私は強引に沙耶先輩の手を引いてお手洗いに向かう。
そうだ、沙耶先輩が他の女の子のパンツを見たことで嫉妬しているなら、沙耶先輩にパンツを見てもらえればきっとなくなるはず。
予想通り、近くにあるお手洗いには誰もいなかった。
私は沙耶先輩と一緒に個室に入る。
「琴実ちゃん、どうしたの? さっきは私の冗談にも怒ってたのに……」
「……ごめんなさい。嘘ついちゃいました。沙耶先輩をここに連れてきたのは、先輩に私の……パンツを堪能して欲しいから」
「……えっ?」
さすがの沙耶先輩も、今の私の言葉が予想外だったのか苦笑い。
「さっきの人のパンツも堪能したんでしょう? だったら、私のパンツも堪能してください。朝とはきっと違いますよ」
「分かった」
そう言うと、沙耶先輩は私のスカートをたくし上げて、私のパンツを見てくる。
「朝と同じパンツだね」
「……触ったり、嗅いでくれたりすれば、きっと朝との違いが分かると思いますよ」
「そうだね」
すると、沙耶先輩の生温かい吐息がパンツ周辺にかかる。最初はあまり好きじゃなかったのに、今は嫌じゃない。ただ、気持ちいいと思っている自分はちょっと嫌だ。
「さすがに……巡回して、さっきお手洗いに行ったこともあって、しっとりしているね」
そういえば、お手洗いに行ってそんなに時間が経ってなかったんだった。うううっ、堪能をしてもらうタイミングを間違えた。
「しっとりとか言わないでください。恥ずかしいですよ……」
「琴実ちゃんが堪能してほしいって言ったから、素直な感想を言うべきかなと思って」
「そ、そうですか……」
「……でも、さっきの子よりも琴実ちゃんのパンツの方がいいな。琴実ちゃんの匂いが……好きだからかな」
できれば、私のことも好きになってほしいけど、それでも嬉しかった。そっか、私の匂いが好きなんだ。
「琴実ちゃんの匂いを嗅ぐと落ち着くんだよね。琴実ちゃんが相棒になってくれて良かったよ」
「言葉だけなら嬉しいですけど、パンツの匂いが理由であってほしくなかったです」
「これは重要なことだよ?」
「それは沙耶先輩だけでしょう……」
それでも、沙耶先輩に相棒で良かったと言われることは嬉しい。さっきまで抱いていた嫉妬の気持ちもすっかりと消えた。もしかしたら、いつの間にか……私、沙耶先輩にパンツを見られることが好きになっちゃっているのかな。
「それにしても、琴実ちゃんの方からパンツを堪能して欲しいって言ってくれるときが来るなんて。私は今、とても感激しているよ」
「き、気分ですよ。それに、私のパンツで満足してくれれば、他の生徒のパンツを堪能しなくなるかもしれないじゃないですか」
「その分、琴実ちゃんのパンツを堪能することになるかもしれないよ?」
「……沙耶先輩の相棒なので」
そう言うと、沙耶先輩はゆっくりと立ち上がり、私に笑顔を見せた後に、私のことを優しく抱きしめてくる。
「琴実ちゃんはいい子だね」
いい子いい子、と私の頭を撫で始める。今の方がパンツを堪能してもらうときよりも凄く嬉しいんですけど。沙耶先輩の温もりと甘い匂いに包まれて。凄く幸せ。あと、先輩の胸って柔らかいんだな。
「……もうちょっとこのままでもいいですか?」
「うん、いいよ。今は……休憩時間だから」
「ありがとうございます」
休憩時間が多いような気がするけど、今くらいは沙耶先輩とこうしていてもいいよね。そんなことを思いながら、沙耶先輩にちょっと体を預けるのであった。
今は音楽室や家庭科室など特別教室がある特別棟にいる。
放課後だから、教室で部活動をしている生徒はいるけど、廊下で変なことをする生徒はいないんじゃないかな。さっきのように告白をする生徒も……普通はいないか。
「さすがに、特別棟だけあって全然人がいないね」
「そうですね」
「……でも、油断しちゃいけない。こういうところだからこそ、さっきの2人のように他の人にはあまり聞かれたくない話をする生徒がいるかもしれないし、女の子のパンツを見る生徒もいるかもしれない」
「後者は先輩だけなのでは……」
ただ、学校内で生徒のパンツを見るんだったら、生徒がいない場所の多いこの特別棟の方がいいとは思う。
放課後ということもあって、生徒が全然いない。これなら、特別棟の巡回は早く終わることができそう――。
「朝倉先輩!」
背後の方から聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返ると、今朝、校門での服装チェックで、スカート丈が危うく校則違反となりそうだった生徒が立っていた。
「君は確か、スカート丈ギリギリちゃんだったね。どうしたんだい?」
スカート丈ギリギリちゃんって。確かに今朝はそうだったけど。
「私、先輩にパンツを見せに来たんです。もちろん、先輩の約束通り、スカートの丈をきちんと直しました。1時間目の授業が始まる前に……」
「……確かに、膝のちょっと上くらいまで丈が長くなってるね」
「先輩のことを探したんですけど、先輩のことを見た子から今は風紀委員の仕事で校内を巡回していると聞きまして」
「そっか」
この人、本当に沙耶先輩にパンツを見られたいんだ。先輩はかっこいいし、優しいし、パンツを見せたくなる気持ちも分からなくはないけど。
「じゃあ、先輩……私のパンツを見てくれますか?」
「……いいけど」
「あそこに人が全然来ないところがあるんですけど」
「分かった。でも、今は巡回中だからちょっとだけね。琴実ちゃんは?」
「……ここで待ってます。私がいる前で見られるのは嫌でしょう? さっさとしてきてください。私、別に……このことは千晴先輩やひより先輩には言いませんから」
「……そっか。じゃあ、その場所を教えてくれる?」
「はい」
沙耶先輩とスカート丈ギリギリさんは私の前から姿を消す。
沙耶先輩にパンツを見られたい生徒なんてそうそういないと思っていたのに、実際に現れると何だか嫌だな。
「せん、ぱい……」
「……可愛いね」
姿は見えないのに、声は微かに聞こえて。そのせいか、色々と想像ができてしまって、嫌な気持ちがどんどんと膨らんでいく。
――あぁ、嫌だ。嫌だよ。
もしかして、こういうのを嫉妬って言うのかな。沙耶先輩の方からパンツを見るのはいいとして、先輩にパンツを見せに来るのは私だけでいい。気付けば、私は右手の親指の爪を噛んでいた。
「琴実ちゃん」
「……あっ、先輩」
沙耶先輩は1人で私のところに戻ってきた。
「あの方は?」
「仕事の途中だからね。彼女には帰ってもらったよ。……やっぱり、怒ってるよね。仕事中に生徒のパンツを見ちゃったからさ」
「……風紀委員としてあるまじき行為だとは思います。いくら、向こうから見せにきてくれたとしても」
それに対しても怒っているけど、今は他の女の子のパンツを見ることの方がよっぽど辛かった。この気持ちをどうにかなくしたい。
「……沙耶先輩。さっきの紅茶のせいなのか、もう一度、お手洗いに行きたいです」
「うん、いいけど……」
「先輩、一緒に来てください」
「えっ、えっ……?」
私は強引に沙耶先輩の手を引いてお手洗いに向かう。
そうだ、沙耶先輩が他の女の子のパンツを見たことで嫉妬しているなら、沙耶先輩にパンツを見てもらえればきっとなくなるはず。
予想通り、近くにあるお手洗いには誰もいなかった。
私は沙耶先輩と一緒に個室に入る。
「琴実ちゃん、どうしたの? さっきは私の冗談にも怒ってたのに……」
「……ごめんなさい。嘘ついちゃいました。沙耶先輩をここに連れてきたのは、先輩に私の……パンツを堪能して欲しいから」
「……えっ?」
さすがの沙耶先輩も、今の私の言葉が予想外だったのか苦笑い。
「さっきの人のパンツも堪能したんでしょう? だったら、私のパンツも堪能してください。朝とはきっと違いますよ」
「分かった」
そう言うと、沙耶先輩は私のスカートをたくし上げて、私のパンツを見てくる。
「朝と同じパンツだね」
「……触ったり、嗅いでくれたりすれば、きっと朝との違いが分かると思いますよ」
「そうだね」
すると、沙耶先輩の生温かい吐息がパンツ周辺にかかる。最初はあまり好きじゃなかったのに、今は嫌じゃない。ただ、気持ちいいと思っている自分はちょっと嫌だ。
「さすがに……巡回して、さっきお手洗いに行ったこともあって、しっとりしているね」
そういえば、お手洗いに行ってそんなに時間が経ってなかったんだった。うううっ、堪能をしてもらうタイミングを間違えた。
「しっとりとか言わないでください。恥ずかしいですよ……」
「琴実ちゃんが堪能してほしいって言ったから、素直な感想を言うべきかなと思って」
「そ、そうですか……」
「……でも、さっきの子よりも琴実ちゃんのパンツの方がいいな。琴実ちゃんの匂いが……好きだからかな」
できれば、私のことも好きになってほしいけど、それでも嬉しかった。そっか、私の匂いが好きなんだ。
「琴実ちゃんの匂いを嗅ぐと落ち着くんだよね。琴実ちゃんが相棒になってくれて良かったよ」
「言葉だけなら嬉しいですけど、パンツの匂いが理由であってほしくなかったです」
「これは重要なことだよ?」
「それは沙耶先輩だけでしょう……」
それでも、沙耶先輩に相棒で良かったと言われることは嬉しい。さっきまで抱いていた嫉妬の気持ちもすっかりと消えた。もしかしたら、いつの間にか……私、沙耶先輩にパンツを見られることが好きになっちゃっているのかな。
「それにしても、琴実ちゃんの方からパンツを堪能して欲しいって言ってくれるときが来るなんて。私は今、とても感激しているよ」
「き、気分ですよ。それに、私のパンツで満足してくれれば、他の生徒のパンツを堪能しなくなるかもしれないじゃないですか」
「その分、琴実ちゃんのパンツを堪能することになるかもしれないよ?」
「……沙耶先輩の相棒なので」
そう言うと、沙耶先輩はゆっくりと立ち上がり、私に笑顔を見せた後に、私のことを優しく抱きしめてくる。
「琴実ちゃんはいい子だね」
いい子いい子、と私の頭を撫で始める。今の方がパンツを堪能してもらうときよりも凄く嬉しいんですけど。沙耶先輩の温もりと甘い匂いに包まれて。凄く幸せ。あと、先輩の胸って柔らかいんだな。
「……もうちょっとこのままでもいいですか?」
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