サクラブストーリー

桜庭かなめ

文字の大きさ
135 / 202
続編-ゴールデンウィーク編-

第34話『3人でひさしぶりに-後編-』

しおりを挟む
 俺の髪も洗い終わったので、次は体を洗うことに。
 和奏姉さんの提案で、俺の背中を姉さん、姉さんの背中をサクラが流す。2人の背中を流し終わった後に、姉さんがサクラの背中を流すことに決まった。

「和奏ちゃん。今の洗い方で大丈夫ですか? 痛くはないですか?」
「大丈夫だよ、フミちゃん。凄く気持ちいい」
「良かったです。じゃあ、この感じで洗っていきますね」
「うん、お願いね。大輝はどう?」
「俺も大丈夫。気持ちいいよ」
「分かった。じゃあ、この感じでやっていくね」

 曇っている鏡を右手で拭くと、俺の背中を流してくれる和奏姉さんはもちろんのこと、姉さんの後ろにいるサクラの姿も見える。こういう光景を見ると、とても懐かしい気持ちになる。

「背中を流してもらいながら、誰かの背中を流すのも懐かしいなぁ」

 弾んだ声で和奏姉さんはそう言う。人それぞれで、懐かしいと思うポイントが違うようだ。

「こうやって3人並んで背中を流すのはひさしぶりですもんね。小さい頃に家族ぐるみで温泉旅行に行ったときは、女性の大浴場で優子さんとお母さんと5人並んで背中を流しましたよね」
「やったねぇ」
「そんなこともあったなぁ」

 家族ぐるみで旅行に行くことが多かったから、俺も小さい頃は女湯に何度も入らせてもらった。背中を流し合ったり、一緒に温泉に入ったりして楽しかったな。貸切風呂とかではない限り、もう二度とホテルや旅館ではああいった時間を過ごせないだろう。
 そういえば、俺が女湯に入ることはあったけど、サクラと和奏姉さんが男湯に入ってきたことは一度もなかったな。

「あっ、思い出した。一度、大輝が大浴場の浴槽で転びそうになったとき、美紀さんが大輝を抱き留めたことがあったよね」
「ありましたね! そのときはダイちゃん……お母さんの胸に顔を突っ込んでいましたね」
「……俺も思い出した。幼稚園の頃だったな。あのとき、美紀さんはなかなか俺のことを離さなかったんだよなぁ」

 とても柔らかいものに顔を包まれて、優しくて甘い匂いがしたことを覚えている。幼稚園に通っていた頃だったので、そのときは「転ばなくて良かった」くらいにしか思わなかったな。

「息子ってこんな感じなのかもって、お母さんがダイちゃんを嬉しそうに抱いていたよ。それを見ていいなぁって思ってた」
「ふふっ。……大輝、背中流し終わったよ」
「ありがとう、姉さん」
「私の方も流し終わりました」
「ありがとう、フミちゃん。じゃあ、フミちゃんの背中はあたしが流すね。大輝は……あとは自分で洗ってくれる? お姉ちゃんに洗ってほしいなら前も洗ってあげるけど?」
「気持ちだけ受け取っておくよ。あとは自分でやるさ」
「……はぁい」

 ちょっとつまらなそうに返事し、俺にボディータオルを渡してくる和奏姉さん。洗ってほしいならとか言っていたけど、本当は俺の体をもっと洗いたかったのでは。姉さんならあり得そうだ。
 俺は和奏姉さんから受け取ったボディータオルで背中以外の部分を洗っていく。

「フミちゃん、気持ちいい?」
「はい、気持ちいいです」
「良かった」

 背後からそんな楽しげな会話が聞こえてくる。一昨日、小泉さんと3人で一緒に入浴したときも、2人は今のように楽しく話していたのだろう。
 昔のハプニング話をしたので、何かハプニングが起きてしまわないかどうか心配だったけど、何事もなく俺達3人は体を洗い終える。

「いよいよ、大輝とフミちゃんと3人で湯船に浸かるんだね」
「そうですね。青葉ちゃんと一緒に入ったときは窮屈じゃなかったから、きっとダイちゃんとも一緒に入れるよ」
「そうだといいんだけどな」
「もし、窮屈そうだったら、大輝がフミちゃんを抱き寄せればいいんじゃないかな?」
「ほええっ!」

 サクラの甘い声が浴室中に響き渡る。その声が大きかったので耳が痛くなってしまう。
 和奏姉さんはとっさに両手で耳を塞いでいた。驚いてはいるものの、特に痛がっている様子はないので、耳は無事な模様。

「ま、まずかったかな?」
「えっと、その……ダイちゃんとは付き合い始めてから何度もお風呂に入っていますけど、裸で抱き合ったことはなくて。そんなことをしたら、ドキドキしてすぐにのぼせてしまうかもしれないです……」

 サクラは顔を真っ赤にし、か弱い声でそう言った。俺と目が合うとすぐに視線を逸らしてしまう。

「サクラの言う通りだな。俺も今のサクラと抱き合ったらのぼせるかもしれない。だから、窮屈そうなら姉さんがサクラを抱き寄せてくれないか?」
「分かったよ。じゃあ、3人で一緒に入ろう」

 俺は和奏姉さんと向かい合うようにして体育座りの形で座り、背中を浴槽の壁にくっつける。
 サクラは浴室の入り口の方に向きながら、俺と和奏姉さんの間にできたスペースにゆっくりと腰を下ろそうとすると、

「ひゃっ」

 そんなサクラの声が聞こえたのと同時に、両脚のつま先に何か柔らかいものが当たる。おそらく、サクラの太ももかお尻が当たったのだろう。

「両側の太ももに2人のつま先が当たっちゃいますね」
「じゃあ、私に寄りかかる形で入ろうか。大輝、脚を伸ばすから当たっちゃうかもしれない」
「かまわないよ」

 和奏姉さんはゆっくりと脚を伸ばすと、俺の両脚に触れる。このくらいなら全く問題ないな。
 そして、サクラは和奏姉さんに寄りかかるようにして湯船に浸かった。湯船のお湯が気持ちいいのか、それとも和奏姉さんに寄りかかる体勢が気に入ったのか、サクラはまったりとした表情に。

「あぁ、気持ちいい。和奏ちゃんに寄りかかるのもいいですね」
「嬉しいな。私もフミちゃんを後ろから抱きしめるのはいいよ」

 そう言って、サクラと和奏姉さんは笑い合っている。その光景が微笑ましい。将来は義理の姉妹になるかもしれないと思うと感慨深くもある。
 あと、俺も和奏姉さんのように、サクラを後ろから抱きしめながら湯船に浸かりたい。……想像してみるだけで結構ドキドキしてくる。体も熱くなってきたし、のぼせ防止のためにも想像タイム終了だ。

「どうしたの、ダイちゃん。顔を赤くして」
「一番風呂だからか、お湯が熱めだなって思ったんだ。……今でもうちの湯船で3人一緒に入れたな」
「そうだね、ダイちゃん」
「入れたね。小さい頃みたいに湯船に余裕はあんまりないけどさ。それでも、あのときみたいな時間を過ごせてお姉ちゃんは幸せだよ」
「私も幸せですよ。……ダイちゃんはどう?」

 サクラがそう問いかけると、サクラと和奏姉さんは俺をじっと見つめてくる。2人が幸せだって言葉にしてくれたんだから、俺もちゃんと言わないと。

「……懐かしくていいなって思ったよ。それに、サクラと仲直りして、恋人にならないとこういう時間は過ごせない。だから……俺も幸せだよ」

 そういう形で言ったけど、幸せだって口にすると照れくさいな。サクラと和奏姉さんが俺を見つめるから照れくささが右肩上がり。2人を見るよりも、湯船に顔をつけた方が顔の熱くなり方がマシになるんじゃないだろうか。そんなことを考えても、2人から視線を離すことはできなかった。
 からかわれるかな……と思ったら、サクラは嬉しそうな、和奏姉さんは優しげな笑顔をそれぞれ見せてくれる。

「ダイちゃんが同じ気持ちで嬉しいよ!」
「そうだね、フミちゃん。これから、帰省したら一度は3人でお風呂に入ろっか」
「いいですね!」
「サクラがそう言うなら俺もいいよ」

 ちなみに、今年の春休みの帰省までは、帰省の度に和奏姉さんと2人きりで入浴するのがお決まりだった。そのお決まりが、これからはサクラとの3人での入浴に変わるのかな。……いや、和奏姉さんのことだから、俺との2人きりの入浴を継続するかもしれない。

「そうだ。お風呂に3人で入ったんだから、今日は3人で寝ようよ。一昨日と昨日はフミちゃんの部屋だから、今日は大輝の部屋でさ」
「それいいですね!」
「いいよ。ただ、3人で俺のベッドには寝られないと思うぞ。ふとんを敷いて姉さんが寝るのか?」
「ううん。ふとんを2枚敷いてそこで3人で寝るつもりだよ」
「素敵ですね! 私は賛成です!」
「ふとん2枚だったら、身を寄せ合えば何とか寝られるか」
「きっと寝られるよ。決まりだね!」
「ですね!」

 サクラと和奏姉さんは楽しく笑い合っている。かつてのお泊まり会のように眠れるのが嬉しいのだろう。
 サクラの部屋に置いてある帰省用の和奏姉さんのふとんと、客間にあるふとんを使えば大丈夫か。テーブルとクッションを部屋の端に動かせば、ふとん2枚くらいは敷けるスペースはあるはず。きっと大丈夫だろう。
 それから少しの間、湯船に浸かり続ける。サクラと和奏姉さんのおかげで、普段よりも体の温まり方は早く感じられた。それでも、苦しさは感じずとても心地良かった。



 お風呂から上がった後は俺の部屋でテレビを見たり、ゲームをしたり、一紗とのお出かけの話をしたりして過ごした。
 あっという間に日付変更目前の時間がやってきて、俺達は寝る準備に入る。
 2枚のふとんについては、昨日、一紗と杏奈が泊まった際に使ったためサクラの部屋にあるとのこと。俺がふとん2枚をサクラの部屋から持ってきて、ベッドの横に敷く。予想通り、テーブルとクッションを動かしたら敷けた。

「それで、どういう並びで寝るんだ?」
「大輝が真ん中」
「賛成です!」
「まあ、2人がそれでいいなら」

 とは言うものの、俺が真ん中になるんじゃないかと思っていたよ。
 歯を磨いたり、お手洗いを済ませたりして、俺達は2枚並んだふとんの中に入る。その際、サクラはもちろんのこと、和奏姉さんも俺の腕を抱きしめてきた。ちなみに、サクラが左腕で和奏姉さんが右腕。
 小さい頃も、こうして2人で腕を抱かれながら寝たことがあったっけ。

「サクラも和奏姉さんもふとんからは出てないか?」
「大丈夫だよ、ダイちゃん」
「あたしも。……寝ぼけてあたしにキスしちゃダメだよ、大輝」
「ダメだよ! ダイちゃん!」
「そんなことにはならないよ。安心しろ」

 匂いで判別できるからな。あと、腕に当たっている柔らかな感触の違いとかでも。ただ、それを言ったら、2人にどんな反応をされるのか恐いので言わないでおくけど。

「一昨日はフミちゃんと青葉ちゃん、昨日はフミちゃんと一紗ちゃんと杏奈ちゃんが一緒だったけど、こうして大輝とフミちゃんと3人で寝るのもいいね。懐かしいし」
「そうですね。あと、ふとんに入ってダイちゃんと和奏ちゃんの匂いを感じるととても懐かしい気持ちになります。今日はいい夢が見られそうです」
「あたしも」
「こうして寝るのはひさしぶりだから、どんな夢を見られるか楽しみだ」
「そうだね。温かいから眠くなってきた。大輝、フミちゃん、おやすみ」
「おやすみなさい」
「2人ともおやすみ」

 俺はゆっくりと目を瞑る。
 ひさしぶりにサクラと和奏姉さんから腕を抱かれてどうなるかと思ったけど、2人の温もりと甘い匂い、柔らかさが心地良くて。目を瞑ってからあまり時間が経たないうちに眠りについた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

桜庭かなめ
恋愛
 高校1年生の逢坂玲人は入学時から髪を金色に染め、無愛想なため一匹狼として高校生活を送っている。  入学して間もないある日の放課後、玲人は2年生の生徒会長・如月沙奈にロープで拘束されてしまう。それを解く鍵は彼女を抱きしめると約束することだった。ただ、玲人は上手く言いくるめて彼女から逃げることに成功する。そんな中、銀髪の美少女のアリス・ユメミールと出会い、お互いに好きな猫のことなどを通じて彼女と交流を深めていく。  しかし、沙奈も一度の失敗で諦めるような女の子ではない。玲人は沙奈に追いかけられる日々が始まる。  抱きしめて。生徒会に入って。口づけして。ヤンデレな沙奈からの様々な我が儘を通して見えてくるものは何なのか。見えた先には何があるのか。沙奈の好意が非常に強くも温かい青春ラブストーリー。  ※タイトルは「むげん」と読みます。  ※完結しました!(2020.7.29)

管理人さんといっしょ。

桜庭かなめ
恋愛
 桐生由弦は高校進学のために、学校近くのアパート「あけぼの荘」に引っ越すことに。  しかし、あけぼの荘に向かう途中、由弦と同じく進学のために引っ越す姫宮風花と二重契約になっており、既に引っ越しの作業が始まっているという連絡が来る。  風花に部屋を譲ったが、あけぼの荘に空き部屋はなく、由弦の希望する物件が近くには一切ないので、新しい住まいがなかなか見つからない。そんなとき、 「責任を取らせてください! 私と一緒に暮らしましょう」  高校2年生の管理人・白鳥美優からのそんな提案を受け、由弦と彼女と一緒に同居すると決める。こうして由弦は1学年上の女子高生との共同生活が始まった。  ご飯を食べるときも、寝るときも、家では美少女な管理人さんといつもいっしょ。優しくて温かい同居&学園ラブコメディ!  ※特別編11が完結しました!(2025.6.20)  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

隣人はクールな同期でした。

氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。 30歳を前にして 未婚で恋人もいないけれど。 マンションの隣に住む同期の男と 酒を酌み交わす日々。 心許すアイツとは ”同期以上、恋人未満―――” 1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され 恋敵の幼馴染には刃を向けられる。 広報部所属 ●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳) 編集部所属 副編集長 ●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳) 本当に好きな人は…誰? 己の気持ちに向き合う最後の恋。 “ただの恋愛物語”ってだけじゃない 命と、人との 向き合うという事。 現実に、なさそうな だけどちょっとあり得るかもしれない 複雑に絡み合う人間模様を描いた 等身大のラブストーリー。

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※特別編2が完結しました!(2025.9.15)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ

桜庭かなめ
恋愛
 高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。  あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。  3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。  出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!  ※特別編5が完結しました!(2025.7.6)  ※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録や感想をお待ちしております。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

処理中です...