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第16話『その眼の正体』
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昼休みに優那がストーカー捕獲大作戦を考案したこともあってか、午後になってから小春は元気そうだった。
放課後になるとすぐに、俺は優那や小春と一緒に図書室へと向かう。これもストーカーを捕まえるための作戦の一環だ。
図書室の中に入ると、司書の方や図書委員の生徒以外はほとんどいなかった。とても静かな空気に包まれている。
「……感じる?」
「ううん、感じない」
「そっか。……とりあえず、あそこの席に座ろうか」
俺達は図書室全体が見渡しやすい端っこの机を陣取ることに。俺は優那や小春と向かい合うようにして座る。
「ストーカーに警戒されないためにも、あたしや颯介はあまり周りを見ないことにしよう」
「そうだね」
明日提出の課題を出されたので、それをやることにするか。
「小春、視線を感じたらあたしや颯介にいつでも言ってきて。そのときはスマホでメッセージを送るか、何か紙に書いて見せることにしようか」
「うん、分かった」
果たして、俺達が思い描くようにストーカーが動いてくれるかどうか。小春が視線を感じていたのも、主に1人のときだったと言っていたし。今回、成功しなかったら先生達に相談することを勧めよう。
自然体を装うために、俺は明日提出する英語の課題プリントをやり始める。文章の穴埋め問題だ。英語は好きな方なので、この程度の課題なら15分もあれば終わりそうかな。
「ふふっ」
優那はスマートフォンを眺めながらクスクス笑っている。漫画や小説でも読んでいるのかな。この後、小春のストーカーを捕まえようとしているのになぁ。これも彼女なりの自然体でいる方法なのだと思っておこう。
小春は文庫本を開いているけれど、さすがに周りが気になってしまうのか視線が本の方に向いていない。
体を伸ばすふりをして図書室の中を見てみると、俺達が来たときと比べて生徒が多いな。俺達のように、同じ机で各々のことをしている生徒達もいれば、3年生なのか大量の参考書を机に出して勉強に集中する生徒もいる。この中に小春につきまとっている人間がいるかもしれないのか。
小春の方を見てみると、彼女は今朝のような曇った表情になっていた。もしかして、ストーカーがもういるのか?
俺はルーズリーフに、
『小春、もしかして視線を感じているかな』
と書いて小春に差し出すと、小春は俺と優那のことを見て小さく頷く。何らかの方法で図書室に小春がいると知って、ストーカーがここに来たのか。
優那は俺の渡したルーズリーフに何かを書いて、小春に見せた後、俺の前に差し出した。
『作戦決行』
いよいよ、本格的にストーカーをしている人物をあぶり出すのか。俺は小春と優那の顔を見てゆっくりと頷いた。
昼休みに作った優那、小春、前川、冨和さん、俺のグループトークに、
『前川、冨和さん。動き始めるから、例の場所で待機していて』
俺からそんなメッセージを送る。
「宿題も一段落したから休憩しようかな。小春、ちょっと一緒に外に出ないか? 2人きりで大事な話をしたいからさ」
「うん、分かった」
俺は小春と一緒に図書室を出る。
優那の考えた作戦はこうだ。
俺から小春に大事な話をすることが分かれば、ストーカーは必ず俺達の後をついてくるはず。俺達のすぐ後に図書室から出るので、その人物について、優那が文章や写真などで5人のグループトークに送る。優那も候補となっている人に怪しまれないよう気を付けながら後を追う。
俺と小春の行き先は、図書室から少し離れた多目的スペース。放課後になるとあまり使われない場所。あと、すぐ近くにはお手洗いがあると前川が教えてくれた。そのお手洗いから前川と冨和さんが見張ることになっている。
目的地に到着したら、ベンチがあるので隣同士に座り、俺が小春に告白しようとする。ただ、緊張のあまりお腹が痛くなる演技をしてお手洗いに行き、前川と一緒に小春の様子を監視する。
優那曰く、この段階でストーカーはかなり焦り、小春と接触しようと試みるはずなので、そこを俺達で捕まえる……という流れだ。
優那の思惑通りになればいいけれど。
「どう?」
「……感じてる」
小春は小さな声でそう答える。やはり、ストーカーは俺達に付いてきているか。だからか、小春は俺と腕が触れるくらいに寄り添っていた。
スマートフォンで、優那からメッセージや写真が来るかどうか確認していると、
『30秒くらい見ていたけれど、出て行ったのは3人いた』
優那からそんなメッセージが送られてきた。その後に3人がそれぞれ写っている写真が送られる。黒い短髪でメガネをかけている男子生徒、青髪のワンサイドアップの髪型をした女子生徒、茶髪のイケメン男子生徒か。
3人とも怪しそうには見えないけれど、この中に小春をストーカーしている人間がいる可能性が非常に高い。3枚の写真を小春にも見せておく。
やがて、俺達は多目的スペースに到着する。前川の言うようにそこには誰もいなかった。ベンチに隣り合って座ることに。
「もう、こんなところまで連れてきちゃって、颯介君」
「さっきも言ったじゃないか。2人きりで大事な話がしたいんだ。他の生徒に聞かれると恥ずかしいから、ここまで連れてきちゃったんだよ」
「そうだったんだね。それで、私に話したいことって何なの?」
これからストーカーを捕まえるからか。それとも、小春に告白しようとするからか。演技でも緊張するな。
「……えっと。俺の気持ちっていうか。入学したときから小春のことが気になっていてさ。つまり、その……あっ、お腹が痛くなってきた。これからが一番大事なところなのに……」
お腹に右手を当てて腹痛の演技をすると、小春は柔らかい笑みを浮かべる。
「ふふっ、緊張するとお腹を崩すタイプなんだね。そこにお手洗いがあるから行ってきて。私はここで待っているから」
「うん、ありがとう。ちょっと長くなるかも。ごめんね」
「分かった。いってらっしゃい」
俺は「ああっ」とお腹がとても痛いふりをしながら、前川が待っている男子用のお手洗いへと向かった。
「いい演技だったぞ」
「どうもありがとう」
「……僕は2人の男子のどちらかがストーカーだと思う」
「そんな感じはするよな」
ただ、その予想とは外れた結果になることだってある。気を抜かずに小春を守らないと。
――プルルッ。
おっ、スマホが鳴っているぞ。優那からか?
「真宮。大曲から、青髪の女子だけがここの近くまで来てるって」
「分かった」
お手洗いの入り口から多目的スペースの様子を見ると、ワンサイドアップの青髪の女子生徒が小春のところに早歩きで向かおうとしていた。
俺は急いで小春のところに戻って、青髪の女子生徒の肩をぎゅっと掴んだ。
「あなた、先週からずっと小春にストーカーしていましたね?」
俺がそう言うと、青髪の女子生徒は眼を大きく開いた状態で俺を見て、
「……そうだよ。彼女があなたのものにならないように、その前に私のものにするの。こちらの天使を私のものにするの! 彼女のことが大好きなんだもん!」
やっぱり、好意が原因のストーカーだったか。あと、女性への好意を告白する女性を見たのはこれが初めてだ。
それにしても、天使か。小春は笑顔がとても可愛らしい優しい女の子なので、そう喩えるのも納得できる。
「颯介! よくやったわ! あなたのおかげであたしの考えた作戦大成功よ!」
「お見事だよ! 優那ちゃん、頭いいよね!」
「ああ、大曲は発想力がいいなぁ」
「えへへっ」
優那、前川と冨和さんに褒められたことがとても嬉しいのか、お世辞にも大きいとは言えない胸を張っている。正直、成功するかどうか不安だったけれど、よくここまで上手くいったなと思う。
青髪の女子生徒は、俺を恨めしそうな様子で見ている。女子でもストーカーということには変わりない。手加減なんかしないぞ。
「あなたは小春のことが好きだからストーカーしたんですね。今日、登校するときにあなたは見たでしょう? 知らない人から向けられる感じる視線に恐れ、親友の女の子の腕をずっと抱きしめていた小春の姿を。あなたがやってきたことの結果です。それを理解して、今後は一切、俺の大切な人である小春を苦しめないでください。もし、今回と同じようなことをまたしたら、俺はあなたを許さない」
こんなことを二度としないよう、強い口調でそう言うと、青髪の女子生徒は涙をボロボロと流し、その場でしゃがみ込んで大きな声で泣き始めた。俺が恐かったのか、それとも自分のやったことの罪深さが分かったからなのか。はたまた、小春に嫌われたと思っているのか。
小春はベンチから立ち上がることはなく、複雑な表情を浮かべながら、号泣する青髪の女子生徒を黙って見続けるのであった。
放課後になるとすぐに、俺は優那や小春と一緒に図書室へと向かう。これもストーカーを捕まえるための作戦の一環だ。
図書室の中に入ると、司書の方や図書委員の生徒以外はほとんどいなかった。とても静かな空気に包まれている。
「……感じる?」
「ううん、感じない」
「そっか。……とりあえず、あそこの席に座ろうか」
俺達は図書室全体が見渡しやすい端っこの机を陣取ることに。俺は優那や小春と向かい合うようにして座る。
「ストーカーに警戒されないためにも、あたしや颯介はあまり周りを見ないことにしよう」
「そうだね」
明日提出の課題を出されたので、それをやることにするか。
「小春、視線を感じたらあたしや颯介にいつでも言ってきて。そのときはスマホでメッセージを送るか、何か紙に書いて見せることにしようか」
「うん、分かった」
果たして、俺達が思い描くようにストーカーが動いてくれるかどうか。小春が視線を感じていたのも、主に1人のときだったと言っていたし。今回、成功しなかったら先生達に相談することを勧めよう。
自然体を装うために、俺は明日提出する英語の課題プリントをやり始める。文章の穴埋め問題だ。英語は好きな方なので、この程度の課題なら15分もあれば終わりそうかな。
「ふふっ」
優那はスマートフォンを眺めながらクスクス笑っている。漫画や小説でも読んでいるのかな。この後、小春のストーカーを捕まえようとしているのになぁ。これも彼女なりの自然体でいる方法なのだと思っておこう。
小春は文庫本を開いているけれど、さすがに周りが気になってしまうのか視線が本の方に向いていない。
体を伸ばすふりをして図書室の中を見てみると、俺達が来たときと比べて生徒が多いな。俺達のように、同じ机で各々のことをしている生徒達もいれば、3年生なのか大量の参考書を机に出して勉強に集中する生徒もいる。この中に小春につきまとっている人間がいるかもしれないのか。
小春の方を見てみると、彼女は今朝のような曇った表情になっていた。もしかして、ストーカーがもういるのか?
俺はルーズリーフに、
『小春、もしかして視線を感じているかな』
と書いて小春に差し出すと、小春は俺と優那のことを見て小さく頷く。何らかの方法で図書室に小春がいると知って、ストーカーがここに来たのか。
優那は俺の渡したルーズリーフに何かを書いて、小春に見せた後、俺の前に差し出した。
『作戦決行』
いよいよ、本格的にストーカーをしている人物をあぶり出すのか。俺は小春と優那の顔を見てゆっくりと頷いた。
昼休みに作った優那、小春、前川、冨和さん、俺のグループトークに、
『前川、冨和さん。動き始めるから、例の場所で待機していて』
俺からそんなメッセージを送る。
「宿題も一段落したから休憩しようかな。小春、ちょっと一緒に外に出ないか? 2人きりで大事な話をしたいからさ」
「うん、分かった」
俺は小春と一緒に図書室を出る。
優那の考えた作戦はこうだ。
俺から小春に大事な話をすることが分かれば、ストーカーは必ず俺達の後をついてくるはず。俺達のすぐ後に図書室から出るので、その人物について、優那が文章や写真などで5人のグループトークに送る。優那も候補となっている人に怪しまれないよう気を付けながら後を追う。
俺と小春の行き先は、図書室から少し離れた多目的スペース。放課後になるとあまり使われない場所。あと、すぐ近くにはお手洗いがあると前川が教えてくれた。そのお手洗いから前川と冨和さんが見張ることになっている。
目的地に到着したら、ベンチがあるので隣同士に座り、俺が小春に告白しようとする。ただ、緊張のあまりお腹が痛くなる演技をしてお手洗いに行き、前川と一緒に小春の様子を監視する。
優那曰く、この段階でストーカーはかなり焦り、小春と接触しようと試みるはずなので、そこを俺達で捕まえる……という流れだ。
優那の思惑通りになればいいけれど。
「どう?」
「……感じてる」
小春は小さな声でそう答える。やはり、ストーカーは俺達に付いてきているか。だからか、小春は俺と腕が触れるくらいに寄り添っていた。
スマートフォンで、優那からメッセージや写真が来るかどうか確認していると、
『30秒くらい見ていたけれど、出て行ったのは3人いた』
優那からそんなメッセージが送られてきた。その後に3人がそれぞれ写っている写真が送られる。黒い短髪でメガネをかけている男子生徒、青髪のワンサイドアップの髪型をした女子生徒、茶髪のイケメン男子生徒か。
3人とも怪しそうには見えないけれど、この中に小春をストーカーしている人間がいる可能性が非常に高い。3枚の写真を小春にも見せておく。
やがて、俺達は多目的スペースに到着する。前川の言うようにそこには誰もいなかった。ベンチに隣り合って座ることに。
「もう、こんなところまで連れてきちゃって、颯介君」
「さっきも言ったじゃないか。2人きりで大事な話がしたいんだ。他の生徒に聞かれると恥ずかしいから、ここまで連れてきちゃったんだよ」
「そうだったんだね。それで、私に話したいことって何なの?」
これからストーカーを捕まえるからか。それとも、小春に告白しようとするからか。演技でも緊張するな。
「……えっと。俺の気持ちっていうか。入学したときから小春のことが気になっていてさ。つまり、その……あっ、お腹が痛くなってきた。これからが一番大事なところなのに……」
お腹に右手を当てて腹痛の演技をすると、小春は柔らかい笑みを浮かべる。
「ふふっ、緊張するとお腹を崩すタイプなんだね。そこにお手洗いがあるから行ってきて。私はここで待っているから」
「うん、ありがとう。ちょっと長くなるかも。ごめんね」
「分かった。いってらっしゃい」
俺は「ああっ」とお腹がとても痛いふりをしながら、前川が待っている男子用のお手洗いへと向かった。
「いい演技だったぞ」
「どうもありがとう」
「……僕は2人の男子のどちらかがストーカーだと思う」
「そんな感じはするよな」
ただ、その予想とは外れた結果になることだってある。気を抜かずに小春を守らないと。
――プルルッ。
おっ、スマホが鳴っているぞ。優那からか?
「真宮。大曲から、青髪の女子だけがここの近くまで来てるって」
「分かった」
お手洗いの入り口から多目的スペースの様子を見ると、ワンサイドアップの青髪の女子生徒が小春のところに早歩きで向かおうとしていた。
俺は急いで小春のところに戻って、青髪の女子生徒の肩をぎゅっと掴んだ。
「あなた、先週からずっと小春にストーカーしていましたね?」
俺がそう言うと、青髪の女子生徒は眼を大きく開いた状態で俺を見て、
「……そうだよ。彼女があなたのものにならないように、その前に私のものにするの。こちらの天使を私のものにするの! 彼女のことが大好きなんだもん!」
やっぱり、好意が原因のストーカーだったか。あと、女性への好意を告白する女性を見たのはこれが初めてだ。
それにしても、天使か。小春は笑顔がとても可愛らしい優しい女の子なので、そう喩えるのも納得できる。
「颯介! よくやったわ! あなたのおかげであたしの考えた作戦大成功よ!」
「お見事だよ! 優那ちゃん、頭いいよね!」
「ああ、大曲は発想力がいいなぁ」
「えへへっ」
優那、前川と冨和さんに褒められたことがとても嬉しいのか、お世辞にも大きいとは言えない胸を張っている。正直、成功するかどうか不安だったけれど、よくここまで上手くいったなと思う。
青髪の女子生徒は、俺を恨めしそうな様子で見ている。女子でもストーカーということには変わりない。手加減なんかしないぞ。
「あなたは小春のことが好きだからストーカーしたんですね。今日、登校するときにあなたは見たでしょう? 知らない人から向けられる感じる視線に恐れ、親友の女の子の腕をずっと抱きしめていた小春の姿を。あなたがやってきたことの結果です。それを理解して、今後は一切、俺の大切な人である小春を苦しめないでください。もし、今回と同じようなことをまたしたら、俺はあなたを許さない」
こんなことを二度としないよう、強い口調でそう言うと、青髪の女子生徒は涙をボロボロと流し、その場でしゃがみ込んで大きな声で泣き始めた。俺が恐かったのか、それとも自分のやったことの罪深さが分かったからなのか。はたまた、小春に嫌われたと思っているのか。
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