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第48話『海野さん親子』
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午前11時半。
電車が大きく遅延したり、運転が見合わせたりすることもなく、俺達はバイト先の『海野さんちの海の家』の最寄り駅である池津駅に到着した。お昼前ということもあってか蒸し暑いな。
複数の路線に乗車することのできる駅だからか、駅周辺は結構栄えているな。紗衣の自宅の最寄り駅である清田駅より都会な雰囲気だ。
「着いたー!」
「3時間以上の長旅だったもんね。着いたーって言いたくなっちゃうよね、咲夜ちゃん。着いたー!」
「着いたー!」
「ははっ、2人とも長旅の後でも元気ですね。池津駅に到着したことを伝えるので、店長のお姉さんの海野夏実さんに電話をかけますね」
紗衣はスマホを手にとって、店長さんのお姉さんに電話をかける。ピュアスイートでバイトをしているだけあってか、とても落ち着いているな。海の家でのバイト中は紗衣に頼る場面があるかもしれない。
「……はい、失礼します。では、これから海野家に行きましょうか。海野さんが待っていてくれるそうです。昨日調べたんですけど、この池津駅からは徒歩15分ほどだそうです」
「俺も調べた。細かくはないけど、駅から海野家までの地図を印刷してきた」
「私も調べてきたわ」
「あたしは……調べたんですけど、迷子になりやすいので3人についていきます!」
咲夜は手を挙げて元気よくそう言ってくる。堂々と言われると何も悪い気にならないな。むしろ可愛らしいと思えるほど。それに、迷子になりやすく、俺達についていくと宣言してくれると、こちらも気構えすることができていいと思う。
俺達は海野家に向かって歩き始める。
事前に調べた道筋通りに歩くけれど、俺達の前方に若いグループや家族連れの人達がいるな。海水浴客だろうか。ちなみに、海野家は海の近くにある旅館だ。
駅の周りは商業施設が多いけれど、少し歩くとすぐに住宅街に入って落ち着いた雰囲気になる。
あと、定期的に咲夜がちゃんとついてきているかどうか確認しているが……うん、ちゃんとついてきているな。
「颯人君、何度も確認してくれるね。ありがとう」
「迷子になるかもしれないって宣言されたからな。それに、小さい頃の小雪が迷子にやりやすいから、一緒に出かけるときは今みたいに何度も確認したり、手を繋いだりしたもんだ」
「あったね。颯人と一緒に小雪ちゃんの面倒を見たな。迷子になった小雪ちゃんのことを探したこともあったよね」
紗衣はクスクスと笑う。
「あったな、そんなこと。そういうことだから、俺は全然気にしてないよ」
大きな妹ができたような気がするから。懐かしい感じがしていいなと思えるくらいだ。
すると、咲夜ははにかみながら俺に手を伸ばしてくる。
「じゃ、じゃあ……あたしとも手を繋いでみる? 颯人君さえよければ」
「ああ、いいぞ」
俺は咲夜の隣に動いて、咲夜の手をしっかりと握る。そのことに安心したのか、咲夜は俺に柔らかな笑みを見せてくれる。そういえば、幼い頃の小雪もこうして手を繋ぐと、今の咲夜のように可愛らしい笑みを見せてくれたな。
俺達のことを紗衣はいつも通りの落ち着いた笑みで見ており、麗奈先輩は羨ましそうにしていた。
海が近くなってきたからか、段々と潮の香りがしてきた。遠いところにやって来たんだなと実感する。もう海野家も近いはず。
潮の香りを感じてから程なくして、青い海が見えてきた。
「海だー!」
「海だね! やっぱり大きな声が出ちゃうよね、咲夜ちゃん!」
「ふふっ。海を見ると開放感がありますよね。私は電車の中で毎日川を見ますけど、川と海じゃ全然違いますね」
「俺達の住んでいる地域に近くに海はないですからね。海に来るのは夏休みくらいだし、気持ちが高ぶる気持ちも分かります」
実際、俺も目の前に広がる青い海が見えた瞬間、気持ちが高ぶったし。
その後も地図を見ながら、海野家に向かって歩いていく。こうして海沿いの道を歩くと、遠いところに来たんだなぁと実感する。海岸も近いのか賑わう声も聞こえてきて。
「あっ、あそこが海野家ですね」
紗衣がそう言って、前方にある落ち着いた外観の建物を指さす。公式サイトで写真を見ていたので、そこが海野家であると分かった。
海野家の入口近くには茶髪のポニーテールの女性と、同じ色のショートボブの女の子が立っていた。2人とも青色のTシャツに半ズボンというラフな格好をしているな。Tシャツの左胸のところに、毛筆の字なのか白く『海』と書かれているけれど、海の家の制服なのかな。
俺達のことに気付いたのか、2人は一度お辞儀をする。ポニーテールの方が甘粕さんのお姉さんの海野夏実さんかな。いや、甘粕さんは幼げな雰囲気だったので、ショートボブの方が海野さんかもしれない。
「初めまして。この旅館・海野家の仲居と、海野さんちの海の家の店長をしております海野夏実といいます。今日から3日間よろしくね」
と、ポニーテールの女性の方が爽やかな笑みを浮かべながらそう言った。彼女が海野夏実さんか。ということは、ショートボブの女の子は娘さんなのかな?
夏実さんは俺達のことをじーっと見てくる。
「事前に写真で見ていたけれど、実際に見るといい子達ね。女の子3人は可愛いし、神楽君も迫力のある印象だけど、真面目そうだし」
店長である夏実さんにそう言ってもらえて一安心だ。
隣にいる女の子と目が合ったけれど、恐がっている雰囲気はないな。地元で目が合うと恐がられたり、怯えられたり、泣かれたりすることもあるのに。この子、なかなか強そうな感じがする。
「私達も自己紹介しましょうか。初めまして、妹さんが店長をしているピュアスイートでバイトをしている天野紗衣といいます。夕立高校の1年です。3人とも同じ高校に通っています。よろしくお願いします」
「初めまして、月原咲夜といいます。紗衣ちゃんと同じ1年です。よろしくお願いします」
「初めまして、皇麗奈といいます。高校2年です。学校では生徒会長を務めています。よろしくお願いします」
「神楽颯人といいます、初めまして。紗衣と咲夜と同じ1年です。紗衣とはいとこ同士です。バイトは初めてで至らぬところがあるかもしれませんが、よろしくお願いします」
俺達は自己紹介をして、しっかりと頭を下げた。
「みんなよろしくね。この子は私の娘の璃子です。夏休みだから、旅館や海の家の手伝いをしてもらっているの。璃子、自己紹介しようか」
「うん! 初めまして、海野璃子です。小学6年生の12歳です! よろしくお願いします!」
「よろしくね、璃子ちゃん! 妹がいたらこんな感じなのかなぁ」
「可愛い子だよね、咲夜ちゃん」
そう言って、咲夜と麗奈先輩はにっこりとした笑みを浮かべて、璃子ちゃんの頭を撫でている。璃子ちゃんもそのことに嬉しそうだ。璃子ちゃん、小雪と雰囲気が似ているな。
「璃子ちゃん、小雪ちゃんに似ているよね。可愛らしい笑みとか、颯人を見ても物怖じしないところとか」
「紗衣も同じことを思ったか。ただ、彼女に恐がられないっていうのは、海の家のバイトをする上で大きい気がする」
「そうだね」
海の家でのお手伝いをしているそうだから、俺達にとって璃子ちゃんは先輩ともいえそうだ。
「4人とも、急なことだったのに東京から来てくれてありがとう。まずはその荷物をみなさんが泊まる部屋に運びましょうか。女子3人の制服のTシャツは用意できたんだけど、神楽君の分は事前に伝えていた通り、サイズ的な問題で用意できなくてごめんなさい」
「いえいえ。Tシャツはたくさん持っているので気になさらないでください」
「ありがとう。では、案内するわ」
俺達は夏実さんと璃子ちゃんの案内によって、旅館の中にある従業員用の部屋へと案内される。
ちなみに、部屋割りは男女別。今の時期や春先になると、今回の俺達のように、学生さんが友人同士でバイトをしに来ることが多く、そういった人達のために大きめの部屋も用意しているらしい。
裏側にある従業員専用の入口から入るとすぐに俺達の部屋が。1号室から5号室まである。俺の部屋は4号室で、女性陣の部屋は隣の5号室。俺の方はベッドのある洋室だけれど、3人の方は和室なのか。
「それじゃ、女子3人は制服に。神楽君は動きやすい服装に着替えて、ここに集合しましょう」
『はーい』
俺は一旦、3人とは別れて4号室に入るのであった。
電車が大きく遅延したり、運転が見合わせたりすることもなく、俺達はバイト先の『海野さんちの海の家』の最寄り駅である池津駅に到着した。お昼前ということもあってか蒸し暑いな。
複数の路線に乗車することのできる駅だからか、駅周辺は結構栄えているな。紗衣の自宅の最寄り駅である清田駅より都会な雰囲気だ。
「着いたー!」
「3時間以上の長旅だったもんね。着いたーって言いたくなっちゃうよね、咲夜ちゃん。着いたー!」
「着いたー!」
「ははっ、2人とも長旅の後でも元気ですね。池津駅に到着したことを伝えるので、店長のお姉さんの海野夏実さんに電話をかけますね」
紗衣はスマホを手にとって、店長さんのお姉さんに電話をかける。ピュアスイートでバイトをしているだけあってか、とても落ち着いているな。海の家でのバイト中は紗衣に頼る場面があるかもしれない。
「……はい、失礼します。では、これから海野家に行きましょうか。海野さんが待っていてくれるそうです。昨日調べたんですけど、この池津駅からは徒歩15分ほどだそうです」
「俺も調べた。細かくはないけど、駅から海野家までの地図を印刷してきた」
「私も調べてきたわ」
「あたしは……調べたんですけど、迷子になりやすいので3人についていきます!」
咲夜は手を挙げて元気よくそう言ってくる。堂々と言われると何も悪い気にならないな。むしろ可愛らしいと思えるほど。それに、迷子になりやすく、俺達についていくと宣言してくれると、こちらも気構えすることができていいと思う。
俺達は海野家に向かって歩き始める。
事前に調べた道筋通りに歩くけれど、俺達の前方に若いグループや家族連れの人達がいるな。海水浴客だろうか。ちなみに、海野家は海の近くにある旅館だ。
駅の周りは商業施設が多いけれど、少し歩くとすぐに住宅街に入って落ち着いた雰囲気になる。
あと、定期的に咲夜がちゃんとついてきているかどうか確認しているが……うん、ちゃんとついてきているな。
「颯人君、何度も確認してくれるね。ありがとう」
「迷子になるかもしれないって宣言されたからな。それに、小さい頃の小雪が迷子にやりやすいから、一緒に出かけるときは今みたいに何度も確認したり、手を繋いだりしたもんだ」
「あったね。颯人と一緒に小雪ちゃんの面倒を見たな。迷子になった小雪ちゃんのことを探したこともあったよね」
紗衣はクスクスと笑う。
「あったな、そんなこと。そういうことだから、俺は全然気にしてないよ」
大きな妹ができたような気がするから。懐かしい感じがしていいなと思えるくらいだ。
すると、咲夜ははにかみながら俺に手を伸ばしてくる。
「じゃ、じゃあ……あたしとも手を繋いでみる? 颯人君さえよければ」
「ああ、いいぞ」
俺は咲夜の隣に動いて、咲夜の手をしっかりと握る。そのことに安心したのか、咲夜は俺に柔らかな笑みを見せてくれる。そういえば、幼い頃の小雪もこうして手を繋ぐと、今の咲夜のように可愛らしい笑みを見せてくれたな。
俺達のことを紗衣はいつも通りの落ち着いた笑みで見ており、麗奈先輩は羨ましそうにしていた。
海が近くなってきたからか、段々と潮の香りがしてきた。遠いところにやって来たんだなと実感する。もう海野家も近いはず。
潮の香りを感じてから程なくして、青い海が見えてきた。
「海だー!」
「海だね! やっぱり大きな声が出ちゃうよね、咲夜ちゃん!」
「ふふっ。海を見ると開放感がありますよね。私は電車の中で毎日川を見ますけど、川と海じゃ全然違いますね」
「俺達の住んでいる地域に近くに海はないですからね。海に来るのは夏休みくらいだし、気持ちが高ぶる気持ちも分かります」
実際、俺も目の前に広がる青い海が見えた瞬間、気持ちが高ぶったし。
その後も地図を見ながら、海野家に向かって歩いていく。こうして海沿いの道を歩くと、遠いところに来たんだなぁと実感する。海岸も近いのか賑わう声も聞こえてきて。
「あっ、あそこが海野家ですね」
紗衣がそう言って、前方にある落ち着いた外観の建物を指さす。公式サイトで写真を見ていたので、そこが海野家であると分かった。
海野家の入口近くには茶髪のポニーテールの女性と、同じ色のショートボブの女の子が立っていた。2人とも青色のTシャツに半ズボンというラフな格好をしているな。Tシャツの左胸のところに、毛筆の字なのか白く『海』と書かれているけれど、海の家の制服なのかな。
俺達のことに気付いたのか、2人は一度お辞儀をする。ポニーテールの方が甘粕さんのお姉さんの海野夏実さんかな。いや、甘粕さんは幼げな雰囲気だったので、ショートボブの方が海野さんかもしれない。
「初めまして。この旅館・海野家の仲居と、海野さんちの海の家の店長をしております海野夏実といいます。今日から3日間よろしくね」
と、ポニーテールの女性の方が爽やかな笑みを浮かべながらそう言った。彼女が海野夏実さんか。ということは、ショートボブの女の子は娘さんなのかな?
夏実さんは俺達のことをじーっと見てくる。
「事前に写真で見ていたけれど、実際に見るといい子達ね。女の子3人は可愛いし、神楽君も迫力のある印象だけど、真面目そうだし」
店長である夏実さんにそう言ってもらえて一安心だ。
隣にいる女の子と目が合ったけれど、恐がっている雰囲気はないな。地元で目が合うと恐がられたり、怯えられたり、泣かれたりすることもあるのに。この子、なかなか強そうな感じがする。
「私達も自己紹介しましょうか。初めまして、妹さんが店長をしているピュアスイートでバイトをしている天野紗衣といいます。夕立高校の1年です。3人とも同じ高校に通っています。よろしくお願いします」
「初めまして、月原咲夜といいます。紗衣ちゃんと同じ1年です。よろしくお願いします」
「初めまして、皇麗奈といいます。高校2年です。学校では生徒会長を務めています。よろしくお願いします」
「神楽颯人といいます、初めまして。紗衣と咲夜と同じ1年です。紗衣とはいとこ同士です。バイトは初めてで至らぬところがあるかもしれませんが、よろしくお願いします」
俺達は自己紹介をして、しっかりと頭を下げた。
「みんなよろしくね。この子は私の娘の璃子です。夏休みだから、旅館や海の家の手伝いをしてもらっているの。璃子、自己紹介しようか」
「うん! 初めまして、海野璃子です。小学6年生の12歳です! よろしくお願いします!」
「よろしくね、璃子ちゃん! 妹がいたらこんな感じなのかなぁ」
「可愛い子だよね、咲夜ちゃん」
そう言って、咲夜と麗奈先輩はにっこりとした笑みを浮かべて、璃子ちゃんの頭を撫でている。璃子ちゃんもそのことに嬉しそうだ。璃子ちゃん、小雪と雰囲気が似ているな。
「璃子ちゃん、小雪ちゃんに似ているよね。可愛らしい笑みとか、颯人を見ても物怖じしないところとか」
「紗衣も同じことを思ったか。ただ、彼女に恐がられないっていうのは、海の家のバイトをする上で大きい気がする」
「そうだね」
海の家でのお手伝いをしているそうだから、俺達にとって璃子ちゃんは先輩ともいえそうだ。
「4人とも、急なことだったのに東京から来てくれてありがとう。まずはその荷物をみなさんが泊まる部屋に運びましょうか。女子3人の制服のTシャツは用意できたんだけど、神楽君の分は事前に伝えていた通り、サイズ的な問題で用意できなくてごめんなさい」
「いえいえ。Tシャツはたくさん持っているので気になさらないでください」
「ありがとう。では、案内するわ」
俺達は夏実さんと璃子ちゃんの案内によって、旅館の中にある従業員用の部屋へと案内される。
ちなみに、部屋割りは男女別。今の時期や春先になると、今回の俺達のように、学生さんが友人同士でバイトをしに来ることが多く、そういった人達のために大きめの部屋も用意しているらしい。
裏側にある従業員専用の入口から入るとすぐに俺達の部屋が。1号室から5号室まである。俺の部屋は4号室で、女性陣の部屋は隣の5号室。俺の方はベッドのある洋室だけれど、3人の方は和室なのか。
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