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本編-ARIA-
プロローグ『やくそく』
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『アリア』
本編-ARIA-
――うっ、うううっ。
儚く響いていた。
嗚咽の混じった小さな女の子の泣き声は、幾度となく僕の心を揺さぶる。美しくも珍しい金色の髪としゃがみこんで泣いている姿が、彼女の孤独な印象を強めていた。
そんな彼女のすぐ側を通り過ぎる人もいた。
あらあら可哀想に、と口にしながらもただ立ち止まっているだけの人もいた。
友達と一緒に、この遊園地に遊びに来た僕は――。
「どうしたの? 迷子になっちゃった……かな?」
泣いている女の子の側にいることを選んだ。
僕がその子に話しかけたからか、周りにいた人は続々と僕らから離れていく。まるで何事も無かったかのように。中には、あのアトラクションで遊ぼうかと言う人もいて。
「なあ、氷室。早く行かないと乗れなくなっちまうぞ?」
「僕はこの子を迷子センターに連れて行くよ。僕のことは気にしないで、岡村と羽賀の2人で行ってきてくれ」
今は友人と遊ぶよりも、この子を迷子センターに連れて行くことが第一だ。
「氷室、その女の子……どうかしたのか」
「多分、迷子だと思うんだけれど、ここで泣いていたんだよ。それで、今から迷子センターに連れて行こうと思って」
「そうか。それならば、私達3人でこの子を連れて行こうではないか」
僕達がそんなことを話している間に、女の子は泣き止んでいた。その代わり、いつの間にか女の子は僕の手をぎゅっと掴んでいた。
「今から、お兄ちゃん達と一緒に迷子センターに行こうね。そこに行けば絶対に会えるよ。ええと、君はお父さんやお母さんと一緒に来たの?」
「……うん。パパとママといっしょに」
幼いからか、女の子の声が随分と可愛らしく思える。
「パパとママと一緒に来たんだ。それは楽しそうだね。じゃあ、もしかしたらパパとママが迷子センターで待っているかもしれない」
「……いなかったら?」
「いなかったら、遊園地のお兄さんやお姉さんにパパとママを呼んでもらおう。パパとママが来るまで、お兄ちゃん達と一緒に待とうか」
女の子の頭を優しく撫でる。
本当は係の人に任せておけばいいのかもしれないけれど、この子がちゃんと御両親と再会するまで一緒にいたいと思ったんだ。
「……うん! ありがとう!」
女の子はにっこりと笑顔を見せてくれた。これなら、きっと大丈夫だろう。
僕は友達と一緒に、女の子を迷子センターまで連れて行く。
しかし、そこには女の子の御両親と思われる方はいなかった。
「じゃあ、お父さんとお母さんを呼ぶからお名前を教えて?」
迷子センターにいたスタッフの女性が、女の子に名前を訊ねる。
「あさひなみく! 6さいです!」
「ふふっ、あさひなみくちゃんね。ありがとう。じゃあ、今から放送するからね。そうすれば、すぐにお父さんとお母さんがここに来るから」
スタッフの女性は、僕がここに連れてきた女の子・あさひなみくちゃんが迷子になったことを園内放送で伝える。
『迷子のお知らせです。あさひなみくちゃん、6歳の女の子です。お連れの方は迷子センターまでお越しください。繰り返しお伝えします――』
きっと、みくちゃんの御両親がこの放送を聞いて、すぐにここに来るだろう。
「もうすぐ来るよ、みくちゃん」
「……うんっ!」
僕は約束通り、みくちゃんと一緒に彼女の御両親を待つ。
あと、遊びに行っていいと言ったんだけれど、僕の友達は迷子センターの外でずっと待ってくれている。
「あ、あの……おにいさん」
「うん? どうかした?」
「……おにいさんのおなまえをおしえてください!」
何を訊かれるかと思ったら、名前か。そうだよな、みくちゃんの名前は知っているのに、僕の方が教えないというのはおかしいか。
「僕の名前は氷室智也、7月で14歳になったよ。外で待ってくれているのは僕の友達で、羽賀尊と岡村大貴っていうんだ。2人ともいい奴だよ」
「ふうん、そうなんだ。ともや……おにいちゃん」
智也お兄ちゃん、か。弟や妹はおらず、お盆やお正月に会う従妹の女の子以外には言われたことがないので、新鮮な気分だ。妹がいたらこうだったのかなと思ってしまう。
その後、みくちゃんとは何も言葉を交わさなかった。みくちゃんが頬を赤らめて僕の方をチラチラと見ており、僕がいざ話しかけようとすると、恥ずかしいのか僕から顔を逸らすのだ。シャイな女の子なんだな。
迷子センターに来てから20分ほど経ったとき、みくちゃんの御両親がやってきた。
「パパ! ママ!」
みくちゃんはお母さんに勢いよく抱きつく。
「美来、良かった。パパもママも心配したんだぞ」
「ごめんなさい……」
それでも、みくちゃんも御両親も安堵の笑みを浮かべている。
「これからはパパやママの手を絶対に離さないようにしようね。えっと、あなたが美来のことをここまで連れてきてくれたんですか?」
「はい。みくちゃんが泣いていたのを見つけまして。外にいる友人と一緒にここまで連れてきたんです」
「そうだったんですか。本当にありがとうございます」
「ありがとうございます。ほら、美来もお兄さんにお礼をいいなさい」
お父さんにそう言われたみくちゃんは、僕の方に振り向き、笑顔で、
「ともやおにいちゃん。ありがとう!」
「……どういたしまして」
僕はただ、みくちゃんをここに連れてきただけなんだけどなぁ。でも、御両親と再会してみくちゃんの笑顔を見ることができたことはとても嬉しい。
「これからは、パパやママとはぐれないように気を付けてね」
「うんっ!」
「本当にありがとうございました。それでは私達はこれで」
「はい」
みくちゃんは御両親と一緒に迷子センターを後にしたかと思いきや、みくちゃん一家は急に立ち止まったのだ。
「どうしたんだろう? みくちゃん」
「御両親と何やら話しているようだな……」
僕は再び、羽賀や岡村と一緒にアトラクションの方へ向かおうとしたけれど、みくちゃん一家のことが気になってしまい、迷子センターの前から離れることができない。
すると、みくちゃんは1人でこちらの方に走ってきて、僕の目の前で立ち止まり、
「あのね、ともやおにいちゃん。わたし、ともやおにいちゃんのことがすきっ!」
大きな声で僕にそんなことを言ってきた。
「そっか。僕のことが好きなんだ」
好きだって言われたのは初めてだ。でも、ここまで小さな子から言われると気持ちがほっこりするなぁ。思わずみくちゃんの頭を撫でる。
「ありがとう、みくちゃん」
「……それで、その……」
みくちゃんはもじもじして、僕のことをチラチラと見ている。
「ともやおにいちゃん、その……みくとけっこんしてくださいっ!」
「け、結婚かぁ……」
まさかのプロポーズ。
もちろん、小さな女の子からなのでほのぼのとした気分になるけれど、みくちゃんは真剣な表情。僕もきちんと返事をする必要がある。でも、僕は結婚できる年齢じゃないしなぁ。どうしようか。恋人なんていないし、好きな人さえいない。
「じゃあ、みくちゃんが結婚できるようになる年齢になっても、まだ僕と結婚したいっていう気持ちが変わらなければ、その時に考えようか」
みくちゃんは今、6歳だから早くても10年後か。ということは僕が24歳になっているのか。そのときには……どうなっているかは分からないけれど、きっと今日のことが思い出の一つになっているんじゃないかなと思う。
「おにいちゃん、やくそくのシールをあげるね」
そう言うと、みくちゃんはポケットから黒い4分音符の絵が描いてあるシールを取り出し、それを僕に渡してきた。
「ありがとう、みくちゃん」
音符のシールなんて変わっているな。みくちゃんは音楽が大好きなのかな。
「これをみて、みくのことをおもいだしてくれるとうれしいな」
「……大切にするよ」
6歳ながらに約束を取り付け、シールを見ることで自分のことを思い出せるとは。これは本気かもしれない。結婚してほしいと言ったときの表情も真剣だったし。
「またね、ともやおにいちゃん」
「うん、またね」
みくちゃんは手を振って、御両親のところへ戻っていった。そのときの笑顔はとても印象的で僕の頭に焼き付いた。
僕は14歳。みくちゃんは6歳。
僕はまだしも、みくちゃんはまだ小学生にもなっていない年齢なんだ。そんなときの恋なんて時間が経てば、きっと過去のものになる。子供だったころの微笑ましい思い出になる。そう思っていた。
けれど、どうしてなのだろうか。
そんなことを思っていたのに、僕はみくちゃんにもらった音符のシールを見なくても、みくちゃんの笑顔を思い出していた。
あの日以降、誰かを好きになったこともなければ、誰かに好かれたこともなかった。だから、告白されたのはみくちゃんが最初で最後。僕の友達に恋人ができたり、結婚したりしたことを聞いても不思議と悔しさは生まれてこなかった。
僕にはみくちゃんがいるから?
幼き日の告白とプロポーズを僕は真に受けていたというのか。みくちゃんに恋心を抱いているわけじゃないけれど、あの日以降、僕の心にはみくちゃんがしっかりと住み続けているのだ。
まったく。昔のことだって割り切らないと。あの日以来、僕はみくちゃんと一度も会っていないんだから。
けれど、割り切ることなんてできなかった。
気付けば、10年近くの月日が流れ、みくちゃんも結婚できる年齢となっていた。
本編-ARIA-
――うっ、うううっ。
儚く響いていた。
嗚咽の混じった小さな女の子の泣き声は、幾度となく僕の心を揺さぶる。美しくも珍しい金色の髪としゃがみこんで泣いている姿が、彼女の孤独な印象を強めていた。
そんな彼女のすぐ側を通り過ぎる人もいた。
あらあら可哀想に、と口にしながらもただ立ち止まっているだけの人もいた。
友達と一緒に、この遊園地に遊びに来た僕は――。
「どうしたの? 迷子になっちゃった……かな?」
泣いている女の子の側にいることを選んだ。
僕がその子に話しかけたからか、周りにいた人は続々と僕らから離れていく。まるで何事も無かったかのように。中には、あのアトラクションで遊ぼうかと言う人もいて。
「なあ、氷室。早く行かないと乗れなくなっちまうぞ?」
「僕はこの子を迷子センターに連れて行くよ。僕のことは気にしないで、岡村と羽賀の2人で行ってきてくれ」
今は友人と遊ぶよりも、この子を迷子センターに連れて行くことが第一だ。
「氷室、その女の子……どうかしたのか」
「多分、迷子だと思うんだけれど、ここで泣いていたんだよ。それで、今から迷子センターに連れて行こうと思って」
「そうか。それならば、私達3人でこの子を連れて行こうではないか」
僕達がそんなことを話している間に、女の子は泣き止んでいた。その代わり、いつの間にか女の子は僕の手をぎゅっと掴んでいた。
「今から、お兄ちゃん達と一緒に迷子センターに行こうね。そこに行けば絶対に会えるよ。ええと、君はお父さんやお母さんと一緒に来たの?」
「……うん。パパとママといっしょに」
幼いからか、女の子の声が随分と可愛らしく思える。
「パパとママと一緒に来たんだ。それは楽しそうだね。じゃあ、もしかしたらパパとママが迷子センターで待っているかもしれない」
「……いなかったら?」
「いなかったら、遊園地のお兄さんやお姉さんにパパとママを呼んでもらおう。パパとママが来るまで、お兄ちゃん達と一緒に待とうか」
女の子の頭を優しく撫でる。
本当は係の人に任せておけばいいのかもしれないけれど、この子がちゃんと御両親と再会するまで一緒にいたいと思ったんだ。
「……うん! ありがとう!」
女の子はにっこりと笑顔を見せてくれた。これなら、きっと大丈夫だろう。
僕は友達と一緒に、女の子を迷子センターまで連れて行く。
しかし、そこには女の子の御両親と思われる方はいなかった。
「じゃあ、お父さんとお母さんを呼ぶからお名前を教えて?」
迷子センターにいたスタッフの女性が、女の子に名前を訊ねる。
「あさひなみく! 6さいです!」
「ふふっ、あさひなみくちゃんね。ありがとう。じゃあ、今から放送するからね。そうすれば、すぐにお父さんとお母さんがここに来るから」
スタッフの女性は、僕がここに連れてきた女の子・あさひなみくちゃんが迷子になったことを園内放送で伝える。
『迷子のお知らせです。あさひなみくちゃん、6歳の女の子です。お連れの方は迷子センターまでお越しください。繰り返しお伝えします――』
きっと、みくちゃんの御両親がこの放送を聞いて、すぐにここに来るだろう。
「もうすぐ来るよ、みくちゃん」
「……うんっ!」
僕は約束通り、みくちゃんと一緒に彼女の御両親を待つ。
あと、遊びに行っていいと言ったんだけれど、僕の友達は迷子センターの外でずっと待ってくれている。
「あ、あの……おにいさん」
「うん? どうかした?」
「……おにいさんのおなまえをおしえてください!」
何を訊かれるかと思ったら、名前か。そうだよな、みくちゃんの名前は知っているのに、僕の方が教えないというのはおかしいか。
「僕の名前は氷室智也、7月で14歳になったよ。外で待ってくれているのは僕の友達で、羽賀尊と岡村大貴っていうんだ。2人ともいい奴だよ」
「ふうん、そうなんだ。ともや……おにいちゃん」
智也お兄ちゃん、か。弟や妹はおらず、お盆やお正月に会う従妹の女の子以外には言われたことがないので、新鮮な気分だ。妹がいたらこうだったのかなと思ってしまう。
その後、みくちゃんとは何も言葉を交わさなかった。みくちゃんが頬を赤らめて僕の方をチラチラと見ており、僕がいざ話しかけようとすると、恥ずかしいのか僕から顔を逸らすのだ。シャイな女の子なんだな。
迷子センターに来てから20分ほど経ったとき、みくちゃんの御両親がやってきた。
「パパ! ママ!」
みくちゃんはお母さんに勢いよく抱きつく。
「美来、良かった。パパもママも心配したんだぞ」
「ごめんなさい……」
それでも、みくちゃんも御両親も安堵の笑みを浮かべている。
「これからはパパやママの手を絶対に離さないようにしようね。えっと、あなたが美来のことをここまで連れてきてくれたんですか?」
「はい。みくちゃんが泣いていたのを見つけまして。外にいる友人と一緒にここまで連れてきたんです」
「そうだったんですか。本当にありがとうございます」
「ありがとうございます。ほら、美来もお兄さんにお礼をいいなさい」
お父さんにそう言われたみくちゃんは、僕の方に振り向き、笑顔で、
「ともやおにいちゃん。ありがとう!」
「……どういたしまして」
僕はただ、みくちゃんをここに連れてきただけなんだけどなぁ。でも、御両親と再会してみくちゃんの笑顔を見ることができたことはとても嬉しい。
「これからは、パパやママとはぐれないように気を付けてね」
「うんっ!」
「本当にありがとうございました。それでは私達はこれで」
「はい」
みくちゃんは御両親と一緒に迷子センターを後にしたかと思いきや、みくちゃん一家は急に立ち止まったのだ。
「どうしたんだろう? みくちゃん」
「御両親と何やら話しているようだな……」
僕は再び、羽賀や岡村と一緒にアトラクションの方へ向かおうとしたけれど、みくちゃん一家のことが気になってしまい、迷子センターの前から離れることができない。
すると、みくちゃんは1人でこちらの方に走ってきて、僕の目の前で立ち止まり、
「あのね、ともやおにいちゃん。わたし、ともやおにいちゃんのことがすきっ!」
大きな声で僕にそんなことを言ってきた。
「そっか。僕のことが好きなんだ」
好きだって言われたのは初めてだ。でも、ここまで小さな子から言われると気持ちがほっこりするなぁ。思わずみくちゃんの頭を撫でる。
「ありがとう、みくちゃん」
「……それで、その……」
みくちゃんはもじもじして、僕のことをチラチラと見ている。
「ともやおにいちゃん、その……みくとけっこんしてくださいっ!」
「け、結婚かぁ……」
まさかのプロポーズ。
もちろん、小さな女の子からなのでほのぼのとした気分になるけれど、みくちゃんは真剣な表情。僕もきちんと返事をする必要がある。でも、僕は結婚できる年齢じゃないしなぁ。どうしようか。恋人なんていないし、好きな人さえいない。
「じゃあ、みくちゃんが結婚できるようになる年齢になっても、まだ僕と結婚したいっていう気持ちが変わらなければ、その時に考えようか」
みくちゃんは今、6歳だから早くても10年後か。ということは僕が24歳になっているのか。そのときには……どうなっているかは分からないけれど、きっと今日のことが思い出の一つになっているんじゃないかなと思う。
「おにいちゃん、やくそくのシールをあげるね」
そう言うと、みくちゃんはポケットから黒い4分音符の絵が描いてあるシールを取り出し、それを僕に渡してきた。
「ありがとう、みくちゃん」
音符のシールなんて変わっているな。みくちゃんは音楽が大好きなのかな。
「これをみて、みくのことをおもいだしてくれるとうれしいな」
「……大切にするよ」
6歳ながらに約束を取り付け、シールを見ることで自分のことを思い出せるとは。これは本気かもしれない。結婚してほしいと言ったときの表情も真剣だったし。
「またね、ともやおにいちゃん」
「うん、またね」
みくちゃんは手を振って、御両親のところへ戻っていった。そのときの笑顔はとても印象的で僕の頭に焼き付いた。
僕は14歳。みくちゃんは6歳。
僕はまだしも、みくちゃんはまだ小学生にもなっていない年齢なんだ。そんなときの恋なんて時間が経てば、きっと過去のものになる。子供だったころの微笑ましい思い出になる。そう思っていた。
けれど、どうしてなのだろうか。
そんなことを思っていたのに、僕はみくちゃんにもらった音符のシールを見なくても、みくちゃんの笑顔を思い出していた。
あの日以降、誰かを好きになったこともなければ、誰かに好かれたこともなかった。だから、告白されたのはみくちゃんが最初で最後。僕の友達に恋人ができたり、結婚したりしたことを聞いても不思議と悔しさは生まれてこなかった。
僕にはみくちゃんがいるから?
幼き日の告白とプロポーズを僕は真に受けていたというのか。みくちゃんに恋心を抱いているわけじゃないけれど、あの日以降、僕の心にはみくちゃんがしっかりと住み続けているのだ。
まったく。昔のことだって割り切らないと。あの日以来、僕はみくちゃんと一度も会っていないんだから。
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