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本編-ARIA-
第53話『逃げるは恥じぬし役にも立つ』
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午後4時。
果歩さんの運転で僕と美来は最寄り駅の近くまで向かう。
絢瀬さんの顔がよく分からないので、美来と一緒に車を降りて駅の改札口に。
「美来、大丈夫? 月が丘高校の生徒もちらほらいるけれど」
美来を見つけたら、何か嫌なことでも言われてしまうかもしれない。まあ、僕がいるからその可能性は低いと思うけど。
「大丈夫です。智也さんがこうして側にいてくれていますので」
美来はそう言うと、僕と繋いでいる手の力を強める。そのときの美来はとても嬉しそうな表情を見せてくれて。
「あっ、あの子です」
美来が指さした先にいたのは、月が丘高校の制服を着た女子生徒。黒髪のロングヘアが印象的で、桃色のカチューシャが似合っている。大人しそうな女の子だ。その女の子は美来のことを見つけたのか、こちらに向かって小さく手を振った。
「詩織ちゃん」
「美来ちゃん! 元気そうで良かったよ」
優しそうな笑顔が可愛らしいな、絢瀬さんは。
「……うん、智也さんが一緒にいるから」
「こちらの方が、美来ちゃんがたまに言っていた運命の人?」
「うん」
すると、絢瀬さんは僕の方を見て、
「はじめまして、絢瀬詩織です。美来ちゃんとは同じクラスで……」
「美来から聞いているよ。君のおかげで、美来のことをちゃんと学校に伝えられそうだ。あっ、自己紹介はまだだったね。氷室智也といいます。ええと、社会人2年生です」
「美来ちゃんの言う通り、とても優しそうな人だね」
「……うん」
美来の顔がとても真っ赤になる。美来は学校で僕のことを運命の人と称して結構話していたみたいだけど、こうして僕と一緒にいるところを見られると、照れくさくなってしまうのかもしれない。
「美来とは随分と仲がいいみたいだど、詩織ちゃんは高校に入学するより前から美来と友達なのかな?」
「いいえ、高校に入学したときに出会いました」
「そうなんだね」
出会ってからまだ日が浅いのにここまで仲良くなれるものなのか。女の子同士だからなのかな? 僕の場合は小学生から高校生まで、ずっと羽賀や岡村と一緒にいたからな。僕らが10年以上かけて築き上げてきた関係性が、美来と詩織ちゃんの間で既にあるように見えたのだ。
「美来ちゃんが羨ましいです。10年前に出会った人と再会できて、こうして一緒にいることができているのですから。私もそういう人に出会えるといいなぁ……」
詩織ちゃんはうっとりとした表情をしながら語っている。
面と向かって話すという意味では、10年ぶりの再会だけど、この10年間のうちの大半は僕のことを影から見ていたんだよなぁ。その部分は話していないのかも。
「……そうだ。詩織ちゃん、ここまで1人で来たよね?」
「ええ、1人で来ましたけど、何かあるんですか? もしかして、美来ちゃんをいじめている人達に見られていないかどうかってことですか?」
「まあ、そんなところかな」
諸澄君に関しては、美来をいじめている生徒よりもタチが悪い可能性があるからな。1人で来たのであれば問題はないんだけど。
「やあ、朝比奈さん。大丈夫かい?」
噂をすれば……現れやがったな。
改札を通って、諸澄君がこちらに向かって歩いてくる。ということは、今まで改札を通らずに僕達の様子を見ていたのか。
「絢瀬さんもいたんだ」
「うん。あれ、諸澄君ってこっちだったっけ?」
「違うよ。ただ、こっちの方に用があったから来てみただけで」
「なるほどね。それで、氷室さんがここにいるなんてどうかしたんですか? 今、学校で話題の中心になっている朝比奈さんと一緒にいるなんて」
「その話題を解決するために、ちょっとの間、美来の家でお世話になっているんだよ。詩織ちゃんにはその件で話してもらおうと思ってね」
すると、諸澄君は爽やかな笑みを浮かべて、
「では、俺もその場にいてもいいですか? 俺も朝比奈さんの受けたいじめを解決するために、何か協力できればいいなと思っています」
美来の側にいたいからって、正面突破しようと思っているのか。美来も彼のしていることを知っているので、複雑そうな表情を浮かべている。
「諸澄君、悪いけど君に協力してもらう必要はないよ」
「でも、彼は美来ちゃんにいじめているようなことはしていませんでしたが」
「……そ、そうなんだ」
すると、諸澄君は俺のことを見てニヤリと笑ってくる。絢瀬さんがいるから同行するのを断りづらくしようとしているんだな。
ただ、僕が何も対処法を考えずにここに来ているわけではない。諸澄君も姿を現す可能性も考えていたからな。
「それ以上、朝比奈さんにつきまとうのであれば、君の行き先は警察になるぞ」
「女の子が嫌がることはしちゃいけないなぁ」
僕達の前に現れたのは羽賀と岡村。
僕が今すぐに来てほしいと頼んだのだ。最初は羽賀だけのつもりだったんだけど、岡村は仕事が休みなので彼にも駅に来てもらった。詩織ちゃんから連絡があってから待ち合わせまで少し時間を空けたのは、彼らにここへ来てもらうためだ。
「君が朝比奈ちゃんか。氷室から聞いているかもしれないけど、俺が氷室の大親友の岡村です。それにしても、10年経つとさすがに大きくなったね」
「どうもです」
当時のことをあまり覚えていない感じだったのに、よくもまあそういうことをさらりと言えるな、こいつは。あと、何だよ大親友って。僕が美来にそう言ったことは一度もないぞ。
「諸澄司と言ったか。君が朝比奈美来さんにストーカー行為をしている証拠はちゃんとここにあるのだよ」
すると、以前、羽賀が僕の家に遊びに来た際に、さりげなく撮影した例の写真を、諸澄君に見せる。
「これまでは朝比奈美来さんの温情で不問にしているが、これ以上、彼女につきまとうようであれば、ストーカーについて被害届を出してもらうことになっている。もちろん、そのときには学校にもこのことについて連絡するが」
「……俺は単に朝比奈さんのことを見守っていただけなんですけどね」
口元は笑っているけども、諸澄君の目は大分鋭くなっていた。実際に被害届の話はしていないけど、これ以上しつこくストーカー行為をするようであれば、警察に被害届を提出すべきなのは確かだろう。
「これ以上、私に付きまとわないで。それに、私には智也さんっていう大好きな人がいるから。諸澄君と恋人として付き合うことは絶対にないよ」
美来から痛烈な言葉が飛び出した。これはさすがに諸澄君にもダメージがありそうだ。その証拠に彼は俯いてしまった。
「朝比奈ちゃんには氷室っていう男がいるんだ。悪いことは言わねえから、さっさと諦めな。ストーカーっつう行為は犯罪なんだぞ。それに、女の子が嫌がるようなことはしちゃいけねえよな、男として」
岡村……諸澄君がショックを受けていそうだからって、傷口を抉るようなことは言わない方がいいと思うぞ。といっても、こいつの場合、『イケメンは全て敵』のような考えを持っているから、今の諸澄君を見ていい気味だとか思っていそうだ。
「岡村、その程度にしておくんだ。氷室、朝比奈さん、それと……お嬢さん。この場は私と岡村で何とかする。君達は早くここから離れるんだ」
「分かった。ありがとう、羽賀、岡村。美来、詩織ちゃん、一緒に行こう。近くの駐車場に美来のお母さんが運転してきた車が駐まっているいるから」
「分かりました。美来ちゃん、行こう」
「うん!」
諸澄君のことは羽賀と岡村に任せて、僕は美来や詩織ちゃんと一緒に果歩さんのいる近くの駐車場に向かうのであった。
果歩さんの運転で僕と美来は最寄り駅の近くまで向かう。
絢瀬さんの顔がよく分からないので、美来と一緒に車を降りて駅の改札口に。
「美来、大丈夫? 月が丘高校の生徒もちらほらいるけれど」
美来を見つけたら、何か嫌なことでも言われてしまうかもしれない。まあ、僕がいるからその可能性は低いと思うけど。
「大丈夫です。智也さんがこうして側にいてくれていますので」
美来はそう言うと、僕と繋いでいる手の力を強める。そのときの美来はとても嬉しそうな表情を見せてくれて。
「あっ、あの子です」
美来が指さした先にいたのは、月が丘高校の制服を着た女子生徒。黒髪のロングヘアが印象的で、桃色のカチューシャが似合っている。大人しそうな女の子だ。その女の子は美来のことを見つけたのか、こちらに向かって小さく手を振った。
「詩織ちゃん」
「美来ちゃん! 元気そうで良かったよ」
優しそうな笑顔が可愛らしいな、絢瀬さんは。
「……うん、智也さんが一緒にいるから」
「こちらの方が、美来ちゃんがたまに言っていた運命の人?」
「うん」
すると、絢瀬さんは僕の方を見て、
「はじめまして、絢瀬詩織です。美来ちゃんとは同じクラスで……」
「美来から聞いているよ。君のおかげで、美来のことをちゃんと学校に伝えられそうだ。あっ、自己紹介はまだだったね。氷室智也といいます。ええと、社会人2年生です」
「美来ちゃんの言う通り、とても優しそうな人だね」
「……うん」
美来の顔がとても真っ赤になる。美来は学校で僕のことを運命の人と称して結構話していたみたいだけど、こうして僕と一緒にいるところを見られると、照れくさくなってしまうのかもしれない。
「美来とは随分と仲がいいみたいだど、詩織ちゃんは高校に入学するより前から美来と友達なのかな?」
「いいえ、高校に入学したときに出会いました」
「そうなんだね」
出会ってからまだ日が浅いのにここまで仲良くなれるものなのか。女の子同士だからなのかな? 僕の場合は小学生から高校生まで、ずっと羽賀や岡村と一緒にいたからな。僕らが10年以上かけて築き上げてきた関係性が、美来と詩織ちゃんの間で既にあるように見えたのだ。
「美来ちゃんが羨ましいです。10年前に出会った人と再会できて、こうして一緒にいることができているのですから。私もそういう人に出会えるといいなぁ……」
詩織ちゃんはうっとりとした表情をしながら語っている。
面と向かって話すという意味では、10年ぶりの再会だけど、この10年間のうちの大半は僕のことを影から見ていたんだよなぁ。その部分は話していないのかも。
「……そうだ。詩織ちゃん、ここまで1人で来たよね?」
「ええ、1人で来ましたけど、何かあるんですか? もしかして、美来ちゃんをいじめている人達に見られていないかどうかってことですか?」
「まあ、そんなところかな」
諸澄君に関しては、美来をいじめている生徒よりもタチが悪い可能性があるからな。1人で来たのであれば問題はないんだけど。
「やあ、朝比奈さん。大丈夫かい?」
噂をすれば……現れやがったな。
改札を通って、諸澄君がこちらに向かって歩いてくる。ということは、今まで改札を通らずに僕達の様子を見ていたのか。
「絢瀬さんもいたんだ」
「うん。あれ、諸澄君ってこっちだったっけ?」
「違うよ。ただ、こっちの方に用があったから来てみただけで」
「なるほどね。それで、氷室さんがここにいるなんてどうかしたんですか? 今、学校で話題の中心になっている朝比奈さんと一緒にいるなんて」
「その話題を解決するために、ちょっとの間、美来の家でお世話になっているんだよ。詩織ちゃんにはその件で話してもらおうと思ってね」
すると、諸澄君は爽やかな笑みを浮かべて、
「では、俺もその場にいてもいいですか? 俺も朝比奈さんの受けたいじめを解決するために、何か協力できればいいなと思っています」
美来の側にいたいからって、正面突破しようと思っているのか。美来も彼のしていることを知っているので、複雑そうな表情を浮かべている。
「諸澄君、悪いけど君に協力してもらう必要はないよ」
「でも、彼は美来ちゃんにいじめているようなことはしていませんでしたが」
「……そ、そうなんだ」
すると、諸澄君は俺のことを見てニヤリと笑ってくる。絢瀬さんがいるから同行するのを断りづらくしようとしているんだな。
ただ、僕が何も対処法を考えずにここに来ているわけではない。諸澄君も姿を現す可能性も考えていたからな。
「それ以上、朝比奈さんにつきまとうのであれば、君の行き先は警察になるぞ」
「女の子が嫌がることはしちゃいけないなぁ」
僕達の前に現れたのは羽賀と岡村。
僕が今すぐに来てほしいと頼んだのだ。最初は羽賀だけのつもりだったんだけど、岡村は仕事が休みなので彼にも駅に来てもらった。詩織ちゃんから連絡があってから待ち合わせまで少し時間を空けたのは、彼らにここへ来てもらうためだ。
「君が朝比奈ちゃんか。氷室から聞いているかもしれないけど、俺が氷室の大親友の岡村です。それにしても、10年経つとさすがに大きくなったね」
「どうもです」
当時のことをあまり覚えていない感じだったのに、よくもまあそういうことをさらりと言えるな、こいつは。あと、何だよ大親友って。僕が美来にそう言ったことは一度もないぞ。
「諸澄司と言ったか。君が朝比奈美来さんにストーカー行為をしている証拠はちゃんとここにあるのだよ」
すると、以前、羽賀が僕の家に遊びに来た際に、さりげなく撮影した例の写真を、諸澄君に見せる。
「これまでは朝比奈美来さんの温情で不問にしているが、これ以上、彼女につきまとうようであれば、ストーカーについて被害届を出してもらうことになっている。もちろん、そのときには学校にもこのことについて連絡するが」
「……俺は単に朝比奈さんのことを見守っていただけなんですけどね」
口元は笑っているけども、諸澄君の目は大分鋭くなっていた。実際に被害届の話はしていないけど、これ以上しつこくストーカー行為をするようであれば、警察に被害届を提出すべきなのは確かだろう。
「これ以上、私に付きまとわないで。それに、私には智也さんっていう大好きな人がいるから。諸澄君と恋人として付き合うことは絶対にないよ」
美来から痛烈な言葉が飛び出した。これはさすがに諸澄君にもダメージがありそうだ。その証拠に彼は俯いてしまった。
「朝比奈ちゃんには氷室っていう男がいるんだ。悪いことは言わねえから、さっさと諦めな。ストーカーっつう行為は犯罪なんだぞ。それに、女の子が嫌がるようなことはしちゃいけねえよな、男として」
岡村……諸澄君がショックを受けていそうだからって、傷口を抉るようなことは言わない方がいいと思うぞ。といっても、こいつの場合、『イケメンは全て敵』のような考えを持っているから、今の諸澄君を見ていい気味だとか思っていそうだ。
「岡村、その程度にしておくんだ。氷室、朝比奈さん、それと……お嬢さん。この場は私と岡村で何とかする。君達は早くここから離れるんだ」
「分かった。ありがとう、羽賀、岡村。美来、詩織ちゃん、一緒に行こう。近くの駐車場に美来のお母さんが運転してきた車が駐まっているいるから」
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