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本編-ARIA-
第113話『選んだ、君の名は。』
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朝比奈美来。
月村有紗。
僕にとって、2人よりも好きになる人はきっと現れることはないだろう。一緒に人生を歩むなら、この2人のどちらかという前提で僕はずっと考えていた。逮捕され、拘留中も2人の顔を思い浮かべると心が救われた。2人は僕にとってかけがえのない存在だ。
それでも、2人のうち、どちらかを選ばなければならない。僕は不器用だから、おそらく1人の女性を愛し抜くことで精一杯だと思う。どちらならより愛し抜けるか。そんなことをポイントにして、僕はたった1人の女性を選んだ。
僕は共に人生を歩むと決めた女性の手をゆっくりと掴む。
「智也さん……」
「……美来。10年間、よく待ってくれたね。僕は美来からのプロポーズを受けます。僕からも言わせてほしい。僕と結婚してください」
「……ありがとうございます。ずっと待っていました。よろしくお願いします」
美来はとても嬉しそうな表情を浮かべて、涙をこぼしていた。
僕が選んだ女性は、朝比奈美来。
10年前に出会った女の子。僕のことを10年間も好きで居続けてくれている女の子だった。
「どうして美来ちゃんを選んだのかな? あたしは、美来ちゃんを選ぶんじゃないかって薄々感じていたけど……」
有紗さんはしんみりとした笑みを見せる。目の前で、自分ではなく美来を選んだことにショックを受けているはずなのに、それでも笑顔を見せてくれる有紗さんはとても心が強く広い方であると改めて思う。
「本当に迷いました。僕が結婚するなら、美来か有紗さんしかいないと思いました。ただ、この10年間を考えたとき、美来のことを段々と忘れてきていたことは事実なんですけど、10年前に助けた朝比奈美来という女の子に、僕はずっと支えられてきたのかなって思ったんです。10年前に美来と出会っていたから、今の僕があるような気がして」
「そうなんだ。そんな女の子とどっちにするか悩めるくらいに、あたしはなれていたんだ。凄く嬉しい。智也君と出会ったのは、美来ちゃんよりもずっと後なのに」
「有紗さんと出会ったのは去年で、2ヶ月前からは同じ現場で働く先輩としてずっと僕の側にいてくれましたもんね。有紗さんは時には厳しいですけど、優しいですし、可愛らしいですし。そんな人から好きだと言われたら、それは考えてしまいます。確実に言えることは、美来も有紗さんもどちらかとしか出会っていなかったら、絶対にその人が一緒にいたいと思える人だということです」
仮に有紗さんとしか出会っていなかったら、有紗さんと確実に付き合っていたと思う。そのくらいに有紗さんも素敵な人だし、好きな気持ちも抱いている。
「そっか。美来ちゃんにした決め手とかはあったの? 10年ぶりの再会とか、いじめのことで一緒にいたとか。無実の罪で逮捕されたということもあったけれど……」
「色々ありましたれど、いじめとかストーカーとか僕が逮捕された事件を通して、美来のことを守りたい気持ちがどんどん強くなっていきましたね。10年前、遊園地で御両親とはぐれてしまって1人で泣いている美来の姿は今でも鮮明に覚えていて。特に拘留中、美来は当時のように1人で泣いているかもしれないって思いました。守らなきゃいけないというよりは、とにかく守りたいって気持ちの方が強かったです」
だからこそ、逮捕されてしまったときにはとても悔しい想いを抱いた。無実の罪であっても、僕のせいで美来のことを泣かせてしまったかもしれないと。とても辛かった。
「智也君の話を聞いていると、10年って大きいんだね。積み重ねてきたものが、あたしよりも違うというか。きっと、美来ちゃんはあたしよりもずっと智也君のことを想ってきたんだよね。そうじゃなきゃ、結婚できる16歳まで待てないし、2度目のプロポーズもできないよ。あたしが選ばれなかったことに、もちろん悔しい気持ちもあるけど、美来ちゃんと渡り合えたことや智也君をここまで悩ませることができたことに、凄く誇らしく思えるし、嬉しいな」
「すみません、有紗さん……」
「いいの。それに、こんなに好きになれる人とは、たぶん二度と出会えないって思えるくらいに、あなたのことが好きになった。楽しい時間を過ごせた。本当にありがとう、智也君」
「いえ、こちらこそ……」
有紗さんも僕のことが好きだと知った瞬間はとても驚いたけど、だからこそ温かく楽しい時間を過ごせたのもまた事実で。有紗さんには感謝している。
「もし、解雇が撤回されて、現場に復帰できたらまたよろしくね」
「はい、そのときはよろしくお願いします」
「残念なことにそれが叶わなくてもね」
「ええ」
解雇が撤回され、有紗さんのいるあの現場に復帰できれば一番いいけど。どんな展開になろうと、有紗さんとは何かしらの関係を持ち続けると思う。
「何だか、あたしが色々と智也君に質問する形になっちゃったけれど、当の本人の美来ちゃんは……恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして俯いちゃってるね」
そういえば、僕のプロポーズに対する返事を言ってから、美来は全然話してないな。
「……智也さんがそこまで私への想いを口にしてくれるのが嬉しくて。嬉しすぎて、恥ずかしくなってきちゃって……」
まあ、2人への想いをこんなに話すのは初めてだからな。美来が恥ずかしくなってしまう気持ちも分かる。僕も恥ずかしくなってきたし。
ようやく見えた美来の顔はとても赤く、嬉しそうな想いに満ちているように見えた。
「10年間、好きな気持ちを持ち続けて良かった。凄く嬉しいです。智也さん、これからもよろしくお願いします」
そう言ったときの美来の表情は、10年前に僕へプロポーズをしてくれたときの表情によく似ていた。
あのとき、幼かった女の子がここまで大きくなって。僕に対する好きな気持ちもどんどん大きくなっていったんだと思う。10年という歳月はそれだけ長かったんだ。
「美来ちゃん。智也君の隣に座って」
「はい」
美来は有紗さんに言われたように僕の隣に座った。
有紗さん、急にどうしたんだろう? 美来を僕の隣に座らせるなんて。
「2人には、新郎新婦の誓いをやってもらおうかな。結婚式みたいに」
そう言うと、有紗さんは優しい笑みを浮かべた。
新郎新婦の誓いなんて気が早いなと思ったけれど、美来も2回プロポーズしたし、さっき僕が美来にプロポーズ返しをしたんだよな。
「氷室智也さん。あなたは朝比奈美来さんを生涯愛することを誓いますか?」
「……誓います」
「朝比奈美来さん。あなたは氷室智也さんを生涯愛することを誓いますか?」
「誓います!」
本当に結婚式のようだな。3人しかいないけど。
僕と美来が互いに相手のことを生涯愛すると誓うと、有紗さんは「そっか」と小さく呟いた。そんな彼女の眼は潤んでいた。
「それでは、誓いのキスを」
そこまでやるか……と思ったけれど、互いに愛することを誓ったら、キスするよな。これまで何度も美来とのキスを有紗さんに見られてきたけど、改めてキスするとなると何だか気恥ずかしい。
僕と美来は向かい合って、
「美来、好きだよ」
「私も大好きです。智也さん」
僕から美来にキスした。
今日も美来の唇は柔らかく、温かく、優しかった。本当の結婚式でもないのに、僕は美来と結ばれたような気がした。
「おめでとう。智也君、美来ちゃん」
有紗さんは涙を流しながら、僕らに拍手を送った。もしかしたら、今のことで自分の気持ちにけじめをつけたかったのかもしれない。
「2人とも幸せになってほしいっていう気持ちは本当にあるけれど、それを口にすると、しばらく会えない感じになっちゃうね」
「……そんな。私、もっと有紗さんとも楽しい時間を過ごしたいし、思い出も作っていきたいです」
「……ありがとう、美来ちゃん。気持ちの整理をしたいから……ちょっとの間、2人とは会わないかもしれないけれど、また2人のところに遊びに来るね。あと、2人がもし別れちゃったときには、あたしがすぐに智也君の恋人になるから。それは覚悟しておいてよね」
美来と一生を共にするという僕の決断を受け入れながらも、僕に対する好きな気持ちがこれからもずっとあること。それが有紗さんの答えなのかもしれない。
「今日はもう帰るわね。あとは2人の時間をゆっくりと楽しんで。新しい関係になった2人の初めての夜を。またね」
にっこりと笑って小さく手を振りながら、有紗さんは僕の家を後にするのであった。
月村有紗。
僕にとって、2人よりも好きになる人はきっと現れることはないだろう。一緒に人生を歩むなら、この2人のどちらかという前提で僕はずっと考えていた。逮捕され、拘留中も2人の顔を思い浮かべると心が救われた。2人は僕にとってかけがえのない存在だ。
それでも、2人のうち、どちらかを選ばなければならない。僕は不器用だから、おそらく1人の女性を愛し抜くことで精一杯だと思う。どちらならより愛し抜けるか。そんなことをポイントにして、僕はたった1人の女性を選んだ。
僕は共に人生を歩むと決めた女性の手をゆっくりと掴む。
「智也さん……」
「……美来。10年間、よく待ってくれたね。僕は美来からのプロポーズを受けます。僕からも言わせてほしい。僕と結婚してください」
「……ありがとうございます。ずっと待っていました。よろしくお願いします」
美来はとても嬉しそうな表情を浮かべて、涙をこぼしていた。
僕が選んだ女性は、朝比奈美来。
10年前に出会った女の子。僕のことを10年間も好きで居続けてくれている女の子だった。
「どうして美来ちゃんを選んだのかな? あたしは、美来ちゃんを選ぶんじゃないかって薄々感じていたけど……」
有紗さんはしんみりとした笑みを見せる。目の前で、自分ではなく美来を選んだことにショックを受けているはずなのに、それでも笑顔を見せてくれる有紗さんはとても心が強く広い方であると改めて思う。
「本当に迷いました。僕が結婚するなら、美来か有紗さんしかいないと思いました。ただ、この10年間を考えたとき、美来のことを段々と忘れてきていたことは事実なんですけど、10年前に助けた朝比奈美来という女の子に、僕はずっと支えられてきたのかなって思ったんです。10年前に美来と出会っていたから、今の僕があるような気がして」
「そうなんだ。そんな女の子とどっちにするか悩めるくらいに、あたしはなれていたんだ。凄く嬉しい。智也君と出会ったのは、美来ちゃんよりもずっと後なのに」
「有紗さんと出会ったのは去年で、2ヶ月前からは同じ現場で働く先輩としてずっと僕の側にいてくれましたもんね。有紗さんは時には厳しいですけど、優しいですし、可愛らしいですし。そんな人から好きだと言われたら、それは考えてしまいます。確実に言えることは、美来も有紗さんもどちらかとしか出会っていなかったら、絶対にその人が一緒にいたいと思える人だということです」
仮に有紗さんとしか出会っていなかったら、有紗さんと確実に付き合っていたと思う。そのくらいに有紗さんも素敵な人だし、好きな気持ちも抱いている。
「そっか。美来ちゃんにした決め手とかはあったの? 10年ぶりの再会とか、いじめのことで一緒にいたとか。無実の罪で逮捕されたということもあったけれど……」
「色々ありましたれど、いじめとかストーカーとか僕が逮捕された事件を通して、美来のことを守りたい気持ちがどんどん強くなっていきましたね。10年前、遊園地で御両親とはぐれてしまって1人で泣いている美来の姿は今でも鮮明に覚えていて。特に拘留中、美来は当時のように1人で泣いているかもしれないって思いました。守らなきゃいけないというよりは、とにかく守りたいって気持ちの方が強かったです」
だからこそ、逮捕されてしまったときにはとても悔しい想いを抱いた。無実の罪であっても、僕のせいで美来のことを泣かせてしまったかもしれないと。とても辛かった。
「智也君の話を聞いていると、10年って大きいんだね。積み重ねてきたものが、あたしよりも違うというか。きっと、美来ちゃんはあたしよりもずっと智也君のことを想ってきたんだよね。そうじゃなきゃ、結婚できる16歳まで待てないし、2度目のプロポーズもできないよ。あたしが選ばれなかったことに、もちろん悔しい気持ちもあるけど、美来ちゃんと渡り合えたことや智也君をここまで悩ませることができたことに、凄く誇らしく思えるし、嬉しいな」
「すみません、有紗さん……」
「いいの。それに、こんなに好きになれる人とは、たぶん二度と出会えないって思えるくらいに、あなたのことが好きになった。楽しい時間を過ごせた。本当にありがとう、智也君」
「いえ、こちらこそ……」
有紗さんも僕のことが好きだと知った瞬間はとても驚いたけど、だからこそ温かく楽しい時間を過ごせたのもまた事実で。有紗さんには感謝している。
「もし、解雇が撤回されて、現場に復帰できたらまたよろしくね」
「はい、そのときはよろしくお願いします」
「残念なことにそれが叶わなくてもね」
「ええ」
解雇が撤回され、有紗さんのいるあの現場に復帰できれば一番いいけど。どんな展開になろうと、有紗さんとは何かしらの関係を持ち続けると思う。
「何だか、あたしが色々と智也君に質問する形になっちゃったけれど、当の本人の美来ちゃんは……恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして俯いちゃってるね」
そういえば、僕のプロポーズに対する返事を言ってから、美来は全然話してないな。
「……智也さんがそこまで私への想いを口にしてくれるのが嬉しくて。嬉しすぎて、恥ずかしくなってきちゃって……」
まあ、2人への想いをこんなに話すのは初めてだからな。美来が恥ずかしくなってしまう気持ちも分かる。僕も恥ずかしくなってきたし。
ようやく見えた美来の顔はとても赤く、嬉しそうな想いに満ちているように見えた。
「10年間、好きな気持ちを持ち続けて良かった。凄く嬉しいです。智也さん、これからもよろしくお願いします」
そう言ったときの美来の表情は、10年前に僕へプロポーズをしてくれたときの表情によく似ていた。
あのとき、幼かった女の子がここまで大きくなって。僕に対する好きな気持ちもどんどん大きくなっていったんだと思う。10年という歳月はそれだけ長かったんだ。
「美来ちゃん。智也君の隣に座って」
「はい」
美来は有紗さんに言われたように僕の隣に座った。
有紗さん、急にどうしたんだろう? 美来を僕の隣に座らせるなんて。
「2人には、新郎新婦の誓いをやってもらおうかな。結婚式みたいに」
そう言うと、有紗さんは優しい笑みを浮かべた。
新郎新婦の誓いなんて気が早いなと思ったけれど、美来も2回プロポーズしたし、さっき僕が美来にプロポーズ返しをしたんだよな。
「氷室智也さん。あなたは朝比奈美来さんを生涯愛することを誓いますか?」
「……誓います」
「朝比奈美来さん。あなたは氷室智也さんを生涯愛することを誓いますか?」
「誓います!」
本当に結婚式のようだな。3人しかいないけど。
僕と美来が互いに相手のことを生涯愛すると誓うと、有紗さんは「そっか」と小さく呟いた。そんな彼女の眼は潤んでいた。
「それでは、誓いのキスを」
そこまでやるか……と思ったけれど、互いに愛することを誓ったら、キスするよな。これまで何度も美来とのキスを有紗さんに見られてきたけど、改めてキスするとなると何だか気恥ずかしい。
僕と美来は向かい合って、
「美来、好きだよ」
「私も大好きです。智也さん」
僕から美来にキスした。
今日も美来の唇は柔らかく、温かく、優しかった。本当の結婚式でもないのに、僕は美来と結ばれたような気がした。
「おめでとう。智也君、美来ちゃん」
有紗さんは涙を流しながら、僕らに拍手を送った。もしかしたら、今のことで自分の気持ちにけじめをつけたかったのかもしれない。
「2人とも幸せになってほしいっていう気持ちは本当にあるけれど、それを口にすると、しばらく会えない感じになっちゃうね」
「……そんな。私、もっと有紗さんとも楽しい時間を過ごしたいし、思い出も作っていきたいです」
「……ありがとう、美来ちゃん。気持ちの整理をしたいから……ちょっとの間、2人とは会わないかもしれないけれど、また2人のところに遊びに来るね。あと、2人がもし別れちゃったときには、あたしがすぐに智也君の恋人になるから。それは覚悟しておいてよね」
美来と一生を共にするという僕の決断を受け入れながらも、僕に対する好きな気持ちがこれからもずっとあること。それが有紗さんの答えなのかもしれない。
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