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特別編-ラブラブ!サンシャイン!!-
第12話『いい旅幸せ気分』
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午後8時過ぎ。
夕ご飯を食べ終わり、僕と美来は会場のレストランを後にする。
「美味しかったですね、智也さん」
「うん、美味しかった」
日本酒も呑んで、フルーツやスイーツも食べて……うん、美味しかった。何だか、旅先の食事をしたんだなって思えたよ。
「智也さん、ちゃんと歩けますか?」
「歩けるよ。普段よりもちょっとだけ体が軽いような気もするけど」
「なるほどです」
「それに、こうして美来と手を繋いでいれば大丈夫さ」
僕が今一度、美来の手をぎゅっと握ると、彼女は僕のことを見ながら嬉しそうに笑った。可愛いな、まったく。
「美来は旅行楽しめてる?」
「はい! とても楽しいですよ。智也さんこそどうですか?」
「僕もね、とっても楽しいよ。美来とこうして旅行に行けるなんて、本当にね……幸せだなぁって思っているんだ。もう、幸せすぎて涙が出てきそう」
「……酔っ払ってますね。この前の旅行でも、智也さんは酔っ払って泣いたんですよ」
「そうだったっけ」
そんな記憶があるようなないような。ただ、この前の温泉旅行もとても楽しくて、幸せな時間を過ごしたことはちゃんと覚えている。あと、酒入りコーヒーがとても美味しかったことも。
「まだ1日目なんだよね。こんなに幸せを感じてしまっていいのだろうか」
「いいんですよ。それに、私はもっと智也さんと楽しく、幸せな旅行にしたいと思っていますよ」
「……そうか。幸せな旅行だったねって言えるようにしようね」
あぁ、こんなに可愛らしくていい子が僕の恋人だなんて。本当に幸せ者だなぁ。涙腺がもうかなりやばいことになってるよ。こんなところで泣かないためにも、何か別の話題にしないと。
「そうだ。売店に行って、お菓子とかジュースを買うんだったね」
「そうでしたね。美味しい食事に満足してしまって忘れていました」
「そっちにあるみたいだから、行ってみようか」
お金は……うん、ちゃんと持ってきてる。万札も入っているから、お金が足りなくなる心配はしなくて大丈夫だろう。
「立派なホテルだけあって、売店も立派ですね」
「そうだね」
お酒、お茶、漬け物、お菓子などの飲食物はもちろん、海やプールのレジャー用品、羽崎町公認のゆるキャラグッズなどたくさんあるな。
「智也さん。さっき呑んだ羽崎酒がありますよ」
「……そ、そうだね」
羽崎、の部分を強調しないで言わないでくれるかな。美来、ニヤニヤ笑っているし。相当面白かったんだろうな、あの時の僕のうっかり出来事が。
でも、このお酒の冷酒は美味しかったので、羽賀へのお土産にはちょうどいい。佐藤さんへのお礼もこれにしようかな。
「……ここにもあるんだ、酒入りコーヒー」
以前行った旅館やその地域の限定品かと思いきや。
スマートフォンで調べてみると、大手の飲料メーカーが酒入りコーヒーを製造・発売していることが分かった。コーヒー好きな人から、お酒としても呑みたいっていう需要があるのかも。
「へえ、ここにも酒入りコーヒーなんてあるんですね」
「そうだね。調べたら、これ……結構メジャーなメーカーのヤツだった。ビンで発売されているし、今夜呑みきらなくても良さそうだから買うか。美来は買いたい物とかある?」
「はい! こちらのカゴに入っています」
「おお……」
さすがに美来はここの地域限定のお菓子や、夕食でも飲んでいた荻野茶をかごの中に入れている。旅行気分を味わっているなぁ。
僕も気になったお菓子をカゴに入れてお会計。羽賀と佐藤さんへのお土産や、酒入りコーヒーも買うので予想よりも少しお高くついたけど、お金が足りなくなるということはなかった。
「ありがとうございます、智也さん」
「ううん、いいよ。お茶とかお菓子を持たせちゃってごめんね」
「大丈夫ですよ。それに、智也さんは酔っていますし、何が起こるか分かりません」
「ははっ……」
旅行が始まってから、楽しいのはもちろんだけど、僕にとっては恥ずかしいことも結構起こっているんだよな。
僕達は部屋に戻り、僕は酒入りコーヒーの氷割り、美来は荻野茶を飲み、テレビを観ながらゆっくりすることに。
「何だか、旅行に来てゆっくりしている感じがするね」
「そうですね。ほら、このアニメ……羽崎町だと水曜日にやっているんですね」
「あっ、本当だ」
テレビの番組表を見ながら美来とそんな他愛ない会話をする。地方に旅行に来て放送局が違うと放送時間も違うということもあって、アニメが好きになってからは旅先の夜にアニメを観るのが個人的な楽しみになっている。
「明日の夜は何をやっているのか見てみましょう」
美来は翌日の番組表を見ている。いやぁ、地上デジタル放送便利だね。翌日以降の番組表も見られるんだから。
「明日の夜も、私達が観ているアニメをやりますね」
「僕ら、が住んでいるところではもう放送している話を時間差でやるんだ。へえ……」
「……今夜、このアニメが放送するまで、えっちなことをして過ごしますか?」
美来の今の言葉に一瞬、ドキッとしたけど、美来ならそう言うと思っていたのですぐに興奮が収まった。
「……持つかなぁ? 酔っていなければ大丈夫だったと思うけど」
今でさえも少しずつ眠気が増していっているのに、美来と色々と気持ちのいいことをしてしまったら、心地よい眠気に包まれて眠ってしまうんじゃないだろうか。
「確かに智也さんの言うとおりですね。では、その頃まで起きていたら一緒に観ることにしましょうか」
「うん、そうしよう」
「……ところで、お風呂はどうしますか? 1階に大浴場があるみたいですけど」
「もう、酔っ払っているし、部屋のお風呂でいいかな。明後日の朝までいるから、大浴場に入る機会はいくらでもある。それに、部屋のお風呂なら美来とも一緒に入れるし」
そう言って、美来にキスすると、彼女の顔が段々と赤くなってくる。しまった、酒入りコーヒーを呑んだから、アルコール成分が美来の体の中に入っちゃったのかな。
「美来、大丈夫? 顔が赤いけど……」
「大丈夫ですよ。私はただ、いよいよ旅行の夜となったので、ドキドキし始めただけですから。もう、智也さんったら……私と一緒に入りたいからって部屋のお風呂でいいなんて。お風呂では精一杯にご奉仕しますからね!」
「よ、よろしくね」
どうやら、美来の顔が赤くなったのは、僕が美来と一緒にお風呂に入りたいと言ったことにドキドキしたからかな。
「もし、ベッドインするまでにイチャイチャすることが我慢できなくなったら、いつでも言ってきてくださいね」
「……覚えておくよ」
まったく、美来は今から興奮しているのか。僕と2人きりで旅行に来ているから興奮するのも当たり前なのかな。
「では、お風呂の準備をしてきますから! 智也さんは引き続きゆっくりとしていてください!」
「うん、分かった」
美来ははりきって洗面所の方へと姿を消していく。
美来はお酒を呑みながらゆっくりしていて、と言っていたけど……お風呂に入って、その後に色々なことをする予定だから、お酒はここら辺にしておいた方がいいな。僕はお酒の代わりに夕方に買ったコーラの残りを飲むことに。
「うん、美味しいな」
まだ、炭酸がかなり残っていたこともあって、その刺激でいくらか酔いが醒めた。
「20分もすればお風呂に入ることができると思います。お風呂が沸いたらチャイムが鳴るとのことです」
「ありがとう」
「それにしても、新居のお風呂よりも広いですよ。元々、智也さんが住んでいたあのアパートに比べたらとても広いですよ!」
「そっか、それなら2人でゆったりと入れるね」
「はい!」
僕と美来はお風呂が入れるようになるまで、一緒にテレビを観るのであった。
夕ご飯を食べ終わり、僕と美来は会場のレストランを後にする。
「美味しかったですね、智也さん」
「うん、美味しかった」
日本酒も呑んで、フルーツやスイーツも食べて……うん、美味しかった。何だか、旅先の食事をしたんだなって思えたよ。
「智也さん、ちゃんと歩けますか?」
「歩けるよ。普段よりもちょっとだけ体が軽いような気もするけど」
「なるほどです」
「それに、こうして美来と手を繋いでいれば大丈夫さ」
僕が今一度、美来の手をぎゅっと握ると、彼女は僕のことを見ながら嬉しそうに笑った。可愛いな、まったく。
「美来は旅行楽しめてる?」
「はい! とても楽しいですよ。智也さんこそどうですか?」
「僕もね、とっても楽しいよ。美来とこうして旅行に行けるなんて、本当にね……幸せだなぁって思っているんだ。もう、幸せすぎて涙が出てきそう」
「……酔っ払ってますね。この前の旅行でも、智也さんは酔っ払って泣いたんですよ」
「そうだったっけ」
そんな記憶があるようなないような。ただ、この前の温泉旅行もとても楽しくて、幸せな時間を過ごしたことはちゃんと覚えている。あと、酒入りコーヒーがとても美味しかったことも。
「まだ1日目なんだよね。こんなに幸せを感じてしまっていいのだろうか」
「いいんですよ。それに、私はもっと智也さんと楽しく、幸せな旅行にしたいと思っていますよ」
「……そうか。幸せな旅行だったねって言えるようにしようね」
あぁ、こんなに可愛らしくていい子が僕の恋人だなんて。本当に幸せ者だなぁ。涙腺がもうかなりやばいことになってるよ。こんなところで泣かないためにも、何か別の話題にしないと。
「そうだ。売店に行って、お菓子とかジュースを買うんだったね」
「そうでしたね。美味しい食事に満足してしまって忘れていました」
「そっちにあるみたいだから、行ってみようか」
お金は……うん、ちゃんと持ってきてる。万札も入っているから、お金が足りなくなる心配はしなくて大丈夫だろう。
「立派なホテルだけあって、売店も立派ですね」
「そうだね」
お酒、お茶、漬け物、お菓子などの飲食物はもちろん、海やプールのレジャー用品、羽崎町公認のゆるキャラグッズなどたくさんあるな。
「智也さん。さっき呑んだ羽崎酒がありますよ」
「……そ、そうだね」
羽崎、の部分を強調しないで言わないでくれるかな。美来、ニヤニヤ笑っているし。相当面白かったんだろうな、あの時の僕のうっかり出来事が。
でも、このお酒の冷酒は美味しかったので、羽賀へのお土産にはちょうどいい。佐藤さんへのお礼もこれにしようかな。
「……ここにもあるんだ、酒入りコーヒー」
以前行った旅館やその地域の限定品かと思いきや。
スマートフォンで調べてみると、大手の飲料メーカーが酒入りコーヒーを製造・発売していることが分かった。コーヒー好きな人から、お酒としても呑みたいっていう需要があるのかも。
「へえ、ここにも酒入りコーヒーなんてあるんですね」
「そうだね。調べたら、これ……結構メジャーなメーカーのヤツだった。ビンで発売されているし、今夜呑みきらなくても良さそうだから買うか。美来は買いたい物とかある?」
「はい! こちらのカゴに入っています」
「おお……」
さすがに美来はここの地域限定のお菓子や、夕食でも飲んでいた荻野茶をかごの中に入れている。旅行気分を味わっているなぁ。
僕も気になったお菓子をカゴに入れてお会計。羽賀と佐藤さんへのお土産や、酒入りコーヒーも買うので予想よりも少しお高くついたけど、お金が足りなくなるということはなかった。
「ありがとうございます、智也さん」
「ううん、いいよ。お茶とかお菓子を持たせちゃってごめんね」
「大丈夫ですよ。それに、智也さんは酔っていますし、何が起こるか分かりません」
「ははっ……」
旅行が始まってから、楽しいのはもちろんだけど、僕にとっては恥ずかしいことも結構起こっているんだよな。
僕達は部屋に戻り、僕は酒入りコーヒーの氷割り、美来は荻野茶を飲み、テレビを観ながらゆっくりすることに。
「何だか、旅行に来てゆっくりしている感じがするね」
「そうですね。ほら、このアニメ……羽崎町だと水曜日にやっているんですね」
「あっ、本当だ」
テレビの番組表を見ながら美来とそんな他愛ない会話をする。地方に旅行に来て放送局が違うと放送時間も違うということもあって、アニメが好きになってからは旅先の夜にアニメを観るのが個人的な楽しみになっている。
「明日の夜は何をやっているのか見てみましょう」
美来は翌日の番組表を見ている。いやぁ、地上デジタル放送便利だね。翌日以降の番組表も見られるんだから。
「明日の夜も、私達が観ているアニメをやりますね」
「僕ら、が住んでいるところではもう放送している話を時間差でやるんだ。へえ……」
「……今夜、このアニメが放送するまで、えっちなことをして過ごしますか?」
美来の今の言葉に一瞬、ドキッとしたけど、美来ならそう言うと思っていたのですぐに興奮が収まった。
「……持つかなぁ? 酔っていなければ大丈夫だったと思うけど」
今でさえも少しずつ眠気が増していっているのに、美来と色々と気持ちのいいことをしてしまったら、心地よい眠気に包まれて眠ってしまうんじゃないだろうか。
「確かに智也さんの言うとおりですね。では、その頃まで起きていたら一緒に観ることにしましょうか」
「うん、そうしよう」
「……ところで、お風呂はどうしますか? 1階に大浴場があるみたいですけど」
「もう、酔っ払っているし、部屋のお風呂でいいかな。明後日の朝までいるから、大浴場に入る機会はいくらでもある。それに、部屋のお風呂なら美来とも一緒に入れるし」
そう言って、美来にキスすると、彼女の顔が段々と赤くなってくる。しまった、酒入りコーヒーを呑んだから、アルコール成分が美来の体の中に入っちゃったのかな。
「美来、大丈夫? 顔が赤いけど……」
「大丈夫ですよ。私はただ、いよいよ旅行の夜となったので、ドキドキし始めただけですから。もう、智也さんったら……私と一緒に入りたいからって部屋のお風呂でいいなんて。お風呂では精一杯にご奉仕しますからね!」
「よ、よろしくね」
どうやら、美来の顔が赤くなったのは、僕が美来と一緒にお風呂に入りたいと言ったことにドキドキしたからかな。
「もし、ベッドインするまでにイチャイチャすることが我慢できなくなったら、いつでも言ってきてくださいね」
「……覚えておくよ」
まったく、美来は今から興奮しているのか。僕と2人きりで旅行に来ているから興奮するのも当たり前なのかな。
「では、お風呂の準備をしてきますから! 智也さんは引き続きゆっくりとしていてください!」
「うん、分かった」
美来ははりきって洗面所の方へと姿を消していく。
美来はお酒を呑みながらゆっくりしていて、と言っていたけど……お風呂に入って、その後に色々なことをする予定だから、お酒はここら辺にしておいた方がいいな。僕はお酒の代わりに夕方に買ったコーラの残りを飲むことに。
「うん、美味しいな」
まだ、炭酸がかなり残っていたこともあって、その刺激でいくらか酔いが醒めた。
「20分もすればお風呂に入ることができると思います。お風呂が沸いたらチャイムが鳴るとのことです」
「ありがとう」
「それにしても、新居のお風呂よりも広いですよ。元々、智也さんが住んでいたあのアパートに比べたらとても広いですよ!」
「そっか、それなら2人でゆったりと入れるね」
「はい!」
僕と美来はお風呂が入れるようになるまで、一緒にテレビを観るのであった。
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