213 / 279
2学期編
第4話『放課後ランジェリータイム』
しおりを挟む
結衣と話しながら歩いていたのもあり、すぐに駅の近くにあるショッピングセンター・エオンに到着した。晴天の中歩いたから、エアコンのかかった涼しい店内が心地良く感じられる。1階は食料品のフロアで、フードコートもあるからか賑わっている。平日の夕方だから、うちの高校を含めて制服姿の人が結構いるな。
入口の近くにあるエスカレーターに乗って、衣料品の売り場や専門店がある2階へ向かう。
1階に比べると、2階は落ち着いた雰囲気だ。また、エスカレーターの近くに女性向けのアパレルショップがあるのもあり、近くにいる人は女性が多い。その中には制服姿の人もちらほらと。
女性向けの衣服売り場やアパレルショップの横を歩いて、目的地であるランジェリーショップの前に到着した。
「着いたよ」
「ああ。前に来たときは、ここで一旦別れて俺は近くのベンチで休んだんだよな」
「そうだったね。胡桃ちゃんと姫奈ちゃんと一緒に下着を見たなぁ。あのときは自分のだけじゃなくて、胡桃ちゃんの下着も選んだの」
「そうだったんだ」
そういえば、前回、結衣達がランジェリーショップに立ち寄ったきっかけは、胡桃がこのお店の前で立ち止まったことだったな。今回の結衣のように、持っている下着がキツくなったからと。
あと……あのときは伊集院さんが、結衣と胡桃の胸の大きさに愕然としていたっけ。俺が「大きくなる希望はある」と言って励ましたな。伊集院さんは胸が大きくなるようにたくさん寝ようと言っていたけど、その成果はあったのだろうか。まあ、恋人ではない女性の胸のことなので、これ以上は考えないでおこう。
「じゃあ、入ろうか。悠真君」
「あ、ああ」
ランジェリーショップは小学生のときに、芹花姉さんや母さんと一緒に入ったとき以来だから緊張する。
結衣は俺の腕を離し、再び左手を握る。結衣に手を引かれる形でランジェリーショップの中に入った。
女性向けのランジェリーショップなだけあって、ショップの中にいるお客さんはほぼ全てが女性だ。男性も1人だけいるけど、恋人らしき女性と手を繋いで歩いている。1人でも男性客がいると何だか心強い。
俺の周りにはブラジャーやパンツ、キャミソールといった下着がいっぱい陳列されている。色々な色やデザインのものがあって、意外とカラフルな空間だ。
「このあたりにあるものをよく買っているよ」
そう言って、結衣は歩みを止める。
目の前には、ハンガーラックに花柄の刺繍が施されたレース生地の下着がたくさんかかっている。これまで結衣が付けている下着のような雰囲気だ。赤系や青系、緑系、黄色、黒など様々な色がある。
「そうなんだ。よく買っているって言うだけあって、これまで結衣が付けている下着みたいな感じだな」
「ふふっ、よく覚えてるね」
「お泊まりのときを中心に何度も見たことがあるからな。よく似合っているし」
「似合っているって言ってくれて嬉しいな。ありがとう」
結衣はとても嬉しそうにお礼を言う。
「……確か、この前買ったときは黒がいいって言ったんだよな」
「そうだね。覚えてくれていたんだ」
「そりゃ初めて下着を選んだからな。写真で見る形だったけど」
「ふふっ。このハンガーラックにある下着のデザインってどう?」
「とてもいいと思う。結衣に似合いそうだ」
「嬉しいな。私のこのデザインいいなって思うし、この下着を買おうか」
「ああ。前回は1着だったけど、今回は何着買うんだ?」
「3着買おうと思ってる。お母さんから、そのくらい買えるお金をもらってきた」
「そっか」
サイズがキツくなっているものがいくつもあるって言っていたもんな。3着くらいは買いたいか。
「いくつか候補を選んで、試着して、悠真君に見てもらって3色選んでもらおうかな」
「ああ、分かった」
「悠真君はどの色がいい?」
「まずは黒だな。この前も黒い下着を買ったし」
「黒ね。あとは何色がいい?」
「あとは……青がいいな。青は前回の下着を買ったときの選択肢だったし。夏休みに買ったときのビキニも青だったから。あと、ピンクやオレンジとかも可愛い感じで結衣に似合いそうな気がする」
「青とピンク、オレンジだね。どれも私も好きな色だよ。じゃあ、この4色を試着してみるね」
「ああ」
4色とも結衣の好きな色か。良かった。
その後、結衣は黒、青、ピンク、オレンジの下着をハンガーラックから手に取る。幸いにも、どの色も結衣のサイズに合うものがあった。
4つの下着を見つけた後、俺達は試着室に向かい始める。
4着あるし、結衣はスクールバッグを持っているので、黒と青の2着は俺が持っている。こうして下着を見てみると……Fカップって結構大きいんだな。そして、結衣の胸はこれがちょうど良さそうなサイズなんだな。
試着室の前まで到着する。試着室は全部で3つあり、向かって右側の扉だけ利用中のようだ。
「悠真君がいるし、向かって左側の試着室を使うよ」
「分かった」
「じゃあ、中でブラジャーを試着するね。試着したら見せるから、扉の近くに立ってて」
「了解だ」
俺から黒の下着と青の下着を受け取ると、結衣は向かって左側の試着室に入った。
扉が閉まり、鍵が施錠された瞬間……何だか不安になってきたな。これまで何分か結衣と一緒にいたから、お客さんや店員さんに不審者だとは思われない……と思いたい。
スマホを弄りながら、結衣の試着が終わるのを待つ。
試着室の中から、衣擦れの音や結衣の鼻歌が聞こえてくる。これまで結衣の脱ぎ着する姿は何度も見たことあるけど、それでもドキッとする。
待っている間、既に利用中である向かって右側の試着室の扉が開いた。中からは大学生と思われる茶髪の女性が出てきて。手には紫色の下着を持っていて。俺とチラッと目が合ったけど、特に嫌悪感や怯えた様子を見せることなくレジの方へ向かっていった。さっきの結衣との会話が聞こえて、男の俺が試着室の前にいると分かっていたのだろうか。とにかく、何事もなく済んで良かった。
「悠真君。1着目を着終わったよ」
「そうか。扉の前にいるから、ちょっと開けてくれ」
「分かった」
その直後、鍵が解錠され、向かって左側の試着室の扉がちょっと開かれる。
開かれた部分からは、制服のスカートに黒いブラジャー姿の結衣の姿が。上半身はブラジャーだけなので、扉が開いた瞬間に結衣の甘い匂いがふわりと香った。
「どうかな、悠真君」
結衣は微笑みながら問いかけてくる。
黒い下着だから大人っぽい雰囲気が感じられる。結衣の白くて綺麗な肌が際立って。あと、今までにブラジャーを付けた結衣を何度も見てきているけど、Fカップに成長したと分かったから、結衣の胸が今までよりも大きく見える。谷間も凄い。
あと、上はブラジャーだけど、下は制服のスカートだから、今の姿にそそられるものがある。
「下着の試着でも、胸をじっと見つめられると興奮しちゃう」
そう言う結衣の頬はほんのりと上気していて。それもあって艶やかな印象に。
「似合っているよ。黒だから大人っぽくていい感じだ」
「いいよね。前も黒い下着を買ったけど、やっぱりいいなって思うよ」
「そっか。サイズの方はどうだ? 付け心地って言うのかな」
「お母さんが測ってくれたおかげで、サイズはバッチリだよ。付け心地いいよ」
「それは良かった」
「じゃあ、後で比較するためにもスマホで写真を撮って」
「分かった」
俺は自分のスマホで、黒いブラジャーを試着した結衣を撮影する。絵的に犯罪の匂いがするけど、試着した下着の比較のためだ。特に何も悪くない。結衣の頼みだし、俺は恋人だし。
また、撮影するときには結衣はニコッと笑ったり、胸に被らないようにピースサインしたりして可愛い。
「じゃあ、2着目を試着するね。次がどの色なのかお楽しみに」
「ああ。楽しみにしているよ」
今は放課後デート中だからか、結衣はエンタメ要素を出してきたな。
次は何色の下着を着るだろう。青とピンク、オレンジの3つだけど。どの色なのか楽しみにしながら結衣のことを待つ。
「着たよー」
「ああ。開けていいぞ」
俺がそう言うと、先ほどと同じくらいに結衣は試着室の扉を開ける。
扉の隙間からは……青いブラジャーを身に付けた結衣が立っていた。
「今度は青でーす。どうかな?」
結衣は楽しげな様子で問いかけてくる。
青色といっても結構濃いので、落ち着いた雰囲気が感じられる。黒のときと同様で結衣の白い肌が映えるなぁ。夏休みに買ったビキニが青く、色の濃さも似ているので、夏休み中に海やプールで遊んだときのことを思い出した。
「青も似合っているよ。落ち着いた雰囲気もあって。夏休み中に買った青いビキニも似合っていたし、青も結衣にいいなって思ったよ」
「嬉しいな。このブラを付けたとき、ビキニを買ったり、海やプールで遊んだりしたときのことを思い出したよ」
「俺もだ」
「ふふっ、そうなんだ。じゃあ、この下着姿も撮ってくれるかな」
「了解」
さっきと同様に、青いブラジャーを付けた結衣を自分のスマホで撮影した。
その後もオレンジ、ピンクの順番で結衣は試着していき、その姿をスマホで撮影した。どの色の下着もよく似合っているなぁ。それも、スタイルが良くて美人で可愛い結衣が付けているからだろう。
「悠真君、どう? 3つに絞れた?」
制服に着替え終わった結衣が試着室から出てくると、俺にそう問いかけた。
「黒と青は決まった。黒は前回から続いてよく似合っていたし。ビキニの色に似ている青もよく似合っていたから。あと1つは……ピンクもオレンジも両方似合っていたから迷ってる。個人的にはピンクの方がより可愛い感じがする」
「色的にピンクは可愛いもんね。私もピンクとオレンジなら、ピンクの方が可愛いなって思うよ」
「そっか。……一応、参考に」
俺はピンクのブラジャーを身に付けた結衣の写真を表示させ、結衣に見せる。画面をスライドして、オレンジ色のブラを付けた結衣の写真も。
「……うん。ピンクの方が可愛いな」
「そうか。俺も写真を見て改めてそう思ったよ」
「そっか。じゃあ、3つ目はピンクにするね」
「分かった」
こうして、結衣の購入する下着は黒、青、ピンクに決まった。
試着室を後にして、オレンジ色の下着は陳列されていたハンガーラックに戻し、黒、青、ピンクの下着を持ってレジへ向かった。
レジの出口の近くで結衣の会計が終わるのを待っていたけど、その間に何度かレジを担当する若い女性の店員さんに視線を向けられた。ちょっとニヤニヤしていて。このお店での俺達の様子を見ていたのかもしれない。
結衣は女性の店員さんから白い紙の手提げを受け取り、俺のところにやってきた。
「お待たせ、悠真君」
「いえいえ。無事に買えて良かったよ」
「うんっ! サイズも合ってて、悠真君がいいと思った下着を買えて良かったよ! 悠真君、選んでくれてありがとう! 試着した姿を悠真君に見せるのも楽しかったし」
とってもご機嫌な様子でそう言う結衣。そんな結衣を見ていると、今の言葉に嘘偽りがないことがよく分かる。
「俺も……結衣の魅力的な下着姿をいっぱい見られて楽しかったよ」
「そう言ってもらえて良かった。これからも、下着を買うときは悠真君に選んでもらおうかな?」
「選んでほしいときはいつでも言ってくれ」
「うんっ!」
結衣はニッコリとした笑顔で首肯する。可愛いな。
結衣も楽しかったと言っていたし、これからは俺とのデート中に下着を買うのがスタンダードになりそうだ。
その後は音楽ショップや胡桃がバイトしている書店に行ったり、フードコートでアイスを食べたりして、2学期最初の放課後デートを楽しんだ。
入口の近くにあるエスカレーターに乗って、衣料品の売り場や専門店がある2階へ向かう。
1階に比べると、2階は落ち着いた雰囲気だ。また、エスカレーターの近くに女性向けのアパレルショップがあるのもあり、近くにいる人は女性が多い。その中には制服姿の人もちらほらと。
女性向けの衣服売り場やアパレルショップの横を歩いて、目的地であるランジェリーショップの前に到着した。
「着いたよ」
「ああ。前に来たときは、ここで一旦別れて俺は近くのベンチで休んだんだよな」
「そうだったね。胡桃ちゃんと姫奈ちゃんと一緒に下着を見たなぁ。あのときは自分のだけじゃなくて、胡桃ちゃんの下着も選んだの」
「そうだったんだ」
そういえば、前回、結衣達がランジェリーショップに立ち寄ったきっかけは、胡桃がこのお店の前で立ち止まったことだったな。今回の結衣のように、持っている下着がキツくなったからと。
あと……あのときは伊集院さんが、結衣と胡桃の胸の大きさに愕然としていたっけ。俺が「大きくなる希望はある」と言って励ましたな。伊集院さんは胸が大きくなるようにたくさん寝ようと言っていたけど、その成果はあったのだろうか。まあ、恋人ではない女性の胸のことなので、これ以上は考えないでおこう。
「じゃあ、入ろうか。悠真君」
「あ、ああ」
ランジェリーショップは小学生のときに、芹花姉さんや母さんと一緒に入ったとき以来だから緊張する。
結衣は俺の腕を離し、再び左手を握る。結衣に手を引かれる形でランジェリーショップの中に入った。
女性向けのランジェリーショップなだけあって、ショップの中にいるお客さんはほぼ全てが女性だ。男性も1人だけいるけど、恋人らしき女性と手を繋いで歩いている。1人でも男性客がいると何だか心強い。
俺の周りにはブラジャーやパンツ、キャミソールといった下着がいっぱい陳列されている。色々な色やデザインのものがあって、意外とカラフルな空間だ。
「このあたりにあるものをよく買っているよ」
そう言って、結衣は歩みを止める。
目の前には、ハンガーラックに花柄の刺繍が施されたレース生地の下着がたくさんかかっている。これまで結衣が付けている下着のような雰囲気だ。赤系や青系、緑系、黄色、黒など様々な色がある。
「そうなんだ。よく買っているって言うだけあって、これまで結衣が付けている下着みたいな感じだな」
「ふふっ、よく覚えてるね」
「お泊まりのときを中心に何度も見たことがあるからな。よく似合っているし」
「似合っているって言ってくれて嬉しいな。ありがとう」
結衣はとても嬉しそうにお礼を言う。
「……確か、この前買ったときは黒がいいって言ったんだよな」
「そうだね。覚えてくれていたんだ」
「そりゃ初めて下着を選んだからな。写真で見る形だったけど」
「ふふっ。このハンガーラックにある下着のデザインってどう?」
「とてもいいと思う。結衣に似合いそうだ」
「嬉しいな。私のこのデザインいいなって思うし、この下着を買おうか」
「ああ。前回は1着だったけど、今回は何着買うんだ?」
「3着買おうと思ってる。お母さんから、そのくらい買えるお金をもらってきた」
「そっか」
サイズがキツくなっているものがいくつもあるって言っていたもんな。3着くらいは買いたいか。
「いくつか候補を選んで、試着して、悠真君に見てもらって3色選んでもらおうかな」
「ああ、分かった」
「悠真君はどの色がいい?」
「まずは黒だな。この前も黒い下着を買ったし」
「黒ね。あとは何色がいい?」
「あとは……青がいいな。青は前回の下着を買ったときの選択肢だったし。夏休みに買ったときのビキニも青だったから。あと、ピンクやオレンジとかも可愛い感じで結衣に似合いそうな気がする」
「青とピンク、オレンジだね。どれも私も好きな色だよ。じゃあ、この4色を試着してみるね」
「ああ」
4色とも結衣の好きな色か。良かった。
その後、結衣は黒、青、ピンク、オレンジの下着をハンガーラックから手に取る。幸いにも、どの色も結衣のサイズに合うものがあった。
4つの下着を見つけた後、俺達は試着室に向かい始める。
4着あるし、結衣はスクールバッグを持っているので、黒と青の2着は俺が持っている。こうして下着を見てみると……Fカップって結構大きいんだな。そして、結衣の胸はこれがちょうど良さそうなサイズなんだな。
試着室の前まで到着する。試着室は全部で3つあり、向かって右側の扉だけ利用中のようだ。
「悠真君がいるし、向かって左側の試着室を使うよ」
「分かった」
「じゃあ、中でブラジャーを試着するね。試着したら見せるから、扉の近くに立ってて」
「了解だ」
俺から黒の下着と青の下着を受け取ると、結衣は向かって左側の試着室に入った。
扉が閉まり、鍵が施錠された瞬間……何だか不安になってきたな。これまで何分か結衣と一緒にいたから、お客さんや店員さんに不審者だとは思われない……と思いたい。
スマホを弄りながら、結衣の試着が終わるのを待つ。
試着室の中から、衣擦れの音や結衣の鼻歌が聞こえてくる。これまで結衣の脱ぎ着する姿は何度も見たことあるけど、それでもドキッとする。
待っている間、既に利用中である向かって右側の試着室の扉が開いた。中からは大学生と思われる茶髪の女性が出てきて。手には紫色の下着を持っていて。俺とチラッと目が合ったけど、特に嫌悪感や怯えた様子を見せることなくレジの方へ向かっていった。さっきの結衣との会話が聞こえて、男の俺が試着室の前にいると分かっていたのだろうか。とにかく、何事もなく済んで良かった。
「悠真君。1着目を着終わったよ」
「そうか。扉の前にいるから、ちょっと開けてくれ」
「分かった」
その直後、鍵が解錠され、向かって左側の試着室の扉がちょっと開かれる。
開かれた部分からは、制服のスカートに黒いブラジャー姿の結衣の姿が。上半身はブラジャーだけなので、扉が開いた瞬間に結衣の甘い匂いがふわりと香った。
「どうかな、悠真君」
結衣は微笑みながら問いかけてくる。
黒い下着だから大人っぽい雰囲気が感じられる。結衣の白くて綺麗な肌が際立って。あと、今までにブラジャーを付けた結衣を何度も見てきているけど、Fカップに成長したと分かったから、結衣の胸が今までよりも大きく見える。谷間も凄い。
あと、上はブラジャーだけど、下は制服のスカートだから、今の姿にそそられるものがある。
「下着の試着でも、胸をじっと見つめられると興奮しちゃう」
そう言う結衣の頬はほんのりと上気していて。それもあって艶やかな印象に。
「似合っているよ。黒だから大人っぽくていい感じだ」
「いいよね。前も黒い下着を買ったけど、やっぱりいいなって思うよ」
「そっか。サイズの方はどうだ? 付け心地って言うのかな」
「お母さんが測ってくれたおかげで、サイズはバッチリだよ。付け心地いいよ」
「それは良かった」
「じゃあ、後で比較するためにもスマホで写真を撮って」
「分かった」
俺は自分のスマホで、黒いブラジャーを試着した結衣を撮影する。絵的に犯罪の匂いがするけど、試着した下着の比較のためだ。特に何も悪くない。結衣の頼みだし、俺は恋人だし。
また、撮影するときには結衣はニコッと笑ったり、胸に被らないようにピースサインしたりして可愛い。
「じゃあ、2着目を試着するね。次がどの色なのかお楽しみに」
「ああ。楽しみにしているよ」
今は放課後デート中だからか、結衣はエンタメ要素を出してきたな。
次は何色の下着を着るだろう。青とピンク、オレンジの3つだけど。どの色なのか楽しみにしながら結衣のことを待つ。
「着たよー」
「ああ。開けていいぞ」
俺がそう言うと、先ほどと同じくらいに結衣は試着室の扉を開ける。
扉の隙間からは……青いブラジャーを身に付けた結衣が立っていた。
「今度は青でーす。どうかな?」
結衣は楽しげな様子で問いかけてくる。
青色といっても結構濃いので、落ち着いた雰囲気が感じられる。黒のときと同様で結衣の白い肌が映えるなぁ。夏休みに買ったビキニが青く、色の濃さも似ているので、夏休み中に海やプールで遊んだときのことを思い出した。
「青も似合っているよ。落ち着いた雰囲気もあって。夏休み中に買った青いビキニも似合っていたし、青も結衣にいいなって思ったよ」
「嬉しいな。このブラを付けたとき、ビキニを買ったり、海やプールで遊んだりしたときのことを思い出したよ」
「俺もだ」
「ふふっ、そうなんだ。じゃあ、この下着姿も撮ってくれるかな」
「了解」
さっきと同様に、青いブラジャーを付けた結衣を自分のスマホで撮影した。
その後もオレンジ、ピンクの順番で結衣は試着していき、その姿をスマホで撮影した。どの色の下着もよく似合っているなぁ。それも、スタイルが良くて美人で可愛い結衣が付けているからだろう。
「悠真君、どう? 3つに絞れた?」
制服に着替え終わった結衣が試着室から出てくると、俺にそう問いかけた。
「黒と青は決まった。黒は前回から続いてよく似合っていたし。ビキニの色に似ている青もよく似合っていたから。あと1つは……ピンクもオレンジも両方似合っていたから迷ってる。個人的にはピンクの方がより可愛い感じがする」
「色的にピンクは可愛いもんね。私もピンクとオレンジなら、ピンクの方が可愛いなって思うよ」
「そっか。……一応、参考に」
俺はピンクのブラジャーを身に付けた結衣の写真を表示させ、結衣に見せる。画面をスライドして、オレンジ色のブラを付けた結衣の写真も。
「……うん。ピンクの方が可愛いな」
「そうか。俺も写真を見て改めてそう思ったよ」
「そっか。じゃあ、3つ目はピンクにするね」
「分かった」
こうして、結衣の購入する下着は黒、青、ピンクに決まった。
試着室を後にして、オレンジ色の下着は陳列されていたハンガーラックに戻し、黒、青、ピンクの下着を持ってレジへ向かった。
レジの出口の近くで結衣の会計が終わるのを待っていたけど、その間に何度かレジを担当する若い女性の店員さんに視線を向けられた。ちょっとニヤニヤしていて。このお店での俺達の様子を見ていたのかもしれない。
結衣は女性の店員さんから白い紙の手提げを受け取り、俺のところにやってきた。
「お待たせ、悠真君」
「いえいえ。無事に買えて良かったよ」
「うんっ! サイズも合ってて、悠真君がいいと思った下着を買えて良かったよ! 悠真君、選んでくれてありがとう! 試着した姿を悠真君に見せるのも楽しかったし」
とってもご機嫌な様子でそう言う結衣。そんな結衣を見ていると、今の言葉に嘘偽りがないことがよく分かる。
「俺も……結衣の魅力的な下着姿をいっぱい見られて楽しかったよ」
「そう言ってもらえて良かった。これからも、下着を買うときは悠真君に選んでもらおうかな?」
「選んでほしいときはいつでも言ってくれ」
「うんっ!」
結衣はニッコリとした笑顔で首肯する。可愛いな。
結衣も楽しかったと言っていたし、これからは俺とのデート中に下着を買うのがスタンダードになりそうだ。
その後は音楽ショップや胡桃がバイトしている書店に行ったり、フードコートでアイスを食べたりして、2学期最初の放課後デートを楽しんだ。
0
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2025.12.18)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
ルピナス
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。
そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。
物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。
※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。
※1日3話ずつ更新する予定です。
恋人、はじめました。
桜庭かなめ
恋愛
紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。
明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。
ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。
「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」
「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」
明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。
一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!
※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)
※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想などお待ちしています。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる