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第16話『半分、甘い。』
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お店を出たときは蒸し暑いと思っていたけど、歩いて汗を掻き、そんな中で風が吹いてきたことで涼しく思えてきた。
「まさか、翼君と2人きりで家に向かって歩く日が来るとは思わなかったな」
「僕もですよ。鈴音さん、とても嬉しそうですけど、そんなに僕のことを家に招きたかったんですか?」
「ま、まあね。ワールドカップをみんなで観るために、翼君の家には何度もお邪魔しているのに、翼君を家に連れて来ないのは不公平な気がして」
律儀な人なんだな、鈴音さんは。僕は特に鈴音さんの家に行っていないことに不公平だなんて思っていなかったけど。
「なるほど。そういえば、ワールドカップの日本戦を見るときは決まって僕の家でしたもんね。日本も活躍しましたし、みんなで観て楽しかったですよね」
「日本代表半端なかったよね! まあ、あたしに仕事を教えながら、バイトをしていた翼君も半端じゃなかったけれど!」
「ははっ、そうですか。というか、半端ないって言葉を言いたいんでしょう」
「……それはちょっとある」
やっぱり。そういえば、ワールドカップをきっかけに学校でも「半端ない」って言葉を口にする生徒の数が半端なく増えたな。国語教師である松雪先生でさえも「半端ない」という言葉を使っているし。ワールドカップ効果半端ないな。
「そういう鈴音さんだって、仕事の覚えが早かった鈴音さんも半端ないですよ。これからも頑張ってくださいね」
「……うん、頑張るよ」
そう言うと、鈴音さんは寂しげな笑みを浮かべ、僕の手をより強く握ってくる。
「お店にたまに来ますから、そのときは美味しいものを食べさせてください」
「……もちろんだよ。でも、お店じゃなくてもあたしの家に来てくれれば、いくらでも料理も作るし、大好きなコーヒーだって淹れてあげるけど……」
「ははっ、ありがとうございます」
鈴音さんのお家に行くのもいいけど、元スタッフとしてお店にお金を払って料理やコーヒーを味わいたい気持ちもある。
「ねえ、翼君。今のあたし達を周りの人が見たらどう思うのかな? これまでに何人もすれ違ったけれど、どう思われたのかな?」
「……恋人じゃないですかね。小さければ姉弟にも見えそうですけど」
「やっぱり、恋人同士だよね。そうだよね」
それが照れくさいのか、鈴音さんははにかむ。そんな姿にほっこりしている自分がいて。そう考えると恋人っぽいのかも。
「翼君。あのアパートだよ」
「へえ、オシャレな外観ですね」
東京とかその近郊にありそうな雰囲気だ。喫茶店から10分くらい歩いたところにこういうアパートがあったとは。
「ここ、主に1人暮らしをする女性を中心に貸し出しているんだって」
「そうなんですね。周りに女性が多いと安心できますよね」
「うん。それも決め手の1つだよ。あと、里奈さんのように大学近くのアパートも便利だけれど、何だか嫌で。それで、電車で15分くらいの桜海駅周辺にしようと思ったの。本当にこのアパートで正解だなって思ったよ」
僕らは鈴音さんの自宅である106号室の玄関の前に向かう。
「さっ、入って」
「お邪魔します」
鈴音さんの家に上がる。
アパートだけど、僕が想像していたよりも広いな。あと、絨毯やベッドのシーツ、カーテンなどの色が柔らかな桃色が中心になっている。芽依や明日香の部屋に似ているけれど、勉強机にある専門書とかを見てここは大学生の部屋なんだなと思った。
「連れてきてアレだけれど、部屋の中を見渡されると恥ずかしいな」
「すみません。ただ、とても素敵なお部屋だと思います」
「ありがとう。翼君、紅茶とコーヒーどっちがいい?」
「お店でコーヒーを飲みましたから、紅茶でお願いします」
「うん、分かった。温かいのと冷たいのとどっちがいい?」
「温かい方でお願いします」
「はーい。じゃあ、適当にくつろいでて」
テーブルの近くにクッションがあったので、それに座ってベッドに寄り掛かる。そうしたら急に眠くなってきた。休憩を挟まずに働いた疲れがここでやってきたのかな。1人暮らしの女子大生の家なので緊張はしているけど、今はそれよりも眠いのだ。
背後から香ってくる既にどこかで知った甘い匂い。そこに紅茶の香りが混ざってより心地よくなる。ますます眠気が。
「お待たせ、翼君……って、うとうとしちゃって可愛い」
「すみません。今日は朝から休憩無しでバイトしたからか急に眠くなっちゃって」
「それじゃ、あたしのベッドで寝る?」
「お気持ちだけ受け取っておきます。今寝たら日付が変わるくらいまで寝ちゃいそうですし」
「ふふっ、そっか。はい、温かい紅茶ですよ」
「ありがとうございます」
眠いので冷たい方が良かったかな……と思いながら、鈴音さんが淹れてくれた温かい紅茶を一口飲む。
「うん、美味しいですね」
「良かった」
鈴音さんも紅茶を飲む。彼女の紅茶にはミルクが入っている。
「……実は、ここに招き入れた男の人って翼君が初めてなんだよ」
「そうなんですか。それは光栄なことですね」
ここに住み始めて3ヶ月あまりか。学校の近くでもないから、女性の知り合いはともかく男性が来ることはないのかな。思い返せば、大学に見学しに行ったときも女子の方が多かったような気がする。
「鈴音さんって兄弟や姉妹はいらっしゃるんですか?」
「うん。3歳年上の姉と、5歳年下の妹がいるよ。だから、自分の家に男の子がいることに緊張してる」
「そうですか。僕も緊張してますよ」
「芽依ちゃんっていう妹がいて、明日香ちゃんや咲希ちゃんっていう幼なじみがいるのに? あと、眠そうにしていたのに?」
「ええ。1人暮らしの女子大生のお家ですからね。多少は意識しますって」
10年ぶりに桜海に帰ってきた咲希の部屋でさえ、初めて行ったときは緊張した。妹の芽依はもちろんのこと、明日香の部屋も行き慣れているので緊張はしないかな。
「そうだ、僕に渡したいプレゼントってどんなものなんですか? それがさっきから気になっているんですよ」
「えっ? あぁ……プ、プレゼントね。じゃあ、目を瞑ってくれるかな……」
「分かりました」
鈴音さんの言うように僕はゆっくりと目を瞑る。顔が赤かった気がするけれど、プレゼントを渡すことに緊張でもしているのかな。
「しっかりと目を瞑っていてね。絶対だからね。いいよって言うまで目を開けちゃダメなんだからね」
「はいはい、分かりました」
相当緊張しているのか。それとも、僕を驚かせる自信があるのか。何にせよ、どんなプレゼントか楽しみだな。
「……よし」
そんな鈴音さんの声が聞こえてくる。そろそろいいよって言われるのかな。
しかし、そんな言葉がなかなかかけられない。それに、唇が温かくなったような気がするのは気のせいだろうか。さっき、背後から香ってきた匂いと同じものが前面から強く感じるし。
いつまで経っても彼女の声が聞こえないのでゆっくりと目を開けると、彼女の顔で視界が覆われていた。じゃあ、唇から伝わってくる柔らかくて温かい感触って……まさか、鈴音さんの?
鈴音さんの背中を軽く叩くと、彼女はゆっくりと顔を離す。すると、優しい笑顔になって僕に跨がってくる。
「プレゼントは……あたしだよ、翼君。あたし、翼君のことが好き。優しくて、かっこよくて、お仕事もテキパキできて。そんな翼君が今日でバイトが終わったことがとても寂しいの。翼君と離れたくないよ。だから、今日……こうして想いを伝えようって決めました。翼君、あたしと恋人として付き合ってくれませんか」
ただ、想いを伝えるのに言葉だけでは足りないと思ったのか、鈴音さんは再びキスしてきたのであった。
「まさか、翼君と2人きりで家に向かって歩く日が来るとは思わなかったな」
「僕もですよ。鈴音さん、とても嬉しそうですけど、そんなに僕のことを家に招きたかったんですか?」
「ま、まあね。ワールドカップをみんなで観るために、翼君の家には何度もお邪魔しているのに、翼君を家に連れて来ないのは不公平な気がして」
律儀な人なんだな、鈴音さんは。僕は特に鈴音さんの家に行っていないことに不公平だなんて思っていなかったけど。
「なるほど。そういえば、ワールドカップの日本戦を見るときは決まって僕の家でしたもんね。日本も活躍しましたし、みんなで観て楽しかったですよね」
「日本代表半端なかったよね! まあ、あたしに仕事を教えながら、バイトをしていた翼君も半端じゃなかったけれど!」
「ははっ、そうですか。というか、半端ないって言葉を言いたいんでしょう」
「……それはちょっとある」
やっぱり。そういえば、ワールドカップをきっかけに学校でも「半端ない」って言葉を口にする生徒の数が半端なく増えたな。国語教師である松雪先生でさえも「半端ない」という言葉を使っているし。ワールドカップ効果半端ないな。
「そういう鈴音さんだって、仕事の覚えが早かった鈴音さんも半端ないですよ。これからも頑張ってくださいね」
「……うん、頑張るよ」
そう言うと、鈴音さんは寂しげな笑みを浮かべ、僕の手をより強く握ってくる。
「お店にたまに来ますから、そのときは美味しいものを食べさせてください」
「……もちろんだよ。でも、お店じゃなくてもあたしの家に来てくれれば、いくらでも料理も作るし、大好きなコーヒーだって淹れてあげるけど……」
「ははっ、ありがとうございます」
鈴音さんのお家に行くのもいいけど、元スタッフとしてお店にお金を払って料理やコーヒーを味わいたい気持ちもある。
「ねえ、翼君。今のあたし達を周りの人が見たらどう思うのかな? これまでに何人もすれ違ったけれど、どう思われたのかな?」
「……恋人じゃないですかね。小さければ姉弟にも見えそうですけど」
「やっぱり、恋人同士だよね。そうだよね」
それが照れくさいのか、鈴音さんははにかむ。そんな姿にほっこりしている自分がいて。そう考えると恋人っぽいのかも。
「翼君。あのアパートだよ」
「へえ、オシャレな外観ですね」
東京とかその近郊にありそうな雰囲気だ。喫茶店から10分くらい歩いたところにこういうアパートがあったとは。
「ここ、主に1人暮らしをする女性を中心に貸し出しているんだって」
「そうなんですね。周りに女性が多いと安心できますよね」
「うん。それも決め手の1つだよ。あと、里奈さんのように大学近くのアパートも便利だけれど、何だか嫌で。それで、電車で15分くらいの桜海駅周辺にしようと思ったの。本当にこのアパートで正解だなって思ったよ」
僕らは鈴音さんの自宅である106号室の玄関の前に向かう。
「さっ、入って」
「お邪魔します」
鈴音さんの家に上がる。
アパートだけど、僕が想像していたよりも広いな。あと、絨毯やベッドのシーツ、カーテンなどの色が柔らかな桃色が中心になっている。芽依や明日香の部屋に似ているけれど、勉強机にある専門書とかを見てここは大学生の部屋なんだなと思った。
「連れてきてアレだけれど、部屋の中を見渡されると恥ずかしいな」
「すみません。ただ、とても素敵なお部屋だと思います」
「ありがとう。翼君、紅茶とコーヒーどっちがいい?」
「お店でコーヒーを飲みましたから、紅茶でお願いします」
「うん、分かった。温かいのと冷たいのとどっちがいい?」
「温かい方でお願いします」
「はーい。じゃあ、適当にくつろいでて」
テーブルの近くにクッションがあったので、それに座ってベッドに寄り掛かる。そうしたら急に眠くなってきた。休憩を挟まずに働いた疲れがここでやってきたのかな。1人暮らしの女子大生の家なので緊張はしているけど、今はそれよりも眠いのだ。
背後から香ってくる既にどこかで知った甘い匂い。そこに紅茶の香りが混ざってより心地よくなる。ますます眠気が。
「お待たせ、翼君……って、うとうとしちゃって可愛い」
「すみません。今日は朝から休憩無しでバイトしたからか急に眠くなっちゃって」
「それじゃ、あたしのベッドで寝る?」
「お気持ちだけ受け取っておきます。今寝たら日付が変わるくらいまで寝ちゃいそうですし」
「ふふっ、そっか。はい、温かい紅茶ですよ」
「ありがとうございます」
眠いので冷たい方が良かったかな……と思いながら、鈴音さんが淹れてくれた温かい紅茶を一口飲む。
「うん、美味しいですね」
「良かった」
鈴音さんも紅茶を飲む。彼女の紅茶にはミルクが入っている。
「……実は、ここに招き入れた男の人って翼君が初めてなんだよ」
「そうなんですか。それは光栄なことですね」
ここに住み始めて3ヶ月あまりか。学校の近くでもないから、女性の知り合いはともかく男性が来ることはないのかな。思い返せば、大学に見学しに行ったときも女子の方が多かったような気がする。
「鈴音さんって兄弟や姉妹はいらっしゃるんですか?」
「うん。3歳年上の姉と、5歳年下の妹がいるよ。だから、自分の家に男の子がいることに緊張してる」
「そうですか。僕も緊張してますよ」
「芽依ちゃんっていう妹がいて、明日香ちゃんや咲希ちゃんっていう幼なじみがいるのに? あと、眠そうにしていたのに?」
「ええ。1人暮らしの女子大生のお家ですからね。多少は意識しますって」
10年ぶりに桜海に帰ってきた咲希の部屋でさえ、初めて行ったときは緊張した。妹の芽依はもちろんのこと、明日香の部屋も行き慣れているので緊張はしないかな。
「そうだ、僕に渡したいプレゼントってどんなものなんですか? それがさっきから気になっているんですよ」
「えっ? あぁ……プ、プレゼントね。じゃあ、目を瞑ってくれるかな……」
「分かりました」
鈴音さんの言うように僕はゆっくりと目を瞑る。顔が赤かった気がするけれど、プレゼントを渡すことに緊張でもしているのかな。
「しっかりと目を瞑っていてね。絶対だからね。いいよって言うまで目を開けちゃダメなんだからね」
「はいはい、分かりました」
相当緊張しているのか。それとも、僕を驚かせる自信があるのか。何にせよ、どんなプレゼントか楽しみだな。
「……よし」
そんな鈴音さんの声が聞こえてくる。そろそろいいよって言われるのかな。
しかし、そんな言葉がなかなかかけられない。それに、唇が温かくなったような気がするのは気のせいだろうか。さっき、背後から香ってきた匂いと同じものが前面から強く感じるし。
いつまで経っても彼女の声が聞こえないのでゆっくりと目を開けると、彼女の顔で視界が覆われていた。じゃあ、唇から伝わってくる柔らかくて温かい感触って……まさか、鈴音さんの?
鈴音さんの背中を軽く叩くと、彼女はゆっくりと顔を離す。すると、優しい笑顔になって僕に跨がってくる。
「プレゼントは……あたしだよ、翼君。あたし、翼君のことが好き。優しくて、かっこよくて、お仕事もテキパキできて。そんな翼君が今日でバイトが終わったことがとても寂しいの。翼君と離れたくないよ。だから、今日……こうして想いを伝えようって決めました。翼君、あたしと恋人として付き合ってくれませんか」
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