55 / 118
本編
第54話『告白と告白-後編-』
しおりを挟む
──レイ君、あたしと付き合ってください!
琴葉は僕に告白をし、僕のことを抱きしめてキスしてきた。
言葉だけでも心に染み渡ったのに、抱きしめられてキスされると……琴葉の好意がどれだけ強いものなのか、温もりや匂いでしっかりと伝わってくる。
唇を離したときの琴葉は今までの中で最も女性の顔に見えて。それは僕に対する好意からなのか。それとも、女子高生と言える年齢になったからなのか。
「ちなみに、今のがあたしのファーストキスだから。レイ君にあげることができて凄く嬉しい。でも、レイ君と付き合えるようになったらもっと嬉しいな」
はにかみながら言われたその言葉で、心がぎゅっと掴まれた感じがした。ただ、そこには確かな痛みもあって。
楽しかったことも。悲しかったことも。色々なことがあった琴葉との日々を思い出す。これまでに思い描いていた琴葉との未来も。琴葉はとても魅力的な女の子であり、幼なじみだと想っている。
しっかりと僕に想いを伝えてくれたんだ。それにちゃんと返事を言わないと。
「ありがとう、琴葉。僕を好きだって言ってくれて嬉しいよ。正直、告白されて凄くドキドキした」
「……うん」
「だけど……ごめん。僕には他に好きな人がいるんだ。だから、琴葉とは恋人としては付き合えない」
僕にとって、琴葉は大切な可愛い『幼なじみ』なんだ。出会ってからずっと、それが変わることはなかった。
「そう……なんだね。ちなみに、レイ君の好きな人って……如月さん?」
「うん、そうだよ」
「……やっぱり。悔しいな……」
琴葉に告白されたとき、沙奈会長の悲しげな笑顔が頭をよぎったんだ。
琴葉は崩れそうな笑みを精一杯に保とうとしている。溢れそうな涙を必死に堪えようとしている。それだけ僕のことをずっと好きである証拠だと思う。
「玲人、くん……」
沙奈会長の方に振り返ると、彼女は顔を真っ赤にして僕を見ていた。本当に可愛らしい人だ。
最初は本当に嫌だと思っていたのに。生徒会に入って、ミッションを通して……気付けば、沙奈会長がずっと側にいてほしいと思うようになった。一緒にいると安心して、温かい気持ちが湧き上がっていくばかりなんだ。
認めることに悔しさもある。僕は沙奈会長に恋をしているんだ。
沙奈会長はあの猫を助けた僕のことを一目見てから、ずっと心に好きだっていう気持ちを抱いてくれていたんだよな。
会長は今まで数え切れないくらいに好きだと言ってくれていて、琴葉だって今…、頑張って告白したんだ。僕も沙奈会長への好意を自覚したんだから、その想いをちゃんと言葉にして伝えないと。それが沙奈会長と琴葉に示せる誠意だろう。
「僕は沙奈会長のことが好きです。しつこいし、嫉妬深いし、僕のことを全然考えずに行動するときもありますけど……優しくて、温かくて、可愛らしくて、ずっと一緒にいてほしくて。そんな沙奈会長のことが大好きです。沙奈会長、僕と恋人として付き合ってくれませんか」
僕は生まれて初めての告白をした。ドキドキはするけど、どこか清々しくもあって。沙奈会長と琴葉も告白したときはこういう感じだったのかな。
すると、意外にも沙奈会長は涙を流していた。それを右手で拭い、
「もちろんだよ、玲人君。初めて見たときから玲人君のことが好き。だから、ずっとずっと見てきた。これから恋人としてよろしくお願いします」
にっこりとした笑みを浮かべた。沙奈会長と恋人同士になったんだと思うと、いつも以上にその笑顔が可愛らしく思える。
「おめでとう、レイ君。如月さん」
琴葉は涙を流しながらも、笑顔を浮かべて僕達に拍手を贈ってくれる。その拍手はアリスさん、副会長さん、姉さんへと伝わっていく。
そういえば、琴葉だけじゃなくて彼女達の前で告白したんだな、僕。段々と恥ずかしくなってきた。
「でも、本当に悔しいな。レイ君が最近出会ったばかりの如月さんと付き合うなんて。あたしの方がレイ君のことをたくさん知ってるのに。たくさん遊んだのに。たくさん……一緒にいたのに。ただ、如月さんとなら上手くやれそうだって勘が当たったのは嬉しいな。如月さん、あたしが時間をかけて育ててきたレイ君と幸せになれなかったら、あたしは絶対に許しませんからね! レイ君をあたしの彼女にしちゃうかもです」
「分かったよ。でも、玲人君と一緒に末永く幸せに過ごす未来は、一目惚れをした日からずっと描いていることだからね。玲人君とならそうなれる気がする。そうなるためにも頑張るね」
今までの沙奈会長を思い返すと、実際にそうなるだろうなって自然と思えてしまうから凄い。ただ、僕もしっかり頑張らないと。
「2人ともおめでとう。じゃあ、将来は妹ができるんだね。義理だけど。でも、昔から知っているからか琴葉ちゃんの告白は胸にくるものがあったよ。キュンとして」
「あの告白からのキスですもんね。もし私が逢坂君の立場だったら、琴葉ちゃんに心を奪われていたかもしれないなぁ。素敵な告白だったと思うよ。ただ、沙奈ちゃん……おめでとう。逢坂君のことを好きだってずっと言っていたもんね。頑張ったね」
「そうですね。恋が……実りました。ありがとうございます」
姉さんは会長のことを気に入っていたし、副会長さんは沙奈会長のことを最も近くで見守っていた。僕と付き合うことになって非常に喜んでいる様子だ。ただ、僕に真摯な告白をした琴葉の姿には感動した模様。
一方で、ずっと琴葉の恋を応援していたアリスさんはどうだろう。さっきは拍手を贈ってくれたけれど。
「以前から琴葉の恋を応援した身としては複雑ですが、逢坂さんに想いを伝えたいということをしっかりと果たせて良かったと思います。逢坂さんと付き合えれば最高でしたが、それでも嬉しく思います。逢坂さん、如月さん。琴葉のためにも2人で幸せになってくださいね」
アリスさんはそう言って、爽やかな笑みを見せてくれる。良かった、何か変なミッションを課せられることもなくて。
「……そうだ。レイ君が如月さんと付き合うことになったんだから、2人がキスするところを見てみたい!」
アリスさんじゃなくて琴葉がミッションを課してきたか。正確に言えばお願いなんだけれど。
「あたしだってキスしたんだし。それに、2人がキスするところを見れば、気持ちもスッキリできるかもしれないと思ってさ。ショックを受けちゃうかもしれないけど」
「そういうことなら。しよっか、玲人君。みんなの前だと恥ずかしいけれど」
「そう……ですね」
僕も2人きりじゃないところでキスするのは恥ずかしいけれど、琴葉が気持ちを整理できるかもしれないなら。
「じゃあ、玲人君の方からしてほしいな」
「……分かりました」
すると、沙奈会長は僕のことを抱きしめてゆっくりと目を瞑った。
「玲人君、好き」
「僕も好きですよ」
僕の方から沙奈会長にキスする。あのときと同じ感触なのに、今の方が凄く心地よく感じられて。比べてしまっていいのか分からないけれど、沙奈会長の唇の方がいいな。
唇を離すけれど、周りの反応が恐くて沙奈会長と至近距離で見つめ合う。沙奈会長も僕と同じような気持ちなのかはにかんでいる。
「玲人君と2人きりだったら、そこにベッドもあるし押し倒しているところだけど、恩田さん達がいるからさすがにできないね」
「……2人きりなら押し倒していたんですね」
「たぶん。もちろん、玲人君が押し倒してくれてもいいんだけれどね」
今までのことを振り返れば、絶対に沙奈会長が僕を押し倒すと思う。でも、2人きりになると気持ちが大きくなって、沙奈会長をどうにかしちゃうのかな。
「何か、レイ君と如月さんの世界が見えた気がした。悔しい気持ちは残っているけど……とても清々しくなったよ。幸せになってね。でも、あたしとは幼なじみとして、これからもずっと仲良くしてくれると嬉しいな」
「ああ、もちろんだよ」
「……ありがとう」
琴葉はにこやかな笑みを浮かべながらそう言った。どうやら、今のキスを見て琴葉にいい影響を及ぼしたらしい。アリスさんはさっきから変わらず落ち着いた様子でいてくれるけれど、
「生徒会の副会長として、沙奈ちゃんと逢坂君を近くで見ていたからか何だか感動しちゃうな……」
「あの小さくて可愛かった玲人が、お姉ちゃんから離れるときがついに来たんだね……」
副会長さんと姉さんは号泣。僕と沙奈会長がキスしただけだけれど、見る人によって想うことは違うんだな。
「ここまで反響があると責任重大だね、玲人君」
「そうですね」
「さっそく私達の愛の結晶を作った方がいいんじゃない? そこにベッドもあるし……」
「それは追々考えましょうね」
沙奈会長と一緒に幸せな時間を過ごしていって、会長と付き合って良かったよねと言われるようにならないと。それが琴葉に対する精一杯の誠意だと思う。
「でも、これでようやく玲人君を心身共に私のものになってくれた。……嬉しい。でも、いつかはこうなるって信じてたよ。ずっと見てきたもん。私、玲人君のためなら全てを捧げる覚悟があるからね」
そう言って、沙奈会長は僕のことをぎゅっと抱きしめてくる。
「そうですか。……逆に言えば、沙奈会長だって心身共に僕のものですよ」
「……凄くキュンときちゃった」
よほど嬉しかったのか、沙奈会長からキスしてくる。しかも、舌まで入れてきて。2人きりならまだしも、みんなの前でここまでのキスをするのは恥ずかしいから正直しないでほしい。
「私の心も体も玲人君のもの。だから……好きにしてくれていいんだよ?」
「分かりました。ずっと僕と側にいてくださいね」
「うん! 浮気したらぶっ殺すから!」
ここまで可愛らしく「ぶっ殺す」と言う人は他にいないだろう。
高校生になってからおよそ1ヶ月。色々なことを経て、濃密な時間を過ごし……僕は沙奈会長という恋人ができた。彼女の愛はとても重い気がするけれど、好きな人からの気持ちだ。彼女の想いを抱きしめられる人間になっていこう。そう心に誓うのであった。
琴葉は僕に告白をし、僕のことを抱きしめてキスしてきた。
言葉だけでも心に染み渡ったのに、抱きしめられてキスされると……琴葉の好意がどれだけ強いものなのか、温もりや匂いでしっかりと伝わってくる。
唇を離したときの琴葉は今までの中で最も女性の顔に見えて。それは僕に対する好意からなのか。それとも、女子高生と言える年齢になったからなのか。
「ちなみに、今のがあたしのファーストキスだから。レイ君にあげることができて凄く嬉しい。でも、レイ君と付き合えるようになったらもっと嬉しいな」
はにかみながら言われたその言葉で、心がぎゅっと掴まれた感じがした。ただ、そこには確かな痛みもあって。
楽しかったことも。悲しかったことも。色々なことがあった琴葉との日々を思い出す。これまでに思い描いていた琴葉との未来も。琴葉はとても魅力的な女の子であり、幼なじみだと想っている。
しっかりと僕に想いを伝えてくれたんだ。それにちゃんと返事を言わないと。
「ありがとう、琴葉。僕を好きだって言ってくれて嬉しいよ。正直、告白されて凄くドキドキした」
「……うん」
「だけど……ごめん。僕には他に好きな人がいるんだ。だから、琴葉とは恋人としては付き合えない」
僕にとって、琴葉は大切な可愛い『幼なじみ』なんだ。出会ってからずっと、それが変わることはなかった。
「そう……なんだね。ちなみに、レイ君の好きな人って……如月さん?」
「うん、そうだよ」
「……やっぱり。悔しいな……」
琴葉に告白されたとき、沙奈会長の悲しげな笑顔が頭をよぎったんだ。
琴葉は崩れそうな笑みを精一杯に保とうとしている。溢れそうな涙を必死に堪えようとしている。それだけ僕のことをずっと好きである証拠だと思う。
「玲人、くん……」
沙奈会長の方に振り返ると、彼女は顔を真っ赤にして僕を見ていた。本当に可愛らしい人だ。
最初は本当に嫌だと思っていたのに。生徒会に入って、ミッションを通して……気付けば、沙奈会長がずっと側にいてほしいと思うようになった。一緒にいると安心して、温かい気持ちが湧き上がっていくばかりなんだ。
認めることに悔しさもある。僕は沙奈会長に恋をしているんだ。
沙奈会長はあの猫を助けた僕のことを一目見てから、ずっと心に好きだっていう気持ちを抱いてくれていたんだよな。
会長は今まで数え切れないくらいに好きだと言ってくれていて、琴葉だって今…、頑張って告白したんだ。僕も沙奈会長への好意を自覚したんだから、その想いをちゃんと言葉にして伝えないと。それが沙奈会長と琴葉に示せる誠意だろう。
「僕は沙奈会長のことが好きです。しつこいし、嫉妬深いし、僕のことを全然考えずに行動するときもありますけど……優しくて、温かくて、可愛らしくて、ずっと一緒にいてほしくて。そんな沙奈会長のことが大好きです。沙奈会長、僕と恋人として付き合ってくれませんか」
僕は生まれて初めての告白をした。ドキドキはするけど、どこか清々しくもあって。沙奈会長と琴葉も告白したときはこういう感じだったのかな。
すると、意外にも沙奈会長は涙を流していた。それを右手で拭い、
「もちろんだよ、玲人君。初めて見たときから玲人君のことが好き。だから、ずっとずっと見てきた。これから恋人としてよろしくお願いします」
にっこりとした笑みを浮かべた。沙奈会長と恋人同士になったんだと思うと、いつも以上にその笑顔が可愛らしく思える。
「おめでとう、レイ君。如月さん」
琴葉は涙を流しながらも、笑顔を浮かべて僕達に拍手を贈ってくれる。その拍手はアリスさん、副会長さん、姉さんへと伝わっていく。
そういえば、琴葉だけじゃなくて彼女達の前で告白したんだな、僕。段々と恥ずかしくなってきた。
「でも、本当に悔しいな。レイ君が最近出会ったばかりの如月さんと付き合うなんて。あたしの方がレイ君のことをたくさん知ってるのに。たくさん遊んだのに。たくさん……一緒にいたのに。ただ、如月さんとなら上手くやれそうだって勘が当たったのは嬉しいな。如月さん、あたしが時間をかけて育ててきたレイ君と幸せになれなかったら、あたしは絶対に許しませんからね! レイ君をあたしの彼女にしちゃうかもです」
「分かったよ。でも、玲人君と一緒に末永く幸せに過ごす未来は、一目惚れをした日からずっと描いていることだからね。玲人君とならそうなれる気がする。そうなるためにも頑張るね」
今までの沙奈会長を思い返すと、実際にそうなるだろうなって自然と思えてしまうから凄い。ただ、僕もしっかり頑張らないと。
「2人ともおめでとう。じゃあ、将来は妹ができるんだね。義理だけど。でも、昔から知っているからか琴葉ちゃんの告白は胸にくるものがあったよ。キュンとして」
「あの告白からのキスですもんね。もし私が逢坂君の立場だったら、琴葉ちゃんに心を奪われていたかもしれないなぁ。素敵な告白だったと思うよ。ただ、沙奈ちゃん……おめでとう。逢坂君のことを好きだってずっと言っていたもんね。頑張ったね」
「そうですね。恋が……実りました。ありがとうございます」
姉さんは会長のことを気に入っていたし、副会長さんは沙奈会長のことを最も近くで見守っていた。僕と付き合うことになって非常に喜んでいる様子だ。ただ、僕に真摯な告白をした琴葉の姿には感動した模様。
一方で、ずっと琴葉の恋を応援していたアリスさんはどうだろう。さっきは拍手を贈ってくれたけれど。
「以前から琴葉の恋を応援した身としては複雑ですが、逢坂さんに想いを伝えたいということをしっかりと果たせて良かったと思います。逢坂さんと付き合えれば最高でしたが、それでも嬉しく思います。逢坂さん、如月さん。琴葉のためにも2人で幸せになってくださいね」
アリスさんはそう言って、爽やかな笑みを見せてくれる。良かった、何か変なミッションを課せられることもなくて。
「……そうだ。レイ君が如月さんと付き合うことになったんだから、2人がキスするところを見てみたい!」
アリスさんじゃなくて琴葉がミッションを課してきたか。正確に言えばお願いなんだけれど。
「あたしだってキスしたんだし。それに、2人がキスするところを見れば、気持ちもスッキリできるかもしれないと思ってさ。ショックを受けちゃうかもしれないけど」
「そういうことなら。しよっか、玲人君。みんなの前だと恥ずかしいけれど」
「そう……ですね」
僕も2人きりじゃないところでキスするのは恥ずかしいけれど、琴葉が気持ちを整理できるかもしれないなら。
「じゃあ、玲人君の方からしてほしいな」
「……分かりました」
すると、沙奈会長は僕のことを抱きしめてゆっくりと目を瞑った。
「玲人君、好き」
「僕も好きですよ」
僕の方から沙奈会長にキスする。あのときと同じ感触なのに、今の方が凄く心地よく感じられて。比べてしまっていいのか分からないけれど、沙奈会長の唇の方がいいな。
唇を離すけれど、周りの反応が恐くて沙奈会長と至近距離で見つめ合う。沙奈会長も僕と同じような気持ちなのかはにかんでいる。
「玲人君と2人きりだったら、そこにベッドもあるし押し倒しているところだけど、恩田さん達がいるからさすがにできないね」
「……2人きりなら押し倒していたんですね」
「たぶん。もちろん、玲人君が押し倒してくれてもいいんだけれどね」
今までのことを振り返れば、絶対に沙奈会長が僕を押し倒すと思う。でも、2人きりになると気持ちが大きくなって、沙奈会長をどうにかしちゃうのかな。
「何か、レイ君と如月さんの世界が見えた気がした。悔しい気持ちは残っているけど……とても清々しくなったよ。幸せになってね。でも、あたしとは幼なじみとして、これからもずっと仲良くしてくれると嬉しいな」
「ああ、もちろんだよ」
「……ありがとう」
琴葉はにこやかな笑みを浮かべながらそう言った。どうやら、今のキスを見て琴葉にいい影響を及ぼしたらしい。アリスさんはさっきから変わらず落ち着いた様子でいてくれるけれど、
「生徒会の副会長として、沙奈ちゃんと逢坂君を近くで見ていたからか何だか感動しちゃうな……」
「あの小さくて可愛かった玲人が、お姉ちゃんから離れるときがついに来たんだね……」
副会長さんと姉さんは号泣。僕と沙奈会長がキスしただけだけれど、見る人によって想うことは違うんだな。
「ここまで反響があると責任重大だね、玲人君」
「そうですね」
「さっそく私達の愛の結晶を作った方がいいんじゃない? そこにベッドもあるし……」
「それは追々考えましょうね」
沙奈会長と一緒に幸せな時間を過ごしていって、会長と付き合って良かったよねと言われるようにならないと。それが琴葉に対する精一杯の誠意だと思う。
「でも、これでようやく玲人君を心身共に私のものになってくれた。……嬉しい。でも、いつかはこうなるって信じてたよ。ずっと見てきたもん。私、玲人君のためなら全てを捧げる覚悟があるからね」
そう言って、沙奈会長は僕のことをぎゅっと抱きしめてくる。
「そうですか。……逆に言えば、沙奈会長だって心身共に僕のものですよ」
「……凄くキュンときちゃった」
よほど嬉しかったのか、沙奈会長からキスしてくる。しかも、舌まで入れてきて。2人きりならまだしも、みんなの前でここまでのキスをするのは恥ずかしいから正直しないでほしい。
「私の心も体も玲人君のもの。だから……好きにしてくれていいんだよ?」
「分かりました。ずっと僕と側にいてくださいね」
「うん! 浮気したらぶっ殺すから!」
ここまで可愛らしく「ぶっ殺す」と言う人は他にいないだろう。
高校生になってからおよそ1ヶ月。色々なことを経て、濃密な時間を過ごし……僕は沙奈会長という恋人ができた。彼女の愛はとても重い気がするけれど、好きな人からの気持ちだ。彼女の想いを抱きしめられる人間になっていこう。そう心に誓うのであった。
1
あなたにおすすめの小説
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編8-お泊まり女子会編-が完結しました!(2025.6.17)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2025.12.18)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる