肉便器エンド!? それって最高じゃん

いちみやりょう

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9:稽古

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「皇太子殿下、本日はお茶会にお招きいただきありがとうございます」
「そろそろクライブと呼んでくれないか。私たちは、貴族学園を卒業後は夫夫になるのだから」

3度目になるお茶会に招待され、本日は帝城の庭園で皇太子と顔を合わせていた。

「はい。では、クライブ様とお呼びいたします」
「ああ」

嬉しそうに目尻を下げてふわりと笑ったクライブは、まるで天使のようだ。
この天使が、将来かなりの美丈夫に成長し、俺を最高のエンドに導いてくれるのだと思うと、跪いて靴でも舐めたくなる。

「バトラルは、家ではどのように生活しているんだ?」
「どのように……。そうですね、最近はもっぱら筋トレや走り込みなどをしています」
「食事は?」
「え?」
「食事はちゃんと食べているのか?」

クライブの質問に、どうしてそのようなことを聞くのか一瞬疑問に思ったが、次の瞬間には理解した。

「ああ! ちゃんとタンパク質を多く摂れるように料理長と相談して出してもらってますよ」
「……そうか」

クライブはただそう言って頷いたが、筋トレ仲間としては、どのような食事をしているのか気になるところなのかもしれない。

「よろしければ、今度夕飯をご一緒しませんか? 父と料理長には伝えておきますので」
「っ。ああ。それはぜひ」
「クライブ様の食事も気になります」
「では、今度バトラルの分も用意させよう」
「ありがとうございます」

俺が体を鍛える理由としては、体はきちんと鍛えているのに、圧倒的力で負け、犯されるというシチュエーションに萌えるのもあるが、単に、鍛えている間の苦しさや辛さが好きというのもある。

「前に、剣術や体力づくりを一緒にしようと言ったのを覚えているか?」
「はい。もちろんです」
「帝城に来てくれれば、毎日でも稽古をつけてもらえる。それも、剣術の指南役はボートルニア帝国一の剣術の使い手のバイロンだ」
「えぇ!? バイロン様と言ったらあの伝説の黒の鬼神の? でも……よろしいんですか?」

バイロンといえば前の戦でかなりの戦果を上げ、現在はボートルニア帝国軍で数個の部隊を束ねている人で、帝国内の大体の少年の憧れだ。冷戦状態の今は、クライブに剣の稽古をつけているのだろう。敵にはもちろんのこと、時には味方にすら容赦のない対応をするという冷酷の軍人とささやかれる彼の人は、ゲームの中でも攻略することのできる人物だ。

「ああ。と言ってもバイロンはかなりスパルタだから、無理にとは」
「お願いします!!」
「あ、ああ」

かなりスパルタという言葉に、真っ先に飛びついた俺は、早速翌日から帝城に通わせてもらえることになった。伯爵領は帝都から離れているが、帝都内にある伯爵邸は近いので簡単に通うことができる。

『では、明日から馬車で迎えに行くので、朝の10時には支度を終えておいてくれ』

そう言ったクライブは、いくら断っても迎えにくることを覆さなかった。
伯爵家にだって立派な馬車があるし、近い距離とは言え片道20分はかかる距離をわざわざ皇太子自ら迎えに来てもらうのは気が引けたが、頑として譲らない態度のクライブに、最終的に俺が折れて迎えに来てもらうことに決定したのだ。
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