肉便器エンド!? それって最高じゃん

いちみやりょう

文字の大きさ
70 / 99

58:信頼

しおりを挟む
「ごめ、すみませんっ。こんなこと次は、間違えないから! どうすれば良い、どうすれば……」
「っ、きん、でる……おちついて、だいじょ、ぶらだから」
「でもっ」

取り乱しているキンデルを宥めてみても、ちっとも落ち着いてはくれない。俺も俺で、自分の発情で手一杯で、対処なんてまるでできずに、ただ狼狽るばかりだ。以前にも似たようなことがあった。ルカの兄、ジョーダンの手によって体に力が入らなくなる薬を盛られた時だ。本当に俺は警戒心のかけらもなく、何も成長していないらしい。お茶の味に確かに違和感をもったはずなのに、何も考えずに飲んだのだから。
それに、お茶を入れたのはキンデルだとは言え、俺はキンデルよりも3つも年上なのだから、狼狽えているキンデルを落ち着かせ問題解決まで導かないといけない立場だ。

「だいじょぶ、ルカが、ふぅ……、なんとかしてくれる」

結局、頭が働かない中、考え抜いて出した言葉はそれだけだった。他力本願な言葉だ。
けれども優秀なルカはきっとどうにかしてくれるだろうという信頼があった。
ルカが廊下に出てからしばらくは、外が騒がしかったが、急に静かになった。
さすがに俺ももう我慢できそうにない。
次にここに入ってきたのがクライブやバイロンでなかったら、俺はまだ子供のキンデルによからぬことをしてしまうかもしれない。うっすらとそんなことを考えている時だった。

ガチャリ。

「っ」

扉が開いて入ってきたのは、先ほど出て行ったはずのルカだった。

「バトラル様。申し訳ございません。只今、皇太子殿下も、ダッシュライド公爵閣下も、すぐに来られる場所におられないそうです。それでも急いで伝令を出しておりますが……」
「も、むりぃ……おねが、ルカぁ。縛って、きんでる、ぁ、おそいそぅ」
「っ、襲ってくださいっ!! 僕、そうされたら嬉しいですっ!」

俺に伸びてきたキンデルの手は、しかし、ルカの手によって防がれた。

「何を馬鹿なことを。キンデル、あなたはまだ子供です。高位貴族のアルファが受ける房時教育も済ませてはいないでしょう」
「ルカぁ、んんっ……も、我慢できない、よぉ」

その手の作用のある茶を飲んだあと、だいぶ長い放置プレイだ。
さすがの俺でも我慢の限界だ。
ドロドロのぐちゃぐちゃにされたい。
けれど、この状況で誰からも手を出してもらえないというのも、相当に惨めでそれはそれで興奮する、難儀な性癖なのである。

興奮のしすぎか、力加減のできなくなった手でモジモジ、ゴシゴシと、下半身を乱暴に慰めていると、ルカがその手の上にそっと手を乗せて、やんわりと諫めてきた。そして、ルカはそのままキンデルに顔を向けた。

「キンデル、自室に戻っていなさい」
「っ、でもっ」
「キンデル」
「…………はい」

キンデルは不満げだったが、ルカの圧に押されて渋々と言うふうに小さく頷いて、扉から出て行った。

しおりを挟む
感想 51

あなたにおすすめの小説

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放

大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。 嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。 だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。 嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。 混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。 琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う―― 「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」 知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。 耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。

処理中です...