肉便器エンド!? それって最高じゃん

いちみやりょう

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67:辺境伯領へ

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ギースベルト辺境伯寮までの道のりは、強い騎士をつけられたし、立派な馬車を用意してもらえた。俺がいくらドマゾといえど生活の中にまでドマゾ心を持ち出すつもりは……まぁ、あったりなかったりするが、3週間ほどかかる移動の間使う馬車がボロボロよりは、乗り心地が良い方が良い。
魔道具の開発が進めば、辺境伯と帝都まで一瞬で移動することもできるようになるらしいと噂されているが、今は地道に進むしかない。
けれども、3人もいる夫は、1人も来ることはできなかった。
彼らには地位があり、それぞれに重要な仕事を任されている。だから、3、4ヶ月も帝都を離れることはままならないのだ。その上、辺境伯は俺が1人で来ることを望んでいるらしい。国境を守っている辺境伯爵の地位は絶大で、発言権は皇帝に次ぐといわれている。そういうこともあって、現在馬車の中に俺は1人だ。
まぁクライブやバイロン、ルカの3人とも城を出る時まで全力で心配していたし一緒に行きたがっていたけれど。

高級馬車とはいえ、舗装などほとんどされていない道はガタガタと揺れ座っているとお尻がかなり痛い。痛いプレイは好きだが、こういうのは違うんだよなあと独りごちた。まぁけれどクッションをしこたま引いて寝転がっていれば気になることもない。

御行儀が悪かろうが、誰も見る人はいないのだからと、そうして寝転がって過ごして3週間。
やっと馬車は目的地であるギースベルト辺境伯鄭に着いたらしい。

ガチャリと馬車のドアが突然空いて、俺は寝転がったままそちらを見た。

「はっ。良い御行儀だな」

ドアを開けたらしい少年が小馬鹿にするような声をあげた。

「すみません。ノックもなしにドアを開ける方がいらっしゃるとは思いませんでしたので」

そんな風に返しながら相手を観察した。
艶がある深い紺色の髪と瞳。鼻筋は通り眼光は鋭い。世間一般的にはイケメンと呼ばれる人相の男だが、眉間のシワをなくせばさらに良いだろう。少なくとも2、3歳は年下に見えるが、いくら年下だったり子供だったりしても俺は顔の整った男は嫌いだ。

「お前がバトラルか!」

声変わりしたばかりのような声で叫ばれ、俺は疲れた体を慣らすように少し伸びをして姿勢を正しながら少年を見据えた。

「そうですよ。君はギースベルト辺境伯の……甥っ子さんですか?」

尋ねると、少年はさらに機嫌が悪くなったような顔をした。

「違う!」
「そうですか。それは失礼いたしました。実は僕はギースベルト辺境伯様との顔合わせに来たのですが、もしも居場所を知っていらしたら、ギースベルト辺境伯様のところへ案内していただけませんか?」
「っ、ふざけるな!!!」

どの部分が怒りを買ったのか分からないが、少年は見る見るうちに顔を真っ赤にして怒り、屋敷の中に入っていってしまった。

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